xml.parsers.expat --- Expat を使用した高速な XML 解析


注釈

信頼できないデータや認証されていないデータを解析する場合は、XML のセキュリティ を参照してください。

xml.parsers.expat モジュールは、妥当性検証を行わない XML パーサー Expat の Python インターフェースです。 XML パーサーの現在の状態を表す xmlparser という単一の拡張型を提供します。 xmlparser オブジェクトを作成したら、その各種属性にハンドラー関数を設定できます。 その後 XML 文書をパーサーに渡すと、文書内の文字データやマークアップに応じてハンドラー関数が呼び出されます。

このモジュールでは、Expatパーザへのアクセスを提供するために pyexpat モジュールを使用します。 pyexpat モジュールの直接使用は非推奨です。

このモジュールは次の例外、型オブジェクト、データ項目を提供します。

exception xml.parsers.expat.ExpatError

Expat がエラーを報告したときに例外を送出します。 Expatのエラーを解釈する上での詳細な情報は、 ExpatError 例外 を参照してください。

exception xml.parsers.expat.error

ExpatError の別名です。

xml.parsers.expat.XMLParserType

ParserCreate() 関数から返された戻り値の型を示します。

xml.parsers.expat.EXPAT_VERSION

インタープリタが読み込んだ Expat ライブラリのバージョン文字列です。 例えば 'expat_2.8.4' のようになります。

xml.parsers.expat.version_info

インタープリタが読み込んだ Expat ライブラリのバージョンを、メジャー、マイナー、マイクロの 3 つの整数のタプルで表します。

xml.parsers.expat.features

読み込んだ Expat ライブラリのコンパイル時に有効にされた機能を、(name, value) のペアのリストで表します。 値が意味を持つのは、'XML_CONTEXT_BYTES' や保護機構のデフォルトの制限値 'XML_BLAP_ACT_THRES'、'XML_AT_MAX_AMP' など、値を伴う機能だけです。 'XML_DTD' や 'XML_NS' などの他の機能では、値は 0 で、名前の有無だけが意味を持ちます。

xml.parsers.expat モジュールには 2 つの関数があります。

xml.parsers.expat.ErrorString(errno)

与えられたエラー番号 errno を解説する文字列を返します。

xml.parsers.expat.ParserCreate(encoding=None, namespace_separator=None, intern=None)

新しい xmlparser オブジェクトを作成し、返します。 encoding が指定されていた場合、XMLデータで使われている文字列のエンコード名でなければなりません。 Expatは、Pythonのように多くのエンコードをサポートしておらず、またエンコーディングのレパートリを拡張することはできません; サポートするエンコードは、UTF-8, UTF-16, ISO-8859-1 (Latin1), ASCII です。 encoding [1] が指定されると、文書に対する明示的、非明示的なエンコード指定を上書き (override) します。

ParserCreate() で作成したパーサーは、親パーサーを持たないという意味で「ルート」パーサーと呼びます。 ルート以外のパーサーは parser.ExternalEntityParserCreate で作成します。

Expat はオプションで XML 名前空間の処理を行うことができます。これは引数 namespace_separator に値を指定することで有効になります。この値は、1文字の文字列でなければなりません; 文字列が誤った長さを持つ場合には ValueError が送出されます (None は値の省略と見なされます)。名前空間の処理が可能なとき、名前空間に属する要素と属性が展開されます。要素のハンドラである StartElementHandler と EndElementHandler に渡された要素名は、名前空間の URI、名前空間の区切り文字、要素名のローカル部を連結したものになります。名前空間の区切り文字が 0 バイト (chr(0)) の場合、名前空間の URI とローカル部は区切り文字なしで連結されます。

たとえば、namespace_separator に空白文字(' ')がセットされ、次のような文書が解析されるとします:

<?xml version="1.0"?>
<root xmlns    = "http://default-namespace.org/"
      xmlns:py = "http://www.python.org/ns/">
  <py:elem1 />
  <elem2 xmlns="" />
</root>

StartElementHandler は各要素ごとに次のような文字列を受け取ります:

http://default-namespace.org/ root
http://www.python.org/ns/ elem1
elem2

intern を指定する場合は辞書でなければなりません。 要素名と属性名のインターンに使われ、intern 属性として参照できます。 デフォルトでは、パーサーごとに新しい空の辞書が作成されます。

pyexpat が使っている Expat ライブラリの制限により、返される xmlparser インスタンスは単独の XML ドキュメントの解析にしか使えません。それぞれのドキュメントごとに別々のパーサのインスタンスを作るために ParserCreate を呼び出してください。

参考

The Expat XML Parser

Expatプロジェクトのホームページ。

XMLParser オブジェクト

xmlparser オブジェクトは以下のようなメソッドを持ちます:

xmlparser.Parse(data[, isfinal])

data の内容を解析し、適切なハンドラー関数を呼び出して解析したデータを処理します。 data には bytes-like object または文字列を指定できます。 文字列の場合、XML データのエンコーディング宣言は無視され、デコード済みのテキストとして解析されます。 このメソッドの最後の呼び出しでは isfinal を真にしなければなりません。 これは単一のファイルを分割して解析するための仕組みで、複数のファイルを渡すためのものではありません。 data はどの呼び出しでも空にできます。

xmlparser.ParseFile(file)

オブジェクト file から読み込んだ XML データを解析します。 file に必要なのは read(nbytes) メソッドだけです。 このメソッドは bytes を返し、データがなくなると空の bytes オブジェクトを返す必要があります。 テキストファイルはサポートされていません。 デコード済みのデータには Parse() を使ってください。

xmlparser.SetBase(base)

(XML) 宣言中のシステム識別子中の相対 URI を解決するための、基底 URI を設定します。相対識別子の解決はアプリケーションに任されます: この値は関数 ExternalEntityRefHandler() や NotationDeclHandler(), UnparsedEntityDeclHandler() に引数 base としてそのまま渡されます。

xmlparser.GetBase()

以前の SetBase() によって設定された基底 URI を文字列の形で返します。 SetBase() が呼ばれていないときには None を返します。

xmlparser.GetInputContext()

現在のイベントを生成した入力データを bytes オブジェクトとして返します。 データのエンコーディングは、そのテキストを含むエンティティのものです。 現在バッファにある入力の末尾までを返すため、後続のイベントのデータも含む場合があります。 また、イベントが大量のテキストから生成された場合は、そのすべてを取得できるとは限りません。 イベントハンドラーの実行中以外に呼び出すと、戻り値は None です。

xmlparser.ExternalEntityParserCreate(context[, encoding])

親パーサーが解析する内容から参照される、解析対象の外部エンティティを解析するための「子」パーサーを作成します。 context 引数には、後述の ExternalEntityRefHandler() ハンドラー関数に渡された文字列を指定します。 子パーサーの ordered_attributes と specified_attributes には、このパーサーの値が設定されます。

xmlparser.SetParamEntityParsing(flag)

パラメータエンティティ (外部DTDサブセットを含む) の解析を制御します。 flag の有効な値は、 XML_PARAM_ENTITY_PARSING_NEVER, XML_PARAM_ENTITY_PARSING_UNLESS_STANDALONE, XML_PARAM_ENTITY_PARSING_ALWAYS です。 フラグの設定に成功した場合は真を返します。

xmlparser.UseForeignDTD([flag])

flag の値をデフォルトのtrueにすると、Expatは代わりのDTDをロードするため、すべての引数に None を設定して ExternalEntityRefHandler を呼び出します。XML文書が文書型定義を持っていなければ、 ExternalEntityRefHandler が呼び出しますが、 StartDoctypeDeclHandler と EndDoctypeDeclHandler は呼び出されません。

flag にfalseを与えると、メソッドが前回呼ばれた時のtrueの設定が解除されますが、他には何も起こりません。

このメソッドは Parse() または ParseFile() メソッドが呼び出される前にだけ呼び出されます;これら2つのメソッドのどちらかが呼び出されたあとにメソッドが呼ばれると、 code に定数 errors.codes[errors.XML_ERROR_CANT_CHANGE_FEATURE_ONCE_PARSING] が設定されて例外 ExpatError が送出されます。

xmlparser.SetReparseDeferralEnabled(enabled)

警告

SetReparseDeferralEnabled(False) の呼び出しには、以下で説明するセキュリティ上の影響があります。 SetReparseDeferralEnabled メソッドを使う前に、これらの影響を理解してください。

Expat 2.6.0 では「再解析の遅延」というセキュリティ機構が導入されました。 大きなトークンの再解析によって実行時間が二次的に増大し、サービス拒否が起こるのを防ぐため、未完了のトークンの再解析はデフォルトで十分な量の入力が集まるまで遅延されます。 この遅延により、Expat に渡す入力チャンクの大きさによっては、新しい入力をパーサーに渡した直後には登録済みのハンドラーが呼び出されなくなります。 即時の応答が必要で、大きなトークンによるサービス拒否への対策を自身で担う場合、SetReparseDeferralEnabled(False) を呼び出すと、現在の Expat パーサーインスタンスの再解析の遅延を一時的または継続的に無効化できます。 SetReparseDeferralEnabled(True) を呼び出すと、再解析の遅延を再び有効にできます。

SetReparseDeferralEnabled() は、セキュリティ修正として一部の過去の CPython リリースにもバックポートされています。 さまざまな Python バージョンで動作するコードでは、hasattr() で利用可能か確認してください。

Added in version 3.13.

xmlparser.GetReparseDeferralEnabled()

この Expat パーサーインスタンスで再解析の遅延が現在有効かどうかを返します。

Added in version 3.13.

xmlparser オブジェクトには、一般的な XML の脆弱性に対する保護を調整するための次のメソッドがあります。

xmlparser.SetBillionLaughsAttackProtectionActivationThreshold(threshold, /)

billion laughs 攻撃に対する保護を有効にする出力バイト数を設定します。

出力バイト数には、エンティティの展開や DTD ファイルの読み込みによる増幅を含みます。

パーサーオブジェクトの保護を有効にする閾値は通常 8 MiB ですが、実際のデフォルト値は基になる Expat ライブラリによって異なります。

このメソッドを non-root パーサーで呼び出すと ExpatError が送出されます。 対応する lineno と offset は意味を持たない場合があるため、使わないでください。

SetBillionLaughsAttackProtectionActivationThreshold() は、セキュリティ修正として一部の過去の CPython リリースにもバックポートされています。 さまざまな Python バージョンで動作するコードでは、hasattr() で利用可能か確認してください。

注釈

保護を有効にする閾値を 4 MiB 未満にすると DITA 1.3 のデータを扱えなくなることが分かっているため、推奨しません。

Added in version 3.15.

xmlparser.SetBillionLaughsAttackProtectionMaximumAmplification(max_factor, /)

billion laughs 攻撃に対する保護で許容する最大増幅率を設定します。

解析中の増幅率は (direct + indirect) / direct で計算されます。 direct は解析対象の主文書から読み込んだバイト数、indirect はエンティティの展開や外部 DTD ファイルの読み込みで加わったバイト数です。

max_factor は NaN ではない 1.0 以上の float 値でなければなりません。 実際には、小さな無害なファイルでも、データ全体で 15,000 倍、解析途中では 30,000 倍のピーク増幅率が観測されています。 特に、誤検知を避けるため、保護を有効にする閾値は慎重に選ぶ必要があります。

パーサーオブジェクトの最大増幅率は通常 100 ですが、実際のデフォルト値は基になる Expat ライブラリによって異なります。

このメソッドを non-root パーサーで呼び出した場合や、max_factor が有効な範囲を外れている場合は ExpatError が送出されます。 対応する lineno と offset は意味を持たない場合があるため、使わないでください。

SetBillionLaughsAttackProtectionMaximumAmplification() は、セキュリティ修正として一部の過去の CPython リリースにもバックポートされています。 さまざまな Python バージョンで動作するコードでは、hasattr() で利用可能か確認してください。

注釈

最大増幅率が考慮されるのは、SetBillionLaughsAttackProtectionActivationThreshold() で調整する閾値を超えた場合だけです。

Added in version 3.15.

xmlparser.SetAllocTrackerActivationThreshold(threshold, /)

不釣り合いな RAM 使用量に対する保護を有効にする、動的メモリの割り当てバイト数を設定します。

パーサーオブジェクトのメモリ割り当て量に関する保護を有効にする閾値は通常 64 MiB ですが、実際のデフォルト値は基になる Expat ライブラリによって異なります。

このメソッドを non-root パーサーで呼び出すと ExpatError が送出されます。 対応する lineno と offset は意味を持たない場合があるため、使わないでください。

SetAllocTrackerActivationThreshold() は、セキュリティ修正として一部の過去の CPython リリースにもバックポートされています。 さまざまな Python バージョンで動作するコードでは、hasattr() で利用可能か確認してください。

Added in version 3.15.

xmlparser.SetAllocTrackerMaximumAmplification(max_factor, /)

直接入力されたデータのバイト数に対する、割り当てた動的メモリのバイト数の最大増幅率を設定します。

解析中の増幅率は allocated / direct で計算されます。 direct は解析対象の主文書から読み込んだバイト数、allocated はパーサー階層内で割り当てた動的メモリのバイト数です。

max_factor は NaN ではない 1.0 以上の float 値でなければなりません。 実際には、無害なファイルでも解析開始付近で 100.0 を超える増幅率が観測されることがあります。 特に、誤検知を避けるため、保護を有効にする閾値は慎重に選ぶ必要があります。

パーサーオブジェクトの最大増幅率は通常 100 ですが、実際のデフォルト値は基になる Expat ライブラリによって異なります。

このメソッドを non-root パーサーで呼び出した場合や、max_factor が有効な範囲を外れている場合は ExpatError が送出されます。 対応する lineno と offset は意味を持たない場合があるため、使わないでください。

SetAllocTrackerMaximumAmplification() は、セキュリティ修正として一部の過去の CPython リリースにもバックポートされています。 さまざまな Python バージョンで動作するコードでは、hasattr() で利用可能か確認してください。

注釈

最大増幅率が考慮されるのは、SetAllocTrackerActivationThreshold() で調整する閾値を超えた場合だけです。

Added in version 3.15.

xmlparser オブジェクトは次のような属性を持ちます:

xmlparser.buffer_size

buffer_text が真の時に使われるバッファのサイズです。この属性に新しい整数値を代入することで違うバッファサイズにできます。サイズが変えられるときにバッファはフラッシュされます。

xmlparser.buffer_text

この属性を真にすると、xmlparser オブジェクトは Expat が返すテキスト内容をバッファに保持し、CharacterDataHandler() コールバックが複数回呼ばれることをできるだけ避けます。 Expat は通常、改行のたびに文字データを分割するため、この設定で性能が大幅に向上することがあります。 デフォルトは偽で、いつでも変更できます。 偽の場合、改行を含まないデータも分割されることに注意してください。

xmlparser.buffer_used

buffer_text が有効な場合、バッファに保持されているバイト数です。 これらのバイトは UTF-8 でエンコードされたテキストを表します。 buffer_text が偽の場合、この属性は意味を持ちません。

xmlparser.ordered_attributes

この属性をゼロ以外の整数にすると、報告される(XMLノードの) 属性を辞書型ではなくリスト型にします。属性は文書のテキスト中の出現順で示されます。それぞれの属性は、2つのリストのエントリ: 属性名とその値、が与えられます。 (このモジュールの古いバージョンでも、同じフォーマットが使われています。) デフォルトでは、この属性はデフォルトでは偽となりますが、いつでも変更可能です。

xmlparser.specified_attributes

ゼロ以外の整数にすると、パーザは文書のインスタンスで特定される属性だけを報告し、属性宣言から導出された属性は報告しないようになります。この属性が指定されたアプリケーションでは、XMLプロセッサの振る舞いに関する標準に従うために必要とされる (文書型) 宣言によって、どのような付加情報が利用できるのかということについて特に注意を払わなければなりません。デフォルトで、この属性は偽となりますが、いつでも変更可能です。

xmlparser.intern

要素名と属性名のインターンに使う辞書です。 ParserCreate() の intern 引数に渡した辞書、またはこのパーサー用に新しく作成した辞書です。

xmlparser.namespace_prefixes

この属性が真で、名前空間処理が有効な場合、名前空間プレフィックスが展開された名前の 3 番目の部分として、名前空間の区切り文字で区切って報告されます。 プレフィックスを持たない名前には影響しません。 デフォルトは偽で、いつでも変更できます。

以下の属性には、 xmlparser オブジェクトで最も最近に起きたエラーに関する値が入っており、また Parse() または ParseFile() メソッドが xml.parsers.expat.ExpatError 例外を送出した際にのみ正しい値となります。

xmlparser.ErrorByteIndex

エラーが発生したバイトのインデクスです。

xmlparser.ErrorCode

エラーを特定する数値によるコードです。この値は ErrorString() に渡したり、 errors オブジェクトで定義された内容と比較できます。

xmlparser.ErrorColumnNumber

エラーの発生したカラム番号です。

xmlparser.ErrorLineNumber

エラーの発生した行番号です。

以下の属性は xmlparser オブジェクトがその時パースしている位置に関する値を保持しています。 コールバックがパースイベントを報告している間、これらの値はイベントを発生させた文字列の先頭の位置を指し示します。 コールバックの外から参照された時には、対応するコールバックの有無にかかわらず、最後のパースイベントの直後の位置を示します。

xmlparser.CurrentByteIndex

パーサへの入力の、現在のバイトインデックス。

xmlparser.CurrentColumnNumber

パーサへの入力の、現在のカラム番号。

xmlparser.CurrentLineNumber

パーサへの入力の、現在の行番号。

以下に指定可能なハンドラのリストを示します。 xmlparser オブジェクト o にハンドラを指定するには、 o.handlername = func を使用します。 handlername は、以下のリストに挙げた値をとらなければならず、また func は正しい数の引数を受理する呼び出し可能なオブジェクトでなければなりません。引数は特に明記しない限り、すべて文字列となります。

xmlparser.XmlDeclHandler(version, encoding, standalone)

Called when the XML declaration is parsed. The XML declaration is the (optional) declaration of the applicable version of the XML recommendation, the encoding of the document text, and an optional "standalone" declaration. version and encoding will be strings, and standalone will be 1 if the document is declared standalone, 0 if it is declared not to be standalone, or -1 if the standalone clause was omitted.

xmlparser.StartDoctypeDeclHandler(doctypeName, systemId, publicId, has_internal_subset)

Expat が文書型宣言 (<!DOCTYPE ...) の解析を始めるときに呼び出されます。 doctypeName は記載されたとおりに渡されます。 systemId と publicId には、指定されていればシステム識別子と公開識別子が渡され、省略されていれば None が渡されます。 文書に内部宣言サブセットがあれば、has_internal_subset は真になります。

xmlparser.EndDoctypeDeclHandler()

Expat が文書型宣言の解析を終えたときに呼び出されます。

xmlparser.ElementDeclHandler(name, model)

それぞれの要素型宣言ごとに呼び出されます。 name は要素型の名前であり、 model は内容モデル (content model) の表現です。

xmlparser.AttlistDeclHandler(elname, attname, type, default, required)

要素型に対して宣言された属性ごとに呼び出されます。 属性リスト宣言で 3 つの属性を宣言した場合、このハンドラーは属性ごとに 1 回、計 3 回呼び出されます。 elname は宣言の対象となる要素の名前で、attname は宣言された属性の名前です。 属性の型は type に文字列として渡され、'CDATA'、'ID'、'IDREF'、'IDREFS'、'ENTITY'、'ENTITIES'、'NMTOKEN'、'NMTOKENS'、'(x|y)' のような列挙、または 'NOTATION(n1|n2)' のような記法リストです。 default は、文書内にその属性の指定がない場合に使うデフォルト値で、デフォルト値がない場合 (#IMPLIED) は None です。 文書内に属性の指定が必要な場合、required は真になります。

xmlparser.StartElementHandler(name, attributes)

要素の開始ごとに呼び出されます。 name は要素名を持つ文字列で、 attributes は要素の属性です。 ordered_attributes が真の場合これはリストです (詳細は ordered_attributes を参照してください)。 そうでなければ名前を値に対応させる辞書です。

xmlparser.EndElementHandler(name)

要素の終端を処理するごとに呼び出されます。

xmlparser.ProcessingInstructionHandler(target, data)

処理命令を処理するごとに呼び出されます。

xmlparser.CharacterDataHandler(data)

文字データに対して呼び出されます。 通常の文字データ、CDATA としてマークされた内容、無視可能な空白に対して呼び出されます。 これらを区別する必要があるアプリケーションは、StartCdataSectionHandler、EndCdataSectionHandler、ElementDeclHandler のコールバックで必要な情報を収集できます。 短い文字データでも分割されることがあり、CharacterDataHandler() が複数回呼び出される場合があります。 これを避けるには、インスタンス属性 buffer_text を True に設定してください。

xmlparser.UnparsedEntityDeclHandler(entityName, base, systemId, publicId, notationName)

解析対象外 (NDATA) のエンティティ宣言に対して呼び出されます。 このハンドラーを設定しない場合、そのような宣言は EntityDeclHandler によって報告されます。 新しいコードではこちらを使うことを推奨します。 (基になる Expat ライブラリの関数は廃止予定とされています。)

xmlparser.EntityDeclHandler(entityName, is_parameter_entity, value, base, systemId, publicId, notationName)

すべてのエンティティ宣言に対して呼び出されます。 パラメータエンティティと内部エンティティでは、value は宣言されたエンティティの内容を表す文字列で、外部エンティティでは None です。 notationName 引数は、解析対象のエンティティでは None、解析対象外のエンティティでは記法の名前です。 is_parameter_entity はパラメータエンティティでは真、一般エンティティでは偽です (ほとんどのアプリケーションは一般エンティティだけを扱えば十分です)。

xmlparser.NotationDeclHandler(notationName, base, systemId, publicId)

記法の宣言 (notation declaration) で呼び出されます。 notationName, base, systemId, および publicId を与える場合、文字列にします。public な識別子が省略された場合、 publicId は None になります。

xmlparser.StartNamespaceDeclHandler(prefix, uri)

要素が名前空間宣言を含んでいる場合に呼び出されます。名前空間宣言は、宣言が配置されている要素に対して StartElementHandler が呼び出される前に処理されます。

xmlparser.EndNamespaceDeclHandler(prefix)

名前空間宣言を含む要素の終了タグに達すると呼び出されます。 その要素の名前空間宣言ごとに 1 回ずつ、各宣言のスコープ開始を知らせた StartNamespaceDeclHandler とは逆順に呼び出されます。 このハンドラーは、その要素の終了を知らせる EndElementHandler の後に呼び出されます。

xmlparser.CommentHandler(data)

コメントで呼び出されます。 data はコメントのテキストで、先頭の '<!- -' と末尾の '- ->' を除きます。

xmlparser.StartCdataSectionHandler()

CDATA セクションの開始時に呼び出されます。CDATA セクションの構文的な開始と終了位置を識別できるようにするには、このハンドラと EndCdataSectionHandler が必要です。

xmlparser.EndCdataSectionHandler()

CDATA セクションの終了時に呼び出されます。

xmlparser.DefaultHandler(data)

XML 文書中で、適用可能なハンドラが指定されていない文字すべてに対して呼び出されます。この文字とは、検出されたことが報告されるが、ハンドラは指定されていないようなコンストラクト (construct) の一部である文字を意味します。

xmlparser.DefaultHandlerExpand(data)

DefaultHandler と同じですが、内部エンティティの展開を抑止しません。 エンティティ参照はデフォルトハンドラーに渡されません。

xmlparser.NotStandaloneHandler()

XML 文書がスタンドアロンの文書として宣言されていない場合に呼び出されます。外部サブセットやパラメタエンティティへの参照が存在するが、XML 宣言が XML 宣言中で standalone 変数を yes に設定していない場合に起きます。このハンドラが 0 を返すと、パーザは XML_ERROR_NOT_STANDALONE を発生させます。このハンドラが設定されていなければ、パーザは前述の事態で例外を送出しません。

xmlparser.ExternalEntityRefHandler(context, base, systemId, publicId)

警告

ユーザーが提供した XML 内容を xmlparser で扱う場合、ローカルファイルやネットワークにアクセスするハンドラーを実装すると、外部エンティティ攻撃 の脆弱性が生じる可能性があります。 このハンドラーを実装する前に、脅威モデル を検討してください。

外部エンティティの参照時に呼び出されます。 base は現在の基底 (base) で、以前の SetBase() で設定された値になっています。 public、および system の識別子である、 systemId と publicId が指定されている場合、値は文字列です; public 識別子が指定されていない場合、 publicId は None になります。 context の値は不明瞭なものであり、以下に記述するようにしか使ってはなりません。

外部エンティティが解析されるようにするには、このハンドラを実装しなければなりません。 このハンドラは、 ExternalEntityParserCreate(context) で子パーサーを作り、適切なコールバックを設定してからエンティティを解析する役割を担います。 このハンドラは整数を返さなければなりません; 0 を返した場合、パーザは XML_ERROR_EXTERNAL_ENTITY_HANDLING エラーを送出します。 そうでない場合、解析を継続します。

このハンドラが与えられておらず、 DefaultHandler コールバックが指定されていれば、外部エンティティは DefaultHandler で報告されます。

xmlparser.SkippedEntityHandler(entityName, is_parameter_entity)

パーサーがエンティティの宣言を読まなかったために展開されないエンティティ参照に対して呼び出されます。 これは外部 DTD サブセットや外部パラメータエンティティを解析しない場合に起こります。 is_parameter_entity はパラメータエンティティでは真、一般エンティティでは偽です。

ExpatError 例外

ExpatError 例外はいくつかの興味深い属性を備えています:

ExpatError.code

特定のエラーに対する Expat の内部エラー番号です。 errors.messages 辞書はこれらのエラー番号を Expat のエラーメッセージに対応させます。 例えば:

from xml.parsers.expat import ParserCreate, ExpatError, errors

p = ParserCreate()
try:
    p.Parse(some_xml_document)
except ExpatError as err:
    print("Error:", errors.messages[err.code])

errors モジュールはエラーメッセージ定数と、それらのメッセージをエラーコードに対応させる辞書 codes も提供しています。以下を参照してください。

ExpatError.lineno

エラーが検出された場所の行番号です。最初の行の番号は 1 です。

ExpatError.offset

エラーが発生した場所の行内でのオフセットです。最初のカラムの番号は 0 です。

使用例

以下のプログラムでは、与えられた引数を出力するだけの三つのハンドラを定義しています。

import xml.parsers.expat

# 3 つのハンドラー関数
def start_element(name, attrs):
    print('Start element:', name, attrs)
def end_element(name):
    print('End element:', name)
def char_data(data):
    print('Character data:', repr(data))

p = xml.parsers.expat.ParserCreate()

p.StartElementHandler = start_element
p.EndElementHandler = end_element
p.CharacterDataHandler = char_data

p.Parse("""<?xml version="1.0"?>
<parent id="top"><child1 name="paul">Text goes here</child1>
<child2 name="fred">More text</child2>
</parent>""", 1)

このプログラムの出力は以下のようになります:

Start element: parent {'id': 'top'}
Start element: child1 {'name': 'paul'}
Character data: 'Text goes here'
End element: child1
Character data: '\n'
Start element: child2 {'name': 'fred'}
Character data: 'More text'
End element: child2
Character data: '\n'
End element: parent

内容モデルの記述

内容モデルは入れ子になったタプルを使って記述されています。各タプルには以下の 4 つの値が収められています: 型、限定詞 (quantifier)、名前、そして子のタプル。子のタプルは単に内容モデルを記述したものです。

最初の 2 つのフィールドの値は、xml.parsers.expat.model モジュールで定義された定数です。 これらの定数は、モデル型と限定子の 2 つのグループに分けられます。

以下にモデル型グループにおける定数を示します:

xml.parsers.expat.model.XML_CTYPE_ANY

モデル名で指定された要素は ANY の内容モデルを持つと宣言されます。

xml.parsers.expat.model.XML_CTYPE_CHOICE

指定されたエレメントはいくつかのオプションから選択できるようになっています; (A | B | C) のような内容モデルで用いられます。

xml.parsers.expat.model.XML_CTYPE_EMPTY

EMPTY であると宣言されている要素はこのモデル型を持ちます。

xml.parsers.expat.model.XML_CTYPE_MIXED

指定された要素では文字データが許可され、指定された子要素をその間に挟むこともできます。 (#PCDATA) や (#PCDATA | A | B)* のような内容モデルで使います。

xml.parsers.expat.model.XML_CTYPE_NAME

A のように、モデルは単一の要素を指定します。

xml.parsers.expat.model.XML_CTYPE_SEQ

順々に続くようなモデルの系列を表すモデルがこのモデル型で表されます。 (A, B, C) のようなモデルで用いられます。

限定子グループにおける定数を以下に示します:

xml.parsers.expat.model.XML_CQUANT_NONE

修飾子 (modifier) が指定されていません。従って A のように、厳密に一つだけです。

xml.parsers.expat.model.XML_CQUANT_OPT

このモデルはオプションです: A? のように、一つか全くないかです。

xml.parsers.expat.model.XML_CQUANT_PLUS

このモデルは (A+ のように) 一つかそれ以上あります。

xml.parsers.expat.model.XML_CQUANT_REP

このモデルは A* のようにゼロ回以上あります。

Expat エラー定数

次の定数は xml.parsers.expat.errors モジュールで提供されます。 これらは、エラー発生時に送出される ExpatError 例外オブジェクトの属性の一部を解釈するのに役立ちます。 後方互換性のため、定数の値は数値のエラー コード ではなくエラー メッセージ です。 そのため、例外の code 属性を errors.codes[errors.XML_ERROR_CONSTANT_NAME] と比較して使います。

errors モジュールには以下の属性があります:

xml.parsers.expat.errors.codes

文字列の記述をエラーコードに対応させる辞書です。

Added in version 3.2.

xml.parsers.expat.errors.messages

数値的なエラーコードを文字列の記述に対応させる辞書です。

Added in version 3.2.

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_ASYNC_ENTITY
xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_ATTRIBUTE_EXTERNAL_ENTITY_REF

属性値中のエンティティ参照が、内部エンティティではなく外部エンティティを参照しました。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_BAD_CHAR_REF

文字参照が、XML では正しくない (illegal) 文字を参照しました (例えば 0 や '&#0;')。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_BINARY_ENTITY_REF

エンティティ参照が、記法 (notation) つきで宣言されているエンティティを参照したため、解析できません。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_DUPLICATE_ATTRIBUTE

一つの属性が一つの開始タグ内に一度より多く使われています。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_INCORRECT_ENCODING
xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_INVALID_TOKEN

入力されたバイトが文字に適切に関連付けできない際に送出されます; 例えば、UTF-8 入力ストリームにおける NUL バイト (値 0) などです。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_JUNK_AFTER_DOC_ELEMENT

空白以外の何かがドキュメント要素の後にあります。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_MISPLACED_XML_PI

入力データの先頭以外の場所に XML 定義が見つかりました。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_NO_ELEMENTS

文書に要素がありません (XML では、すべての文書にトップレベルの要素がちょうど 1 つ必要です)。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_NO_MEMORY

Expat が内部メモリを確保できませんでした。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_PARAM_ENTITY_REF

パラメータエンティティの参照が、許可されていない場所で見つかりました。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_PARTIAL_CHAR

入力に不完全な文字が見つかりました。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_RECURSIVE_ENTITY_REF

エンティティ参照中に、同じエンティティへの別の参照が入っていました; おそらく違う名前で参照しているか、間接的に参照しています。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_SYNTAX

詳細が特定されていない構文エラーが発生しました。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_TAG_MISMATCH

終了タグが最も内側で開かれている開始タグに一致しません。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_UNCLOSED_TOKEN

何らかの (開始タグのような) トークンが閉じられないまま、ストリームの終端や次のトークンに遭遇しました。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_UNDEFINED_ENTITY

定義されていないエンティティへの参照が行われました。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_UNKNOWN_ENCODING

ドキュメントのエンコードが Expat でサポートされていません。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_UNCLOSED_CDATA_SECTION

CDATAセクションが閉じられていません。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_EXTERNAL_ENTITY_HANDLING
xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_NOT_STANDALONE

XML 文書は XML 宣言で "standalone" と宣言していましたが、パーサーはそうではないと判定しました。 また、NotStandaloneHandler が設定されていて、0 を返しました。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_UNEXPECTED_STATE
xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_ENTITY_DECLARED_IN_PE
xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_FEATURE_REQUIRES_XML_DTD

DTD のサポートを組み込んでコンパイルする必要がある操作が要求されましたが、Expat は DTD をサポートしない構成でした。 xml.parsers.expat モジュールの標準ビルドでは、このエラーは報告されないはずです。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_CANT_CHANGE_FEATURE_ONCE_PARSING

パースが始まったあとで動作の変更が要求されました。これはパースが開始される前にのみ変更可能です。(現在のところ) UseForeignDTD() によってのみ送出されます。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_UNBOUND_PREFIX

名前空間処理が有効な状態で、宣言されていないプレフィックスが見つかりました。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_UNDECLARING_PREFIX

XML文書はプレフィックスに対応した名前空間宣言を削除しようとしました。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_INCOMPLETE_PE

パラメータエンティティは不完全なマークアップを含んでいます。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_XML_DECL

XML 宣言の解析中にエラーが発生しました。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_TEXT_DECL

外部エンティティ中のテキスト宣言にエラーがあります。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_PUBLICID

パブリックID中に許可されていない文字があります。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_SUSPENDED

要求された操作は一時停止されたパーサで行われていますが、許可されていない操作です。このエラーは追加の入力を行なおうとしている場合、もしくはパーサが停止しようとしている場合にも送出されます。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_NOT_SUSPENDED

一時停止していないパーサーを再開しようとしました。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_ABORTED

Pythonアプリケーションには通知されません。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_FINISHED

入力の解析が完了したパーサーに対して、許可されない操作を要求しました。 追加の入力を渡す操作や、パーサーを停止する操作などが該当します。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_SUSPEND_PE
xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_RESERVED_PREFIX_XML

予約済みの名前空間プレフィックス xml の宣言を解除するか、別の名前空間 URI に結び付けようとしました。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_RESERVED_PREFIX_XMLNS

予約済みの名前空間プレフィックス xmlns を宣言するか、宣言を解除しようとしました。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_RESERVED_NAMESPACE_URI

予約済みの名前空間プレフィックス xml または xmlns の URI を、別の名前空間プレフィックスに結び付けようとしました。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_INVALID_ARGUMENT

Pythonアプリケーションには通知されません。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_NO_BUFFER

Pythonアプリケーションには通知されません。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_AMPLIFICATION_LIMIT_BREACH

DTD とエンティティによる入力の増幅率が制限を超えました。

xml.parsers.expat.errors.XML_ERROR_NOT_STARTED

パーサーを開始する前に、停止または一時停止しようとしました。

Added in version 3.14.

脚注