readline --- GNU readline のインターフェース¶
readline モジュールには、Python インタープリタでの補完や履歴ファイルの読み書きを容易にする関数が定義されています。
このモジュールは直接使うことも、対話プロンプトで Python 識別子の補完を提供する rlcompleter モジュールを介して使うこともできます。
このモジュールによる設定は、インタープリタの対話プロンプトと組み込みの input() 関数が表示するプロンプトの両方に影響します。
readline のキーバインディングは初期化ファイルで設定できます。
このファイルは、たいていはホームディレクトリに .inputrc という名前で置いてあります。
GNU Readline マニュアルの Readline Init File を参照して、そのファイルの形式や可能な構成、 Readline ライブラリ全体の機能を知ってください。
利用可能な環境: not Android, not iOS, not WASI.
このモジュールは モバイルプラットフォーム と WebAssemblyプラットフォーム をサポートしません。
これは optional module です。 お使いの CPython に含まれていない場合は、配布元 (Python を提供した組織や人) のドキュメントを確認してください。 配布する側の方は オプションのモジュールの要件 を参照してください。
利用可能な環境: Unix.
注釈
基盤となる Readline ライブラリの API は、GNU readline ではなく editline (libedit) ライブラリで実装されている場合があります。
macOS では readline モジュールが実行時に使用中のライブラリを検出します。
editline の設定ファイルは GNU readline のものとは異なります。
プログラムから設定文字列を読み込む場合は、backend で使用中のライブラリを判別できます。
macOS で editline/libedit による readline エミュレーションを使う場合、ホームディレクトリの初期化ファイル名は .editrc です。
例えば ~/.editrc に次の内容を書くと、vi のキーバインディングと TAB による補完が有効になります。
python:bind -v
python:bind ^I rl_complete
ライブラリによって履歴ファイルの形式が異なる場合もあります。 基盤となるライブラリを切り替えると、既存の履歴ファイルが使えなくなることがあります。
- readline.backend¶
使用中の Readline ライブラリの名前で、
"readline"または"editline"です。Added in version 3.13.
初期化ファイル¶
以下の関数は初期化ファイルならびにユーザ設定関連のものです:
- readline.parse_and_bind(string)¶
string 引数で渡された初期化行を実行します。 基盤となるライブラリの
rl_parse_and_bind()を呼び出します。
行バッファ¶
以下の関数は行バッファを操作します:
- readline.get_line_buffer()¶
行バッファ (基盤となるライブラリの
rl_line_buffer) の現在の内容を返します。
- readline.insert_text(string)¶
カーソル位置の行バッファにテキストを挿入します。 基盤となるライブラリの
rl_insert_text()を呼び出しますが、戻り値は無視します。
- readline.redisplay()¶
行バッファの現在の内容が反映されるように画面表示を更新します。 基盤となるライブラリの
rl_redisplay()を呼び出します。
履歴ファイル¶
以下の関数は履歴ファイルを操作します:
- readline.read_history_file([filename])¶
readline の履歴ファイルを読み込み、履歴リストに追加します。 デフォルトのファイル名は
~/.historyです。 基盤となるライブラリのread_history()を呼び出し、ファイル名が指定されていればその名前を、指定されていなければ"~/.history"を伴う 監査イベントopenを発生させます。バージョン 3.14 で変更: 監査イベントが追加されました。
- readline.write_history_file([filename])¶
履歴リストを readline の履歴ファイルに保存し、既存のファイルがあれば上書きします。 デフォルトのファイル名は
~/.historyです。 基盤となるライブラリのwrite_history()を呼び出し、ファイル名が指定されていればその名前を、指定されていなければ"~/.history"を伴う 監査イベントopenを発生させます。バージョン 3.14 で変更: 監査イベントが追加されました。
- readline.append_history_file(nelements[, filename])¶
履歴の末尾 nelements 個の項目をファイルに追加します。 デフォルトのファイル名は
~/.historyです。 ファイルはあらかじめ存在していなければなりません。 基盤となるライブラリのappend_history()を呼び出します。 この関数は、対応するバージョンのライブラリを使って Python をコンパイルした場合にのみ存在します。 ファイル名が指定されていればその名前を、指定されていなければ"~/.history"を伴う 監査イベントopenを発生させます。Added in version 3.5.
バージョン 3.14 で変更: 監査イベントが追加されました。
- readline.get_history_length()¶
- readline.set_history_length(length)¶
履歴ファイルに保存する行数を設定または取得します。
write_history_file()関数はこの値を使い、基盤となるライブラリのhistory_truncate_file()を呼び出して履歴ファイルを切り詰めます。 負の値を指定すると履歴ファイルのサイズは無制限になります。
履歴リスト¶
以下の関数はグローバルな履歴リストを操作します:
- readline.clear_history()¶
現在の履歴を消去します。 基盤となるライブラリの
clear_history()を呼び出します。 この Python 関数は、対応するバージョンのライブラリを使って Python をコンパイルした場合にのみ存在します。
- readline.get_current_history_length()¶
履歴に現在ある項目の数を返します。 (
get_history_length()は履歴ファイルに書かれる最大行数を返します。)
- readline.get_history_item(index)¶
index にある履歴項目の現在の内容を返します。 項目のインデックスは 1 から始まります。 基盤となるライブラリの
history_get()を呼び出します。
- readline.remove_history_item(pos)¶
位置で指定した項目を履歴から削除します。 位置は 0 から数えます。 基盤となるライブラリの
remove_history()を呼び出します。
- readline.replace_history_item(pos, line)¶
位置で指定した履歴項目を line に置き換えます。 位置は 0 から数えます。 基盤となるライブラリの
replace_history_entry()を呼び出します。
- readline.add_history(line)¶
line を最後に入力した行であるかのように履歴バッファに追加します。 基盤となるライブラリの
add_history()を呼び出します。
- readline.set_auto_history(enabled)¶
readline で入力を読み取る際に
add_history()を自動的に呼び出す機能を有効または無効にします。 enabled 引数には真偽値を指定し、真なら履歴の自動追加が有効に、偽なら無効になります。Added in version 3.6.
履歴の自動追加はデフォルトで有効です。 この設定の変更は次のセッションには引き継がれません。
開始フック¶
- readline.set_startup_hook([function])¶
基盤となるライブラリの
rl_startup_hookコールバックが呼び出す関数を設定または削除します。 function を指定すると新しいフック関数として使われます。 省略するかNoneを指定すると、設定済みの関数が削除されます。 フックは readline が最初のプロンプトを表示する直前に引数なしで呼び出されます。
- readline.set_pre_input_hook([function])¶
基盤となるライブラリの
rl_pre_input_hookコールバックが呼び出す関数を設定または削除します。 function を指定すると新しいフック関数として使われます。 省略するかNoneを指定すると、設定済みの関数が削除されます。 フックは最初のプロンプトを表示した後、readline が入力文字を読み取り始める直前に引数なしで呼び出されます。 この関数は、対応するバージョンのライブラリを使って Python をコンパイルした場合にのみ存在します。
- readline.get_pre_input_hook()¶
現在の入力前フック関数を取得します。 入力前フック関数が設定されていなければ
Noneを返します。 この関数は、対応するバージョンのライブラリを使って Python をコンパイルした場合にのみ存在します。Added in version 3.15.
補完¶
以下の関数は独自の単語補完関数の実装に関連します。
補完は通常 Tab キーで操作し、入力中の単語の候補を示して自動的に補完できます。
デフォルトでは、Readline は rlcompleter が対話型インタープリタで Python 識別子を補完するために使うように設定されています。
readline モジュールで独自の補完関数を使う場合は、それに応じた単語の区切り文字を設定する必要があります。
- readline.set_completer([function])¶
completer 関数を設定または削除します。function が指定された場合、新たな completer 関数として用いられます; 省略された場合や
Noneの場合、現在インストールされている completer 関数は削除されます。completer 関数はfunction(text, state)の形式で、関数が文字列でない値を返すまで state を0,1,2, ..., にして呼び出します。この関数は text から始まる補完結果として次に来そうなものを返さなければなりません。設定した補完関数は、基盤となるライブラリの
rl_completion_matches()に渡される entry_func コールバックから呼び出されます。 text 文字列は、基盤となるライブラリのrl_attempted_completion_functionコールバックに渡される最初の引数から取得します。
- readline.get_completer()¶
completer 関数を取得します。completer 関数が設定されていなければ
Noneを返します。
- readline.get_completion_type()¶
実行しようとしている補完の種類を取得します。 基盤となるライブラリの
rl_completion_type変数の値を整数で返します。
- readline.get_begidx()¶
- readline.get_endidx()¶
補完範囲の開始または終了インデックスを取得します。 これらのインデックスは、基盤となるライブラリの
rl_attempted_completion_functionコールバックに渡される start 引数と end 引数です。 同じ入力編集操作でも、基盤となる C の readline 実装によって値が異なる場合があります。 例えば libedit は libreadline と異なる動作をすることが知られています。
- readline.set_completer_delims(string)¶
- readline.get_completer_delims()¶
補完で使う単語の区切り文字を設定または取得します。 区切り文字は補完対象の単語の開始位置 (補完範囲) を決めます。 これらの関数は基盤となるライブラリの
rl_completer_word_break_characters変数にアクセスします。
- readline.set_completion_display_matches_hook([function])¶
補完候補を表示する関数を設定または削除します。 function を指定すると新しい補完候補表示関数として使われます。 省略するか
Noneを指定すると、設定済みの関数が削除されます。 基盤となるライブラリのrl_completion_display_matches_hookコールバックを設定または解除します。 補完候補表示関数は候補を表示する必要があるたびにfunction(substitution, [matches], longest_match_length)の形で一度呼び出されます。
使用例¶
次の例は readline モジュールの履歴読み書き関数を使い、ユーザーのホームディレクトリにある .python_history という履歴ファイルを自動的に読み込んで保存する方法を示しています。
通常、以下のコードはユーザーの PYTHONSTARTUP ファイルに置き、対話セッション中に自動的に実行します。
import atexit
import os
import readline
histfile = os.path.join(os.path.expanduser("~"), ".python_history")
try:
readline.read_history_file(histfile)
# デフォルトの履歴長は -1 (無制限) なので、履歴が際限なく増える場合がある
readline.set_history_length(1000)
except FileNotFoundError:
pass
atexit.register(readline.write_history_file, histfile)
Python が 対話モード で実行される時、このコードは実際には自動的に実行されます ( readline の設定 を参照してください)。
次の例では上記と同じ目的を達成できますが、ここでは新規の履歴のみを追加することで、並行して対話セッションがサポートされます:
import atexit
import os
import readline
histfile = os.path.join(os.path.expanduser("~"), ".python_history")
try:
readline.read_history_file(histfile)
h_len = readline.get_current_history_length()
except FileNotFoundError:
open(histfile, 'wb').close()
h_len = 0
def save(prev_h_len, histfile):
new_h_len = readline.get_current_history_length()
readline.set_history_length(1000)
readline.append_history_file(new_h_len - prev_h_len, histfile)
atexit.register(save, h_len, histfile)
次の例では code.InteractiveConsole クラスを拡張し、履歴の保存・復旧をサポートします。
import atexit
import code
import os
import readline
class HistoryConsole(code.InteractiveConsole):
def __init__(self, locals=None, filename="<console>",
histfile=os.path.expanduser("~/.console-history")):
code.InteractiveConsole.__init__(self, locals, filename)
self.init_history(histfile)
def init_history(self, histfile):
readline.parse_and_bind("tab: complete")
if hasattr(readline, "read_history_file"):
try:
readline.read_history_file(histfile)
except FileNotFoundError:
pass
atexit.register(self.save_history, histfile)
def save_history(self, histfile):
readline.set_history_length(1000)
readline.write_history_file(histfile)
注釈
バージョン 3.13 で導入された新しい REPL は readline に対応していません。
ただし、PYTHON_BASIC_REPL 環境変数を設定すると引き続き readline を使えます。