logging.handlers
--- ロギングハンドラ¶
ソースコード: Lib/logging/handlers.py
このパッケージでは、以下の便利なハンドラが提供されています。なお、これらのハンドラのうち、3 つ (StreamHandler
, FileHandler
および NullHandler
) は、実際には logging
モジュール自身で定義されていますが、他のハンドラと一緒にここでドキュメント化します。
StreamHandler¶
logging
コアパッケージに含まれる StreamHandler
クラスは、ログ出力を sys.stdout, sys.stderr あるいは何らかのファイル風 (file-like) オブジェクト (あるいは、より正確に言えば write()
および flush()
メソッドをサポートする何らかのオブジェクト) といったストリームに送信します。
-
class
logging.
StreamHandler
(stream=None)¶ StreamHandler
クラスの新たなインスタンスを返します。 stream が指定された場合、インスタンスはログ出力先として指定されたストリームを使います; そうでない場合、 sys.stderr が使われます。-
emit
(record)¶ フォーマッタが指定されていれば、フォーマッタを使ってレコードを書式化します。 次に、レコードが
terminator
とともにストリームに書き込まれます。 例外情報が存在する場合、traceback.print_exception()
を使って書式化され、 ストリームの末尾につけられます。
-
flush
()¶ ストリームの
flush()
メソッドを呼び出してバッファをフラッシュします。close()
メソッドはHandler
から継承しているため何も出力を行わないので、flush()
呼び出しを明示的に行う必要があるかもしれません。
-
setStream
(stream)¶ このインスタンスの stream と指定された値が異なる場合、指定された値に設定します。 新しい stream を設定する前に、古い stream はフラッシュされます。
- パラメータ
stream -- ハンドラがこれから使う stream 。
- 戻り値
stream が変更された場合は古い stream 、そうでない場合は None 。
バージョン 3.7 で追加.
-
terminator
¶ フォーマット済みのレコードをストリームに出力するときの終端として使われる文字列です。デフォルト値は
'\n'
です。もし改行区切りにしたくない場合はハンドラーインスタンスの
terminator
属性に空文字列を設定してください。以前のバージョンでは、区切り文字は
'\n'
にハードコードされていました。バージョン 3.2 で追加.
-
FileHandler¶
logging
コアパッケージに含まれる FileHandler
クラスは、ログ出力をディスク上のファイルに送信します。このクラスは出力機能を StreamHandler
から継承しています。
-
class
logging.
FileHandler
(filename, mode='a', encoding=None, delay=False, errors=None)¶ FileHandler
クラスの新たなインスタンスを返します。指定されたファイルが開かれ、ログ記録のためのストリームとして使われます。 mode が指定されなかった場合、'a'
が使われます。 encoding がNone
でない場合、その値はファイルを開くときのエンコーディングとして使われます。 delay が真ならば、ファイルを開くのは最初のemit()
呼び出しまで遅らせられます。デフォルトでは、ファイルは無制限に大きくなりつづけます。 errors を指定されると、エンコーディングエラーの処理方法を決定します。バージョン 3.6 で変更: 文字列値に加え、
Path
オブジェクトも filename 引数が受け取るようになりました。バージョン 3.9 で変更: errors 引数が追加されました。
-
close
()¶ ファイルを閉じます。
-
NullHandler¶
バージョン 3.1 で追加.
logging
コアパッケージに含まれる NullHandler
クラスは、いかなる書式化も出力も行いません。これは本質的には、ライブラリ開発者に使われる 'no-op' ハンドラです。
-
class
logging.
NullHandler
¶ NullHandler
クラスの新しいインスタンスを返します。-
emit
(record)¶ このメソッドは何もしません。
-
handle
(record)¶ このメソッドは何もしません。
-
createLock
()¶ アクセスが特殊化される必要がある I/O が下にないので、このメソッドはロックに対して
None
を返します。
-
NullHandler
の使い方の詳しい情報は、 ライブラリのためのロギングの設定 を参照してください。
WatchedFileHandler¶
logging.handlers
モジュールに含まれる WatchedFileHandler
クラスは、ログ記録先のファイルを監視する FileHandler
の一種です。ファイルが変更された場合、ファイルを閉じてからファイル名を使って開き直します。
ファイルはログファイルをローテーションさせる newsyslog や logrotate のようなプログラムを使うことで変更されることがあります。このハンドラは、 Unix/Linux で使われることを意図していますが、ファイルが最後にログを出力してから変わったかどうかを監視します。 (ファイルはデバイスや inode が変わることで変わったと判断します。) ファイルが変わったら古いファイルのストリームは閉じて、現在のファイルを新しいストリームを取得するために開きます。
このハンドラを Windows で使うことは適切ではありません。というのも Windows では開いているログファイルを移動したり削除したりできないからです - logging はファイルを排他的ロックを掛けて開きます - そのためこうしたハンドラは必要ないのです。さらに、 Windows では ST_INO がサポートされていません; stat()
はこの値として常に 0 を返します。
-
class
logging.handlers.
WatchedFileHandler
(filename, mode='a', encoding=None, delay=False, errors=None)¶ WatchedFileHandler
クラスの新たなインスタンスを返します。 指定されたファイルが開かれ、ログ記録のためのストリームとして使われます。 mode が指定されなかった場合、'a'
が使われます。 encoding がNone
でない場合、その値はファイルを開くときのエンコーディングとして使われます。 delay が真ならば、ファイルを開くのは最初のemit()
呼び出しまで遅らせられます。 デフォルトでは、ファイルは無制限に大きくなりつづけます。 errors が提供されると、エンコーディングエラーの処理方法を決定します。バージョン 3.6 で変更: 文字列値に加え、
Path
オブジェクトも filename 引数が受け取るようになりました。バージョン 3.9 で変更: errors 引数が追加されました。
-
reopenIfNeeded
()¶ ファイルが変更されていないかチェックします。 もし変更されていれば、手始めにレコードをファイルに出力し、既存のストリームはフラッシュして閉じられ、ファイルが再度開かれます。
バージョン 3.6 で追加.
-
emit
(record)¶ レコードをファイルに出力しますが、最初に
reopenIfNeeded()
を呼び出して、変更があった場合はファイルを再度開きます。
-
BaseRotatingHandler¶
logging.handlers
モジュールに存在する BaseRotatingHandler
クラスは、ローテートを行うファイルハンドラ RotatingFileHandler
と TimedRotatingFileHandler
のベースクラスです。このクラスをインスタンス化する必要はありませんが、オーバーライドすることになるかもしれない属性とメソッドを持っています。
-
class
logging.handlers.
BaseRotatingHandler
(filename, mode, encoding=None, delay=False, errors=None)¶ パラメータは
FileHandler
と同じです。属性は次の通りです:-
namer
¶ この属性に callable がセットされた場合、
rotation_filename()
メソッドはこの callable に委譲されます。 callable に渡されるパラメータはrotation_filename()
に渡されたものです。注釈
namer 関数はロールオーバー中にかなりの回数呼ばれます。そのため、できるだけ単純で、速くあるべきです。さらに、それは与えられた入力に対しては常に同じ出力を返すべきです。そうでなければ、ロールオーバーの振る舞いは期待通りに動かないかもしれません。
namer 属性にローテーションの際に使われるファイル名に埋め込むための特定の属性を保持しようとする場合に注意が必要なことは、注意喚起しておくべきでしょう。たとえば
RotatingFileHandler
は、ローテーションが期待通りに動作するために、名前に連続した番号を含むようなファイル名のリストを持つことを期待します。またTimedRotatingFileHandler
は (ハンドラの初期化時に渡されたbackupCount
にもとづいて) 削除すべき古いファイルを決定しながら、古いログファイルを削除します。この仕組みが動作するためには、ファイル名は名前に含まれる日付や時刻でソート可能である必要があり、 namer はそれを尊重しなければなりません (namer がこの規則を尊重したくない場合、そのような namer はgetFilesToDelete()
メソッドが特定の命名規則に適合するようにオーバーライドされたTimedRotatingFileHandler
の派生クラス内で使う必要があるでしょう)。バージョン 3.3 で追加.
-
rotator
¶ この属性に callable がセットされた場合、
rotate()
メソッドはこの callable に委譲されます。 callable に渡されるパラメータはrotate()
に渡されたものです。バージョン 3.3 で追加.
-
rotation_filename
(default_name)¶ ローテートを行う際にログファイルのファイル名を変更します。
このメソッドは、ファイル名をカスタマイズするために提供されます。
デフォルト実装は、ハンドラの 'namer' 属性が callable だった場合、その callable を呼んでデフォルト名を渡します。属性が callable でない場合 (デフォルトは
None
です)、名前は変更せずに返されます。- パラメータ
default_name -- ログファイルのデフォルトのファイル名。
バージョン 3.3 で追加.
-
rotate
(source, dest)¶ ローテートが行われる時、現在のログをローテートします。
デフォルト実装は、 ハンドラの 'rotator' 属性が callable だった場合、その callable を呼んで source と dest 引数を渡します。属性が callable でない場合 (デフォルトは
None
です)、単に source が destination に改名されます。- パラメータ
source -- ソースファイル名。これは通常ベースファイル名 、例えば 'test.log' となります。
dest -- 変更先ファイル名。これは通常ソースファイルをローテートしたもの (例えば 'test.log.1') です。
バージョン 3.3 で追加.
-
これらの属性が存在する理由は、サブクラス化を省略できるようにするためです。 RotatingFileHandler
と TimedRotatingFileHandler
のインスタンスに対して同じ callable が使えます。もし namer や rotator callable が例外を上げれば、 emit()
呼び出しで発生した他の例外と同じ方法で、つまりハンドラの handleError()
メソッドによって扱われます。
ローテート処理に大幅な変更を加える必要があれば、メソッドをオーバーライドすることができます。
例えば、 rotator と namer を使ってログローテートをカスタマイズする を参照してください。
RotatingFileHandler¶
logging.handlers
モジュールに含まれる RotatingFileHandler
クラスは、ディスク上のログファイルに対するローテーション処理をサポートします。
-
class
logging.handlers.
RotatingFileHandler
(filename, mode='a', maxBytes=0, backupCount=0, encoding=None, delay=False, errors=None)¶ RotatingFileHandler
クラスの新たなインスタンスを返します。 指定されたファイルが開かれ、ログ記録のためのストリームとして使われます。 mode が指定されなかった場合、'a'
が使われます。 encoding がNone
でない場合、その値はファイルを開くときのエンコーディングとして使われます。 delay が真ならば、ファイルを開くのは最初のemit()
呼び出しまで遅らせられます。 デフォルトでは、ファイルは無制限に大きくなりつづけます。 errors が提供されると、エンコーディングエラーの処理方法を決定します。maxBytes および backupCount 値を指定することで、あらかじめ決められたサイズでファイルをロールオーバ (rollover) させることができます。 指定サイズを超えそうになると、ファイルは閉じられ、暗黙のうちに新たなファイルが開かれます。 ロールオーバは現在のログファイルの長さが maxBytes に近くなると常に起きますが、 maxBytes または backupCount がゼロならロールオーバは起きなくなってしまうので、一般的には backupCount を少なくとも 1 に設定し maxBytes を非ゼロにするのが良いでしょう。 backupCount が非ゼロのとき、システムは古いログファイルをファイル名に ".1", ".2" といった拡張子を追加して保存します。 例えば、 backupCount が 5 で、基本のファイル名が
app.log
なら、app.log
,app.log.1
,app.log.2
... と続き、app.log.5
までを得ることになります。 ログの書き込み対象になるファイルは常にapp.log
です。このファイルが満杯になると、ファイルは閉じられ、app.log.1
に名前が変更されます。app.log.1
,app.log.2
などが存在する場合、それらのファイルはそれぞれapp.log.2
,app.log.3
といった具合に名前が変更されます。バージョン 3.6 で変更: 文字列値に加え、
Path
オブジェクトも filename 引数が受け取るようになりました。バージョン 3.9 で変更: errors 引数が追加されました。
-
doRollover
()¶ 上述のような方法でロールオーバを行います。
-
emit
(record)¶ 上述のようなロールオーバを行いながら、レコードをファイルに出力します。
-
TimedRotatingFileHandler¶
logging.handlers
モジュールに含まれる TimedRotatingFileHandler
クラスは、特定の時間間隔でのログローテーションをサポートしています。
-
class
logging.handlers.
TimedRotatingFileHandler
(filename, when='h', interval=1, backupCount=0, encoding=None, delay=False, utc=False, atTime=None, errors=None)¶ TimedRotatingFileHandler
クラスの新たなインスタンスを返します。 filename に指定したファイルを開き、ログ出力先のストリームとして使います。ログファイルのローテーション時には、ファイル名に拡張子 (suffix) をつけます。ログファイルのローテーションは when および interval の積に基づいて行います。when は interval の単位を指定するために使います。使える値は下表の通りです。大小文字の区別は行いません。
値
interval の単位
atTime の使用有無/使用方法
'S'
秒
無視
'M'
分
無視
'H'
時間
無視
'D'
日
無視
'W0'-'W6'
曜日 (0=月曜)
初期のロールオーバー時刻の算出に使用
'midnight'
atTime が指定されなかった場合は深夜に、そうでない場合は atTime の時刻にロールオーバーされます
初期のロールオーバー時刻の算出に使用
曜日ベースのローテーションを使う場合は、月曜として 'W0' を、火曜として 'W1' を、…、日曜として 'W6' を指定します。このケースの場合は、 interval は使われません。
古いログファイルの保存時、ロギングシステムによりファイル名に拡張子が付けられます。 ロールオーバ間隔によって、strftime の
%Y-%m-%d_%H-%M-%S
形式またはその前方の一部を使って、日付と時間に基づいた拡張子が付けられます。最初に次のロールオーバー時間を計算するとき (ハンドラが生成されるとき)、次のローテーションがいつ起こるかを計算するために、既存のログファイルの最終変更時刻または現在の時間が使用されます。
utc 引数が true の場合時刻は UTC になり、それ以外では現地時間が使われます。
backupCount がゼロでない場合、保存されるファイル数は高々 backupCount 個で、それ以上のファイルがロールオーバされる時に作られるならば、一番古いものが削除されます。削除のロジックは interval で決まるファイルを削除するので、 interval を変えると古いファイルが残ったままになることもあります。
delay が true なら、ファイルを開くのは
emit()
の最初の呼び出しまで延期されます。atTime が
None
でない場合、それはdatetime.time
インスタンスでなければなりません。ロールオーバーが「夜中」「特定の曜日」に設定されていて、ロールが発生する時刻を指定します。 atTime の値は 初期 のロールオーバーの計算に使われますが、後続のロールオーバーは通常の間隔の計算で算出されます。errors が指定されると、エンコーディングエラーの取り扱い方法を決定します。
注釈
最初のロールオーバーの計算はハンドラーが初期化されたときに行われます。後続のロールオーバーは、ロールオーバーが発生し、ロールオーバーが出力した時にのみ行われます。これを念頭に置いておかないと混乱する可能性があります。例えば、インターバルが 毎分 に設定されていて、1分ごとにログファイルが常に生成されるとは限りません。アプリケーションが実行されている間、1分に1回以上のログ出力されて いるとすると 毎分、分割されたログファイルが出力されますが、そうでなく、5分ごとに出力される場合は、出力されずにロールオーバーが実行されなかった時間分のギャップが生じます。
バージョン 3.4 で変更: atTime パラメータが追加されました。
バージョン 3.6 で変更: 文字列値に加え、
Path
オブジェクトも filename 引数が受け取るようになりました。バージョン 3.9 で変更: errors 引数が追加されました。
-
doRollover
()¶ 上述のような方法でロールオーバを行います。
-
emit
(record)¶ 上で説明した方法でロールオーバを行いながら、レコードをファイルに出力します。
-
getFilesToDelete
()¶ ロールオーバーの一環として削除されるファイル名のリストを返します。それらのファイルは、ハンドラによって書き込まれた最も古いバックアップログファイルの絶対パスです。
-
SocketHandler¶
logging.handlers
モジュールに含まれる SocketHandler
クラスは、ログ出力をネットワークソケットに送信します。基底クラスでは TCP ソケットを用います。
-
class
logging.handlers.
SocketHandler
(host, port)¶ アドレスが host および port で与えられた遠隔のマシンと通信するようにした
SocketHandler
クラスのインスタンスを生成して返します。バージョン 3.4 で変更:
port
にNone
を指定すると、Unix ドメインソケットがhost
値を用いて作られます - そうでない場合は TCP ソケットが作られます。-
close
()¶ ソケットを閉じます。
-
emit
()¶ レコードの属性辞書を pickle して、バイナリ形式でソケットに書き込みます。ソケット操作でエラーが生じた場合、暗黙のうちにパケットは捨てられます。事前に接続が失われていた場合、接続を再度確立します。受信端でレコードを unpickle して
LogRecord
にするには、makeLogRecord()
関数を使ってください。
-
makeSocket
()¶ サブクラスで必要なソケット形式を詳細に定義できるようにするためのファクトリメソッドです。デフォルトの実装では、 TCP ソケット (
socket.SOCK_STREAM
) を生成します。
-
makePickle
(record)¶ レコードの属性辞書をバイナリ形式に pickle したものの先頭に長さ情報を付け、ソケットを介して送信できるようにして返します。 この操作の詳細は次のコードと同等です:
data = pickle.dumps(record_attr_dict, 1) datalen = struct.pack('>L', len(data)) return datalen + data
pickle が完全に安全というわけではないことに注意してください。セキュリティに関して心配なら、より安全なメカニズムを実装するためにこのメソッドをオーバーライドすると良いでしょう。例えば、 HMAC を使って pickle に署名して、受け取る側ではそれを検証することができます。あるいはまた、受け取る側でグローバルなオブジェクトの unpickle を無効にすることができます。
-
send
(packet)¶ pickle したバイト文字列 packet をソケットに送信します。 送信するバイト文字列のフォーマットは、
makePickle()
のドキュメントで解説されています。この関数はネットワークがビジーの時に発生する部分的送信に対応しています。
-
createSocket
()¶ ソケットの生成を試みます。失敗時には、指数的な減速アルゴリズムを使います。最初の失敗時には、ハンドラは送ろうとしていたメッセージを落とします。続くメッセージが同じインスタンスで扱われたとき、幾らかの時間が経過するまで接続を試みません。デフォルトのパラメタは、最初の遅延時間が 1 秒で、その遅延時間の後でそれでも接続が確保できないなら、遅延時間は 2 倍づつになり、最大で 30 秒になります。
この働きは、以下のハンドラ属性で制御されます:
retryStart
(最初の遅延時間、デフォルトは 1.0 秒)。retryFactor
(乗数、デフォルトは 2.0)。retryMax
(最大遅延時間、デフォルトは 30.0 秒)。
つまり、ハンドラが使われた 後に リモートリスナが起動した場合、メッセージが失われてしまうことがあります (ハンドラは、遅延時間が経過するまで接続を試みようとさえせず、その遅延時間中に通知なくメッセージを捨てるので)。
-
DatagramHandler¶
logging.handlers
モジュールに含まれる DatagramHandler
クラスは、 SocketHandler
を継承しており、 UDP ソケットを介したログ記録メッセージの送信をサポートしています。
-
class
logging.handlers.
DatagramHandler
(host, port)¶ アドレスが host および port で与えられた遠隔のマシンと通信するようにした
DatagramHandler
クラスのインスタンスを生成して返します。注釈
UDP はストリーミングプロトコルではないため、このハンドラのインスタンスと host に指定したホストとの間に持続的なコネクションはありません。この理由から、ネットワークソケットを使う場合、イベントがログされるごとに DNS のルックアップを行わなければならないかもしれず、それによりシステムにある程度の待ち時間をもたらす可能性があります。この待ち時間が問題になる場合、自身でルックアップを行い、ホスト名の代わりにルックアップの結果得られた IP アドレスを使ってハンドラを初期化することができます。
バージョン 3.4 で変更:
port
にNone
を指定すると、Unix ドメインソケットがhost
値を用いて作られます - そうでない場合は UDP ソケットが作られます。-
emit
()¶ レコードの属性辞書を pickle して、バイナリ形式でソケットに書き込みます。ソケット操作でエラーが生じた場合、暗黙のうちにパケットは捨てられます。事前に接続が失われていた場合、接続を再度確立します。受信端でレコードを unpickle して
LogRecord
にするには、makeLogRecord()
関数を使ってください。
-
makeSocket
()¶ ここで
SocketHandler
のファクトリメソッドをオーバライドして、 UDP ソケット (socket.SOCK_DGRAM
) を生成しています。
-
send
(s)¶ pickle したバイト文字列をソケットに送信します。 送信するバイト文字列のフォーマットは、
SocketHandler.makePickle()
のドキュメントで解説されています。
-
SysLogHandler¶
logging.handlers
モジュールに含まれる SysLogHandler
クラスは、ログ記録メッセージを遠隔またはローカルの Unix syslog に送信する機能をサポートしています。
-
class
logging.handlers.
SysLogHandler
(address=('localhost', SYSLOG_UDP_PORT), facility=LOG_USER, socktype=socket.SOCK_DGRAM)¶ 遠隔の Unix マシンと通信するための、
SysLogHandler
クラスの新たなインスタンスを返します。マシンのアドレスは(host, port)
のタプル形式をとる address で与えられます。 address が指定されない場合、('localhost', 514)
が使われます。アドレスは UDP ソケットを使って開かれます。(host, port)
のタプル形式の代わりに文字列で "/dev/log" のように与えることもできます。この場合、 Unix ドメインソケットが syslog にメッセージを送るのに使われます。 facility が指定されない場合、LOG_USER
が使われます。開かれるソケットの型は、 socktype 引数に依り、デフォルトはsocket.SOCK_DGRAM
で、UDP ソケットを開きます。 (rsyslog のような新しい syslog デーモンと使うために) TCP ソケットを開くには、socket.SOCK_STREAM
の値を指定してください。使用中のサーバが UDP ポート 514 を待機していない場合、
SysLogHandler
が正常に動作していないように見える場合があります。その場合、ドメインソケットに使うべきアドレスを調べてください。そのアドレスはシステムによって異なります。例えば、Linux システムでは通常 '/dev/log' ですが、 OS X では '/var/run/syslog' です。プラットフォームを確認し、適切なアドレスを使う必要があります (アプリケーションを複数のプラットフォーム上で動作させる必要がある場合、実行時に確認する必要があるかもしれません)。Windows では、多くの場合、UDP オプションを使用する必要があります。注釈
macOS 12.x (Monterey) において、 Apple 社は syslog デーモンの振る舞いを変更しました - デーモンはドメインソケットをの待ち受けを行いません。したがって、このシステム上では
SysLogHandler
が動作することは期待できません。より詳細な情報は gh-91070 を参照して下さい。
バージョン 3.2 で変更: socktype が追加されました。
-
close
()¶ 遠隔ホストへのソケットを閉じます。
-
emit
(record)¶ レコードは書式化された後、 syslog サーバに送信されます。例外情報が存在しても、サーバには 送信されません 。
バージョン 3.2.1 で変更: (参照: bpo-12168) 初期のバージョンでは、 syslog デーモンに送られるメッセージは常に NUL バイトで終端していました。初期のバージョンの syslog デーモンが NUL 終端されたメッセージを期待していたからです - たとえ、それが適切な仕様 (RFC 5424) にはなかったとしても。 syslog デーモンの新しいバージョンは NUL バイトを期待せず、代わりにもしそれがある場合は削除します。さらに、より最近のデーモン (RFC 5424 により忠実なバージョン) は、メッセージの一部として NUL バイトを通します。
このような異なるデーモンの振る舞いすべてに対して syslog メッセージの取り扱いをより容易にするため、 NUL バイトの追加はクラスレベル属性
append_nul
を使用して設定できるようになりました。これはデフォルトでTrue
(既存の振る舞いを保持) ですが、SysLogHandler
インスタンスが NUL 終端文字を追加 しない ようにFalse
にセットすることができます。バージョン 3.3 で変更: (参照: bpo-12419) 以前のバージョンでは、メッセージソースを識別するための "ident" あるいは "tag" プリフィックス機能はありませんでした。これは、今ではクラスレベル属性を使用して指定することができるようになりました。デフォルトでは既存の振る舞いを保持するために
""
ですが、特定のSysLogHandler
インスタンスが扱うすべてのメッセージに識別子を前置するようにそれをオーバーライドすることができます。識別子はバイトではなくテキストでなければならず、正確にそのままメッセージに前置されることに注意してください。
-
encodePriority
(facility, priority)¶ ファシリティおよび優先度を整数に符号化します。値は文字列でも整数でも渡すことができます。文字列が渡された場合、内部の対応付け辞書が使われ、整数に変換されます。
シンボリックな
LOG_
値はSysLogHandler
で定義されています。これはsys/syslog.h
ヘッダーファイルで定義された値を反映しています。優先度
名前 (文字列)
シンボル値
alert
LOG_ALERT
crit
orcritical
LOG_CRIT
debug
LOG_DEBUG
emerg
orpanic
LOG_EMERG
err
orerror
LOG_ERR
info
LOG_INFO
notice
LOG_NOTICE
warn
orwarning
LOG_WARNING
ファシリティ
名前 (文字列)
シンボル値
auth
LOG_AUTH
authpriv
LOG_AUTHPRIV
cron
LOG_CRON
daemon
LOG_DAEMON
ftp
LOG_FTP
kern
LOG_KERN
lpr
LOG_LPR
mail
LOG_MAIL
news
LOG_NEWS
syslog
LOG_SYSLOG
user
LOG_USER
uucp
LOG_UUCP
local0
LOG_LOCAL0
local1
LOG_LOCAL1
local2
LOG_LOCAL2
local3
LOG_LOCAL3
local4
LOG_LOCAL4
local5
LOG_LOCAL5
local6
LOG_LOCAL6
local7
LOG_LOCAL7
-
mapPriority
(levelname)¶ ログレベル名を syslog 優先度名に対応付けます。カスタムレベルを使用している場合や、デフォルトアルゴリズムがニーズに適していない場合には、このメソッドをオーバーライドする必要があるかもしれません。デフォルトアルゴリズムは、
DEBUG
,INFO
,WARNING
,ERROR
,CRITICAL
を等価な syslog 名に、他のすべてのレベル名を "warning" に対応付けます。
-
NTEventLogHandler¶
logging.handlers
モジュールに含まれる NTEventLogHandler
クラスは、ログ記録メッセージをローカルな Windows NT, Windows 2000, または Windows XP のイベントログに送信する機能をサポートします。この機能を使えるようにするには、 Mark Hammond による Python 用 Win32 拡張パッケージをインストールする必要があります。
-
class
logging.handlers.
NTEventLogHandler
(appname, dllname=None, logtype='Application')¶ NTEventLogHandler
クラスの新たなインスタンスを返します。 appname はイベントログに表示する際のアプリケーション名を定義するために使われます。この名前を使って適切なレジストリエントリが生成されます。 dllname はログに保存するメッセージ定義の入った .dll または .exe ファイルへの完全修飾パス名を与えなければなりません (指定されない場合、'win32service.pyd'
が使われます - このライブラリは Win32 拡張とともにインストールされ、いくつかのプレースホルダとなるメッセージ定義を含んでいます)。これらのプレースホルダを利用すると、メッセージの発信源全体がログに記録されるため、イベントログは巨大になるので注意してください。 logtype は'Application'
,'System'
,'Security'
のいずれかで、デフォルトは'Application'
です。-
close
()¶ 現時点では、イベントログエントリの発信源としてのアプリケーション名をレジストリから除去することはできます。しかしこれを行うと、イベントログビューアで意図した通りにログが見えなくなるでしょう - これはイベントログが .dll 名を取得するためにレジストリにアクセスできなければならないからです。現在のバージョンではこの操作を行いません。
-
emit
(record)¶ メッセージ ID、イベントカテゴリ、イベント型を決定し、メッセージを NT イベントログに記録します。
-
getEventCategory
(record)¶ レコードに対するイベントカテゴリを返します。自作のカテゴリを指定したい場合、このメソッドをオーバライドしてください。このクラスのバージョンのメソッドは 0 を返します。
-
getEventType
(record)¶ レコードのイベント型を返します。自作の型を指定したい場合、このメソッドをオーバライドしてください。このクラスのバージョンのメソッドは、ハンドラの typemap 属性を使って対応付けを行います。この属性は
__init__()
で初期化され、DEBUG
,INFO
,WARNING
,ERROR
,CRITICAL
が入っています。自作のレベルを使っているのなら、このメソッドをオーバライドするか、ハンドラの typemap 属性に適切な辞書を配置する必要があるでしょう。
-
getMessageID
(record)¶ レコードのメッセージ ID を返します。自作のメッセージを使っているのなら、ロガーに渡される msg を書式化文字列ではなく ID にします。その上で、辞書参照を行ってメッセージ ID を得ます。このクラスのバージョンでは 1 を返します。この値は
win32service.pyd
における基本メッセージ ID です。
-
SMTPHandler¶
logging.handlers
モジュールに含まれる SMTPHandler
クラスは、 SMTP を介したログ記録メッセージの送信機能をサポートします。
-
class
logging.handlers.
SMTPHandler
(mailhost, fromaddr, toaddrs, subject, credentials=None, secure=None, timeout=1.0)¶ 新たな
SMTPHandler
クラスのインスタンスを返します。インスタンスは email の from および to アドレス行、および subject 行とともに初期化されます。 toaddrs は文字列からなるリストでなければなりません。非標準の SMTP ポートを指定するには、 mailhost 引数に (host, port) のタプル形式を指定します。文字列を使った場合、標準の SMTP ポートが使われます。もし SMTP サーバが認証を必要とするならば、 (username, password) のタプル形式を credentials 引数に指定することができます。セキュアプロトコル (TLS) の使用を指定するには secure 引数にタプルを渡してください。これは認証情報が渡された場合のみ使用されます。タプルは、空のタプルか、キーファイルの名前を持つ1要素のタプルか、またはキーファイルと証明書ファイルの名前を持つ2要素のタプルのいずれかでなければなりません。 (このタプルは
smtplib.SMTP.starttls()
メソッドに渡されます。)SMTP サーバとのコミュニケーションのために、 timeout 引数を使用してタイムアウトを指定することができます。
バージョン 3.3 で追加: timeout 引数が追加されました。
-
emit
(record)¶ レコードを書式化し、指定されたアドレスに送信します。
-
getSubject
(record)¶ レコードに応じたサブジェクト行を指定したいなら、このメソッドをオーバライドしてください。
-
MemoryHandler¶
logging.handlers
モジュールに含まれる MemoryHandler
は、ログ記録するレコードをメモリ上にバッファリングし、定期的にその内容をターゲット (target) となるハンドラにフラッシュする機能をサポートしています。フラッシュ処理はバッファが一杯になるか、ある深刻度かそれ以上のレベルを持つイベントが観測された際に行われます。
MemoryHandler
はより一般的な抽象クラス、 BufferingHandler
のサブクラスです。この抽象クラスでは、ログ記録するレコードをメモリ上にバッファリングします。各レコードがバッファに追加される毎に、 shouldFlush()
を呼び出してバッファをフラッシュすべきかどうか調べます。フラッシュする必要がある場合、 flush()
がフラッシュ処理を行うものと想定されます。
-
class
logging.handlers.
BufferingHandler
(capacity)¶ 容量つきのバッファーを設定してハンドラーが初期化されます。 capacity はバッファ可能なログレコード数を意味します。
-
emit
(record)¶ レコードをバッファに追加します。
shouldFlush()
が true を返す場合、バッファを処理するためにflush()
を呼び出します。
-
flush
()¶ このメソッドをオーバライドして、自作のフラッシュ動作を実装することができます。このクラスのバージョンのメソッドでは、単にバッファの内容を削除して空にします。
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shouldFlush
(record)¶ バッファが許容量に達している場合に
True
を返します。このメソッドは自作のフラッシュ処理方針を実装するためにオーバライドすることができます。
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class
logging.handlers.
MemoryHandler
(capacity, flushLevel=ERROR, target=None, flushOnClose=True)¶ MemoryHandler
クラスの新たなインスタンスを返します。 インスタンスはサイズ capacity (バッファされるレコード数)のバッファとともに初期化されます。 flushLevel が指定されていない場合、ERROR
が使われます。 target が指定されていない場合、ハンドラが何らかの意味のある処理を行う前にsetTarget()
でターゲットを指定する必要があります。 flushOnClose がFalse
に指定されていた場合、ハンドラが閉じられるときにバッファはフラッシュ されません 。 flushOnClose が指定されていないかTrue
に指定されていた場合、ハンドラが閉じられるときのバッファのフラッシュは以前の挙動になります。バージョン 3.6 で変更: flushOnClose パラメータが追加されました。
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flush
()¶ MemoryHandler
の場合、フラッシュ処理は単に、バッファされたレコードをターゲットがあれば送信することを意味します。これと異なる動作を行いたい場合、オーバライドしてください。
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setTarget
(target)¶ ターゲットハンドラをこのハンドラに設定します。
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shouldFlush
(record)¶ バッファが一杯になっているか、 flushLevel またはそれ以上のレコードでないかを調べます。
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HTTPHandler¶
logging.handlers
モジュールに含まれる HTTPHandler
クラスは、ログ記録メッセージを GET
または POST
セマンティクスを使って Web サーバに送信する機能をサポートしています。
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class
logging.handlers.
HTTPHandler
(host, url, method='GET', secure=False, credentials=None, context=None)¶ HTTPHandler
クラスの新たなインスタンスを返します。特別なポートを使う必要がある場合、host はhost:port
の形式で使うことができます。 method が指定されない場合、GET
が使われます。 secure が真の場合、HTTPS 接続が使われます。 HTTPS 接続で使用する SSL 設定のために context 引数をssl.SSLContext
のインスタンスに設定することができます。 credentials を指定する場合、BASIC 認証の際の HTTP 'Authorization' ヘッダに使われるユーザIDとパスワードからなる 2要素タプルを渡してください。 credentials を指定する場合、ユーザIDとパスワードが通信中に平文として剥き出しにならないよう、secure=True も指定すべきです。バージョン 3.5 で変更: context パラメータが追加されました。
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mapLogRecord
(record)¶ URL エンコードされて Web サーバに送信することになる、
record
に基づく辞書を供給します。デフォルトの実装では単にrecord.__dict__
を返します。例えばLogRecord
のサブセットのみを Web サーバに送信する場合や、 サーバーに送信する内容を特別にカスタマイズする必要がある場合には、このメソッドをオーバライドできます。
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emit
(record)¶ レコードを URL エンコードされた辞書形式で Web サーバに送信します。レコードを送信のために辞書に変換するために
mapLogRecord()
が呼び出されます。
注釈
Web server に送信するためのレコードを準備することは一般的な書式化操作とは同じではありませんので、
setFormatter()
を使ってFormatter
を指定することは、HTTPHandler
には効果はありません。format()
を呼び出す代わりに、このハンドラはmapLogRecord()
を呼び出し、その後その返却辞書を Web server に送信するのに適した様式にエンコードするためにurllib.parse.urlencode()
を呼び出します。-
QueueHandler¶
バージョン 3.2 で追加.
logging.handlers
モジュールに含まれる QueueHandler
クラスは、 queue
モジュールや multiprocessing
のモジュールで実装されるようなキューにログメッセージを送信する機能をサポートしています。
QueueListener
クラスとともに QueueHandler
を使うと、ロギングを行うスレッドから分離されたスレッド上でハンドラを動かすことができます。これは、クライアントに対してサービスするスレッドができるだけ速く応答する必要がある一方、別のスレッド上で (SMTPHandler
によって電子メールを送信するような) 潜在的に遅い操作が行われるような、ウェブアプリケーションおよびその他のサービスアプリケーションにおいて重要です。
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class
logging.handlers.
QueueHandler
(queue)¶ QueueHandler
クラスの新しいインスタンスを返します。インスタンスは、キューにメッセージを送るように初期化されます。キューは任意のキューのようなオブジェクトが可能です; それはそのままenqueue()
メソッドによって使用されます。そのメソッドはメッセージを送る方法を知っている必要があります。もしタスクのトラッキングAPIにキューが必要でない場合はキューとしてSimpleQueue
のインスタンスが使用できます。注釈
multiprocessing
を使っている場合、SimpleQueue
を使うことは避けてください。代わりにmultiprocessing.Queue
を使ってください。-
emit
(record)¶ LogRecordの準備結果をキューに入れます。容量制限のあるキューがいっぱいになったなど、例外が発生した場合は、エラーを処理するために
handleError()
メソッドが呼ばれます。これにより、レコードが応答なく消滅したり(もしlogging.raiseExceptions
がFalse
の場合)、sys.stderr
に出力されます(もしlogging.raiseExceptions
がTrue
の場合)。
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prepare
(record)¶ キューに追加するためレコードを準備します。このメソッドが返したオブジェクトがキューに追加されます。
基底の実装はレコードがメッセージや引数と、またもし存在すれば、発生した例外およびスタック情報と統合されるようにフォーマットします。またこの実装では非 pickle 化不可能な要素をレコードから削除します。特に、この実装はレコードの
msg
とmessage
属性を (ハンドラのformat()
メソッドを呼び出すことによって得られる) 統合されたメッセージで上書きし、同時にargs
,exc_info
,exc_text
の3つの属性値をすべてNone
に設定します。レコードを dict や JSON 文字列に変換したい場合や、オリジナルのレコードを変更せずに修正済のコピーを送りたい場合は、このメソッドをオーバーライドすると良いでしょう。
注釈
基底の実装は、レコードを pickle 化可能にしつつ、さらなるフォーマット処理を防ぐために、メッセージを引数でフォーマットしてフォーマットされたメッセージを
message
とmsg
属性に設定し、同時にargs
とexc_text
属性をNone
に設定します。このことは、QueueListener
側のハンドラが必要なフォーマット処理を行う、たとえば例外のフォーマット処理を行う、ための必要な情報が得られないかもしれないことを意味します。そのため、QueueHandler
の派生クラスにおいてこのメソッドを、たとえばexc_text
属性がNone
に設定されないように、オーバーライドしたいと考えるかもしれません。この場合、message
/msg
/args
といった属性の変更はレコードが pickle 化可能であることを保証することと関係しており、元のargs
の値が pickle 化可能かどうかによって、これらの属性の変更が避けられないかもしれないということに注意してください (この点については、自分のコードだけでなく依存するライブラリのコードも考慮しなければならないことにも注意してください)
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enqueue
(record)¶ キューにレコードを
put_nowait()
を使ってエンキューします; ブロッキングやタイムアウト、あるいはなにか特別なキューの実装を使いたければ、これをオーバライドしてみてください。
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listener
¶ When created via configuration using
dictConfig()
, this attribute will contain aQueueListener
instance for use with this handler. Otherwise, it will beNone
.バージョン 3.12 で追加.
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QueueListener¶
バージョン 3.2 で追加.
logging.handlers
モジュールに含まれる QueueListener
クラスは、 queue
モジュールや multiprocessing
のモジュールで実装されるようなキューからログメッセージを受信する機能をサポートしています。メッセージは内部スレッドのキューから受信され、同じスレッド上の複数のハンドラに渡されて処理されます。 QueueListener
それ自体はハンドラではありませんが、 QueueHandler
と連携して動作するのでここで文書化されています。
QueueHandler
クラスとともに QueueListener
を使うと、ロギングを行うスレッドから分離されたスレッド上でハンドラを動かすことができます。これは、クライアントに対してサービスするスレッドができるだけ速く応答する必要がある一方、別のスレッド上で (SMTPHandler
によって電子メールを送信するような) 潜在的に遅い操作が行われるような、ウェブアプリケーションおよびその他のサービスアプリケーションにおいて重要です。
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class
logging.handlers.
QueueListener
(queue, *handlers, respect_handler_level=False)¶ QueueListener
クラスの新しいインスタンスを返します。インスタンスは、メッセージを送るためのキューと、キューに格納されたエントリーを処理するハンドラーのリストが設定されて初期化されます。キューは任意のキューのようなオブジェクトが可能です; それはそのままdequeue()
メソッドによって使用されます。そのメソッドはメッセージを送る方法を知っている必要があります。もしタスクのトラッキングAPIにキューが必要でない場合はキューとしてSimpleQueue
のインスタンスが使用できます(トラッキングAPIが使用可能な場合は使用されます)。注釈
multiprocessing
を使っている場合、SimpleQueue
を使うことは避けてください。代わりにmultiprocessing.Queue
を使ってください。もし
respect_handler_level
がTrue
なら、メッセージをハンドラーに渡すか決める時に(メッセージのレベルに比べて)ハンドラーのレベルが尊重されます。そうでない場合は依然のPythonバージョンと同様にすべてのメッセージは常にハンドラーに渡されます。バージョン 3.5 で変更: The
respect_handler_level
argument was added.-
dequeue
(block)¶ キューからレコードを取り除き、それを返します。ブロッキングすることがあります。
ベース実装は
get()
を使用します。タイムアウトを有効にしたい場合や、カスタムのキュー実装を使いたい場合は、このメソッドをオーバーライドすると良いでしょう。
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prepare
(record)¶ レコードを扱うための準備をします。
この実装は渡されたレコードをそのまま返します。その値をハンドラに渡す前に何らかのカスタムな整列化 (marshalling) あるいはレコードに対する操作を行う必要があれば、このメソッドをオーバーライドすると良いでしょう。
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handle
(record)¶ レコードを処理します。
これは、ハンドラをループしてそれらに処理すべきレコードを渡します。ハンドラに渡される実際のオブジェクトは、
prepare()
から返されたものです。
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start
()¶ リスナーを開始します。
これは、 LogRecord を処理するキューを監視するために、バックグラウンドスレッドを開始します。
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stop
()¶ リスナーを停止します。
スレッドに終了するように依頼し、終了するまで待ちます。アプリケーションの終了前にこのメソッドを呼ばないと、いくつかのレコードがキューに残り、処理されなくなるかもしれないことに注意してください。
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enqueue_sentinel
()¶ リスナーに停止するように指示するためキューに番兵を書き込みます。この実装は
put_nowait()
を使用します。タイムアウトを有効にしたい場合や、カスタムのキュー実装を使いたい場合は、このメソッドをオーバーライドすると良いでしょう。バージョン 3.3 で追加.
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参考
logging
モジュールlogging モジュールの API リファレンス。
logging.config
モジュールlogging モジュールの環境設定 API です。