7.7. textwrap --- テキストの折り返しと詰め込み

バージョン 2.3 で追加.

ソースコード: Lib/textwrap.py


textwrap モジュールは実際の処理を行う TextWrapper とともに、2つの便利な関数として wrap()fill() を提供しています。 また、 ユーティティー関数 dedent() も提供しています。 1 つか 2 つの文字列を wrap あるいは fill したいだけなら便利関数で十分ですし、そうでないならば効率のために TextWrapper のインスタンスを使うべきでしょう。

textwrap.wrap(text[, width[, ...]])

text (文字列)内の段落を一つだけ折り返しを行います。したがって、すべての行が高々 width 文字の長さになります。最後に改行が付かない出力行のリストを返します。

オプションのキーワード引数は、以下で説明する TextWrapper のインスタンス属性に対応しています。 width はデフォルトで 70 です。

wrap() の動作についての詳細は TextWrapper.wrap() メソッドを参照してください。

textwrap.fill(text[, width[, ...]])

text 内の段落を一つだけ折り返しを行い、折り返しが行われた段落を含む一つの文字列を返します。 fill() はこれの省略表現です

"\n".join(wrap(text, ...))

特に、 fill()wrap() とまったく同じ名前のキーワード引数を受け取ります。

wrap()fill() の両方ともが TextWrapper インスタンスを作成し、その一つのメソッドを呼び出すことで機能します。そのインスタンスは再利用されません。したがって、たくさんのテキスト文字列を折り返し/詰め込みを行うアプリケーションのためには、あなた自身の TextWrapper オブジェクトを作成することでさらに効率が良くなるでしょう。

テキストはなるべく空白か、ハイフンを含む語のハイフンの直後で折り返されます。 TextWrapper.break_long_words が偽に設定されていなければ、必要な場合に長い語が分解されます。

追加のユーティリティ関数である dedent() は、不要な空白をテキストの左側に持つ文字列からインデントを取り去ります。

textwrap.dedent(text)

text の各行に対し、共通して現れる先頭の空白を削除します。

この関数は通常、三重引用符で囲われた文字列をスクリーン/その他の左端にそろえ、なおかつソースコード中ではインデントされた形式を損なわないようにするために使われます。

タブとスペースはともにホワイトスペースとして扱われますが、同じではないことに注意してください: "  hello" という行と "\thello"  は、同じ先頭の空白文字をもっていないとみなされます。 (これは Python 2.5 からの新しい振る舞いです。以前のバージョンではこのモジュールは共通の先頭空白文字を探す前に、不正にタブを展開していました。)

例えば:

def test():
    # end first line with \ to avoid the empty line!
    s = '''\
    hello
      world
    '''
    print repr(s)          # prints '    hello\n      world\n    '
    print repr(dedent(s))  # prints 'hello\n  world\n'
class textwrap.TextWrapper(...)

TextWrapper コンストラクタはたくさんのオプションのキーワード引数を受け取ります。それぞれのキーワード引数は一つのインスタンス属性に対応します。したがって、例えば

wrapper = TextWrapper(initial_indent="* ")

はこれと同じです

wrapper = TextWrapper()
wrapper.initial_indent = "* "

あなたは同じ TextWrapper オブジェクトを何回も再利用できます。また、使用中にインスタンス属性へ代入することでそのオプションのどれでも変更できます。

TextWrapper インスタンス属性(とコンストラクタのキーワード引数)は以下の通りです:

width

(デフォルト: 70) 折り返しが行われる行の最大の長さ。入力行に width より長い単一の語が無い限り、 TextWrapperwidth 文字より長い出力行が無いことを保証します。

expand_tabs

(デフォルト: True) もし真ならば、そのときは text 内のすべてのタブ文字は textexpandtabs() メソッドを用いて空白に展開されます。

replace_whitespace

(デフォルト: True) 真の場合、 wrap() メソッドはタブの展開の後、 wrap 処理の前に各種空白文字をスペース1文字に置換します。置換される空白文字は: TAB, 改行, 垂直TAB, FF, CR ('\t\n\v\f\r') です。

注釈

expand_tabs が偽で replace_whitespace が真ならば、各タブ文字は1つの空白に置き換えられます。それはタブ展開と同じでは ありません

注釈

replace_whitespace が偽の場合、改行が行の途中で現れることで出力がおかしくなることがあります。このため、テキストを(str.splitlines() などを使って)段落ごとに分けて別々に wrap する必要があります。

drop_whitespace

(デフォルト: True) 真の場合、(wrap 処理のあとインデント処理の前に) 各行の最初と最後の空白文字を削除します。ただし、段落の最初の空白については、次の文字が空白文字でない場合は削除されません。削除される空白文字が行全体に及ぶ場合は、行自体を削除します。

バージョン 2.6 で追加: 過去のバージョンでは、空白は常に削除されていました。

initial_indent

(default: '') wrap の出力の最初の行の先頭に付与する文字列。最初の行の長さに加算されます。空文字列の場合インデントされません。

subsequent_indent

(デフォルト: '') 一行目以外の折り返しが行われる出力のすべての行の先頭に付けられる文字列。一行目以外の各行の折り返しまでの長さにカウントされます。

fix_sentence_endings

(デフォルト: False) もし真ならば、 TextWrapper は文の終わりを見つけようとし、確実に文がちょうど二つの空白で常に区切られているようにします。これは一般的に固定スペースフォントのテキストに対して望ましいです。しかし、文の検出アルゴリズムは完全ではありません: 文の終わりには、後ろに空白がある '.', '!' または '?' の中の一つ、ことによると '"' あるいは "'" が付随する小文字があると仮定しています。これに伴う一つの問題はアルゴリズムで下記の"Dr."と

[...] Dr. Frankenstein's monster [...]

下記の"Spot."の間の差異を検出できないことです

[...] See Spot. See Spot run [...]

fix_sentence_endings はデフォルトで偽です。

文検出アルゴリズムは"小文字"の定義のために string.lowercase に依存し、同一行の文を区切るためにピリオドの後に二つの空白を使う慣習に依存しているため、英文テキストに限定されたものです。

break_long_words

(デフォルト: True) もし真ならば、そのとき width より長い行が確実にないようにするために、 width より長い語は切られます。偽ならば、長い語は切られないでしょう。そして、 width より長い行があるかもしれません。 (width を超える分を最小にするために、長い語は単独で一行に置かれるでしょう。)

break_on_hyphens

(デフォルト: True) 真の場合、英語で一般的なように、ラップ処理は空白か合成語に含まれるハイフンの直後で行われます。偽の場合、空白だけが改行に適した位置として判断されます。ただし、本当に語の途中で改行が行われないようにするためには、 break_long_words 属性を真に設定する必要があります。過去のバージョンでのデフォルトの振る舞いは、常にハイフンの直後での改行を許していました。

バージョン 2.6 で追加.

TextWrapper はモジュールレベルの簡易関数に類似した二つの公開メソッドも提供します:

wrap(text)

1段落の文字列 text を、各行が width 文字以下になるように wrap します。 wrap のすべてのオプションは TextWrapper インスタンスの属性から取得します。結果の、行末に改行のない行のリストを返します。出力の内容が空になる場合は、返すリストも空になります。

fill(text)

text 内の段落を一つだけ折り返しを行い、折り返しが行われた段落を含む一つの文字列を返します。