xmlrpc.server
--- 基本的な XML-RPC サーバー¶
ソースコード: Lib/xmlrpc/server.py
xmlrpc.server
モジュールはPythonで記述された基本的なXML-RPC サーバーフレームワークを提供します。サーバーはスタンドアロンであるか、 SimpleXMLRPCServer
を使うか、 CGIXMLRPCRequestHandler
を使って CGI 環境に組み込まれるかの、いずれかです。
警告
xmlrpc.server
モジュールは悪意を持って構築されたデータに対して安全ではありません。信頼できないデータや認証されていないデータを解析する必要がある場合は、 XML の脆弱性 を参照してください。
Availability: not WASI.
このモジュールは WebAssembly では動作しないか、利用不可です。詳しくは、WebAssembly プラットフォーム を見てください。
- class xmlrpc.server.SimpleXMLRPCServer(addr, requestHandler=SimpleXMLRPCRequestHandler, logRequests=True, allow_none=False, encoding=None, bind_and_activate=True, use_builtin_types=False)¶
サーバーインスタンスを新たに作成します。 このクラスは XML-RPC プロトコルで呼ばれる関数の登録のためのメソッドを提供します。 引数 requestHandler にはリクエストハンドラーインスタンスのファクトリーを設定します。 デフォルトは
SimpleXMLRPCRequestHandler
です。 引数 addr と requestHandler はsocketserver.TCPServer
のコンストラクターに渡されます。 logRequests が真の場合 (デフォルト)、 リクエストはログに記録されます。 この引数を偽にするとはログは記録されません。 引数 allow_none と encoding はxmlrpc.client
に渡され、サーバーが返す XML-RPC 応答を制御します。 bind_and_activate 引数はコンストラクタが直ちにserver_bind()
とserver_activate()
を呼ぶかどうかを制御します。デフォルトでは真です。 この引数にFalse
を設定することで、アドレスを束縛する前に allow_reuse_address クラス変数を操作することが出来ます。 use_builtin_types 引数はloads()
関数に渡されます。 この引数は日付/時刻の値やバイナリデータを受け取ったときにどの型が処理されるかを制御します。デフォルトでは偽です。バージョン 3.3 で変更: use_builtin_types フラグが追加されました。
- class xmlrpc.server.CGIXMLRPCRequestHandler(allow_none=False, encoding=None, use_builtin_types=False)¶
CGI 環境における XML-RPC リクエストハンドラーを新たに作成します。 引数 allow_none と encoding は
xmlrpc.client
に渡され、サーバーが返す XML-RPC 応答を制御します。 use_builtin_types 引数はloads()
関数に渡されます。 この引数は日付/時刻の値やバイナリデータを受け取ったときにどの型が処理されるかを制御します。デフォルトは偽です。バージョン 3.3 で変更: use_builtin_types フラグが追加されました。
- class xmlrpc.server.SimpleXMLRPCRequestHandler¶
リクエストハンドラーインスタンスを新たに作成します。このリクエストハンドラーは
POST
リクエストをサポートし、SimpleXMLRPCServer
コンストラクターの引数 logRequests に従ってログ出力を行います。
SimpleXMLRPCServer オブジェクト¶
SimpleXMLRPCServer
クラスは socketserver.TCPServer
のサブクラスで、基本的なスタンドアロンの XML-RPC サーバーを作成する手段を提供します。
- SimpleXMLRPCServer.register_function(function=None, name=None)¶
XML-RPC リクエストに応答可能な関数を登録します。引数 name が与えられた場合は、それが関数 function に関連付けられたメソッド名となります。そうでない場合は、
function.__name__
の値が用いられます。引数 name は文字列で、例えばピリオド "." のようなPythonで識別子として正しくない文字を含んでいても構いません。このメソッドはデコレーターとしても使用することができます。デコレーターとして使用するときは、 name は関数を name で登録するキーワード引数としてのみ渡すことができます。 name が与えられていないときは、
function.__name__
が使用されます。バージョン 3.7 で変更:
register_function()
はデコレーターとして使用できます。
- SimpleXMLRPCServer.register_instance(instance, allow_dotted_names=False)¶
オブジェクトを登録します。 オブジェクトは
register_function()
を使用して登録されていないメソッド名を公開するのに使われます。 instance に_dispatch()
メソッドがあった場合、リクエストされたメソッド名と引数で_dispatch()
を呼び出します。 API はdef _dispatch(self, method, params)
(params 可変引数リストではないことに注意) です。 タスクを実行するのに下層の関数を呼び出す場合、その関数はfunc(*params)
のように引数リストを展開して呼び出されます。_dispatch()
の返り値は結果としてクライアントに返されます。 instance に_dispatch()
メソッドがない場合、リクエストされたメソッド名にマッチする属性を検索します。オプション引数 allow_dotted_names が真でインスタンスに
_dispatch()
メソッドがない場合、リクエストされたメソッド名がピリオドを含むなら、メソッド名の各要素が個々に検索され、簡単な階層的検索が行われます。 その検索で発見された値をリクエストの引数で呼び出し、クライアントに返り値を返します。警告
allow_dotted_names オプションを有効にすると、侵入者はあなたのモジュールのグローバル変数にアクセスすることができ、あなたのマシンで任意のコードを実行できる可能性があります。このオプションは閉じた安全なネットワークでのみお使い下さい。
- SimpleXMLRPCServer.register_introspection_functions()¶
XML-RPC のイントロスペクション関数、
system.listMethods
、system.methodHelp
、system.methodSignature
を登録します。
- SimpleXMLRPCServer.register_multicall_functions()¶
XML-RPC における複数の要求を処理する関数 system.multicall を登録します。
- SimpleXMLRPCRequestHandler.rpc_paths¶
この属性値はXML-RPCリクエストを受け付けるURLの有効なパス部分をリストするタプルでなければなりません。これ以外のパスへのリクエストは404「そのようなページはありません」 HTTPエラーになります。このタプルが空の場合は全てのパスが有効であると見なされます。デフォルト値は
('/', '/RPC2')
です。
SimpleXMLRPCServer の例¶
サーバーのコード:
from xmlrpc.server import SimpleXMLRPCServer
from xmlrpc.server import SimpleXMLRPCRequestHandler
# Restrict to a particular path.
class RequestHandler(SimpleXMLRPCRequestHandler):
rpc_paths = ('/RPC2',)
# Create server
with SimpleXMLRPCServer(('localhost', 8000),
requestHandler=RequestHandler) as server:
server.register_introspection_functions()
# Register pow() function; this will use the value of
# pow.__name__ as the name, which is just 'pow'.
server.register_function(pow)
# Register a function under a different name
def adder_function(x, y):
return x + y
server.register_function(adder_function, 'add')
# Register an instance; all the methods of the instance are
# published as XML-RPC methods (in this case, just 'mul').
class MyFuncs:
def mul(self, x, y):
return x * y
server.register_instance(MyFuncs())
# Run the server's main loop
server.serve_forever()
以下のクライアントコードは上のサーバーで使えるようになったメソッドを呼び出します:
import xmlrpc.client
s = xmlrpc.client.ServerProxy('http://localhost:8000')
print(s.pow(2,3)) # Returns 2**3 = 8
print(s.add(2,3)) # Returns 5
print(s.mul(5,2)) # Returns 5*2 = 10
# Print list of available methods
print(s.system.listMethods())
register_function()
はデコレーターとしても使用できます。前のサーバーの例は、デコレーターの方法で関数を登録することもできます。
from xmlrpc.server import SimpleXMLRPCServer
from xmlrpc.server import SimpleXMLRPCRequestHandler
class RequestHandler(SimpleXMLRPCRequestHandler):
rpc_paths = ('/RPC2',)
with SimpleXMLRPCServer(('localhost', 8000),
requestHandler=RequestHandler) as server:
server.register_introspection_functions()
# Register pow() function; this will use the value of
# pow.__name__ as the name, which is just 'pow'.
server.register_function(pow)
# Register a function under a different name, using
# register_function as a decorator. *name* can only be given
# as a keyword argument.
@server.register_function(name='add')
def adder_function(x, y):
return x + y
# Register a function under function.__name__.
@server.register_function
def mul(x, y):
return x * y
server.serve_forever()
Lib/xmlrpc/server.py
モジュール内にある以下の例はドット付名前を許容し複数呼び出し関数を登録するサーバです。
警告
allow_dotted_names オプションを有効にすると、侵入者はあなたのモジュールのグローバル変数にアクセスすることができ、あなたのマシンで任意のコードを実行できる可能性があります。この例は閉じた安全なネットワークでのみお使い下さい。
import datetime
class ExampleService:
def getData(self):
return '42'
class currentTime:
@staticmethod
def getCurrentTime():
return datetime.datetime.now()
with SimpleXMLRPCServer(("localhost", 8000)) as server:
server.register_function(pow)
server.register_function(lambda x,y: x+y, 'add')
server.register_instance(ExampleService(), allow_dotted_names=True)
server.register_multicall_functions()
print('Serving XML-RPC on localhost port 8000')
try:
server.serve_forever()
except KeyboardInterrupt:
print("\nKeyboard interrupt received, exiting.")
sys.exit(0)
この ExampleService デモはコマンドラインから起動することができます。
python -m xmlrpc.server
上記のサーバとやりとりするクライアントは Lib/xmlrpc/client.py
にあります:
server = ServerProxy("http://localhost:8000")
try:
print(server.currentTime.getCurrentTime())
except Error as v:
print("ERROR", v)
multi = MultiCall(server)
multi.getData()
multi.pow(2,9)
multi.add(1,2)
try:
for response in multi():
print(response)
except Error as v:
print("ERROR", v)
デモ XMLRPC サーバとやりとりするクライアントは以下のように呼び出します:
python -m xmlrpc.client
CGIXMLRPCRequestHandler¶
CGIXMLRPCRequestHandler
クラスは、Python の CGI スクリプトに送られた XML-RPC リクエストを処理するときに使用できます。
- CGIXMLRPCRequestHandler.register_function(function=None, name=None)¶
XML-RPC リクエストに応答可能な関数を登録します。引数 name が与えられた場合は、それが関数 function に関連付けられたメソッド名となります。そうでない場合は、
function.__name__
の値が用いられます。引数 name は文字列で、例えばピリオド "." のようなPythonで識別子として正しくない文字を含んでいても構いません。このメソッドはデコレーターとしても使用することができます。デコレーターとして使用するときは、 name は関数を name で登録するキーワード引数としてのみ渡すことができます。 name が与えられていないときは、
function.__name__
が使用されます。バージョン 3.7 で変更:
register_function()
はデコレーターとして使用できます。
- CGIXMLRPCRequestHandler.register_instance(instance)¶
オブジェクトを登録します。 オブジェクトは
register_function()
を使用して登録されていないメソッド名を公開するのに使われます。 instance に_dispatch()
メソッドがあった場合、リクエストされたメソッド名と引数で_dispatch()
を呼び出します。 返り値は結果としてクライアントに返されます。 instance に_dispatch()
メソッドがなかった場合、リクエストされたメソッド名にマッチする属性を検索します。 リクエストされたメソッド名がピリオドを含む場合、モジュール名の各要素が個々に検索され、簡単な階層的検索が実行されます。 その検索で発見された値をリクエストの引数で呼び出し、クライアントに返り値を返します。
- CGIXMLRPCRequestHandler.register_introspection_functions()¶
XML-RPC のイントロスペクション関数、
system.listMethods
、system.methodHelp
、system.methodSignature
を登録します。
- CGIXMLRPCRequestHandler.register_multicall_functions()¶
XML-RPC マルチコール関数
system.multicall
を登録します。
- CGIXMLRPCRequestHandler.handle_request(request_text=None)¶
XML-RPC リクエストを処理します。 与えられた場合、 request_text はHTTP サーバが提供する POST データでなければなりません。 そうでない場合、標準入力の内容が使われます。
以下はプログラム例です:
class MyFuncs:
def mul(self, x, y):
return x * y
handler = CGIXMLRPCRequestHandler()
handler.register_function(pow)
handler.register_function(lambda x,y: x+y, 'add')
handler.register_introspection_functions()
handler.register_instance(MyFuncs())
handler.handle_request()
XMLRPC サーバの文書化¶
これらのクラスは HTTP GET 要求への応答内で HTML 文書となるよう上記クラスを拡張します。
サーバは独立していても CGI 環境に埋め込まれていてもかまいません。
前者では DocXMLRPCServer
を、後者では DocCGIXMLRPCRequestHandler
を使用します。
- class xmlrpc.server.DocXMLRPCServer(addr, requestHandler=DocXMLRPCRequestHandler, logRequests=True, allow_none=False, encoding=None, bind_and_activate=True, use_builtin_types=True)¶
サーバ・インスタンスを新たに生成します。全ての引数の意味は
SimpleXMLRPCServer
のものと同じですが、 requestHandler のデフォルトはDocXMLRPCRequestHandler
になっています。バージョン 3.3 で変更: use_builtin_types フラグが追加されました。
- class xmlrpc.server.DocCGIXMLRPCRequestHandler¶
CGI環境で XMR-RPC リクエストを処理するインスタンスを新たに生成します。
- class xmlrpc.server.DocXMLRPCRequestHandler¶
リクエスト・ハンドラのインスタンスを新たに生成します。このリクエスト・ハンドラは XML-RPC POST 要求とドキュメントの GET 要求をサポートし、
DocXMLRPCServer
コンストラクタに与えられた引数 logRequests を優先するためにロギングを変更します。
DocXMLRPCServer オブジェクト¶
DocXMLRPCServer
は SimpleXMLRPCServer
の派生クラスで、自己文書化するスタンドアローン XML-RPC サーバの作成手段を提供します。
HTTP POST リクエストは XML-RPC メソッドの呼び出しとして処理されます。
HTTP GET リクエストは pydoc スタイルの HTML 文書の生成に処理されます。
これによりサーバは自身の web ベースの文書を提供できます。
- DocXMLRPCServer.set_server_title(server_title)¶
生成する HTML 文書で使用されるタイトルを設定します。このタイトルは HTML の title 要素内で使われます。
- DocXMLRPCServer.set_server_name(server_name)¶
生成する HTML 文書内で使用される名前を設定します。この名前は生成した文書冒頭の h1 要素内で使われます。
- DocXMLRPCServer.set_server_documentation(server_documentation)¶
生成する HTML 文書内で使用される説明を設定します。この説明は文書中のサーバ名の下にパラグラフとして出力されます。
DocCGIXMLRPCRequestHandler¶
DocCGIXMLRPCRequestHandler
は CGIXMLRPCRequestHandler
の派生クラスで、自己文書化する XML-RPC CGI スクリプトの作成手段を提供します。
HTTP POST リクエストは XML-RCP メソッドの呼び出しとして処理されます。
HTTP GET リクエストは pydoc スタイルの HTML 文書の生成に処理されます。
これによりサーバは自身の web ベースの文書を提供できます。
- DocCGIXMLRPCRequestHandler.set_server_title(server_title)¶
生成する HTML 文書で使用されるタイトルを設定します。このタイトルは HTML の title 要素内で使われます。
- DocCGIXMLRPCRequestHandler.set_server_name(server_name)¶
生成する HTML 文書内で使用される名前を設定します。この名前は生成した文書冒頭の h1 要素内で使われます。
- DocCGIXMLRPCRequestHandler.set_server_documentation(server_documentation)¶
生成する HTML 文書内で使用される説明を設定します。この説明は文書中のサーバ名の下にパラグラフとして出力されます。