codecs --- codec レジストリと基底クラス

ソースコード: Lib/codecs.py


このモジュールは、標準的な Python codec (エンコーダとデコーダ) 用の基底クラスを定義し、codec とエラー処理検索プロセスを管理する内部の Python codec レジストリへのアクセスを提供します。多くの codec はテキストをバイトにエンコードする (そしてバイトをテキストにデコードする) テキストエンコーディング ですが、テキストをテキストに、またはバイトをバイトにエンコードする codec も提供されています。カスタムの codec は任意の型間でエンコードとデコードを行えますが、一部のモジュール機能は テキストエンコーディングbytes へのエンコードのみに制限されています。

このモジュールでは、任意の codec でエンコードやデコードを行うための、以下の関数が定義されています。

codecs.encode(obj, encoding='utf-8', errors='strict')

encoding に記載された codec を使用して obj をエンコードします。

希望のエラー処理スキームを errors に設定することができます。デフォルトのエラーハンドラ (エラー処理関数) は 'strict' です。これはエンコードエラーは ValueError (もしくは UnicodeEncodeError のような、より codec に固有のサブクラス) を送出することを意味します。codec エラー処理についてのより詳しい情報は Codec 基底クラス を参照してください。

codecs.decode(obj, encoding='utf-8', errors='strict')

encoding に記載された codec を使用して obj をデコードします。

希望のエラー処理スキームを errors に設定することができます。デフォルトのエラーハンドラは 'strict' です。これはデコードエラーは ValueError (もしくは UnicodeDecodeError のような、より codec に固有のサブクラス) を送出することを意味します。codec エラー処理についてのより詳しい情報は Codec 基底クラス を参照してください。

各 codec についての詳細も、次のようにして直接調べることができます。

codecs.lookup(encoding)

Python codec レジストリから codec 情報を探し、以下で定義するような CodecInfo オブジェクトを返します。

エンコーディングの検索は、まずレジストリのキャッシュから行います。見つからなければ、登録されている検索関数のリストから探します。 CodecInfo オブジェクトが一つも見つからなければ LookupError を送出します。見つかったら、その CodecInfo オブジェクトはキャッシュに保存され、呼び出し側に返されます。

class codecs.CodecInfo(encode, decode, streamreader=None, streamwriter=None, incrementalencoder=None, incrementaldecoder=None, name=None)

codec レジストリ内を検索する場合の、codec の詳細です。コントラクタ引数は、次の同名の属性に保存されます。

name

エンコーディングの名前です。

encode
decode

ステートレスなエンコーディングとデコーディングの関数です。これらは、Codec インスタンスの encode() メソッドと decode() メソッドと同じインターフェースを持っている必要があります (see Codec のインターフェース を参照)。この関数またはメソッドは、ステートレスモードで動作することが想定されています。

incrementalencoder
incrementaldecoder

インクリメンタル・エンコーダとデコーダのクラスまたはファクトリ関数です。これらは、基底クラスの IncrementalEncoderIncrementalDecoder が定義するインターフェースをそれぞれ提供する必要があります。インクリメンタルな codec は、ステート (内部状態) を保持することができます。

streamwriter
streamreader

ストリームライターとリーダーのクラスまたはファクトリ関数です。これらは、基底クラスの StreamWriterStreamReader が定義するインターフェースをそれぞれ提供する必要があります。ストリーム codec は、ステートを保持することができます。

さまざまな codec 構成要素へのアクセスを簡便化するために、このモジュールは以下のような関数を提供しています。これらの関数は、 codec の検索に lookup() を使います:

codecs.getencoder(encoding)

与えられたエンコーディングに対する codec を検索し、エンコーダ関数を返します。

エンコーディングが見つからなければ LookupError を送出します。

codecs.getdecoder(encoding)

与えられたエンコーディングに対する codec を検索し、デコーダ関数を返します。

エンコーディングが見つからなければ LookupError を送出します。

codecs.getincrementalencoder(encoding)

与えられたエンコーディングに対する codec を検索し、インクリメンタル・エンコーダクラスまたはファクトリ関数を返します。

エンコーディングが見つからないか、 codec がインクリメンタル・エンコーダをサポートしなければ LookupError を送出します。

codecs.getincrementaldecoder(encoding)

与えられたエンコーディングに対する codec を検索し、インクリメンタル・デコーダクラスまたはファクトリ関数を返します。

エンコーディングが見つからないか、 codec がインクリメンタル・デコーダをサポートしなければ LookupError を送出します。

codecs.getreader(encoding)

与えられたエンコーディングに対する codec を検索し、StreamReader クラスまたはファクトリ関数を返します。

エンコーディングが見つからなければ LookupError を送出します。

codecs.getwriter(encoding)

与えられたエンコーディングに対する codec を検索し、StreamWriter クラスまたはファクトリ関数を返します。

エンコーディングが見つからなければ LookupError を送出します。

次のように、適切な codec 検索関数を登録することで、カスタムの codecs を利用することができます。

codecs.register(search_function)

Register a codec search function. Search functions are expected to take one argument, being the encoding name in all lower case letters with hyphens and spaces converted to underscores, and return a CodecInfo object. In case a search function cannot find a given encoding, it should return None.

バージョン 3.9 で変更: Hyphens and spaces are converted to underscore.

codecs.unregister(search_function)

Unregister a codec search function and clear the registry's cache. If the search function is not registered, do nothing.

Added in version 3.10.

エンコードされたテキストファイルを処理する場合、組み込みの open() とそれに関連付けられた io モジュールの使用が推奨されていますが、このモジュールは追加のユーティリティ関数とクラスを提供し、バイナリファイルを処理する場合に幅広い codecs を利用できるようにします。

codecs.open(filename, mode='r', encoding=None, errors='strict', buffering=-1)

エンコードされたファイルを mode を使って開き、透過的なエンコード/デコードを提供する StreamReaderWriter のインスタンスを返します。デフォルトのファイルモードは 'r' 、つまり、読み出しモードでファイルを開きます。

注釈

encodingNone でなければ、下層のエンコードされたファイルは、常にバイナリモードで開きます。読み書き時に、 '\n' の自動変換は行われません。mode 引数は、組み込みの open() 関数が受け入れる任意のバイナリモードにすることができます。'b' が自動的に付加されます。

encoding は、そのファイルに対して使用されるエンコーディングを指定します。バイトにエンコードする、あるいはバイトからデコードするすべてのエンコーディングが許可されます。ファイルメソッドがサポートするデータ型は、使用される codec によって異なります。

エラーハンドリングのために errors を渡すことができます。これはデフォルトでは 'strict' で、エンコード時にエラーがあれば ValueError を送出します。

buffering has the same meaning as for the built-in open() function. It defaults to -1 which means that the default buffer size will be used.

バージョン 3.11 で変更: 'U' モードは削除されました。

codecs.EncodedFile(file, data_encoding, file_encoding=None, errors='strict')

透過的なエンコード変換を行うファイルのラップされたバージョンである、StreamRecoder インスタンスを返します。元のファイルは、ラップされたバージョンが閉じられる時に、閉じられます。

ラップされたファイルに書き込まれたデータは、指定された data_encoding に従ってデコードされ、次に file_encoding を使用して元のファイルにバイトとして書き出されます。元のファイルから読み出されたバイトは、file_encoding に従ってデコードされ、結果は data_encoding を使用してエンコードされます。

file_encoding が与えられなければ、data_encoding がデフォルトになります。

エラーハンドリングのために errors を渡すことができます。これはデフォルトでは 'strict' で、エンコード時にエラーがあれば ValueError を送出します。

codecs.iterencode(iterator, encoding, errors='strict', **kwargs)

インクリメンタル・エンコーダを使って、 iterator から供給される入力を反復的にエンコードします。この関数は generator です。 errors 引数は (他のあらゆるキーワード引数と同様に) インクリメンタル・エンコーダにそのまま引き渡されます。

この関数では、コーデックはエンコードするテキストの str オブジェクトを受け付ける必要があります。 従って、 base64_codec のようなバイトからバイトへのエンコーダはサポートしていません。

codecs.iterdecode(iterator, encoding, errors='strict', **kwargs)

インクリメンタル・デコーダを使って、 iterator から供給される入力を反復的にデコードします。この関数は generator です。 errors 引数は (他のあらゆるキーワード引数と同様に) インクリメンタル・デコーダにそのまま引き渡されます。

この関数では、コーデックはエンコードする bytes オブジェクトを受け付ける必要があります。 従って、 rot_13 のようなテキストからテキストへのエンコーダが iterencode() で同等に使えるとしても、この関数ではサポートしていません。

このモジュールは以下のような定数も定義しています。プラットフォーム依存なファイルを読み書きするのに役立ちます:

codecs.BOM
codecs.BOM_BE
codecs.BOM_LE
codecs.BOM_UTF8
codecs.BOM_UTF16
codecs.BOM_UTF16_BE
codecs.BOM_UTF16_LE
codecs.BOM_UTF32
codecs.BOM_UTF32_BE
codecs.BOM_UTF32_LE

これらの定数は、いくつかのエンコーディングの Unicode のバイトオーダマーク (BOM) で、様々なバイトシーケンスを定義します。これらは、UTF-16 と UTF-32 のデータストリームで使用するバイトオーダを指定したり、 UTF-8 で Unicode シグネチャとして使われます。 BOM_UTF16 は、プラットフォームのネイティブバイトオーダによって BOM_UTF16_BE または BOM_UTF16_LE です。 BOMBOM_UTF16 のエイリアスです。同様に、 BOM_LEBOM_UTF16_LE の、 BOM_BEBOM_UTF16_BE のエイリアスです。その他の定数は UTF-8 と UTF-32 エンコーディングの BOM を表します。

Codec 基底クラス

codecs モジュールは、 codec オブジェクトを操作するインターフェースを定義する一連の基底クラスを定義します。このモジュールは、カスタムの codec の実装の基礎として使用することもできます。

Python で codec として使えるようにするには、ステートレスエンコーダ、ステートレスデコーダ、ストリームリーダ、ストリームライタの 4 つのインターフェースを定義する必要があります。通常は、ストリームリーダとライタはステートレスエンコーダとデコーダを再利用して、ファイルプロトコルを実装します。codec の作者は、codec がエンコードとデコードのエラーの処理方法も定義する必要があります。

エラーハンドラ

エラー処理の簡便化と標準化のため、コーデックは、errors 文字列引数を指定した場合に別のエラー処理を行うような仕組みを実装してもかまいません:

>>> 'German ß, ♬'.encode(encoding='ascii', errors='backslashreplace')
b'German \\xdf, \\u266c'
>>> 'German ß, ♬'.encode(encoding='ascii', errors='xmlcharrefreplace')
b'German ß, ♬'

The following error handlers can be used with all Python 標準エンコーディング codecs:

意味

'strict'

UnicodeError (または、そのサブクラス) を送出します。これがデフォルトの動作です。 strict_errors() で実装されています。

'ignore'

不正な形式のデータを無視し、何も通知することなく処理を継続します。ignore_errors() で実装されています。

'replace'

Replace with a replacement marker. On encoding, use ? (ASCII character). On decoding, use ? (U+FFFD, the official REPLACEMENT CHARACTER). Implemented in replace_errors().

'backslashreplace'

Replace with backslashed escape sequences. On encoding, use hexadecimal form of Unicode code point with formats \xhh \uxxxx \Uxxxxxxxx. On decoding, use hexadecimal form of byte value with format \xhh. Implemented in backslashreplace_errors().

'surrogateescape'

デコード時には、バイト列を U+DC80 から U+DCFF の範囲の個々のサロゲートコードで置き換えます。データのエンコード時に 'surrogateescape' エラーハンドラが使用されると、このコードは同じバイト列に戻されます。 (詳しくは PEP 383 を参照。)

The following error handlers are only applicable to encoding (within text encodings):

意味

'xmlcharrefreplace'

Replace with XML/HTML numeric character reference, which is a decimal form of Unicode code point with format &#num;. Implemented in xmlcharrefreplace_errors().

'namereplace'

Replace with \N{...} escape sequences, what appears in the braces is the Name property from Unicode Character Database. Implemented in namereplace_errors().

さらに、次のエラーハンドラは与えられた codec に特有です:

Codecs

意味

'surrogatepass'

utf-8, utf-16, utf-32, utf-16-be, utf-16-le, utf-32-be, utf-32-le

Allow encoding and decoding surrogate code point (U+D800 - U+DFFF) as normal code point. Otherwise these codecs treat the presence of surrogate code point in str as an error.

Added in version 3.1: 'surrogateescape' および 'surrogatepass' エラーハンドラ。

バージョン 3.4 で変更: The 'surrogatepass' error handler now works with utf-16* and utf-32* codecs.

Added in version 3.5: 'namereplace' エラーハンドラです。

バージョン 3.5 で変更: The 'backslashreplace' error handler now works with decoding and translating.

次のように、名前付きの新しいエラーハンドラを登録することで、許可される値の集合を拡張することができます。

codecs.register_error(name, error_handler)

エラーハンドラ error_handler を名前 name で登録します。エンコード中およびデコード中にエラーが送出された場合、name が errors 引数として指定されていれば error_handler が呼び出されます。

error_handler はエラーの場所に関する情報の入った UnicodeEncodeError インスタンスとともに呼び出されます。エラー処理関数はこの例外を送出するか、別の例外を送出するか、入力のエンコードできなかった部分の代替文字列とエンコードを再開する場所が入ったタプルを返す必要があります。代替文字列は str または bytes のいずれかにすることができます。代替文字列がバイト列である場合、エンコーダは単に出力バッファにそれをコピーします。代替文字列が文字列である場合、エンコーダは代替文字列をエンコードします。元の入力中の指定位置からエンコードが再開されます。位置を負の値にすると、入力文字列の末端からの相対位置として扱われます。境界の外側にある位置を返した場合には IndexError が送出されます。

デコードと翻訳の動作は似ていますが、エラーハンドラに渡されるのが UnicodeDecodeErrorUnicodeTranslateError である点と、エラーハンドラの置換した内容が直接出力されるという点が異なります。

登録済みのエラーハンドラ (標準エラーハンドラを含む) は、次のようにその名前で検索することができます。

codecs.lookup_error(name)

名前 name で登録済みのエラーハンドラを返します。

エラーハンドラが見つからなければ LookupError を送出します。

以下の標準エラーハンドラも、モジュールレベルの関数として利用できます。

codecs.strict_errors(exception)

Implements the 'strict' error handling.

Each encoding or decoding error raises a UnicodeError.

codecs.ignore_errors(exception)

Implements the 'ignore' error handling.

Malformed data is ignored; encoding or decoding is continued without further notice.

codecs.replace_errors(exception)

Implements the 'replace' error handling.

Substitutes ? (ASCII character) for encoding errors or ? (U+FFFD, the official REPLACEMENT CHARACTER) for decoding errors.

codecs.backslashreplace_errors(exception)

Implements the 'backslashreplace' error handling.

Malformed data is replaced by a backslashed escape sequence. On encoding, use the hexadecimal form of Unicode code point with formats \xhh \uxxxx \Uxxxxxxxx. On decoding, use the hexadecimal form of byte value with format \xhh.

バージョン 3.5 で変更: Works with decoding and translating.

codecs.xmlcharrefreplace_errors(exception)

Implements the 'xmlcharrefreplace' error handling (for encoding within text encoding only).

The unencodable character is replaced by an appropriate XML/HTML numeric character reference, which is a decimal form of Unicode code point with format &#num; .

codecs.namereplace_errors(exception)

Implements the 'namereplace' error handling (for encoding within text encoding only).

The unencodable character is replaced by a \N{...} escape sequence. The set of characters that appear in the braces is the Name property from Unicode Character Database. For example, the German lowercase letter 'ß' will be converted to byte sequence \N{LATIN SMALL LETTER SHARP S} .

Added in version 3.5.

ステートレスなエンコードとデコード

基底の Codec クラスは以下のメソッドを定義します。これらのメソッドは、内部状態を持たないエンコーダ/デコーダ関数のインターフェースを定義します:

class codecs.Codec
encode(input, errors='strict')

オブジェクト input エンコードし、(出力オブジェクト, 消費した長さ) のタプルを返します。例えば、 テキストエンコーディング は文字列オブジェクトを特有の文字セット (例えば cp1252iso-8859-1) を用いてバイト列オブジェクトに変換します。

errors 引数は適用するエラー処理を定義します。'strict' 処理がデフォルトです。

このメソッドは Codec に内部状態を保存してはなりません。効率よくエンコードするために状態を保持しなければならないような codecs には StreamWriter を使ってください。

エンコーダは長さが 0 の入力を処理できなければなりません。この場合、空のオブジェクトを出力オブジェクトとして返さなければなりません。

decode(input, errors='strict')

オブジェクト input をデコードし、(出力オブジェクト, 消費した長さ) のタプルを返します。例えば、 テキストエンコーディング は、特定の文字集合エンコーディングでエンコードされたバイト列オブジェクトを文字列オブジェクトに変換します。

テキストエンコーディングとバイト列からバイト列への codec では、input は bytes オブジェクト、または読み出し専用のバッファインターフェースを提供するオブジェクトである必要があります。例えば、buffer オブジェクトやメモリマップドファイルでなければなりません。

errors 引数は適用するエラー処理を定義します。'strict' 処理がデフォルトです。

このメソッドは、 Codec インスタンスに内部状態を保存してはなりません。効率よくエンコード/デコードするために状態を保持しなければならないような codecs には StreamReader を使ってください。

デコーダは長さが 0 の入力を処理できなければなりません。この場合、空のオブジェクトを出力オブジェクトとして返さなければなりません。

インクリメンタルなエンコードとデコード

IncrementalEncoder クラスおよび IncrementalDecoder クラスはそれぞれインクリメンタル・エンコードおよびデコードのための基本的なインターフェースを提供します。エンコード/デコードは内部状態を持たないエンコーダ/デコーダを一度呼び出すことで行なわれるのではなく、インクリメンタル・エンコーダ/デコーダの encode()/decode() メソッドを複数回呼び出すことで行なわれます。インクリメンタル・エンコーダ/デコーダはメソッド呼び出しの間エンコード/デコード処理の進行を管理します。

encode()/decode() メソッド呼び出しの出力結果をまとめたものは、入力をひとまとめにして内部状態を持たないエンコーダ/デコーダでエンコード/デコードしたものと同じになります。

IncrementalEncoder オブジェクト

IncrementalEncoder クラスは入力を複数ステップでエンコードするのに使われます。全てのインクリメンタル・エンコーダが Python codec レジストリと互換性を持つために定義すべきメソッドとして、このクラスには以下のメソッドが定義されています。

class codecs.IncrementalEncoder(errors='strict')

IncrementalEncoder インスタンスのコンストラクタ。

全てのインクリメンタル・エンコーダはこのコンストラクタインターフェースを提供しなければなりません。さらにキーワード引数を付け加えるのは構いませんが、Python codec レジストリで利用されるのはここで定義されているものだけです。

IncrementalEncoder は、 errors キーワード引数を提供することで、様々なエラー取扱方法を実装することができます。取り得る値については エラーハンドラ を参照してください。

errors 引数は、同名の属性に代入されます。この属性を変更すると、 IncrementalEncoder オブジェクトが生きている間に、異なるエラー処理方法に切り替えることができるようになります。

encode(object, final=False)

object を(エンコーダの現在の状態を考慮に入れて)エンコードし、得られたエンコードされたオブジェクトを返します。 encode() 呼び出しがこれで最後という時には final は真でなければなりません(デフォルトは偽です)。

reset()

エンコーダを初期状態にリセットします。出力は破棄されます。.encode(object, final=True) を呼び出して、必要に応じて空バイト列またはテキスト文字列を渡すことにより、エンコーダをリセットし、出力を取得します。

getstate()

エンコーダの現在の状態を返します。それは必ず整数でなければなりません。実装は、0 が最も一般的な状態であることを保証すべきです。 (整数より複雑な状態は、状態を marshal/pickle して生じた文字列のバイトを整数にコード化することによって整数に変換することができます。)

setstate(state)

エンコーダの状態を state にセットします。 stategetstate() によって返されたエンコーダ状態でなければなりません。

IncrementalDecoder オブジェクト

IncrementalDecoder クラスは入力を複数ステップでデコードするのに使われます。全てのインクリメンタル・デコーダが Python codec レジストリと互換性を持つために定義すべきメソッドとして、このクラスには以下のメソッドが定義されています。

class codecs.IncrementalDecoder(errors='strict')

IncrementalDecoder インスタンスのコンストラクタ。

全てのインクリメンタル・デコーダはこのコンストラクタインターフェースを提供しなければなりません。さらにキーワード引数を付け加えるのは構いませんが、Python codec レジストリで利用されるのはここで定義されているものだけです。

IncrementalDecoder は、 errors キーワード引数を提供することで、様々なエラー取扱方法を実装することができます。取り得る値については エラーハンドラ を参照してください。

errors 引数は、同名の属性に代入されます。この属性を変更すると、 IncrementalDecoder オブジェクトが生きている間に、異なるエラー処理方法に切り替えることができるようになります。

decode(object, final=False)

object を(デコーダの現在の状態を考慮に入れて)デコードし、得られたデコードされたオブジェクトを返します。 decode() 呼び出しがこれで最後という時には final は真でなければなりません(デフォルトは偽です)。もし final が真ならばデコーダは入力をデコードし切り全てのバッファをフラッシュしなければなりません。そうできない場合(たとえば入力の最後に不完全なバイト列があるから)、デコーダは内部状態を持たない場合と同じようにエラーの取り扱いを開始しなければなりません(例外を送出するかもしれません)。

reset()

デコーダを初期状態にリセットします。

getstate()

デコーダの現在の状態を返します。これは2要素を含むタプルでなければなりません。1番目はまだデコードされていない入力を含むバッファです。2番目は整数で、付加的な状態情報です (実装は 0 が最も一般的な付加的な状態情報であることを保証すべきです)。この付加的な状態情報が 0 である場合、デコーダを入力がバッファされていない状態に戻して、付加的な状態情報を 0 にセットすることが可能でなければなりません。その結果、以前バッファされた入力をデコーダに与えることで、何の出力もせずにデコーダを前の状態に戻します。 (整数より複雑な付加的な状態情報は、情報を marshal/pickle して、結果として生じる文字列のバイト列を整数にエンコードすることで、整数に変換することができます。)

setstate(state)

デコーダの状態を state にセットします。 stategetstate() によって返されたデコーダの状態でなければなりません。

ストリームのエンコードとデコード

The StreamWriter and StreamReader classes provide generic working interfaces which can be used to implement new encoding submodules very easily. See encodings.utf_8 for an example of how this is done.

StreamWriter オブジェクト

StreamWriter クラスは Codec のサブクラスで、以下のメソッドを定義しています。全てのストリームライタは、 Python の codec レジストリとの互換性を保つために、これらのメソッドを定義する必要があります。

class codecs.StreamWriter(stream, errors='strict')

StreamWriter インスタンスのコンストラクタです。

全てのストリームライタはコンストラクタとしてこのインターフェースを提供しなければなりません。キーワード引数を追加しても構いませんが、Python の codec レジストリはここで定義されている引数だけを使います。

stream 引数は、特定の codec に対応して、テキストまたはバイナリデータの書き込みが可能なファイルライクオブジェクトである必要があります。

StreamWriter は、 errors キーワード引数を提供することで、様々なエラー取扱方法を実装することができます。下層のストリーム codec がサポートできる標準エラーハンドラについては エラーハンドラ を参照してください。

errors 引数は、同名の属性に代入されます。この属性を変更すると、 StreamWriter オブジェクトが生きている間に、異なるエラー処理に変更できます。

write(object)

object の内容をエンコードしてストリームに書き出します。

writelines(list)

Writes the concatenated iterable of strings to the stream (possibly by reusing the write() method). Infinite or very large iterables are not supported. The standard bytes-to-bytes codecs do not support this method.

reset()

内部状態保持に使われた codec のバッファをリセットします。

このメソッドが呼び出された場合、出力先データをきれいな状態にし、わざわざストリーム全体を再スキャンして状態を元に戻さなくても新しくデータを追加できるようにしなければなりません。

ここまでで挙げたメソッドの他にも、 StreamWriter では背後にあるストリームの他の全てのメソッドや属性を継承しなければなりません。

StreamReader オブジェクト

StreamReader クラスは Codec のサブクラスで、以下のメソッドを定義しています。全てのストリームリーダは、 Python の codec レジストリとの互換性を保つために、これらのメソッドを定義する必要があります。

class codecs.StreamReader(stream, errors='strict')

StreamReader インスタンスのコンストラクタです。

全てのストリームリーダはコンストラクタとしてこのインターフェースを提供しなければなりません。キーワード引数を追加しても構いませんが、Python の codec レジストリはここで定義されている引数だけを使います。

stream 引数は、特定の codec に対応して、テキストまたはバイナリデータの読み出しが可能なファイルライクオブジェクトである必要があります。

StreamReader は、 errors キーワード引数を提供することで、様々なエラー取扱方法を実装することができます。下層のストリーム codec がサポートできる標準エラーハンドラについては エラーハンドラ を参照してください。

errors 引数は、同名の属性に代入されます。この属性を変更すると、 StreamReader オブジェクトが生きている間に、異なるエラー処理に変更できます。

errors 引数に許される値の集合は register_error() で拡張できます。

read(size=-1, chars=-1, firstline=False)

ストリームからのデータをデコードし、デコード済のオブジェクトを返します。

chars 引数は、いくつのデコードされたコードポイントまたはバイト列を返すかを表します。 read() メソッドは、要求された数以上のデータを返すことはありませんが、データがそれより少ない場合には要求された数未満のデータを返す場合があります。

size 引数は、デコード用に読み込むエンコードされたバイト列またはコードポイントの、およその最大バイト数を表します。デコーダはこの値を適切な値に変更できます。デフォルト値 -1 の場合、可能な限り多くのデータを読み込みます。この引数の目的は、巨大なファイルの一括デコードを防ぐことにあります。

firstline フラグは、1行目さえ返せばその後の行でデコードエラーがあっても無視して十分だ、ということを示します。

このメソッドは貪欲な読み込み戦略を取るべきです。すなわち、エンコーディング定義と size の値が許す範囲で、できるだけ多くのデータを読むべきだということです。たとえば、ストリーム上にエンコーディングの終端や状態の目印があれば、それも読み込みます。

readline(size=None, keepends=True)

入力ストリームから1行読み込み、デコード済みのデータを返します。

size が与えられた場合、ストリームの read() メソッドに size 引数として渡されます。

keepends が偽の場合には行末の改行が削除された行が返ります。

readlines(sizehint=None, keepends=True)

入力ストリームから全ての行を読み込み、行のリストとして返します。

keepends が真なら、改行は、codec の decode() メソッドを使って実装され、リスト要素の中に含まれます。

sizehint が与えられた場合、ストリームの read() メソッドに size 引数として渡されます。

reset()

内部状態保持に使われた codec のバッファをリセットします。

ストリームの読み位置を再設定してはならないので注意してください。このメソッドはデコードの際にエラーから復帰できるようにするためのものです。

ここまでで挙げたメソッドの他にも、 StreamReader では背後にあるストリームの他の全てのメソッドや属性を継承しなければなりません。

StreamReaderWriter オブジェクト

StreamReaderWriter は、読み書き両方に使えるストリームをラップできる便利なクラスです。

lookup() 関数が返すファクトリ関数を使って、インスタンスを生成するという設計です。

class codecs.StreamReaderWriter(stream, Reader, Writer, errors='strict')

StreamReaderWriter インスタンスを生成します。 stream はファイル類似のオブジェクトです。 ReaderWriter は、それぞれ StreamReaderStreamWriter インターフェースを提供するファクトリ関数かファクトリクラスでなければなりません。エラー処理は、ストリームリーダとライタで定義したものと同じように行われます。

StreamReaderWriter インスタンスは、 StreamReader クラスと StreamWriter クラスを合わせたインターフェースを継承します。元になるストリームからは、他のメソッドや属性を継承します。

StreamRecoder オブジェクト

StreamRecoder はデータをあるエンコーディングから別のエンコーディングに変換します。異なるエンコーディング環境を扱うとき、便利な場合があります。

lookup() 関数が返すファクトリ関数を使って、インスタンスを生成するという設計です。

class codecs.StreamRecoder(stream, encode, decode, Reader, Writer, errors='strict')

Creates a StreamRecoder instance which implements a two-way conversion: encode and decode work on the frontend — the data visible to code calling read() and write(), while Reader and Writer work on the backend — the data in stream.

これらのオブジェクトを使って、たとえば、 Latin-1 から UTF-8 への変換、あるいは逆向きの変換を、透過的に行うことができます。

stream 引数はファイルライクオブジェクトでなくてはなりません。

encode 引数と decode 引数は Codec のインターフェースに忠実でなくてはなりません。ReaderWriter は、それぞれ StreamReaderStreamWriter のインターフェースを提供するオブジェクトのファクトリ関数かクラスでなくてはなりません。

エラー処理はストリーム・リーダやライタで定義されている方法と同じように行われます。

StreamRecoder インスタンスは、 StreamReaderStreamWriter クラスを合わせたインターフェースを定義します。また、元のストリームのメソッドと属性も継承します。

エンコーディングと Unicode

文字列は内部的に U+0000--U+10FFFF の範囲のコードポイントのシーケンスとして格納されます (実装に関する詳細については PEP 393 を参照してください)。 文字列オブジェクトが CPU とメモリの外で使用されるようになると、エンディアンやこれらの配列をバイト列として格納する方法が問題になります。 他のコーデックでも同様ですが、文字列オブジェクトをバイト列に変換することは エンコード と呼ばれます。 また、バイト列から文字列オブジェクトを再生成することは デコード と呼ばれます。 テキストをシリアライズするコーデックには多くの種類があります。 それらは、集合的に term:テキストエンコーディング <text encoding> と呼ばれます。

最も単純なテキストエンコーディング ('latin-1' または 'iso-8859-1') では、0--255 の範囲にあるコードポイントを 0x0--0xff のバイトにマップします。 つまり、この codec では U+00FF 以上のコードポイントを含む文字列オブジェクトをエンコードすることはできません。 このようなエンコード処理をしようとすると、次のように UnicodeEncodeError が送出されます (エラーメッセージの細かところは異なる場合があります。): UnicodeEncodeError: 'latin-1' codec can't encode character '\u1234' in position 3: ordinal not in range(256)

他のエンコーディングの一群 (charmap エンコーディングと呼ばれます) があり、 Unicode コードポイントの別の部分集合と、それらから 0x0--0xff のバイトへの対応付けを選択したものです。 これがどのように行なわれるかを知るには、単にたとえば encodings/cp1252.py (主に Windows で使われるエンコーディングです) を開いてみてください。 256 文字のひとつの文字列定数があり、どの文字がどのバイト値へ対応付けられるかが示されています。

これらのエンコーディングはすべて、 Unicode に定義された 1114112 のコードポイントのうちの 256 だけをエンコードすることができます。 Unicode のすべてのコードポイントを格納するための単純で直接的な方法は、各コードポイントを連続する4バイトとして格納することです。これには2つの可能性があります: ビッグエンディアンまたはリトルエンディアンの順にバイトを格納することです。これら2つのエンコーディングはそれぞれ UTF-32-BE および UTF-32-LE と呼ばれます。それらのデメリットは、例えばリトルエンディアンのマシン上で UTF-32-BE を使用すると、エンコードでもデコードでも常にバイト順を交換する必要があることです。UTF-32 はこの問題を回避します: バイト順は、常に自然なエンディアンに従います。しかし、これらのバイト順が異なるエンディアン性を持つ CPU によって読まれる場合、結局バイト順を交換しなければなりません。UTF-16 あるいは UTF-32 バイト列のエンディアン性を検出する目的で、いわゆる BOM (「バイト・オーダー・マーク」) があります。これは Unicode 文字 U+FEFF です。この文字はすべての UTF-16 あるいは UTF-32 バイト列の前に置くことができます。この文字のバイトが交換されたバージョン (0xFFFE) は、 Unicode テキストに現われてはならない不正な文字です。したがって、UTF-16 あるいは UTF-32 バイト列中の最初の文字が U+FFFE であるように見える場合、デコードの際にバイトを交換しなければなりません。不運にも文字 U+FEFFZERO WIDTH NO-BREAK SPACE として別の目的を持っていました: 幅を持たず、単語を分割することを許容しない文字。それは、例えばリガチャアルゴリズムにヒントを与えるために使用することができます。 Unicode 4.0 で、ZERO WIDTH NO-BREAK SPACE としての U+FEFF の使用は廃止予定になりました (この役割は U+2060 (WORD JOINER) によって引き継がれました)。しかしながら、 Unicode ソフトウェアは、依然として両方の役割の U+FEFF を扱うことができなければなりません: BOM として、エンコードされたバイトのメモリレイアウトを決定する手段であり、一旦バイト列が文字列にデコードされたならば消えます; ZERO WIDTH NO-BREAK SPACE として、他の任意の文字のようにデコードされる通常の文字です。

さらにもう一つ Unicode 文字全てをエンコードできるエンコーディングがあり、UTF-8 と呼ばれています。UTF-8 は8ビットエンコーディングで、したがって UTF-8 にはバイト順の問題はありません。UTF-8 バイト列の各バイトは二つのパートから成ります。二つはマーカ(上位数ビット)とペイロードです。マーカは0ビットから4ビットの 1 の列に 0 のビットが一つ続いたものです。Unicode 文字は次のようにエンコードされます (x はペイロードを表わし、連結されると一つの Unicode 文字を表わします):

範囲

エンコーディング

U-00000000 ... U-0000007F

0xxxxxxx

U-00000080 ... U-000007FF

110xxxxx 10xxxxxx

U-00000800 ... U-0000FFFF

1110xxxx 10xxxxxx 10xxxxxx

U-00010000 ... U-0010FFFF

11110xxx 10xxxxxx 10xxxxxx 10xxxxxx

Unicode 文字の最下位ビットとは最も右にある x のビットです。

UTF-8 は8ビットエンコーディングなので BOM は必要とせず、デコードされた文字列中の U+FEFF は(たとえ最初の文字であったとしても) ZERO WIDTH NO-BREAK SPACE として扱われます。

外部からの情報無しには、文字列のエンコーディングにどのエンコーディングが使われたのか信頼できる形で決定することは不可能です。どの charmap エンコーディングもどんなランダムなバイト列でもデコードできます。しかし UTF-8 ではそれは可能ではありません。任意のバイト列を許さないような構造を持っているからです。UTF-8 エンコーディングであることを検知する信頼性を向上させるために、Microsoft は Notepad プログラム用に UTF-8 の変種 (Python では "utf-8-sig" と呼んでいます) を考案しました。Unicode 文字がファイルに書き込まれる前に UTF-8 でエンコードした BOM (バイト列では 0xef, 0xbb, 0xbf のように見えます) が書き込まれます。このようなバイト値で charmap エンコードされたファイルが始まることはほとんどあり得ない (たとえば iso-8859-1 では

LATIN SMALL LETTER I WITH DIAERESIS
RIGHT-POINTING DOUBLE ANGLE QUOTATION MARK
INVERTED QUESTION MARK

のようになる)ので、utf-8-sig エンコーディングがバイト列から正しく推測される確率を高めます。つまりここでは BOM はバイト列を生成する際のバイト順を決定できるように使われているのではなく、エンコーディングを推測する助けになる印として使われているのです。utf-8-sig codec はエンコーディングの際ファイルに最初の3文字として 0xef, 0xbb, 0xbf を書き込みます。デコーディングの際はファイルの先頭に現れたこれら3バイトはスキップします。UTF-8 では BOM の使用は推奨されておらず、一般的には避けるべきです。

標準エンコーディング

Python には数多くの codec が組み込みで付属します。これらは C 言語の関数、対応付けを行うテーブルの両方で提供されています。以下のテーブルでは codec と、いくつかの良く知られている別名と、エンコーディングが使われる言語を列挙します。別名のリスト、言語のリストともしらみつぶしに網羅されているわけではありません。大文字と小文字、またはアンダースコアの代りにハイフンにしただけの綴りも有効な別名です; そのため、例えば 'utf-8''utf_8' codec の正当な別名です。

CPython 実装の詳細: いくつかの一般的なエンコーディングは、パフォーマンスを改善するために codec の検索機構を回避することがあります。 このような最適化の機会を認識するのは、 CPython の限定された (大文字小文字を区別しない) 別名に対してのみです: utf-8, utf8, latin-1, latin1, iso-8859-1, iso8859-1, mbcs (Windows のみ), ascii, us-ascii, utf-16, utf16, utf-32, utf32 およびダッシュの代わりにアンダースコアを用いたもの。 これらのエンコーディングの別のつづりを使用すると実行時間の低下を招くかもしれません。

バージョン 3.6 で変更: us-ascii に対して最適化の機会が認識されるようになりました。

多くの文字セットは同じ言語をサポートしています。これらの文字セットは個々の文字 (例えば、EURO SIGN がサポートされているかどうか) や、文字のコード部分への割り付けが異なります。特に欧州言語では、典型的に以下の変種が存在します:

  • ISO 8859 コードセット

  • Microsoft Windows コードページで、8859 コード形式から導出されているが、制御文字を追加のグラフィック文字と置き換えたもの

  • IBM EBCDIC コードページ

  • ASCII 互換の IBM PC コードページ

Codec

別名

言語

ascii

646, us-ascii

英語

big5

big5-tw, csbig5

繁体字中国語

big5hkscs

big5-hkscs, hkscs

繁体字中国語

cp037

IBM037, IBM039

英語

cp273

273, IBM273, csIBM273

ドイツ語

Added in version 3.4.

cp424

EBCDIC-CP-HE, IBM424

ヘブライ語

cp437

437, IBM437

英語

cp500

EBCDIC-CP-BE, EBCDIC-CP-CH, IBM500

西ヨーロッパ言語

cp720

アラビア語

cp737

ギリシャ語

cp775

IBM775

バルト沿岸国

cp850

850, IBM850

西ヨーロッパ言語

cp852

852, IBM852

中央および東ヨーロッパ

cp855

855, IBM855

ブルガリア、ベラルーシ、マケドニア、ロシア、セルビア

cp856

ヘブライ語

cp857

857, IBM857

トルコ語

cp858

858, IBM858

西ヨーロッパ言語

cp860

860, IBM860

ポルトガル語

cp861

861, CP-IS, IBM861

アイスランド語

cp862

862, IBM862

ヘブライ語

cp863

863, IBM863

カナダ

cp864

IBM864

アラビア語

cp865

865, IBM865

デンマーク、ノルウェー

cp866

866, IBM866

ロシア語

cp869

869, CP-GR, IBM869

ギリシャ語

cp874

タイ語

cp875

ギリシャ語

cp932

932, ms932, mskanji, ms-kanji, windows-31j

日本語

cp949

949, ms949, uhc

韓国語

cp950

950, ms950

繁体字中国語

cp1006

Urdu

cp1026

ibm1026

トルコ語

cp1125

1125, ibm1125, cp866u, ruscii

ウクライナ語

Added in version 3.4.

cp1140

ibm1140

西ヨーロッパ言語

cp1250

windows-1250

中央および東ヨーロッパ

cp1251

windows-1251

ブルガリア、ベラルーシ、マケドニア、ロシア、セルビア

cp1252

windows-1252

西ヨーロッパ言語

cp1253

windows-1253

ギリシャ語

cp1254

windows-1254

トルコ語

cp1255

windows-1255

ヘブライ語

cp1256

windows-1256

アラビア語

cp1257

windows-1257

バルト沿岸国

cp1258

windows-1258

ベトナム

euc_jp

eucjp, ujis, u-jis

日本語

euc_jis_2004

jisx0213, eucjis2004

日本語

euc_jisx0213

eucjisx0213

日本語

euc_kr

euckr, korean, ksc5601, ks_c-5601, ks_c-5601-1987, ksx1001, ks_x-1001

韓国語

gb2312

chinese, csiso58gb231280, euc-cn, euccn, eucgb2312-cn, gb2312-1980, gb2312-80, iso-ir-58

簡体字中国語

gbk

936, cp936, ms936

Unified Chinese

gb18030

gb18030-2000

Unified Chinese

hz

hzgb, hz-gb, hz-gb-2312

簡体字中国語

iso2022_jp

csiso2022jp, iso2022jp, iso-2022-jp

日本語

iso2022_jp_1

iso2022jp-1, iso-2022-jp-1

日本語

iso2022_jp_2

iso2022jp-2, iso-2022-jp-2

日本語, 韓国語, 簡体字中国語, 西欧, ギリシャ語

iso2022_jp_2004

iso2022jp-2004, iso-2022-jp-2004

日本語

iso2022_jp_3

iso2022jp-3, iso-2022-jp-3

日本語

iso2022_jp_ext

iso2022jp-ext, iso-2022-jp-ext

日本語

iso2022_kr

csiso2022kr, iso2022kr, iso-2022-kr

韓国語

latin_1

iso-8859-1, iso8859-1, 8859, cp819, latin, latin1, L1

西ヨーロッパ言語

iso8859_2

iso-8859-2, latin2, L2

中央および東ヨーロッパ

iso8859_3

iso-8859-3, latin3, L3

エスペラント、マルタ

iso8859_4

iso-8859-4, latin4, L4

バルト沿岸国

iso8859_5

iso-8859-5, cyrillic

ブルガリア、ベラルーシ、マケドニア、ロシア、セルビア

iso8859_6

iso-8859-6, arabic

アラビア語

iso8859_7

iso-8859-7, greek, greek8

ギリシャ語

iso8859_8

iso-8859-8, hebrew

ヘブライ語

iso8859_9

iso-8859-9, latin5, L5

トルコ語

iso8859_10

iso-8859-10, latin6, L6

北欧語

iso8859_11

iso-8859-11, thai

タイ語

iso8859_13

iso-8859-13, latin7, L7

バルト沿岸国

iso8859_14

iso-8859-14, latin8, L8

ケルト語

iso8859_15

iso-8859-15, latin9, L9

西ヨーロッパ言語

iso8859_16

iso-8859-16, latin10, L10

南東ヨーロッパ

johab

cp1361, ms1361

韓国語

koi8_r

ロシア語

koi8_t

タジク

Added in version 3.5.

koi8_u

ウクライナ語

kz1048

kz_1048, strk1048_2002, rk1048

カザフ

Added in version 3.5.

mac_cyrillic

maccyrillic

ブルガリア、ベラルーシ、マケドニア、ロシア、セルビア

mac_greek

macgreek

ギリシャ語

mac_iceland

maciceland

アイスランド語

mac_latin2

maclatin2, maccentraleurope, mac_centeuro

中央および東ヨーロッパ

mac_roman

macroman, macintosh

西ヨーロッパ言語

mac_turkish

macturkish

トルコ語

ptcp154

csptcp154, pt154, cp154, cyrillic-asian

カザフ

shift_jis

csshiftjis, shiftjis, sjis, s_jis

日本語

shift_jis_2004

shiftjis2004, sjis_2004, sjis2004

日本語

shift_jisx0213

shiftjisx0213, sjisx0213, s_jisx0213

日本語

utf_32

U32, utf32

全ての言語

utf_32_be

UTF-32BE

全ての言語

utf_32_le

UTF-32LE

全ての言語

utf_16

U16, utf16

全ての言語

utf_16_be

UTF-16BE

全ての言語

utf_16_le

UTF-16LE

全ての言語

utf_7

U7, unicode-1-1-utf-7

全ての言語

utf_8

U8, UTF, utf8, cp65001

全ての言語

utf_8_sig

全ての言語

バージョン 3.4 で変更: utf-16* と utf-32* のエンコーダは、サロゲートコードポイント (U+D800--U+DFFF) がエンコードされることを許可しなくなりました。utf-32* デコーダは、サロゲートコードポイントに対応するバイト列をデコードしなくなりました。

バージョン 3.8 で変更: cp65001 is now an alias to utf_8.

Python 特有のエンコーディング

予め定義された codec のいくつかは Python 特有のものなので、それらの codec 名は Python の外では無意味なものとなります。以下に、想定されている入出力のタイプに基づいて、それらを表にしました(テキストエンコーディングは codec の最も一般的な使用例ですが、その根底にある codec 基盤は、ただのテキストエンコーディングというよりも、任意のデータの変換をサポートしていることに注意してください)。非対称的な codec については、記載された意味がエンコーディングの方向を説明しています。

テキストエンコーディング

次の codec では、 Unicode におけるテキストエンコーディングと同様に、 str から bytes へのエンコードと、 bytes-like object から str へのデコードを提供します。

Codec

別名

意味

idna

RFC 3490 の実装です。 encodings.idna も参照してください。 errors='strict' のみがサポートされています。

mbcs

ansi, dbcs

Windows のみ: 被演算子を ANSI コードページ (CP_ACP) に従ってエンコードします。

oem

Windows のみ: 被演算子を OEM コードページ (CP_OEMCP) に従ってエンコードします。

Added in version 3.6.

palmos

PalmOS 3.5 のエンコーディングです。

punycode

RFC 3492 の実装です。ステートフル codecs は、サポートされません。

raw_unicode_escape

Latin-1 encoding with \uXXXX and \UXXXXXXXX for other code points. Existing backslashes are not escaped in any way. It is used in the Python pickle protocol.

undefined

空文字列を含む全ての変換に対して例外を送出します。エラーハンドラは無視されます。

unicode_escape

ASCII でエンコードされた Python ソースコード内の、Unicode リテラルに適したエンコーディングです。ただし、引用符はエスケープされません。Latin-1 ソースコードからデコードします。実際には、Python のソースコードはデフォルトでは UTF-8 を使用することに注意してください。

バージョン 3.8 で変更: "unicode_internal" codec is removed.

バイナリ変換 (Binary Transforms)

以下の codec は、bytes-like object から bytes マッピングへのバイナリ変換を提供します。bytes.decode() はこの変換をサポートしておらず、 str を出力するだけです。

Codec

別名

意味

エンコーダ / デコーダ

base64_codec [1]

base64, base_64

被演算子をマルチラインの MIME base64 に変換します (結果は常に末尾の '\n' を含みます)。

バージョン 3.4 で変更: 任意の bytes-like object をエンコードとデコード用の入力として受け取ります。

base64.encodebytes() / base64.decodebytes()

bz2_codec

bz2

被演算子をbz2を使って圧縮します。

bz2.compress() / bz2.decompress()

hex_codec

hex

被演算子をバイトあたり 2 桁の 16 進数の表現に変換します。

binascii.b2a_hex() / binascii.a2b_hex()

quopri_codec

quopri, quotedprintable, quoted_printable

被演算子を MIME quoted printable 形式に変換します。

quotetabs=True を指定した quopri.encode() / quopri.decode()

uu_codec

uu

被演算子を uuencode を用いて変換します。

zlib_codec

zip, zlib

被演算子を gzip を用いて圧縮します。

zlib.compress() / zlib.decompress()

Added in version 3.2: バイナリ変換が復活しました。(訳注: 2.x にはあったものが 3.0 で削除されていた。)

バージョン 3.4 で変更: バイナリ変換のエイリアスが復活しました。(訳注: 2.x にはあったエイリアス。3.2 でエイリアスは復活しなかった。)

テキスト変換 (Text Transforms)

以下の codec は、str から str マッピングへのテキスト変換を提供します。str.encode() はこの変換をサポートしておらず、 bytes を出力するだけです。

Codec

別名

意味

rot_13

rot13

被演算子のシーザー暗号 (Caesar-cypher) を返します。

Added in version 3.2: rot_13 テキスト変換が復活しました。(訳注: 2.x にはあったものが 3.0 で削除されていた。)

バージョン 3.4 で変更: rot13 エイリアスが復活しました。(訳注: 2.x にはあったエイリアス。3.2 でエイリアスは復活しなかった。)

encodings.idna --- アプリケーションにおける国際化ドメイン名 (IDNA)

このモジュールでは RFC 3490 (アプリケーションにおける国際化ドメイン名、 IDNA: Internationalized Domain Names in Applications) および RFC 3492 (Nameprep: 国際化ドメイン名 (IDN) のための stringprep プロファイル) を実装しています。このモジュールは punycode エンコーディングおよび stringprep の上に構築されています。

If you need the IDNA 2008 standard from RFC 5891 and RFC 5895, use the third-party idna module.

これらの RFC はともに、非 ASCII 文字の入ったドメイン名をサポートするためのプロトコルを定義しています。 (www.Alliancefrançaise.nu のような) 非 ASCII 文字を含むドメイン名は、 ASCII と互換性のあるエンコーディング (ACE、 www.xn--alliancefranaise-npb.nu のような形式) に変換されます。ドメイン名の ACE 形式は、 DNS クエリ、 HTTP Host フィールドなどといった、プロトコル中で任意の文字を使えないような全ての局面で用いられます。この変換はアプリケーション内で行われます; 可能ならユーザからは不可視となります: アプリケーションは Unicode ドメインラベルをネットワークに載せる際に IDNA に、 ACE ドメインラベルをユーザに提供する前に Unicode に、それぞれ透過的に変換しなければなりません。

Python ではこの変換をいくつかの方法でサポートします: idna codec は Unicode と ACE 間の変換を行い、入力文字列を RFC 3490 の section 3.1 で定義されている区切り文字に基づいてラベルに分解し、各ラベルを要求通りに ACE に変換します。逆に、入力のバイト文字列を . 区切り文字でラベルに分解し、 ACE ラベルを Unicode に変換します。さらに、 socket モジュールは Unicode ホスト名を ACE に透過的に変換するため、アプリケーションはホスト名を socket モジュールに渡す際にホスト名の変換に煩わされることがありません。その上で、ホスト名を関数パラメタとして持つ、 http.clientftplib のようなモジュールでは Unicode ホスト名を受理します (http.client でもまた、 Host フィールドにある IDNA ホスト名を、フィールド全体を送信する場合に透過的に送信します)。

(逆引きなどによって) ネットワーク越しにホスト名を受信する際、Unicode への自動変換は行われません: こうしたホスト名をユーザに提供したいアプリケーションでは、Unicode にデコードしてやる必要があります。

encodings.idna ではまた、 nameprep 手続きを実装しています。 nameprep はホスト名に対してある正規化を行って、国際化ドメイン名で大小文字を区別しないようにするとともに、類似の文字を一元化します。 nameprep 関数は必要なら直接使うこともできます。

encodings.idna.nameprep(label)

label を nameprep したバージョンを返します。現在の実装ではクエリ文字列を仮定しているので、AllowUnassigned は真です。

encodings.idna.ToASCII(label)

RFC 3490 仕様に従ってラベルを ASCIIに変換します。 UseSTD3ASCIIRules は偽であると仮定します。

encodings.idna.ToUnicode(label)

RFC 3490 仕様に従ってラベルを Unicode に変換します。

encodings.mbcs --- Windows ANSI コードページ

This module implements the ANSI codepage (CP_ACP).

利用可能な環境: Windows 。

バージョン 3.2 で変更: 3.2 以前は errors 引数は無視されました; エンコードには常に 'replace' が、デコードには 'ignore' が使われました。

バージョン 3.3 で変更: 任意のエラーハンドラのサポート。

encodings.utf_8_sig --- BOM 印付き UTF-8

このモジュールは UTF-8 codec の変種を実装します。エンコーディング時は、UTF-8 でエンコードしたバイト列の前に UTF-8 でエンコードした BOM を追加します。これは内部状態を持つエンコーダで、この動作は (バイトストリームの最初の書き込み時に) 一度だけ行なわれます。デコーディング時は、データの最初に UTF-8 でエンコードされた BOM があれば、それをスキップします。