モジュールオブジェクト (module object)

PyTypeObject PyModule_Type
次に属します: Stable ABI.

この PyTypeObject のインスタンスは Python のモジュールオブジェクト型を表現します。このオブジェクトは、Python プログラムには types.ModuleType として公開されています。

int PyModule_Check(PyObject *p)

p がモジュールオブジェクトかモジュールオブジェクトのサブタイプであるときに真を返します。この関数は常に成功します。

int PyModule_CheckExact(PyObject *p)

p がモジュールオブジェクトで、かつ PyModule_Type のサブタイプでないときに真を返します。この関数は常に成功します。

PyObject *PyModule_NewObject(PyObject *name)
戻り値: 新しい参照。 次に属します: Stable ABI (バージョン 3.7 より).

Return a new module object with the __name__ attribute set to name. The module's __name__, __doc__, __package__, and __loader__ attributes are filled in (all but __name__ are set to None); the caller is responsible for providing a __file__ attribute.

バージョン 3.3 で追加.

バージョン 3.4 で変更: __package__ and __loader__ are set to None.

PyObject *PyModule_New(const char *name)
戻り値: 新しい参照。 次に属します: Stable ABI.

PyModule_NewObject() に似ていますが、 name は Unicode オブジェクトではなく UTF-8 でエンコードされた文字列です。

PyObject *PyModule_GetDict(PyObject *module)
戻り値: 借用参照。 次に属します: Stable ABI.

module の名前空間を実装する辞書オブジェクトを返します; このオブジェクトは、モジュールオブジェクトの __dict__ 属性と同じものです。 module がモジュールオブジェクト (もしくはモジュールオブジェクトのサブタイプ) でない場合は、 SystemError が送出され NULL が返されます。

拡張モジュールでは、モジュールの __dict__ を直接操作するよりも、 PyModule_* および PyObject_* 関数を使う方が推奨されます。

PyObject *PyModule_GetNameObject(PyObject *module)
戻り値: 新しい参照。 次に属します: Stable ABI (バージョン 3.7 より).

Return module's __name__ value. If the module does not provide one, or if it is not a string, SystemError is raised and NULL is returned.

バージョン 3.3 で追加.

const char *PyModule_GetName(PyObject *module)
次に属します: Stable ABI.

PyModule_GetNameObject() に似ていますが、 'utf-8' でエンコードされた name を返します。

void *PyModule_GetState(PyObject *module)
次に属します: Stable ABI.

モジュールの "state"(モジュールを生成したタイミングで確保されるメモリブロックへのポインター) か、なければ NULL を返します。 PyModuleDef.m_size を参照してください。

PyModuleDef *PyModule_GetDef(PyObject *module)
次に属します: Stable ABI.

モジュールが作られる元となった PyModuleDef 構造体へのポインタを返します。 モジュールが定義によって作られていなかった場合は NULL を返します。

PyObject *PyModule_GetFilenameObject(PyObject *module)
戻り値: 新しい参照。 次に属します: Stable ABI.

Return the name of the file from which module was loaded using module's __file__ attribute. If this is not defined, or if it is not a unicode string, raise SystemError and return NULL; otherwise return a reference to a Unicode object.

バージョン 3.2 で追加.

const char *PyModule_GetFilename(PyObject *module)
次に属します: Stable ABI.

PyModule_GetFilenameObject() と似ていますが、 'utf-8' でエンコードされたファイル名を返します。

バージョン 3.2 で非推奨: PyModule_GetFilename() はエンコードできないファイル名に対しては UnicodeEncodeError を送出します。これの代わりに PyModule_GetFilenameObject() を使用してください。

Cモジュールの初期化

通常、モジュールオブジェクトは拡張モジュール (初期化関数をエクスポートしている共有ライブラリ) または組み込まれたモジュール (PyImport_AppendInittab() を使って初期化関数が追加されているモジュール) から作られます。 詳細については C および C++ 拡張のビルド または 埋め込まれた Python の拡張 を見てください。

初期化関数は、モジュール定義のインスタンスを PyModule_Create() に渡して出来上がったモジュールオブジェクトを返してもよいですし、もしくは定義構造体そのものを返し"多段階初期化"を要求しても構いません。

type PyModuleDef
次に属します: Stable ABI (すべてのメンバーを含む).

モジュール定義構造体はモジュールオブジェクトを生成するのに必要なすべての情報を保持します。 通常は、それぞれのモジュールごとに静的に初期化されたこの型の変数が1つだけ存在します。

PyModuleDef_Base m_base

このメンバーは常に PyModuleDef_HEAD_INIT で初期化してください。

const char *m_name

新しいモジュールの名前。

const char *m_doc

モジュールの docstring。たいてい docstring は PyDoc_STRVAR を利用して生成されます。

Py_ssize_t m_size

モジュールの状態は、静的なグローバルな領域ではなく PyModule_GetState() で取得できるモジュールごとのメモリ領域に保持されていることがあります。 これによってモジュールは複数のサブ・インタプリターで安全に使えます。

このメモリ領域は m_size に基づいてモジュール作成時に確保され、モジュールオブジェクトが破棄されるときに、 m_free 関数があればそれが呼ばれた後で解放されます。

m_size-1 を設定すると、そのモジュールはグローバルな状態を持つためにサブ・インタープリターをサポートしていないということになります。

m_size を非負の値に設定すると、モジュールは再初期化でき、その状態のために必要となる追加のメモリ量を指定できるということになります。 非負の m_size は多段階初期化で必要になります。

詳細は PEP 3121 を参照。

PyMethodDef *m_methods

PyMethodDef で定義される、モジュールレベル関数のテーブルへのポインター。関数が存在しない場合は NULL を設定することが可能。

PyModuleDef_Slot *m_slots

多段階初期化のためのスロット定義の配列で、 {0, NULL} 要素が終端となります。 一段階初期化を使うときは、 m_slotsNULL でなければなりません。

バージョン 3.5 で変更: バージョン 3.5 より前は、このメンバは常に NULL に設定されていて、次のものとして定義されていました:

inquiry m_reload
traverseproc m_traverse

GC走査がモジュールオブジェクトを走査する際に呼び出される走査関数。必要ない場合は NULL.

This function is not called if the module state was requested but is not allocated yet. This is the case immediately after the module is created and before the module is executed (Py_mod_exec function). More precisely, this function is not called if m_size is greater than 0 and the module state (as returned by PyModule_GetState()) is NULL.

バージョン 3.9 で変更: No longer called before the module state is allocated.

inquiry m_clear

GCがこのモジュールオブジェクトをクリアーする時に呼び出されるクリアー関数。必要ない場合は、NULL.

This function is not called if the module state was requested but is not allocated yet. This is the case immediately after the module is created and before the module is executed (Py_mod_exec function). More precisely, this function is not called if m_size is greater than 0 and the module state (as returned by PyModule_GetState()) is NULL.

Like PyTypeObject.tp_clear, this function is not always called before a module is deallocated. For example, when reference counting is enough to determine that an object is no longer used, the cyclic garbage collector is not involved and m_free is called directly.

バージョン 3.9 で変更: No longer called before the module state is allocated.

freefunc m_free

GCがこのモジュールオブジェクトを解放するときに呼び出される関数。必要ない場合は NULL.

This function is not called if the module state was requested but is not allocated yet. This is the case immediately after the module is created and before the module is executed (Py_mod_exec function). More precisely, this function is not called if m_size is greater than 0 and the module state (as returned by PyModule_GetState()) is NULL.

バージョン 3.9 で変更: No longer called before the module state is allocated.

一段階初期化

モジュールの初期化関数が直接モジュールオブジェクトを生成して返す場合があります。 これは"一段階初期化"と呼ばれ、次の2つのモジュール生成関数のどちらか1つを使います:

PyObject *PyModule_Create(PyModuleDef *def)
戻り値: 新しい参照。

Create a new module object, given the definition in def. This behaves like PyModule_Create2() with module_api_version set to PYTHON_API_VERSION.

PyObject *PyModule_Create2(PyModuleDef *def, int module_api_version)
戻り値: 新しい参照。 次に属します: Stable ABI.

APIバージョンを module_api_version として def での定義に従って新しいモジュールオブジェクトを生成します。 もし指定されたバージョンが実行しているインタープリターのバージョンと異なる場合は、 RuntimeWarning を発生させます。

注釈

ほとんどの場合、この関数ではなく PyModule_Create() を利用するべきです。この関数は、この関数の必要性を理解しているときにだけ利用してください。

モジュールオブジェクトが初期化関数から返される前に、たいていは PyModule_AddObjectRef() などの関数を使ってモジュールオブジェクトにメンバを所属させます。

多段階初期化

An alternate way to specify extensions is to request "multi-phase initialization". Extension modules created this way behave more like Python modules: the initialization is split between the creation phase, when the module object is created, and the execution phase, when it is populated. The distinction is similar to the __new__() and __init__() methods of classes.

Unlike modules created using single-phase initialization, these modules are not singletons: if the sys.modules entry is removed and the module is re-imported, a new module object is created, and the old module is subject to normal garbage collection -- as with Python modules. By default, multiple modules created from the same definition should be independent: changes to one should not affect the others. This means that all state should be specific to the module object (using e.g. using PyModule_GetState()), or its contents (such as the module's __dict__ or individual classes created with PyType_FromSpec()).

多段階初期化を使って生成される全てのモジュールは サブ・インタプリター をサポートすることが求められます。 複数のモジュールが独立していることを保証するのには、たいていはこのサポートをするだけで十分です。

多段階初期化を要求するために、初期化関数 (PyInit_modulename) は空でない m_slots を持つ PyModuleDef を返します。 これを返す前に、 PyModuleDef インスタンスは次の関数で初期化されなくてはいけません:

PyObject *PyModuleDef_Init(PyModuleDef *def)
戻り値: 借用参照。 次に属します: Stable ABI (バージョン 3.5 より).

モジュール定義が型と参照カウントを正しく報告する、適切に初期化された Python オブジェクトであること保証します。

PyObject* にキャストされた def を返します。エラーが発生した場合 NULL を返します。

バージョン 3.5 で追加.

モジュール定義の m_slots メンバは PyModuleDef_Slot 構造体の配列を指さなければなりません:

type PyModuleDef_Slot
int slot

スロット ID で、以下で説明されている利用可能な値から選ばれます。

void *value

スロットの値で、意味はスロット ID に依存します。

バージョン 3.5 で追加.

m_slots 配列はID 0 のスロットで終端されていなければなりません。

利用可能なスロットの型は以下です:

Py_mod_create

モジュールオブジェクト自身を生成するために呼ばれる関数を指定します。 このスロットの value ポインタは次のシグネチャを持つ関数を指していなくてはいけません:

PyObject *create_module(PyObject *spec, PyModuleDef *def)

PEP 451 で定義された ModuleSpec インスタンスと、モジュール定義を受け取る関数です。 これは新しいモジュールオブジェクトを返すか、エラーを設定して NULL を返すべきです。

この関数は最小限に留めておくべきです。 特に任意のPythonコードを呼び出すべきではなく、同じモジュールをインポートしようとすると無限ループに陥るでしょう。

複数の Py_mod_create スロットを1つのモジュール定義に設定しない方がよいです。

Py_mod_create が設定されていない場合は、インポート機構は PyModule_New() を使って通常のモジュールオブジェクトを生成します。 モジュールの名前は定義ではなく spec から取得され、これによって拡張モジュールが動的にモジュール階層における位置を調整できたり、シンボリックリンクを通して同一のモジュール定義を共有しつつ別の名前でインポートできたりします。

返されるオブジェクトが PyModule_Type のインスタンスである必要はありません。 インポートに関連する属性の設定と取得ができる限りは、どんな型でも使えます。 しかし、 PyModuleDefNULL でない m_traverse, m_clear, m_free 、もしくはゼロでない m_size 、もしくは Py_mod_create 以外のスロットを持つ場合は、 PyModule_Type インスタンスのみが返されるでしょう。

Py_mod_exec

モジュールを 実行する ときに呼ばれる関数を指定します。 これはPythonモジュールのコードを実行するのと同等です: この関数はたいていはクラスと定数をモジュールにします。 この関数のシグネチャは以下です:

int exec_module(PyObject *module)

複数の Py_mod_exec スロットが設定されていた場合は、 m_slots 配列に現れた順に処理されていきます。

多段階初期化についてより詳しくは PEP 489 を見てください。

低水準モジュール作成関数

以下の関数は、多段階初期化を使うときに裏側で呼び出されます。 例えばモジュールオブジェクトを動的に生成するときに、これらの関数を直接使えます。 PyModule_FromDefAndSpec および PyModule_ExecDef のどちらも、呼び出した後にはモジュールが完全に初期化されていなければなりません。

PyObject *PyModule_FromDefAndSpec(PyModuleDef *def, PyObject *spec)
戻り値: 新しい参照。

Create a new module object, given the definition in def and the ModuleSpec spec. This behaves like PyModule_FromDefAndSpec2() with module_api_version set to PYTHON_API_VERSION.

バージョン 3.5 で追加.

PyObject *PyModule_FromDefAndSpec2(PyModuleDef *def, PyObject *spec, int module_api_version)
戻り値: 新しい参照。 次に属します: Stable ABI (バージョン 3.7 より).

APIバージョンを module_api_version として、 def と ModuleSpec オブジェクトの spec で定義されたとおりに新しいモジュールオブジェクトを生成します。 もし指定されたバージョンが実行しているインタープリターのバージョンと異なる場合は、 RuntimeWarning を発生させます。

注釈

ほとんどの場合、この関数ではなく PyModule_FromDefAndSpec() を利用するべきです。 この関数は、この関数の必要性を理解しているときにだけ利用してください。

バージョン 3.5 で追加.

int PyModule_ExecDef(PyObject *module, PyModuleDef *def)
次に属します: Stable ABI (バージョン 3.7 より).

def で与えられた任意の実行スロット (Py_mod_exec) を実行します。

バージョン 3.5 で追加.

int PyModule_SetDocString(PyObject *module, const char *docstring)
次に属します: Stable ABI (バージョン 3.7 より).

module の docstring を docstring に設定します。 この関数は、 PyModuleDef から PyModule_Create もしくは PyModule_FromDefAndSpec を使ってモジュールを生成するときに自動的に呼び出されます。

バージョン 3.5 で追加.

int PyModule_AddFunctions(PyObject *module, PyMethodDef *functions)
次に属します: Stable ABI (バージョン 3.7 より).

終端が NULL になっている functions 配列にある関数を module に追加します。 PyMethodDef 構造体の個々のエントリについては PyMethodDef の説明を参照してください (モジュールの名前空間が共有されていないので、 C で実装されたモジュールレベル "関数" はたいていモジュールを1つ目の引数として受け取り、 Python クラスのインスタンスメソッドに似た形にします)。 この関数は、 PyModuleDef から PyModule_Create もしくは PyModule_FromDefAndSpec を使ってモジュールを生成するときに自動的に呼び出されます。

バージョン 3.5 で追加.

サポート関数

モジュールの初期化関数 (一段階初期化を使う場合) 、あるいはモジュールの実行スロットから呼び出される関数 (多段階初期化を使う場合) は次の関数を使うと、モジュールの state の初期化を簡単にできます:

int PyModule_AddObjectRef(PyObject *module, const char *name, PyObject *value)
次に属します: Stable ABI (バージョン 3.10 より).

module にオブジェクトを name として追加します。 この関数はモジュールの初期化関数から利用される便利関数です。

成功すると 0 を返し、エラーになると例外を送出して -1 を返します。

Return NULL if value is NULL. It must be called with an exception raised in this case.

使用例:

static int
add_spam(PyObject *module, int value)
{
    PyObject *obj = PyLong_FromLong(value);
    if (obj == NULL) {
        return -1;
    }
    int res = PyModule_AddObjectRef(module, "spam", obj);
    Py_DECREF(obj);
    return res;
 }

この例は、明示的に objNULL であることを確認せずに書くこともできます:

static int
add_spam(PyObject *module, int value)
{
    PyObject *obj = PyLong_FromLong(value);
    int res = PyModule_AddObjectRef(module, "spam", obj);
    Py_XDECREF(obj);
    return res;
 }

この場合は、 objNULL でありうるため、 Py_DECREF() の代わりに Py_XDECREF() を呼び出す必要があることに注意してください。

バージョン 3.10 で追加.

int PyModule_AddObject(PyObject *module, const char *name, PyObject *value)
次に属します: Stable ABI.

Similar to PyModule_AddObjectRef(), but steals a reference to value on success (if it returns 0).

The new PyModule_AddObjectRef() function is recommended, since it is easy to introduce reference leaks by misusing the PyModule_AddObject() function.

注釈

Unlike other functions that steal references, PyModule_AddObject() only releases the reference to value on success.

This means that its return value must be checked, and calling code must Py_DECREF() value manually on error.

使用例:

static int
add_spam(PyObject *module, int value)
{
    PyObject *obj = PyLong_FromLong(value);
    if (obj == NULL) {
        return -1;
    }
    if (PyModule_AddObject(module, "spam", obj) < 0) {
        Py_DECREF(obj);
        return -1;
    }
    // PyModule_AddObject() stole a reference to obj:
    // Py_DECREF(obj) is not needed here
    return 0;
}

この例は、明示的に objNULL であることを確認せずに書くこともできます:

static int
add_spam(PyObject *module, int value)
{
    PyObject *obj = PyLong_FromLong(value);
    if (PyModule_AddObject(module, "spam", obj) < 0) {
        Py_XDECREF(obj);
        return -1;
    }
    // PyModule_AddObject() stole a reference to obj:
    // Py_DECREF(obj) is not needed here
    return 0;
}

この場合は、 objNULL でありうるため、 Py_DECREF() の代わりに Py_XDECREF() を呼び出す必要があることに注意してください。

int PyModule_AddIntConstant(PyObject *module, const char *name, long value)
次に属します: Stable ABI.

Add an integer constant to module as name. This convenience function can be used from the module's initialization function. Return -1 on error, 0 on success.

int PyModule_AddStringConstant(PyObject *module, const char *name, const char *value)
次に属します: Stable ABI.

Add a string constant to module as name. This convenience function can be used from the module's initialization function. The string value must be NULL-terminated. Return -1 on error, 0 on success.

PyModule_AddIntMacro(module, macro)

Add an int constant to module. The name and the value are taken from macro. For example PyModule_AddIntMacro(module, AF_INET) adds the int constant AF_INET with the value of AF_INET to module. Return -1 on error, 0 on success.

PyModule_AddStringMacro(module, macro)

文字列定数を module に追加します。

int PyModule_AddType(PyObject *module, PyTypeObject *type)
次に属します: Stable ABI (バージョン 3.10 より).

Add a type object to module. The type object is finalized by calling internally PyType_Ready(). The name of the type object is taken from the last component of tp_name after dot. Return -1 on error, 0 on success.

バージョン 3.9 で追加.

モジュール検索

一段階初期化は、現在のインタプリタのコンテキストから探せるシングルトンのモジュールを生成します。 これによって、後からモジュール定義への参照だけでモジュールオブジェクトが取得できます。

多段階初期化を使うと単一の定義から複数のモジュールが作成できるので、これらの関数は多段階初期化を使って作成されたモジュールには使えません。

PyObject *PyState_FindModule(PyModuleDef *def)
戻り値: 借用参照。 次に属します: Stable ABI.

現在のインタプリタの def から作られたモジュールオブジェクトを返します。このメソッドの前提条件として、前もって PyState_AddModule() でインタプリタの state にモジュールオブジェクトを連結しておくことを要求します。対応するモジュールオブジェクトが見付からない、もしくは事前にインタプリタの state に連結されていない場合は、 NULL を返します。

int PyState_AddModule(PyObject *module, PyModuleDef *def)
次に属します: Stable ABI (バージョン 3.3 より).

関数に渡されたモジュールオブジェクトを、インタプリタの state に連結します。この関数を使うことで PyState_FindModule() からモジュールオブジェクトにアクセスできるようになります。

一段階初期化を使って作成されたモジュールにのみ有効です。

Python calls PyState_AddModule automatically after importing a module, so it is unnecessary (but harmless) to call it from module initialization code. An explicit call is needed only if the module's own init code subsequently calls PyState_FindModule. The function is mainly intended for implementing alternative import mechanisms (either by calling it directly, or by referring to its implementation for details of the required state updates).

呼び出し側はGILを獲得しなければなりません。

Return 0 on success or -1 on failure.

バージョン 3.3 で追加.

int PyState_RemoveModule(PyModuleDef *def)
次に属します: Stable ABI (バージョン 3.3 より).

Removes the module object created from def from the interpreter state. Return 0 on success or -1 on failure.

呼び出し側はGILを獲得しなければなりません。

バージョン 3.3 で追加.