time
--- 時刻データへのアクセスと変換¶
このモジュールでは、時刻に関するさまざまな関数を提供します。関連した機能について、datetime
, calendar
モジュールも参照してください。
このモジュールは常に利用可能ですが、すべての関数がすべてのプラットフォームで利用可能なわけではありません。このモジュールで定義されているほとんどの関数は、プラットフォーム上の同名の C ライブラリ関数を呼び出します。これらの関数に対する意味付けはプラットフォーム間で異なるため、プラットフォーム提供のドキュメントを読んでおくと便利でしょう。
まずいくつかの用語の説明と慣習について整理します。
エポック (epoch) は時刻の起点のことで、これはプラットフォーム依存です。 Unix では、エポックは (UTC で) 1970 年 1 月 1 日 0 時 0 分 0 秒です。 与えられたプラットフォームでエポックが何なのかを知るには、
time.gmtime(0)
の値を見てください。
エポック秒 (seconds since the epoch) は、エポックからの総経過秒数を示していますが、たいていはうるう秒 (leap seconds) は含まれていません。 全ての POSIX 互換のプラットフォームで、うるう秒はこの総秒数には含まれません。
このモジュールの中の関数は、エポック以前あるいは遠い未来の日付や時刻を扱うことができません。将来カットオフ(関数が正しく日付や時刻を扱えなくなる)が起きる時点は、C ライブラリによって決まります。32-bit システムではカットオフは通常 2038 年です。
関数
strptime()
は%y
書式コードが与えられた時に 2 桁の年表記を解析できます。2 桁の年を解析する場合、それらは POSIX および ISO C 標準に従って変換されます: 69-99 の西暦年は 1969-1999 となり、0–68 の西暦年は 2000–2068 になります。
UTC は協定世界時 (Coordinated Universal Time) のことです (以前はグリニッジ標準時または GMT として知られていました)。UTC の頭文字の並びは誤りではなく、英仏の妥協によるものです。
DST は夏時間 (Daylight Saving Time) のことで、一年のうちの一定期間に 1 時間タイムゾーンを修正することです。DST のルールは不可思議で (地域ごとに法律で定められています)、年ごとに変わることもあります。C ライブラリはローカルルールを記したテーブルを持っており (柔軟に対応するため、たいていはシステムファイルから読み込まれます)、この点に関しては唯一の真実の知識の源です。
多くの現時刻を返す関数 (real-time functions) の精度は、値や引数を表現するために使う単位から想像されるよりも低いかも知れません。例えば、ほとんどの Unix システムにおいて、クロックの 1 ティックの精度は 50 から 100 分の 1 秒に過ぎません。
一方、
time()
およびsleep()
は Unix の同等の関数よりましな精度を持っています。時刻は浮動小数点数で表され、time()
は可能なかぎり最も正確な時刻を (Unix のgettimeofday()
があればそれを使って) 返します。またsleep()
にはゼロでない端数を与えることができます (Unix のselect()
があれば、それを使って実装しています)。gmtime()
,localtime()
,strptime()
が返す時刻値、およびasctime()
,mktime()
,strftime()
がとる時刻値は 9 個の整数からなるシーケンスです。gmtime()
,localtime()
,strptime()
の戻り値は個々の値を属性名で取得することもできます。これらのオブジェクトについての解説は
struct_time
を参照してください。バージョン 3.3 で変更:
struct_time
オブジェクトは、プラットフォームが、対応するstruct tm
メンバーをサポートしている場合、tm_gmtoff
およびtm_zone
属性が拡張されるようになりました。バージョン 3.6 で変更:
struct_time
の属性tm_gmtoff
およびtm_zone
が全てのプラットフォームで利用できるようになりました。時間の表現を変換するには、以下の関数を利用してください:
対象
変換先
関数
エポックからの秒数
UTC の
struct_time
エポックからの秒数
ローカル時間の
struct_time
UTC の
struct_time
エポックからの秒数
ローカル時間の
struct_time
エポックからの秒数
関数¶
-
time.
asctime
([t])¶ gmtime()
やlocaltime()
が返す時刻を表現するタプルまたはstruct_time
を、'Sun Jun 20 23:21:05 1993'
といった書式の文字列に変換します。t が与えられていない場合には、localtime()
が返す現在の時刻が使われます。asctime()
はロケール情報を使いません。注釈
同名の C の関数と違って、
asctime()
は末尾に改行文字を加えません。
-
time.
clock
()¶ Unix では、現在のプロセッサー時間秒を浮動小数点数で返します。時刻の精度および "プロセッサー時間" の定義そのものは同じ名前の C 関数に依存します。
Windows では、最初にこの関数が呼び出されてからの経過時間を wall-clock 秒で返します。この関数は Win32 関数
QueryPerformanceCounter()
に基づいていて、その精度は通常 1 マイクロ秒以下です。Deprecated since version 3.3, will be removed in version 3.8: この関数の挙動はプラットフォームに依存します: 必要に応じて挙動が明確に定義されている
perf_counter()
またはprocess_time()
を使用してください。
-
time.
pthread_getcpuclockid
(thread_id)¶ Return the clk_id of the thread-specific CPU-time clock for the specified thread_id.
Use
threading.get_ident()
or theident
attribute ofthreading.Thread
objects to get a suitable value for thread_id.警告
Passing an invalid or expired thread_id may result in undefined behavior, such as segmentation fault.
利用可能な環境: Unix (更なる情報については pthread_getcpuclockid(3) の man を参照してください)。
バージョン 3.7 で追加.
-
time.
clock_getres
(clk_id)¶ 指定された clk_id クロックの分解能(精度)を返します。 clk_id として受け付けられる値の一覧は Clock ID Constants を参照してください。
利用可能な環境: Unix。
バージョン 3.3 で追加.
-
time.
clock_gettime
(clk_id) → float¶ 指定された clk_id クロックの時刻を返します。 clk_id として受け付けられる値の一覧は Clock ID Constants を参照してください。
利用可能な環境: Unix。
バージョン 3.3 で追加.
-
time.
clock_gettime_ns
(clk_id) → int¶ clock_gettime()
に似ていますが、ナノ秒単位の時刻を返します。利用可能な環境: Unix。
バージョン 3.7 で追加.
-
time.
clock_settime
(clk_id, time: float)¶ 指定された clk_id クロックの時刻を設定します。 現在、
CLOCK_REALTIME
は clk_id が受け付ける唯一の値です。利用可能な環境: Unix。
バージョン 3.3 で追加.
-
time.
clock_settime_ns
(clk_id, time: int)¶ clock_settime()
に似ていますが、ナノ秒単位の時刻を設定します。利用可能な環境: Unix。
バージョン 3.7 で追加.
-
time.
ctime
([secs])¶ エポックからの経過秒数で表現された時刻を、ローカルの時刻を表現する文字列に変換します。secs を指定しないか
None
を指定した場合、time()
が返す値を現在の時刻として使用します。ctime(secs)
はasctime(localtime(secs))
と等価です。ローカル情報はctime()
には使用されません。
-
time.
get_clock_info
(name)¶ 指定されたクロックの情報を名前空間オブジェクトとして取得します。サポートされているクロック名およびそれらの値を取得する関数は以下の通りです:
'clock'
:time.clock()
'monotonic'
:time.monotonic()
'perf_counter'
:time.perf_counter()
'process_time'
:time.process_time()
'thread_time'
:time.thread_time()
'time'
:time.time()
結果は以下の属性をもちます:
adjustable: 自動 (NTP デーモンによるなど) またはシステム管理者による手動で変更できる場合は
True
、それ以外の場合はFalse
になります。implementation: クロック値を取得するために内部で使用している C 関数の名前です。 使える値については Clock ID Constants を参照してください。
monotonic: クロック値が後戻りすることがない場合
True
が、そうでない場合はFalse
になります。resolution: クロックの分解能を秒 (
float
) で表します。
バージョン 3.3 で追加.
-
time.
gmtime
([secs])¶ エポックからの経過時間で表現された時刻を、UTC で
struct_time
に変換します。このとき dst フラグは常にゼロとして扱われます。secs を指定しないかNone
を指定した場合、time()
が返す値を現在の時刻として使用します。秒の端数は無視されます。struct_time
オブジェクトについては前述の説明を参照してください。calendar.timegm()
はこの関数と逆の変換を行います。
-
time.
localtime
([secs])¶ gmtime()
に似ていますが、ローカル時間に変換します。secs を指定しないかNone
を指定した場合、time()
が返す値を現在の時刻として使用します。DST が適用されている場合は dst フラグには1
が設定されます。
-
time.
mktime
(t)¶ localtime()
の逆を行う関数です。引数はstruct_time
か 9 個の要素すべての値を持つ完全なタプル (dst フラグも必要です; 時刻に DST が適用されるか不明の場合は-1
を使用してください) で、UTC ではなく ローカル 時間を指定します。戻り値はtime()
との互換性のために浮動小数点数になります。入力した値を正しい時刻として表現できない場合、例外OverflowError
またはValueError
が送出されます (どちらが送出されるかは、無効な値を受け取ったのが Python と下層の C ライブラリのどちらなのかによって決まります)。この関数で時刻を生成できる最も古い日付はプラットフォームに依存します。
-
time.
monotonic
() → float¶ モノトニッククロックの値 (小数点以下がミリ秒) を返します。戻り値の基準点は定義されていませんが、このクロックは値が後戻りすることはなく、システムクロックの更新の影響も受けません。すなわち、モノトニック時間の重要な点はその値ではなく、値が厳密に増加していくことが保証されている点です。このため、正しい利用法は、呼び出した 2 点間の時間差を計測することです。
バージョン 3.3 で追加.
バージョン 3.5 で変更: この関数は、常に利用でき、常にシステム全域で使えるようになりました。
-
time.
monotonic_ns
() → int¶ monotonic()
に似ていますが、ナノ秒単位の時刻を返します。バージョン 3.7 で追加.
-
time.
perf_counter
() → float¶ パフォーマンスカウンターの値 (小数点以下がミリ秒) を返します。クロックは短期間の計測が行えるよう、可能な限り高い分解能をもちます。これにはスリープ中の経過時間も含まれ、システム全体で一意です。
バージョン 3.3 で追加.
-
time.
perf_counter_ns
() → int¶ perf_counter()
に似ていますが、ナノ秒単位の時刻を返します。バージョン 3.7 で追加.
-
time.
process_time
() → float¶ 現在のプロセスのシステムおよびユーザー CPU 時間の合計値 (小数点以下はミリ秒) を返します。プロセスごとに定義され、スリープ中の経過時間は含まれません。戻り値の参照点は定義されていないため、正しい利用法は、呼び出した 2 点間の時間差を計測することです。
バージョン 3.3 で追加.
-
time.
process_time_ns
() → int¶ process_time()
に似ていますが、ナノ秒単位の時刻を返します。バージョン 3.7 で追加.
-
time.
sleep
(secs)¶ 与えられた秒数の間、呼び出したスレッドの実行を停止します。より精度の高い実行停止時間を指定するために、引数は浮動小数点にしてもかまいません。何らかのシステムシグナルがキャッチされた場合、それに続いてシグナル処理ルーチンが実行され、
sleep()
を停止します。従って実際の実行停止時間は要求した時間よりも短くなるかもしれません。また、システムが他の処理をスケジュールするために、実行停止時間が要求した時間よりも多少長い時間になることもあります。バージョン 3.5 で変更: スリープがシグナルに中断されてもシグナルハンドラが例外を送出しない限り、少なくとも secs だけスリープするようになりました (論拠については PEP 475 を参照してください)。
-
time.
strftime
(format[, t])¶ gmtime()
やlocaltime()
が返す時刻値タプルまたはstruct_time
を、format で指定した文字列形式に変換します。t が与えられていない場合、localtime()
が返す値を現在の時刻として使用します。format は文字列でなくてはなりません。t のいずれかのフィールドが許容範囲外の数値であった場合、ValueError
を送出します。0 は時刻タプル内のいずれの位置の引数にも使用できます; それが一般に不正な値であれば、正しい値に強制的に置き換えられます。
format 文字列には以下のディレクティブ (指示語) を埋め込むことができます。これらはフィールド長や精度のオプションを付けずに表され、
strftime()
の結果の対応する文字列に置き換えられます:ディレクティブ
意味
注釈
%a
ロケールの短縮された曜日名になります。
%A
ロケールの曜日名になります。
%b
ロケールの短縮された月名になります。
%B
ロケールの月名になります。
%c
ロケールの日時を適切な形式で表します。
%d
月中の日にちの 10 進表記になります [01,31]。
%H
時 (24 時間表記) の 10 進表記になります [00,23]。
%I
時 (12 時間表記) の 10 進表記になります [01,12]。
%j
年中の日にちの 10 進表記になります [001,366]。
%m
月の 10 進表記になります [01,12]。
%M
分の 10 進表記になります [00,59]。
%p
ロケールの AM もしくは PM と等価な文字列になります。
(1)
%S
秒の 10 進表記になります [00,61]。
(2)
%U
年の初めから何週目か (日曜を週の始まりとします) を表す 10 進数になります [00,53]。年が明けてから最初の日曜日までのすべての曜日は 0 週目に属すると見なされます。
(3)
%w
曜日の 10 進表記になります [0 (日曜日),6]。
%W
年の初めから何週目か (月曜を週の始まりとします) を表す 10 進数になります [00,53]。年が明けてから最初の月曜日までの全ての曜日は 0 週目に属すると見なされます。
(3)
%x
ロケールの日付を適切な形式で表します。
%X
ロケールの時間を適切な形式で表します。
%y
西暦の下 2 桁の 10 進表記になります [00,99]。
%Y
西暦 (4桁) の 10 進表記を表します。
%z
タイムゾーンと UTC/GMT との時差を表す正または負の時間を +HHMM、-HHMM で表します。H は時間の、M は分の 10 進表記になります [-23:59, +23:59]。
%Z
タイムゾーンの名前を表します (タイムゾーンがない場合には空文字列)。
%%
文字
'%'
を表します。注釈:
strptime()
関数で使う場合、%p
ディレクティブが出力結果の時刻フィールドに影響を及ぼすのは、時刻を解釈するために%I
を使ったときのみです。値の幅は実際に
0
から61
です;60
は うるう秒<leap seconds> を表し、61
は歴史的理由によりサポートされています。strptime()
関数で使う場合、%U
および%W
を計算に使うのは曜日と年を指定したときだけです。
以下に RFC 2822 インターネット電子メール標準で定義されている日付表現と互換の書式の例を示します。 1
>>> from time import gmtime, strftime >>> strftime("%a, %d %b %Y %H:%M:%S +0000", gmtime()) 'Thu, 28 Jun 2001 14:17:15 +0000'
一部のプラットフォームではさらにいくつかのディレクティブがサポートされていますが、標準 ANSI C で意味のある値はここで列挙したものだけです。あなたのプラットフォームでサポートされている書式コードの全一覧については、strftime(3) のドキュメントを参照してください。
一部のプラットフォームでは、フィールドの幅や精度を指定するオプションがディレクティブの先頭の文字
'%'
の直後に付けられるようになっていました; この機能も移植性はありません。フィールドの幅は通常 2 ですが、%j
は例外で 3 です。
-
time.
strptime
(string[, format])¶ 時刻を表現する文字列を書式に従って解釈します。返される値は
gmtime()
やlocaltime()
が返すようなstruct_time
です。format パラメーターは
strftime()
で使うものと同じディレクティブを使います; このパラメーターの値はデフォルトでは"%a %b %d %H:%M:%S %Y"
で、ctime()
が返すフォーマットに一致します。string が format に従って解釈できなかった場合、例外ValueError
が送出されます。解析しようとする string が解析後に余分なデータを持っていた場合、ValueError
が送出されます。欠落したデータについて、適切な値を推測できない場合はデフォルトの値で埋められ、その値は(1900, 1, 1, 0, 0, 0, 0, 1, -1)
です。string も format も文字列でなければなりません。例えば:
>>> import time >>> time.strptime("30 Nov 00", "%d %b %y") time.struct_time(tm_year=2000, tm_mon=11, tm_mday=30, tm_hour=0, tm_min=0, tm_sec=0, tm_wday=3, tm_yday=335, tm_isdst=-1)
%Z
ディレクティブへのサポートはtzname
に収められている値とdaylight
が真かどうかで決められます。このため、常に既知の (かつ夏時間でないと考えられている) UTC や GMT を認識する時以外はプラットフォーム固有の動作になります。ドキュメント内で説明されているディレクティブだけがサポートされています。
strftime()
はプラットフォームごとに実装されているので、説明されていないディレクティブも利用できるかもしれません。しかし、strptime()
はプラットフォーム非依存なので、ドキュメント内でサポートされているとされているディレクティブ以外は利用できません。
-
class
time.
struct_time
¶ gmtime()
,localtime()
およびstrptime()
が返す時刻値シーケンスの型です。これは 名前付きタプル のインタフェースをもったオブジェクトです。値はインデックスでも属性名でもアクセス可能です。以下の値があります:インデックス
属性
値
0
tm_year
(例えば 1993)
1
tm_mon
[1,12] の間の数
2
tm_mday
[1,31] の間の数
3
tm_hour
[0,23] の間の数
4
tm_min
[0,59] の間の数
5
tm_sec
[0,61] の間の数
strftime()
の説明にある (2) を読んで下さい6
tm_wday
[0,6] の間の数、月曜が 0 になります
7
tm_yday
[1,366] の間の数
8
tm_isdst
0, 1 または -1; 以下を参照してください
N/A
tm_zone
タイムゾーンの短縮名
N/A
tm_gmtoff
UTC から東方向へのオフセット (秒)
C の構造体とは異なり、月の値は [0, 11] ではなく [1, 12] であることに注意してください。
mktime()
の呼び出し時に、tm_isdst
は夏時間が有効な場合は 1、そうでない場合は 0 に設定されることがあります。 値が -1 の場合は夏時間について不明なことを表していて、普通tm_isdst
は正しい状態に設定されます。struct_time
を引数とする関数に正しくない長さのstruct_time
や要素の型が正しくないstruct_time
を与えた場合には、TypeError
が送出されます。
-
time.
time
() → float¶ エポック からの秒数を浮動小数点数で返します。 エポックの具体的な日付とうるう秒 (leap seconds) の扱いはプラットフォーム依存です。 Windows とほとんどの Unix システムでは、エポックは (UTC で) 1970 年 1 月 1 日 0 時 0 分 0 秒で、うるう秒はエポック秒の時間の勘定には入りません。 これは一般に Unix 時間 と呼ばれています。 与えられたプラットフォームでエポックが何なのかを知るには、 time.gmtime(0) の値を見てください。
時刻は常に浮動小数点数で返されますが、すべてのシステムが 1 秒より高い精度で時刻を提供するとは限らないので注意してください。 この関数が返す値は通常減少していくことはありませんが、この関数を 2 回呼び出し、その呼び出しの間にシステムクロックの時刻を巻き戻して設定した場合には、以前の呼び出しよりも低い値が返ることがあります。
time()
が返す数値は、gmtime()
関数に渡されて UTC の、あるいはlocaltime()
関数に渡されて現地時間の、より一般的な時間のフォーマット (つまり、年、月、日、時間など) に変換されているかもしれません。 どちらの場合でもstruct_time
オブジェクトが返され、このオブジェクトの属性としてカレンダー日付の構成要素へアクセスできます。
-
time.
thread_time
() → float¶ 現在のスレッドのシステムおよびユーザーの CPU 時間の合計値 (小数点以下ありの秒数) を返します。 スリープ中の経過時間は含まれません。 この値は定義によりスレッドごとの値です。 返り値の参照点は定義されていないため、同一のスレッドで連続して呼び出した返り値の差分のみが有効な値です。
利用可能な環境: Windows, Linux,
CLOCK_THREAD_CPUTIME_ID
をサポートしている Unix システム。バージョン 3.7 で追加.
-
time.
thread_time_ns
() → int¶ thread_time()
に似ていますが、ナノ秒単位の時刻を返します。バージョン 3.7 で追加.
-
time.
tzset
()¶ Reset the time conversion rules used by the library routines. The environment variable
TZ
specifies how this is done. It will also set the variablestzname
(from theTZ
environment variable),timezone
(non-DST seconds West of UTC),altzone
(DST seconds west of UTC) anddaylight
(to 0 if this timezone does not have any daylight saving time rules, or to nonzero if there is a time, past, present or future when daylight saving time applies).利用可能な環境: Unix。
注釈
多くの場合、環境変数
TZ
を変更すると、tzset()
を呼ばない限りlocaltime()
のような関数の出力に影響を及ぼすため、値が信頼できなくなってしまいます。TZ
環境変数には空白文字を含めてはなりません。環境変数
TZ
の標準的な書式は以下の通りです (分かりやすいように空白を入れています):std offset [dst [offset [,start[/time], end[/time]]]]
各値は以下のようになっています:
std
とdst
三文字またはそれ以上の英数字で、タイムゾーンの略称を与えます。この値は time.tzname になります。
offset
オフセットは形式:
± hh[:mm[:ss]]
をとります。この表現は、UTC 時刻にするためにローカルな時間に加算する必要のある時間値を示します。'-' が先頭につく場合、そのタイムゾーンは本初子午線 (Prime Meridian) より東側にあります。それ以外の場合は本初子午線の西側です。オフセットが dst の後ろに続かない場合、夏時間は標準時より一時間先行しているものと仮定します。start[/time], end[/time]
いつ DST に移動し、DST から戻ってくるかを示します。開始および終了日時の形式は以下のいずれかです:
Jn
ユリウス日 (Julian day) n (1 <= n <= 365) を表します。うるう日は計算に含められないため、2 月 28 日は常に 59 で、3 月 1 日は 60 になります。
n
ゼロから始まるユリウス日 (0 <= n <= 365) です。うるう日は計算に含められるため、2 月 29 日を参照することができます。
Mm.n.d
m 月の週 n における d 番目の日 (0 <= d <= 6, 1 <= n <= 5, 1 <= m <= 12) を表します。週 5 は月 m における最終週の d 番目の日を表し、第 4 週か第 5 週のどちらかになります。週 1 は日 d が最初に現れる日を指します。日 0 は日曜日です。
time
はoffset
とほぼ同じで、先頭に符号 ('-' や '+') を付けてはいけないところだけが違います。時刻が指定されていなければ、デフォルトの値 02:00:00 になります。
>>> os.environ['TZ'] = 'EST+05EDT,M4.1.0,M10.5.0' >>> time.tzset() >>> time.strftime('%X %x %Z') '02:07:36 05/08/03 EDT' >>> os.environ['TZ'] = 'AEST-10AEDT-11,M10.5.0,M3.5.0' >>> time.tzset() >>> time.strftime('%X %x %Z') '16:08:12 05/08/03 AEST'
多くの Unix システム (*BSD, Linux, Solaris, および Darwin を含む) では、システムの zoneinfo (tzfile(5)) データベースを使ったほうが、タイムゾーンごとの規則を指定する上で便利です。これを行うには、必要なタイムゾーンデータファイルへのパスをシステムの 'zoneinfo' タイムゾーンデータベースからの相対で表した値を環境変数
TZ
に設定します。システムの 'zoneinfo' は通常/usr/share/zoneinfo
にあります。例えば、'US/Eastern'
、'Australia/Melbourne'
、'Egypt'
ないし'Europe/Amsterdam'
と指定します。>>> os.environ['TZ'] = 'US/Eastern' >>> time.tzset() >>> time.tzname ('EST', 'EDT') >>> os.environ['TZ'] = 'Egypt' >>> time.tzset() >>> time.tzname ('EET', 'EEST')
Clock ID Constants¶
These constants are used as parameters for clock_getres()
and
clock_gettime()
.
-
time.
CLOCK_BOOTTIME
¶ Identical to
CLOCK_MONOTONIC
, except it also includes any time that the system is suspended.This allows applications to get a suspend-aware monotonic clock without having to deal with the complications of
CLOCK_REALTIME
, which may have discontinuities if the time is changed usingsettimeofday()
or similar.利用可能な環境: Linux 2.6.39以上。
バージョン 3.7 で追加.
-
time.
CLOCK_HIGHRES
¶ Solaris OS は任意のハードウェアソースの使用を試み、ナノ秒レベルの分解能を提供する
CLOCK_HIGHRES
タイマーを具備しています。CLOCK_HIGHRES
は変更不可で、高分解能のクロックです。利用可能な環境: Solaris。
バージョン 3.3 で追加.
-
time.
CLOCK_MONOTONIC_RAW
¶ CLOCK_MONOTONIC
と似ていますが、NTP の影響を受けていない、ハードウェアベースの時刻へのアクセスを提供します。利用可能な環境: Linux 2.6.28以上、macOS 10.12以上。
バージョン 3.3 で追加.
-
time.
CLOCK_UPTIME
¶ Time whose absolute value is the time the system has been running and not suspended, providing accurate uptime measurement, both absolute and interval.
利用可能な環境: FreeBSD、OpenBSD 5.5以上。
バージョン 3.7 で追加.
The following constant is the only parameter that can be sent to
clock_settime()
.
Timezone Constants¶
-
time.
altzone
¶ ローカルの夏時間タイムゾーンにおける UTC からの時刻オフセットで、西に行くほど増加する、秒で表した値です (ほとんどの西ヨーロッパでは負になり、アメリカでは正、イギリスではゼロになります)。
daylight
がゼロでないときのみ使用してください。以下の注釈を参照してください。
-
time.
daylight
¶ DST タイムゾーンが定義されている場合ゼロでない値になります。以下の注釈を参照してください。
-
time.
timezone
¶ (DST でない) ローカルタイムゾーンの UTC からの時刻オフセットで、西に行くほど増加する秒で表した値です (ほとんどの西ヨーロッパでは負になり、アメリカでは正、イギリスではゼロになります)。以下の注釈を参照してください。
-
time.
tzname
¶ 二つの文字列からなるタプルです。最初の要素は DST でないローカルのタイムゾーン名です。ふたつめの要素は DST のタイムゾーンです。DST のタイムゾーンが定義されていない場合。二つ目の文字列を使うべきではありません。以下の注釈を参照してください。
注釈
For the above Timezone constants (altzone
, daylight
, timezone
,
and tzname
), the value is determined by the timezone rules in effect
at module load time or the last time tzset()
is called and may be incorrect
for times in the past. It is recommended to use the tm_gmtoff
and
tm_zone
results from localtime()
to obtain timezone information.
参考
datetime
モジュール日付と時刻に対する、よりオブジェクト指向のインタフェースです。
locale
モジュール国際化サービスです。ロケールの設定は
strftime()
およびstrptime()
の多くの書式指定子の解釈に影響を及ぼします。calendar
モジュール
脚注