複素数オブジェクト (complex number object)¶
Python の複素数オブジェクトは、C API 側から見ると二つの別個の型として実装されています: 一方は Python プログラムに対して公開されている Python のオブジェクトで、他方は実際の複素数値を表現する C の構造体です。API では、これら双方を扱う関数を提供しています。
C 構造体としての複素数¶
複素数の C 構造体を引数として受理したり、戻り値として返したりする関数は、ポインタ渡しを行うのではなく 値渡し を行うので注意してください。これは API 全体を通して一貫しています。
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Py_complex
¶ Python 複素数オブジェクトの値の部分に対応する C の構造体です。複素数オブジェクトを扱うほとんどの関数は、この型の構造体を場合に応じて入力や出力として使います。構造体は以下のように定義されています:
typedef struct { double real; double imag; } Py_complex;
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Py_complex
_Py_c_sum
(Py_complex left, Py_complex right)¶ 二つの複素数の和を C の
Py_complex
型で返します。
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Py_complex
_Py_c_diff
(Py_complex left, Py_complex right)¶ 二つの複素数の差を C の
Py_complex
型で返します。
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Py_complex
_Py_c_neg
(Py_complex complex)¶ 複素数 complex の符号反転 C の
Py_complex
型で返します。
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Py_complex
_Py_c_prod
(Py_complex left, Py_complex right)¶ 二つの複素数の積を C の
Py_complex
型で返します。
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Py_complex
_Py_c_quot
(Py_complex dividend, Py_complex divisor)¶ 二つの複素数の商を C の
Py_complex
型で返します。divisor が null の場合は、このメソッドはゼロを返し、
errno
にEDOM
をセットします。
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Py_complex
_Py_c_pow
(Py_complex num, Py_complex exp)¶ 指数 exp の num 乗を C の
Py_complex
型で返します。num が null で exp が正の実数でない場合は、このメソッドはゼロを返し、
errno
にEDOM
をセットします。
Python オブジェクトとしての複素数型¶
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PyTypeObject
PyComplex_Type
¶ この
PyTypeObject
のインスタンスは Python の複素数型を表現します。 Pythonのcomplex
やtypes.ComplexType
と同じオブジェクトです。
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int
PyComplex_Check
(PyObject *p)¶ 引数が
PyComplexObject
型かPyComplexObject
型のサブタイプのときに真を返します。バージョン 2.2 で変更: サブタイプを引数にとれるようになりました.
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int
PyComplex_CheckExact
(PyObject *p)¶ 引数が
PyComplexObject
型で、かつPyComplexObject
型のサブタイプでないときに真を返します。バージョン 2.2 で追加.
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PyObject*
PyComplex_FromCComplex
(Py_complex v)¶ - Return value: New reference.
C の
Py_complex
型から Python の複素数値を生成します。
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PyObject*
PyComplex_FromDoubles
(double real, double imag)¶ - Return value: New reference.
新たな
PyComplexObject
オブジェクトを real と imag から生成します。
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Py_complex
PyComplex_AsCComplex
(PyObject *op)¶ 複素数値 op から
Py_complex
型を生成します。失敗時は実数としての -1.0 を返します。バージョン 2.6 で変更: op が Python の複素数オブジェクトではないが、
__complex__()
メソッドを持っていた場合、このメソッドが最初に呼ばれ、 op が Python の複素数オブジェクトに変換されます。