37.1. ic --- Mac OS X のインターネット設定へのアクセス

このモジュールでは、 システム設定Finder で設定したインターネット関連の設定へのアクセス機能を提供しています。

注釈

このモジュールは Python 3.x で削除されました。

このモジュールには、 icglue という低水準の関連モジュールがあり、インターネット設定への基本的なアクセス機能を提供しています。この低水準のモジュールはドキュメント化されていませんが、各ルーチンの docstring にはパラメタの説明があり、ルーチン名には Internet Config に対する Pascal や C のインタフェースと同じ名前を使っているので、このモジュールが必要な場合には標準の IC プログラマドキュメントを利用できます。

ic モジュールでは、例外 error と、インターネット設定から生じる全てのエラーコードに対するシンボル名を定義しています。詳しくはソースコードを参照してください。

exception ic.error

ic モジュール内部でエラーが生じたときに送出される例外です。

ic モジュールは以下のクラスと関数を定義しています:

class ic.IC([signature[, ic]])

インターネット設定オブジェクトを作成します。 signature は、IC の設定に影響を及ぼす可能性のある現在のアプリケーションを表す 4 文字のクリエータコード (デフォルトは 'Pyth') です。オプションの引数 ic は低水準モジュールであらかじめ作成しておいた icglue.icinstance で、別の設定ファイルなどから設定を得る場合に便利です。

ic.launchurl(url[, hint])
ic.parseurl(data[, start[, end[, hint]]])
ic.mapfile(file)
ic.maptypecreator(type, creator[, filename])
ic.settypecreator(file)

これらの関数は、後述する同名のメソッドへの「ショートカット」です。

37.1.1. IC オブジェクト

IC オブジェクトはマップ型のインターフェースを持っているので、メールアドレスの取得は単に ic['MailAddress'] でできます。値の代入もでき、設定ファイルのオプションを変更できます。

このモジュールは各種のデータ型を知っていて、IC 内部の表現を「論理的な」 Python データ構造に変換します。 ic モジュールを単体で実行すると、テストプログラムが実行されて IC データベースにある全てのキーと値のペアをリスト表示するので、文書代わりになります。

モジュールがデータの表現方法を推測できなかった場合、 data 属性に生のデータが入った ICOpaqueData 型のインスタンスを返します。この型のオブジェクトも代入に利用できます。

IC には辞書型のインターフェースの他にも以下のようなメソッドがあります:

IC.launchurl(url[, hint])

与えられた URL を解析し、適切なアプリケーションを起動して URL を渡します。省略可能な hint は、 'mailto:' などのスキーム名で、不完全な URL はこのスキームにあわせて補完します。 hint を指定していない場合、不完全なURLは無効になります。

IC.parseurl(data[, start[, end[, hint]]])

data の中から URL を検索し、 URL の開始位置、終了位置、 URL そのものを返します。オプションの引数 startend を使うと検索範囲を制限できます。例えば、ユーザーが長いテキストフィールドをクリックした場合に、このルーチンにテキストフィールド全体とクリック位置 start を渡すことで、ユーザーがクリックした場所にある URL 全体を返させられます。先に述べたように、 hint はオプションで、不完全な URL を補完するためのスキームです。

IC.mapfile(file)

file に対するマッピングエントリを返します。 file にはファイル名か FSSpec() の戻り値を渡せます。実在しないファイルであってもかまいません。

マッピングエントリは (version, type, creator, postcreator, flags, extension, appname, postappname, mimetype, entryname) からなるタプルで返されます。 version はエントリーのバージョン番号、 type は 4 文字のファイルタイプ、 creator は 4 文字のクリエータタイプ、 postcreator はファイルのダウンロード後にオプションとして起動され、後処理を行うアプリケーションの 4 文字のクリエータコードです。 flags は、転送をバイナリで行うかアスキーで行うか、などの様々なフラグビットからなる値です。 extension はこのファイルタイプに対するファイル名の拡張子、 appname はファイルが属するアプリケーションの印字可能な名前、 postappname は後処理用アプリケーション、 mimetype はこのファイルのMIMEタイプ、最後の entryname はこのエントリの名前です。

IC.maptypecreator(type, creator[, filename])

4 文字の typecreator コードを持つファイルに対するマッピングエントリを返します。(クリエータが '????' であるような場合に) 正しいエントリが見つかりやすいようにオプションの filename を指定できます。

マッピングエントリーは mapfile と同じフォーマットで返されます。

IC.settypecreator(file)

実在のファイル file に対して、拡張子に基づいて適切なクリエータとタイプを設定します。 file の指定は、ファイル名でも FSSpec() の戻り値でもかまいません。変更は Finder に通知されるので、Finder 上のアイコンは即座に更新されます。