pwd
--- パスワードデータベースへのアクセスを提供する¶
このモジュールは Unix のユーザアカウントとパスワードのデータベースへのアクセスを提供します。全ての Unix 系 OS で利用できます。
利用可能性: Emscripten でなく、WASI でもないこと。
このモジュールは WebAssembly プラットフォーム wasm32-emscripten
と wasm32-wasi
では動作しないか、利用不可です。詳しくは、WebAssembly platforms を見てください。
パスワードデータベースの各エントリはタプルのようなオブジェクトで提供され、それぞれの属性は passwd
構造体のメンバに対応しています(下の属性欄については、<pwd.h>
を見てください):
インデックス |
属性 |
意味 |
---|---|---|
0 |
|
ログイン名 |
1 |
|
暗号化されたパスワード(optional)) |
2 |
|
ユーザID(UID) |
3 |
|
グループID(GID) |
4 |
|
実名またはコメント |
5 |
|
ホームディレクトリ |
6 |
|
シェル |
UIDとGIDは整数で、それ以外は全て文字列です。検索したエントリが見つからないと KeyError
が発生します。
注釈
伝統的なUnixでは、 pw_passwd
フィールドはDES由来のアルゴリズムで暗号化されたパスワード(crypt
モジュールをごらんください)が含まれています。しかし、近代的なUNIX系OSでは シャドウパスワード とよばれる仕組みを利用しています。この場合には pw_passwd フィールドにはアスタリスク('*'
)か、 'x'
という一文字だけが含まれており、暗号化されたパスワードは、一般には見えない /etc/shadow
というファイルに入っています。 pw_passwd フィールドに有用な値が入っているかはシステムに依存します。利用可能なら、暗号化されたパスワードへのアクセスが必要なときには spwd
モジュールを利用してください。
このモジュールでは以下の内容を定義しています:
- pwd.getpwuid(uid)¶
与えられたUIDに対応するパスワードデータベースのエントリを返します。
- pwd.getpwnam(name)¶
与えられたユーザ名に対応するパスワードデータベースのエントリを返します。
- pwd.getpwall()¶
パスワードデータベースの全てのエントリを、任意の順番で並べたリストを返します。