XMLを扱うモジュール群

ソースコード: Lib/xml/


PythonのXMLを扱うインターフェースは xml パッケージにまとめられています。

警告

XML モジュール群は不正なデータや悪意を持って作成されたデータに対して安全ではありません。信頼できないデータをパースする必要がある場合は XML の脆弱性defusedxml パッケージ を参照してください。

注意すべき重要な点として、 xml パッケージのモジュールは SAX に対応した XML パーザが少なくとも一つ利用可能でなければなりません。Expat パーザが Python に取り込まれているので、 xml.parsers.expat モジュールは常に利用できます。

xml.dom および xml.sax パッケージのドキュメントは Python による DOM および SAX インターフェースへのバインディングに関する定義です。

XML に関連するサブモジュール:

XML の脆弱性

XML 処理モジュールは悪意を持って生成されたデータに対して安全ではありません。攻撃者は XML の機能を悪用して DoS攻撃、ローカルファイルへのアクセス、他マシンへのネットワーク接続、ファイアーウォールの迂回などを行うことが出来ます。

以下の表は既知の攻撃と各モジュールがそれに対し脆弱かどうかの概要を示しています。

種類

sax

etree

minidom

pulldom

xmlrpc

billion laughs

脆弱 (1)

脆弱 (1)

脆弱 (1)

脆弱 (1)

脆弱 (1)

quadratic blowup

脆弱 (1)

脆弱 (1)

脆弱 (1)

脆弱 (1)

脆弱 (1)

external entity expansion

安全 (5)

安全 (2)

安全 (3)

安全 (5)

安全 (4)

DTD retrieval

安全 (5)

安全

安全

安全 (5)

安全

decompression bomb

安全

安全

安全

安全

脆弱

large tokens

脆弱 (6)

脆弱 (6)

脆弱 (6)

脆弱 (6)

脆弱 (6)

  1. Expat 2.4.1 and newer is not vulnerable to the "billion laughs" and "quadratic blowup" vulnerabilities. Items still listed as vulnerable due to potential reliance on system-provided libraries. Check pyexpat.EXPAT_VERSION.

  2. xml.etree.ElementTree doesn't expand external entities and raises a ParseError when an entity occurs.

  3. xml.dom.minidom は外部エンティティを展開せず、展開前のエンティティをそのまま返します。

  4. xmlrpc.client doesn't expand external entities and omits them.

  5. Python 3.7.1 からは、一般の外部エンティティはデフォルトで処理されなくなりました。

  6. Expat 2.6.0 and newer is not vulnerable to denial of service through quadratic runtime caused by parsing large tokens. Items still listed as vulnerable due to potential reliance on system-provided libraries. Check pyexpat.EXPAT_VERSION.

billion laughs / exponential entity expansion

Billion Laughs 攻撃 -- または指数関数的エンティティ展開 (exponential entity expansion) -- は複数階層の入れ子になったエンティティを使用します。 各エンティティは別のエンティティを複数回参照し、最終的なエンティティの定義は短い文字列です。 指数関数的に展開されることで数 GB のテキストができ、多くのメモリと CPU 時間を消費します。

quadratic blowup entity expansion

二次爆発攻撃 (quadratic blowup attack) はエンティティ展開を悪用する点で Billion Laughs 攻撃に似ています。 入れ子になったエンティティの代わりに、この攻撃は数千字の大きなエンティティを何度も繰り返します。 この攻撃は指数関数的なものほど効率的ではありませんが、パーザの深い入れ子になったエンティティを禁止する対抗手段をすり抜けます。

external entity expansion

(外部エンティティ展開) エンティティの定義はただのテキスト置換以上のことが出来ます。 外部のリソースやローカルファイルを参照することも出来ます。 XML パーザはリソースにアクセスしてその内容を XML 文書に埋め込みます。

DTD retrieval

Python の xml.dom.pulldom のような XML ライブラリは DTD をリモートやローカルの場所から読み込みます。 この機能には外部エンティティ展開の問題と同じことが予想されます。

decompression bomb

解凍爆弾 (あるいは ZIP 爆弾) は、gzip 圧縮 HTTP ストリームや LZMA 圧縮ファイルなどの圧縮された XML ストリームをパースできる全ての XML ライブラリに対し行われます。 攻撃者は送信データ量を1/3以下に減らすことができます。

large tokens

Expat needs to re-parse unfinished tokens; without the protection introduced in Expat 2.6.0, this can lead to quadratic runtime that can be used to cause denial of service in the application parsing XML. The issue is known as CVE 2023-52425.

The documentation for defusedxml on PyPI has further information about all known attack vectors with examples and references.

defusedxml パッケージ

defusedxml is a pure Python package with modified subclasses of all stdlib XML parsers that prevent any potentially malicious operation. Use of this package is recommended for any server code that parses untrusted XML data. The package also ships with example exploits and extended documentation on more XML exploits such as XPath injection.