1. コマンドラインと環境

CPython インタプリタはコマンドラインと環境を読み取って様々な設定を行ないます。

CPython 実装の詳細: 他の実装のコマンドラインスキームは CPython とは異なります。さらなる情報は 別のPythonの実装 を参照してください。

1.1. コマンドライン

Python を起動するとき、以下のうち任意のオプションを指定できます:

python [-bBdEhiIOPqRsSuvVWx?] [-c command | -m module-name | script | - ] [args]

もちろん、もっとも一般的な利用方法は、単純にスクリプトを起動することです:

python myscript.py

1.1.1. インターフェイスオプション

インタプリタのインターフェイスは UNIX シェルのものに似ていますが、より多くの起動方法を提供しています:

  • When called with standard input connected to a tty device, it prompts for commands and executes them until an EOF (an end-of-file character, you can produce that with Ctrl-D on UNIX or Ctrl-Z, Enter on Windows) is read. For more on interactive mode, see 対話モード.

  • ファイル名引数か、標準入力としてファイルを渡された場合、そのファイルからスクリプトを読み込んで実行します。

  • ディレクトリ名を引数に受け取った場合、そのディレクトリから適切な名前のスクリプトファイルを読み込んで実行します。

  • -c コマンド オプションを利用して起動された場合、 コマンド として渡された Python の文を実行します。 コマンド の部分には改行で区切られた複数行を指定することもできます。行の先頭の空白文字は Python 文の重要要素です!

  • -m モジュール名 として Python モジュールパスにあるモジュールを指定された場合、そのモジュールをスクリプトとして実行します。

非インタラクティブモードでは、入力の全体が実行前にパースされます。

インタプリタによって消費されるオプションリストが終了したあと、継続する全ての引数は sys.argv に渡ります。 -- ただし、添字 0 の先頭要素(sys.argv[0]) はプログラムのソース自体を示す文字列です。

-c <command>

command 内の Python コードを実行します。 command は改行によって区切られた1行以上の文です。通常のモジュールのコードと同じく、行頭の空白文字は意味を持ちます。

このオプションが指定された場合、 sys.argv の最初の要素は "-c" になり、カレントディレクトリが sys.path の先頭に追加されます (そのディレクトリにあるモジュールをトップレベルモジュールとして import 出来るようになります)。

引数 command を指定して 監査イベント cpython.run_command を送出します。

-m <module-name>

sys.path から指定されたモジュール名のモジュールを探し、その内容を __main__ モジュールとして実行します。

引数は module 名なので、拡張子 (.py) を含めてはいけません。モジュール名は有効な Python の絶対モジュール名 (absolute module name) であるべきですが、実装がそれを強制しているとは限りません (例えば、ハイフンを名前に含める事を許可するかもしれません)。

パッケージ名 (名前空間パッケージも含む) でも構いません。通常のモジュールの代わりにパッケージ名が与えられた場合、インタプリタは <pkg>.__main__ を main モジュールとして実行します。この挙動はスクリプト引数として渡されたディレクトリや zip ファイルをインタプリタが処理するのと意図的に同じにしています。

注釈

このオプションは組み込みモジュールや C で書かれた拡張モジュールには利用できません。 Python モジュールファイルを持っていないからです。しかし、コンパイル済みのモジュールは、たとえ元のソースファイルがなくても利用可能です。

このオプションが指定された場合、 sys.argv の最初の要素はモジュールファイルのフルパスになります (モジュールファイルを検索している間、最初の要素は "-m" に設定されます)。 -c オプションと同様に、カレントディレクトリが sys.path の先頭に追加されます。

-I option can be used to run the script in isolated mode where sys.path contains neither the current directory nor the user's site-packages directory. All PYTHON* environment variables are ignored, too.

多くの標準ライブラリモジュールにはスクリプトとして実行された時のためのコードがあります。例えば、 timeit モジュールは次のように実行可能です:

python -m timeit -s "setup here" "benchmarked code here"
python -m timeit -h # for details

引数 module-name を指定して 監査イベント cpython.run_module を送出します。

参考

runpy.run_module()

Python コードで直接使える等価な機能

PEP 338 - モジュールをスクリプトとして実行する

バージョン 3.1 で変更: __main__ サブモジュールを実行するパッケージ名が提供されました。

バージョン 3.4 で変更: 名前空間パッケージもサポートされました

-

標準入力 (sys.stdin) からコマンドを読み込みます。標準入力がターミナルだった場合、暗黙的に -i オプションが指定されます。

このオプションが指定された場合、 sys.argv の最初の要素は "-" で、カレントディレクトリが sys.path の先頭に追加されます。

引数無しで 監査イベント cpython.run_stdin を送出します。

<script>

script 内の Python コードを実行します。 script は、Python ファイル、 __main__.py ファイルがあるディレクトリ、 __main__.py ファイルがある zip ファイルのいずれかの、ファイルシステム上の (絶対または相対) パスでなければなりません。

このオプションが指定された場合、 sys.argv の最初の要素はコマンドラインで指定されたスクリプト名になります。

スクリプト名が Python ファイルを直接指定していた場合、そのファイルを含むディレクトリが sys.path の先頭に追加され、そのファイルは __main__ モジュールとして実行されます。

スクリプト名がディレクトリか zip ファイルを指定していた場合、スクリプト名が sys.path に追加され、その中の __main__.py ファイルが __main__ モジュールとして実行されます。

-I option can be used to run the script in isolated mode where sys.path contains neither the script's directory nor the user's site-packages directory. All PYTHON* environment variables are ignored, too.

引数 filename を指定して 監査イベント cpython.run_file を送出します。

参考

runpy.run_path()

Python コードで直接使える等価な機能

インターフェイスオプションが与えられなかった場合、-i が暗黙的に指定され、sys.argv[0] が空の文字列 ("") になり、 現在のディレクトリが sys.path の先頭に追加されます。また、利用可能であればタブ補完と履歴編集が自動的に有効かされます (readline の設定 を参照してください)。

バージョン 3.4 で変更: タブ補完と履歴の編集が自動的に有効化されます。

1.1.2. 一般オプション

-?
-h
--help

Print a short description of all command line options and corresponding environment variables and exit.

--help-env

Print a short description of Python-specific environment variables and exit.

Added in version 3.11.

--help-xoptions

Print a description of implementation-specific -X options and exit.

Added in version 3.11.

--help-all

Print complete usage information and exit.

Added in version 3.11.

-V
--version

Python のバージョン番号を表示して終了します。出力の例:

Python 3.8.0b2+

2つ指定すると、次のようにより多くのビルドの情報を表示します:

Python 3.8.0b2+ (3.8:0c076caaa8, Apr 20 2019, 21:55:00)
[GCC 6.2.0 20161005]

Added in version 3.6: -VV オプション。

1.1.3. その他のオプション

-b

Issue a warning when converting bytes or bytearray to str without specifying encoding or comparing bytes or bytearray with str or bytes with int. Issue an error when the option is given twice (-bb).

バージョン 3.5 で変更: Affects also comparisons of bytes with int.

-B

与えられた場合、Python はソースモジュールのインポート時に .pyc ファイルの作成を試みません。 PYTHONDONTWRITEBYTECODE 環境変数も参照してください。

--check-hash-based-pycs default|always|never

Control the validation behavior of hash-based .pyc files. See キャッシュされたバイトコードの無効化. When set to default, checked and unchecked hash-based bytecode cache files are validated according to their default semantics. When set to always, all hash-based .pyc files, whether checked or unchecked, are validated against their corresponding source file. When set to never, hash-based .pyc files are not validated against their corresponding source files.

The semantics of timestamp-based .pyc files are unaffected by this option.

-d

Turn on parser debugging output (for expert only). See also the PYTHONDEBUG environment variable.

This option requires a debug build of Python, otherwise it's ignored.

-E

Ignore all PYTHON* environment variables, e.g. PYTHONPATH and PYTHONHOME, that might be set.

See also the -P and -I (isolated) options.

-i

最初の引数にスクリプトが指定された場合や -c オプションが利用された場合、 sys.stdin がターミナルに出力されない場合も含めて、スクリプトかコマンドを実行した後にインタラクティブモードに入ります。 PYTHONSTARTUP ファイルは読み込みません。

このオプションはグローバル変数や、スクリプトが例外を発生させるときにそのスタックトレースを調べるのに便利です。 PYTHONINSPECT も参照してください。

-I

Python を隔離モードで実行します。-E-P、および -s オプションも暗黙的に指定されます。

In isolated mode sys.path contains neither the script's directory nor the user's site-packages directory. All PYTHON* environment variables are ignored, too. Further restrictions may be imposed to prevent the user from injecting malicious code.

Added in version 3.4.

-O

Remove assert statements and any code conditional on the value of __debug__. Augment the filename for compiled (bytecode) files by adding .opt-1 before the .pyc extension (see PEP 488). See also PYTHONOPTIMIZE.

バージョン 3.5 で変更: PEP 488 に従って .pyc ファイル名を変更します。

-OO

Do -O and also discard docstrings. Augment the filename for compiled (bytecode) files by adding .opt-2 before the .pyc extension (see PEP 488).

バージョン 3.5 で変更: PEP 488 に従って .pyc ファイル名を変更します。

-P

Don't prepend a potentially unsafe path to sys.path:

  • python -m module command line: Don't prepend the current working directory.

  • python script.py command line: Don't prepend the script's directory. If it's a symbolic link, resolve symbolic links.

  • python -c code and python (REPL) command lines: Don't prepend an empty string, which means the current working directory.

See also the PYTHONSAFEPATH environment variable, and -E and -I (isolated) options.

Added in version 3.11.

-q

インタラクティブモードでも copyright とバージョンのメッセージを表示しません。

Added in version 3.2.

-R

Turn on hash randomization. This option only has an effect if the PYTHONHASHSEED environment variable is set to 0, since hash randomization is enabled by default.

On previous versions of Python, this option turns on hash randomization, so that the __hash__() values of str and bytes objects are "salted" with an unpredictable random value. Although they remain constant within an individual Python process, they are not predictable between repeated invocations of Python.

Hash randomization is intended to provide protection against a denial-of-service caused by carefully chosen inputs that exploit the worst case performance of a dict construction, O(n2) complexity. See http://ocert.org/advisories/ocert-2011-003.html for details.

PYTHONHASHSEED によってハッシュシードの固定値を秘密にすることが出来ます。

Added in version 3.2.3.

バージョン 3.7 で変更: このオプションが無視されなくなりました.

-s

ユーザのサイトパッケージのディレクトリsys.path に追加しません。

See also PYTHONNOUSERSITE.

参考

PEP 370 -- ユーザごとの site-packages ディレクトリ

-S

site モジュールの import と、そのモジュールが行なっていた site ごとの sys.path への操作を無効にします。後で site を明示的に import しても、これらの操作は実行されません (実行したい場合は、 site.main() を呼び出してください)。

-u

Force the stdout and stderr streams to be unbuffered. This option has no effect on the stdin stream.

PYTHONUNBUFFERED も参照してください。

バージョン 3.7 で変更: The text layer of the stdout and stderr streams now is unbuffered.

-v

モジュールが初期化されるたびにメッセージを出力し、それがどこ (ファイル名やビルトインモジュール) からロードされたのかを表示します。 二回与えられた場合 (-vv) は、モジュールを検索するときにチェックしたファイルごとにメッセージを出力します。また、終了時のモジュールクリーンアップに関する情報も提供します。

バージョン 3.10 で変更: The site module reports the site-specific paths and .pth files being processed.

PYTHONVERBOSE も参照してください。

-W arg

警告制御。 Python の警告機構はデフォルトでは警告メッセージを sys.stderr に表示します。

The simplest settings apply a particular action unconditionally to all warnings emitted by a process (even those that are otherwise ignored by default):

-Wdefault  # Warn once per call location
-Werror    # Convert to exceptions
-Walways   # Warn every time
-Wall      # Same as -Walways
-Wmodule   # Warn once per calling module
-Wonce     # Warn once per Python process
-Wignore   # Never warn

The action names can be abbreviated as desired and the interpreter will resolve them to the appropriate action name. For example, -Wi is the same as -Wignore.

引数の完全形は次のようになります:

action:message:category:module:lineno

Empty fields match all values; trailing empty fields may be omitted. For example -W ignore::DeprecationWarning ignores all DeprecationWarning warnings.

The action field is as explained above but only applies to warnings that match the remaining fields.

The message field must match the whole warning message; this match is case-insensitive.

The category field matches the warning category (ex: DeprecationWarning). This must be a class name; the match test whether the actual warning category of the message is a subclass of the specified warning category.

The module field matches the (fully qualified) module name; this match is case-sensitive.

The lineno field matches the line number, where zero matches all line numbers and is thus equivalent to an omitted line number.

複数の -W オプションを指定することができます。警告が1つ以上のオプションとマッチしたときは、最後にマッチしたオプションのアクションが有効になります。不正な -W オプションは無視されます (最初の警告が発生したときに、不正なオプションに対する警告メッセージが表示されます)。

Warnings can also be controlled using the PYTHONWARNINGS environment variable and from within a Python program using the warnings module. For example, the warnings.filterwarnings() function can be used to use a regular expression on the warning message.

詳しくは 警告フィルタDescribing Warning Filters を参照してください。

-x

Unix 以外の形式の #!cmd を使うために、ソースの最初の行をスキップします。これは、DOS専用のハックのみを目的としています。

-X

様々な実装固有のオプションのために予約されています。現在のところ CPython は以下の値を定義しています:

  • -X faulthandler to enable faulthandler. See also PYTHONFAULTHANDLER.

    Added in version 3.3.

  • -X showrefcount to output the total reference count and number of used memory blocks when the program finishes or after each statement in the interactive interpreter. This only works on debug builds.

    Added in version 3.4.

  • -X tracemalloc to start tracing Python memory allocations using the tracemalloc module. By default, only the most recent frame is stored in a traceback of a trace. Use -X tracemalloc=NFRAME to start tracing with a traceback limit of NFRAME frames. See tracemalloc.start() and PYTHONTRACEMALLOC for more information.

    Added in version 3.4.

  • -X int_max_str_digits configures the integer string conversion length limitation. See also PYTHONINTMAXSTRDIGITS.

    Added in version 3.11.

  • -X importtime to show how long each import takes. It shows module name, cumulative time (including nested imports) and self time (excluding nested imports). Note that its output may be broken in multi-threaded application. Typical usage is python3 -X importtime -c 'import asyncio'. See also PYTHONPROFILEIMPORTTIME.

    Added in version 3.7.

  • -X dev: enable Python Development Mode, introducing additional runtime checks that are too expensive to be enabled by default. See also PYTHONDEVMODE.

    Added in version 3.7.

  • -X utf8 enables the Python UTF-8 Mode. -X utf8=0 explicitly disables Python UTF-8 Mode (even when it would otherwise activate automatically). See also PYTHONUTF8.

    Added in version 3.7.

  • -X pycache_prefix=PATH enables writing .pyc files to a parallel tree rooted at the given directory instead of to the code tree. See also PYTHONPYCACHEPREFIX.

    Added in version 3.8.

  • -X warn_default_encoding issues a EncodingWarning when the locale-specific default encoding is used for opening files. See also PYTHONWARNDEFAULTENCODING.

    Added in version 3.10.

  • -X no_debug_ranges disables the inclusion of the tables mapping extra location information (end line, start column offset and end column offset) to every instruction in code objects. This is useful when smaller code objects and pyc files are desired as well as suppressing the extra visual location indicators when the interpreter displays tracebacks. See also PYTHONNODEBUGRANGES.

    Added in version 3.11.

  • -X frozen_modules determines whether or not frozen modules are ignored by the import machinery. A value of on means they get imported and off means they are ignored. The default is on if this is an installed Python (the normal case). If it's under development (running from the source tree) then the default is off. Note that the importlib_bootstrap and importlib_bootstrap_external frozen modules are always used, even if this flag is set to off. See also PYTHON_FROZEN_MODULES.

    Added in version 3.11.

  • -X perf enables support for the Linux perf profiler. When this option is provided, the perf profiler will be able to report Python calls. This option is only available on some platforms and will do nothing if is not supported on the current system. The default value is "off". See also PYTHONPERFSUPPORT and Python support for the Linux perf profiler.

    Added in version 3.12.

  • -X perf_jit enables support for the Linux perf profiler with DWARF support. When this option is provided, the perf profiler will be able to report Python calls using DWARF information. This option is only available on some platforms and will do nothing if is not supported on the current system. The default value is "off". See also PYTHON_PERF_JIT_SUPPORT and Python support for the Linux perf profiler.

    Added in version 3.13.

  • -X cpu_count=n overrides os.cpu_count(), os.process_cpu_count(), and multiprocessing.cpu_count(). n must be greater than or equal to 1. This option may be useful for users who need to limit CPU resources of a container system. See also PYTHON_CPU_COUNT. If n is default, nothing is overridden.

    Added in version 3.13.

  • -X presite=package.module specifies a module that should be imported before the site module is executed and before the __main__ module exists. Therefore, the imported module isn't __main__. This can be used to execute code early during Python initialization. Python needs to be built in debug mode for this option to exist. See also PYTHON_PRESITE.

    Added in version 3.13.

  • -X gil=0,1 forces the GIL to be disabled or enabled, respectively. Setting to 0 is only available in builds configured with --disable-gil. See also PYTHON_GIL and Free-threaded CPython.

    Added in version 3.13.

任意の値を渡し、 sys._xoptions 辞書から取り出すことも出来ます。

Added in version 3.2.

バージョン 3.9 で変更: Removed the -X showalloccount option.

バージョン 3.10 で変更: Removed the -X oldparser option.

1.1.4. 色の制御

デフォルトでは、 Python インタープリターは、トレースバックの表示などの特定の状況で、出力を色でハイライトするように構成されています。この振る舞いは、異なる環境変数を設定することで制御できます。

環境変数 TERMdumb に設定することで、色付けを無効にできます。

FORCE_COLOR 環境変数が設定されている場合、 TERM の値にかかわらず、色付けは有効になります。これは、ターミナルではないが ANSI エスケープシーケンスを表示できる CI システムで有効です。

NO_COLOR 環境変数が設定されている場合、 Python は出力のすべての色を無効にします。これは FORCE_COLOR よりも優先されます。

これらのすべての環境変数は、色の出力の制御のために他のツールにも使用されます。 Python インタープリターでのみ色の出力を制御するには、 PYTHON_COLORS 環境変数を使用できます。この変数は、 FORCE_COLOR よりも優先される NO_COLOR よりも、さらに優先されます。

1.1.5. 使うべきでないオプション

-J

Jython のために予約されています。

1.2. 環境変数

以下の環境変数は Python の挙動に影響します。環境変数は -E や -I 以外のコマンドラインスイッチの前に処理されます。衝突したときにコマンドラインスイッチが環境変数をオーバーライドするのは慣例です。

PYTHONHOME

標準 Python ライブラリの場所を変更します。デフォルトでは、ライブラリは prefix/lib/pythonversionexec_prefix/lib/pythonversion から検索されます。ここで、 prefixexec_prefix はインストール依存のディレクトリで、両方共デフォルトでは /usr/local です。

PYTHONHOME が1つのディレクトリに設定されている場合、その値は prefixexec_prefix の両方を置き換えます。それらに別々の値を指定したい場合は、 PYTHONHOMEprefix:exec_prefix のように指定します。

PYTHONPATH

モジュールファイルのデフォルトの検索パスを追加します。この環境変数のフォーマットはシェルの PATH と同じで、 os.pathsep (Unix ならコロン、 Windows ならセミコロン) で区切られた1つ以上のディレクトリパスです。存在しないディレクトリは警告なしに無視されます。

通常のディレクトリに加えて、 PYTHONPATH のエントリはピュアPython モジュール(ソース形式でもコンパイルされた形式でも) を含む zip ファイルを参照することもできます。拡張モジュールは zip ファイルの中から import することはできません。

デフォルトの検索パスはインストール依存ですが、通常は prefix/lib/pythonversion で始まります。 (上の PYTHONHOME を参照してください。) これは 常に PYTHONPATH に追加されます。

上の インターフェイスオプション で説明されているように、追加の検索パスディレクトリが PYTHONPATH の手前に追加されます。検索パスは Python プログラムから sys.path 変数として操作することができます。

PYTHONSAFEPATH

If this is set to a non-empty string, don't prepend a potentially unsafe path to sys.path: see the -P option for details.

Added in version 3.11.

PYTHONPLATLIBDIR

If this is set to a non-empty string, it overrides the sys.platlibdir value.

Added in version 3.9.

PYTHONSTARTUP

この変数が読み込み可能なファイル名の場合、対話モードで最初のプロンプトが表示される前にそのファイルの Python コマンドが実行されます。 ファイル内で定義されているオブジェクトやインポートされたオブジェクトを対話セッションで修飾せずに使用するために、ファイルは対話的なコマンドと同じ名前空間で実行されます。 このファイルの中で、プロンプト sys.ps1sys.ps2、ならびにフック sys.__interactivehook__ も変更できます。

Raises an auditing event cpython.run_startup with the filename as the argument when called on startup.

PYTHONOPTIMIZE

この変数に空でない文字列を設定するのは -O オプションを指定するのと等価です。整数を設定した場合、 -O を複数回指定したのと同じになります。

PYTHONBREAKPOINT

If this is set, it names a callable using dotted-path notation. The module containing the callable will be imported and then the callable will be run by the default implementation of sys.breakpointhook() which itself is called by built-in breakpoint(). If not set, or set to the empty string, it is equivalent to the value "pdb.set_trace". Setting this to the string "0" causes the default implementation of sys.breakpointhook() to do nothing but return immediately.

Added in version 3.7.

PYTHONDEBUG

この変数に空でない文字列を設定するのは -d オプションを指定するのと等価です。整数を指定した場合、 -d を複数回指定したのと同じになります。

This environment variable requires a debug build of Python, otherwise it's ignored.

PYTHONINSPECT

この変数に空でない文字列を設定するのは -i オプションを指定するのと等価です。

この変数は Python コードから os.environ を使って変更して、プログラム終了時のインスペクトモードを強制することができます。

引数無しで 監査イベント cpython.run_stdin を送出します。

バージョン 3.12.5 で変更: (also 3.11.10, 3.10.15, 3.9.20, and 3.8.20) Emits audit events.

バージョン 3.13 で変更: Uses PyREPL if possible, in which case PYTHONSTARTUP is also executed. Emits audit events.

PYTHONUNBUFFERED

この変数に空でない文字列を設定するのは -u オプションを指定するのと等価です。

PYTHONVERBOSE

この変数に空でない文字列を設定するのは -v オプションを指定するのと等価です。整数を設定した場合、 -v を複数回指定したのと同じになります。

PYTHONCASEOK

この環境変数が設定されている場合、 Python は import 文で大文字/小文字を区別しません。 これは Windows と macOS でのみ動作します。

PYTHONDONTWRITEBYTECODE

この変数に空でない文字列を設定した場合、 Python はソースモジュールのインポート時に .pyc ファイルを作成しようとはしなくなります。 -B オプションを指定するのと等価です。

PYTHONPYCACHEPREFIX

If this is set, Python will write .pyc files in a mirror directory tree at this path, instead of in __pycache__ directories within the source tree. This is equivalent to specifying the -X pycache_prefix=PATH option.

Added in version 3.8.

PYTHONHASHSEED

この変数が設定されていない場合や random に設定された場合、乱数値が str、bytes オブジェクトのハッシュのシードに使われます。

PYTHONHASHSEED が整数値に設定された場合、その値はハッシュランダム化が扱う型の hash() 生成の固定シードに使われます。

その目的は再現性のあるハッシュを可能にすることです。例えばインタープリタ自身の自己テストや Python プロセスのクラスタでハッシュ値を共有するのに用います。

整数は [0,4294967295] の十進数でなければなりません。0 を指定するとハッシュランダム化は無効化されます。

Added in version 3.2.3.

PYTHONINTMAXSTRDIGITS

If this variable is set to an integer, it is used to configure the interpreter's global integer string conversion length limitation.

Added in version 3.11.

PYTHONIOENCODING

この変数がインタープリタ実行前に設定されていた場合、encodingname:errorhandler という文法で標準入力/標準出力/標準エラー出力のエンコードを上書きします。 encodingname:errorhandler の部分はどちらも任意で、str.encode() と同じ意味を持ちます。

標準エラー出力の場合、:errorhandler の部分は無視されます; ハンドラは常に 'backslashreplace' です。

バージョン 3.4 で変更: encodingname の部分が任意になりました。

バージョン 3.6 で変更: On Windows, the encoding specified by this variable is ignored for interactive console buffers unless PYTHONLEGACYWINDOWSSTDIO is also specified. Files and pipes redirected through the standard streams are not affected.

PYTHONNOUSERSITE

この環境変数が設定されている場合、 Python は ユーザ site-packages ディレクトリsys.path に追加しません。

参考

PEP 370 -- ユーザごとの site-packages ディレクトリ

PYTHONUSERBASE

Defines the user base directory, which is used to compute the path of the user site-packages directory and installation paths for python -m pip install --user.

参考

PEP 370 -- ユーザごとの site-packages ディレクトリ

PYTHONEXECUTABLE

この環境変数が設定された場合、 sys.argv[0] に、C ランタイムから取得した値の代わりにこの環境変数の値が設定されます。macOS でのみ動作します。

PYTHONWARNINGS

This is equivalent to the -W option. If set to a comma separated string, it is equivalent to specifying -W multiple times, with filters later in the list taking precedence over those earlier in the list.

The simplest settings apply a particular action unconditionally to all warnings emitted by a process (even those that are otherwise ignored by default):

PYTHONWARNINGS=default  # Warn once per call location
PYTHONWARNINGS=error    # Convert to exceptions
PYTHONWARNINGS=always   # Warn every time
PYTHONWARNINGS=all      # Same as PYTHONWARNINGS=always
PYTHONWARNINGS=module   # Warn once per calling module
PYTHONWARNINGS=once     # Warn once per Python process
PYTHONWARNINGS=ignore   # Never warn

詳しくは 警告フィルタDescribing Warning Filters を参照してください。

PYTHONFAULTHANDLER

If this environment variable is set to a non-empty string, faulthandler.enable() is called at startup: install a handler for SIGSEGV, SIGFPE, SIGABRT, SIGBUS and SIGILL signals to dump the Python traceback. This is equivalent to -X faulthandler option.

Added in version 3.3.

PYTHONTRACEMALLOC

If this environment variable is set to a non-empty string, start tracing Python memory allocations using the tracemalloc module. The value of the variable is the maximum number of frames stored in a traceback of a trace. For example, PYTHONTRACEMALLOC=1 stores only the most recent frame. See the tracemalloc.start() function for more information. This is equivalent to setting the -X tracemalloc option.

Added in version 3.4.

PYTHONPROFILEIMPORTTIME

If this environment variable is set to a non-empty string, Python will show how long each import takes. This is equivalent to setting the -X importtime option.

Added in version 3.7.

PYTHONASYNCIODEBUG

この環境変数が空でない文字列に設定された場合、asyncio モジュールの デバッグモード が有効化されます。

Added in version 3.4.

PYTHONMALLOC

Set the Python memory allocators and/or install debug hooks.

Set the family of memory allocators used by Python:

Install debug hooks:

  • debug: install debug hooks on top of the default memory allocators.

  • malloc_debug: same as malloc but also install debug hooks.

  • pymalloc_debug: same as pymalloc but also install debug hooks.

  • mimalloc_debug: same as mimalloc but also install debug hooks.

Added in version 3.6.

バージョン 3.7 で変更: Added the "default" allocator.

PYTHONMALLOCSTATS

空でない文字列に設定されると、Python は新たなオブジェクトアリーナが生成される時と、シャットダウン時に pymalloc メモリアロケータ の統計情報を表示します。

This variable is ignored if the PYTHONMALLOC environment variable is used to force the malloc() allocator of the C library, or if Python is configured without pymalloc support.

バージョン 3.6 で変更: This variable can now also be used on Python compiled in release mode. It now has no effect if set to an empty string.

PYTHONLEGACYWINDOWSFSENCODING

If set to a non-empty string, the default filesystem encoding and error handler mode will revert to their pre-3.6 values of 'mbcs' and 'replace', respectively. Otherwise, the new defaults 'utf-8' and 'surrogatepass' are used.

This may also be enabled at runtime with sys._enablelegacywindowsfsencoding().

Availability: Windows.

Added in version 3.6: より詳しくは PEP 529 を参照してください。

PYTHONLEGACYWINDOWSSTDIO

If set to a non-empty string, does not use the new console reader and writer. This means that Unicode characters will be encoded according to the active console code page, rather than using utf-8.

This variable is ignored if the standard streams are redirected (to files or pipes) rather than referring to console buffers.

Availability: Windows.

Added in version 3.6.

PYTHONCOERCECLOCALE

If set to the value 0, causes the main Python command line application to skip coercing the legacy ASCII-based C and POSIX locales to a more capable UTF-8 based alternative.

If this variable is not set (or is set to a value other than 0), the LC_ALL locale override environment variable is also not set, and the current locale reported for the LC_CTYPE category is either the default C locale, or else the explicitly ASCII-based POSIX locale, then the Python CLI will attempt to configure the following locales for the LC_CTYPE category in the order listed before loading the interpreter runtime:

  • C.UTF-8

  • C.utf8

  • UTF-8

If setting one of these locale categories succeeds, then the LC_CTYPE environment variable will also be set accordingly in the current process environment before the Python runtime is initialized. This ensures that in addition to being seen by both the interpreter itself and other locale-aware components running in the same process (such as the GNU readline library), the updated setting is also seen in subprocesses (regardless of whether or not those processes are running a Python interpreter), as well as in operations that query the environment rather than the current C locale (such as Python's own locale.getdefaultlocale()).

Configuring one of these locales (either explicitly or via the above implicit locale coercion) automatically enables the surrogateescape error handler for sys.stdin and sys.stdout (sys.stderr continues to use backslashreplace as it does in any other locale). This stream handling behavior can be overridden using PYTHONIOENCODING as usual.

For debugging purposes, setting PYTHONCOERCECLOCALE=warn will cause Python to emit warning messages on stderr if either the locale coercion activates, or else if a locale that would have triggered coercion is still active when the Python runtime is initialized.

Also note that even when locale coercion is disabled, or when it fails to find a suitable target locale, PYTHONUTF8 will still activate by default in legacy ASCII-based locales. Both features must be disabled in order to force the interpreter to use ASCII instead of UTF-8 for system interfaces.

Availability: Unix.

Added in version 3.7: より詳しくは PEP 538 を参照をしてください。

PYTHONDEVMODE

If this environment variable is set to a non-empty string, enable Python Development Mode, introducing additional runtime checks that are too expensive to be enabled by default. This is equivalent to setting the -X dev option.

Added in version 3.7.

PYTHONUTF8

If set to 1, enable the Python UTF-8 Mode.

If set to 0, disable the Python UTF-8 Mode.

Setting any other non-empty string causes an error during interpreter initialisation.

Added in version 3.7.

PYTHONWARNDEFAULTENCODING

If this environment variable is set to a non-empty string, issue a EncodingWarning when the locale-specific default encoding is used.

詳細は Opt-in EncodingWarning を参照してください。

Added in version 3.10.

PYTHONNODEBUGRANGES

If this variable is set, it disables the inclusion of the tables mapping extra location information (end line, start column offset and end column offset) to every instruction in code objects. This is useful when smaller code objects and pyc files are desired as well as suppressing the extra visual location indicators when the interpreter displays tracebacks.

Added in version 3.11.

PYTHONPERFSUPPORT

If this variable is set to a nonzero value, it enables support for the Linux perf profiler so Python calls can be detected by it.

If set to 0, disable Linux perf profiler support.

See also the -X perf command-line option and Python support for the Linux perf profiler.

Added in version 3.12.

PYTHON_PERF_JIT_SUPPORT

If this variable is set to a nonzero value, it enables support for the Linux perf profiler so Python calls can be detected by it using DWARF information.

If set to 0, disable Linux perf profiler support.

See also the -X perf_jit command-line option and Python support for the Linux perf profiler.

Added in version 3.13.

PYTHON_CPU_COUNT

If this variable is set to a positive integer, it overrides the return values of os.cpu_count() and os.process_cpu_count().

See also the -X cpu_count command-line option.

Added in version 3.13.

PYTHON_FROZEN_MODULES

If this variable is set to on or off, it determines whether or not frozen modules are ignored by the import machinery. A value of on means they get imported and off means they are ignored. The default is on for non-debug builds (the normal case) and off for debug builds. Note that the importlib_bootstrap and importlib_bootstrap_external frozen modules are always used, even if this flag is set to off.

See also the -X frozen_modules command-line option.

Added in version 3.13.

PYTHON_COLORS

If this variable is set to 1, the interpreter will colorize various kinds of output. Setting it to 0 deactivates this behavior. See also 色の制御.

Added in version 3.13.

PYTHON_BASIC_REPL

If this variable is set to 1, the interpreter will not attempt to load the Python-based REPL that requires curses and readline, and will instead use the traditional parser-based REPL.

Added in version 3.13.

PYTHON_HISTORY

This environment variable can be used to set the location of a .python_history file (by default, it is .python_history in the user's home directory).

Added in version 3.13.

PYTHON_GIL

If this variable is set to 1, the global interpreter lock (GIL) will be forced on. Setting it to 0 forces the GIL off (needs Python configured with the --disable-gil build option).

See also the -X gil command-line option, which takes precedence over this variable, and Free-threaded CPython.

Added in version 3.13.

1.2.1. デバッグモード変数

PYTHONDUMPREFS

設定された場合、 Python はインタプリタのシャットダウン後に残っているオブジェクトと参照カウントをダンプします。

Needs Python configured with the --with-trace-refs build option.

PYTHONDUMPREFSFILE

If set, Python will dump objects and reference counts still alive after shutting down the interpreter into a file under the path given as the value to this environment variable.

Needs Python configured with the --with-trace-refs build option.

Added in version 3.11.

PYTHON_PRESITE

If this variable is set to a module, that module will be imported early in the interpreter lifecycle, before the site module is executed, and before the __main__ module is created. Therefore, the imported module is not treated as __main__.

This can be used to execute code early during Python initialization.

To import a submodule, use package.module as the value, like in an import statement.

See also the -X presite command-line option, which takes precedence over this variable.

Needs Python configured with the --with-pydebug build option.

Added in version 3.13.