27.2. ensurepip --- pip インストーラのブートストラップ¶
バージョン 2.7.9 で追加.
ensurepip パッケージは pip インストーラを既にインストールされている Python 環境や仮想環境にブートストラップする助けになります。このブートストラップのアプローチは pip が独立したリリースサイクルを持ち、最新の利用可能な安定版が CPython リファレンスインタープリタのメンテナンスリリースや feature リリースにバンドルされていることを反映しています。
ほとんどの場合、Python のエンドユーザーがこのモジュールを直接呼び出す必要はないでしょう(pip はデフォルトでブートストラップされるからです)。しかし、もし Python のインストール時に pip のインストールをスキップしたり、仮想環境を構築したり、明示的に pip をアンインストールした場合、直接呼び出す必要があるかもしれません。
注釈
このモジュールはインターネットに アクセスしません。pip のブートストラップに必要な全てはこのパッケージの一部として含まれています。
参考
- Python モジュールのインストール
エンドユーザーが Python パッケージをインストールする際のガイドです。
- PEP 453: Python インストールの際の明示的なpipのブートストラッピング
このモジュールのもともとの論拠と仕様。
- PEP 477: Python 2.7 への ensurepip (PEP 453) バックポート
PEP453 を Python 2.7 にバックポートするための論拠と仕様。
27.2.1. コマンドラインインターフェイス¶
コマンドラインインターフェースを起動するには -m スイッチをつけてインタープリターを使用します。
最も簡単な起動方法は:
python -m ensurepip
この起動方法は pip をインストールします。既にインストールされていた場合は何もしません。インストールされた pip のバージョンを ensurepip にバンドルされているもののうち、できるだけ新しいものにするためには、--upgrade オプションを追加して:
python -m ensurepip --upgrade
デフォルトでは、pip は現在の仮想環境(もしアクティブなら)か、システムのサイトパッケージ(もしアクティブな仮想環境がなければ)にインストールされます。インストール先は2つの追加コマンドラインオプションで制御できます:
--root <dir>: 現在のアクティブな仮想環境(もしあれば)の root や現在インストールされている Python の root ディレクトリに入れる代わりに、与えられたディレクトリを root としてpipをインストールします。--user: は、現在インストールされている Python にグローバルにインストールされる代わりに、ユーザーの site packages ディレクトリにpipをインストールします(このオプションはアクティブな仮想環境のもとでは許可されません)。
デフォルトでは pip, pipX, pipX.Y がインストールされます(X.Yは ensurepip を起動したPythonのバージョン)。インストールされるスクリプトは2つの追加コマンドラインオプションで制御できます:
--altinstall: alternate インストール。X.Y でバージョン付けされたものだけがインストールされます。--no-default-pip: non default インストール。X、X.Y でバージョン付けされたものだけがインストールされます。
バージョン 2.7.15 で変更: コマンドが失敗した場合は、終了ステータスは非ゼロになります。
27.2.2. モジュール API¶
ensurepip はプログラムから利用出来る 2 つの関数を公開しています:
-
ensurepip.version()¶ 環境にブートストラップする際にインストールされることになる pip のバンドルバージョンを示す文字列を返します。
-
ensurepip.bootstrap(root=None, upgrade=False, user=False, altinstall=False, default_pip=True, verbosity=0)¶ 現在の環境あるいは指示された環境へ
pipをブートストラップします。root で、インストールの root ディレクトリを変更します。 root が
Noneの場合は、インストールは現在の環境でのデフォルトの場所を使います。upgrade で、
pipのバンドルのバージョンとして、インストール済みの以前のバージョンをアップグレードするかどうかを指定します。user で、グローバルなインストールではなく user スキームを使うかどうかを指定します。
デフォルトでは
pip,pipX,pipX.Yがインストールされます(X.Yは Python のバージョン)。altinstall が設定されていた場合は
pip,pipXはインストール されません。default_pip が
Falseの場合はpipはインストール されません。altinstall と default_pip の両方を指定すると、
ValueErrorを起こします。verbosity でブートストラップ操作からの
sys.stdoutへの出力の冗長レベルをコントロールします。注釈
ブートストラップ処理は
sys.path,os.environの両方に対して副作用を持ちます。代わりに、サブプロセスとしてコマンドラインインターフェイスを使うことで、これら副作用を避けることが出来ます。注釈
ブートストラップ処理は
pipによって必要とされるモジュールを追加インストールするかもしれませんが、ほかのソフトウェアはそれら依存物がいつもデフォルトで存在していることを仮定すべきではありません(将来のバージョンのpipではその依存はなくなるかもしれませんので)。
