wave --- WAVファイルの読み書き

ソースコード: Lib/wave.py


wave モジュールは、WAVサウンドフォーマットへの便利なインターフェイスを提供するモジュールです。このモジュールは圧縮/展開をサポートしていませんが、モノラル/ステレオには対応しています。

wave モジュールは、以下の関数と例外を定義しています:

wave.open(file, mode=None)

file が文字列ならその名前のファイルを開き、そうでないなら file like オブジェクトとして扱います。 mode は以下のうちのいずれかです:

'rb'

読み出しのみのモード。

'wb'

書き込みのみのモード。

WAVファイルに対して読み込み/書き込み両方のモードで開くことはできないことに注意して下さい。

mode'rb' の場合 Wave_read オブジェクトを返し、 'wb' の場合 Wave_write オブジェクトを返します。 mode が省略されていて、 file-like オブジェクトが file として渡されると、 file.modemode のデフォルト値として使われます。

file like オブジェクトを渡した場合、 wave オブジェクトの close() メソッドを呼び出してもその file like オブジェクトを close しません。 file like オブジェクトの close は呼び出し側の責任になります。

open() 関数は with 文とともに使うことができます。 with ブロックが終わるときに、 Wave_read.close() メソッドまたは Wave_write.close() メソッドが呼ばれます。

バージョン 3.4 で変更: シーク不能なファイルのサポートが追加されました。

wave.openfp(file, mode)

open() と同義。後方互換性のために残されています。

Deprecated since version 3.7, will be removed in version 3.9.

exception wave.Error

WAVの仕様を犯したり、実装の欠陥に遭遇して何か実行不可能となった時に発生するエラー。

Wave_read オブジェクト

open() によって返される Wave_read オブジェクトには、以下のメソッドがあります:

Wave_read.close()

wave によって開かれていた場合はストリームを閉じ、このオブジェクトのインスタンスを使用できなくします。これはオブジェクトのガベージコレクション時に自動的に呼び出されます。

Wave_read.getnchannels()

オーディオチャンネル数(モノラルなら 1 、ステレオなら 2 )を返します。

Wave_read.getsampwidth()

サンプルサイズをバイト数で返します。

Wave_read.getframerate()

サンプリングレートを返します。

Wave_read.getnframes()

オーディオフレーム数を返します。

Wave_read.getcomptype()

圧縮形式を返します( 'NONE' だけがサポートされている形式です)。

Wave_read.getcompname()

getcomptype() を人に判読可能な形にしたものです。通常、 'NONE' に対して 'not compressed' が返されます。

Wave_read.getparams()

get*() メソッドが返すのと同じ (nchannels, sampwidth, framerate, nframes, comptype, compname)namedtuple() を返します。

Wave_read.readframes(n)

最大 n 個のオーディオフレームを読み込んで、 bytes オブジェクトとして返します。

Wave_read.rewind()

ファイルのポインタをオーディオストリームの先頭に戻します。

以下の2つのメソッドは aifc モジュールとの互換性のために定義されており、何も面白いことはしません。

Wave_read.getmarkers()

None を返します。

Wave_read.getmark(id)

エラーを発生します。

以下の2つのメソッドは共通の"位置"を定義しています。"位置"は他の関数とは独立して実装されています。

Wave_read.setpos(pos)

ファイルのポインタを指定した位置に設定します。

Wave_read.tell()

ファイルの現在のポインタ位置を返します。

Wave_write オブジェクト

seek 可能な出力ストリームでは、実際に書き込まれたフレーム数を反映するように wave ヘッダーは自動的にアップデートされます。 seek 不能なストリームでは、最初のフレームデータが書き込まれる時には nframes の値は正確でなければなりません。 nframes の正確な値は、 close() が呼ばれる前に書き込まれるフレーム数とともに setnframes() または setparams() を呼んで、その後 writeframesraw() を利用してフレームデータを書くか、もしくはすべての書き込むべきフレームデータとともに writeframes() を呼び出すことによって達成できます。後者のケースでは、 writeframes() はフレームデータを書く前に、データ中のフレームの数を計算して、それに応じて nframes を設定します。

open() によって返される Wave_write オブジェクトには、以下のメソッドがあります:

バージョン 3.4 で変更: シーク不能なファイルのサポートが追加されました。

Wave_write.close()

nframes が正しいか確認して、ファイルが wave によって開かれていた場合は閉じます。このメソッドはオブジェクトがガベージコレクションされるときに呼び出されます。もし出力ストリームがシーク不能で、 nframes が実際に書き込まれたフレームの数と一致しなければ、例外が起きます。

Wave_write.setnchannels(n)

チャンネル数を設定します。

Wave_write.setsampwidth(n)

サンプルサイズを n バイトに設定します。

Wave_write.setframerate(n)

サンプリングレートを n に設定します。

バージョン 3.2 で変更: 整数ではない値がこのメソッドに入力された場合は、直近の整数に丸められます。

Wave_write.setnframes(n)

フレーム数を n に設定します。もし実際に書き込まれたフレームの数と異なるなら、これは後で変更されます (出力ストリームがシーク不能なら、更新しようとした時にエラーが起きます)。

Wave_write.setcomptype(type, name)

圧縮形式とその記述を設定します。現在のところ、非圧縮を示す圧縮形式 NONE だけがサポートされています。

Wave_write.setparams(tuple)

この tuple(nchannels, sampwidth, framerate, nframes, comptype, compname) でなければならず、その値はそれぞれの set*() メソッドで有効でなければなりません。すべてのパラメータを設定します。

Wave_write.tell()

ファイルの中の現在位置を返します。 Wave_read.tell()Wave_read.setpos() メソッドでお断りしたことがこのメソッドにも当てはまります。

Wave_write.writeframesraw(data)

nframes の修正なしにオーディオフレームを書き込みます。

バージョン 3.4 で変更: どのような bytes-like object も使用できるようになりました。

Wave_write.writeframes(data)

出力ストリームが seek 不可能で、 data が書き込まれた後でそれ以前に nframes に設定された値と書き込まれた全フレーム数が一致しなければ、エラーを送出します。

バージョン 3.4 で変更: どのような bytes-like object も使用できるようになりました。

writeframes()writeframesraw() メソッドを呼び出したあとで、どんなパラメータを設定しようとしても不正となることに注意して下さい。そうすると wave.Error を発生します。