Python モジュールのインストール

Python は人気のあるオープンソース開発プロジェクトで、貢献者やユーザーからなる活発なコミュニティに支えられています。 コミュニティの人々も自分のソフトウェアをオープンソースライセンスで公開し、ほかの Python 開発者が使えるようにしています。

これにより、Python ユーザーは効果的に共有や協力を行えます。 よくある問題 (ときには珍しい問題も!) に対してほかの人がすでに作った解決策を活用でき、自分の解決策を共有して貢献することもできます。

このガイドはこれらプロセスのうち、インストールについてをカバーします。あなた自身の Python プロジェクトを作成し、共有するためのガイドについては Python packaging user guide を参照してください。

注釈

あなたが企業や組織のユーザであれば、多くの組織がオープンソースソフトウェアの利用と貢献に関する彼ら独自のポリシーを持っていることに気をつけてください。Python によって提供される配布とインストールのツールを利用する際には、そのようなポリシーを考慮に入れてください。

重要用語集

  • pip は推奨されるインストール用プログラムです。 Python のバイナリインストーラーにはデフォルトで含まれています。

  • 仮想環境 は、システム全体にインストールするのではなく、特定のアプリケーションで使用するためにパッケージをインストールできるようにする半独立型のPython環境です。

  • venv は仮想環境を作成するための標準ツールです。 デフォルトでは、作成するすべての仮想環境に pip をインストールします。

  • virtualenv は venv の代わりに使えるサードパーティー製のツールで、venv よりも前から存在します。

  • Python Package Index (PyPI) は、ほかの Python ユーザーが使えるようにオープンソースライセンスで提供されているパッケージの公開リポジトリです。

  • Python Packaging Authority は、標準のパッケージングツールと、それらに関連するメタデータやファイル形式の標準の維持・発展を担う開発者やドキュメント執筆者のグループです。 GitHub で、さまざまなツール、ドキュメント、課題管理システムを管理しています。

バージョン 3.5 で変更: 仮想環境の作成には、 venv の使用をお勧めします。

基本的な使い方

パッケージングのための標準ツールはすべてコマンドラインから使われることを想定しています。

次のコマンドは、モジュールの最新バージョンとその依存パッケージを PyPI からインストールします。

python -m pip install SomePackage

注釈

POSIX ユーザ(macOS と Linux ユーザを含みます)向けには、このガイド内の例は、 virtual environment の利用を前提にしています。

Windows ユーザ向けには、このガイド内の例は、Python インストール時にシステムの PATH 環境変数が調整されていることを前提にしています。

正確なバージョンや最小のバージョンをコマンドライン上で直接指定することもできます。> や < などの比較演算子など、シェルが解釈する特殊文字を使う場合、パッケージ名とバージョンを二重引用符で囲んでください:

python -m pip install SomePackage==1.0.4    # 特定のバージョン
python -m pip install "SomePackage>=1.0.4"  # 最小バージョンを指定

通常、適合するモジュールがインストール済である場合にそれを再度 install 実行を試みても効果はありません。既に存在しているモジュールのアップグレードには、明示的にそれを要求しなければなりません:

python -m pip install --upgrade SomePackage

pip とその機能についての詳しい情報や資料は、Python Packaging User Guide を参照してください。

仮想環境は venv モジュールを使って作成します。 有効化した仮想環境にパッケージをインストールするには、上記のコマンドを使います。

どうすればいいの...?

以下はよくある課題への簡単な回答もしくは回答へのリンクです。

... パッケージを現在のユーザ用のみにインストールするには?

python -m pip install に --user オプションを付けてください。パッケージはシステムのすべてのユーザ用にではなく、現在のユーザ用のみにインストールされます。

... 科学技術計算用の Python パッケージをインストールするには?

科学技術計算用の Python パッケージには、バイナリの依存関係が複雑で、現時点では pip で直接インストールするのが難しいものがいくつもあります。 こうしたパッケージは、pip でインストールしようとするよりも、別の方法 でインストールするほうが簡単な場合が多いです。

... インストールされた複数のバージョンの Python を並行して使うには?

Linux、macOS、その他の POSIX システムでは、バージョン番号付きの Python コマンドに -m オプションを組み合わせ、対応する pip を実行してください。

python3    -m pip install SomePackage  # デフォルトの Python 3
python3.14 -m pip install SomePackage  # Python 3.14 を指定

対応するバージョン番号が付いた pip コマンドを使える場合もあります。

Windows では、py Python ランチャーに -m オプションを組み合わせて使ってください。

py -3    -m pip install SomePackage  # デフォルトの Python 3
py -3.14 -m pip install SomePackage  # Python 3.14 を指定

よくあるインストールに関する問題

Linux で、システムの Python 内にインストールする

Linux システムでは、通常、ディストリビューションの一部として Python がインストールされています。 この Python にパッケージをインストールするには、システムの root 権限が必要です。 pip で構成要素が予期せずアップグレードされると、システムのパッケージマネージャーやほかの構成要素の動作に支障をきたす可能性があります。

このようなシステムで pip を使ってパッケージをインストールする場合は、仮想環境やユーザー単位のインストールを使うほうがよいことが多いです。

pip がインストールされていない

pip がデフォルトではインストールされない場合もあります。 解決方法の一つとして、次のコマンドを試せます。

python -m ensurepip --default-pip

pip のインストール に関する資料もあります。

バイナリの拡張のインストール

かつて Python はソースコードによる配布に大きく依存していました。 エンドユーザーは、インストール作業の一環として拡張モジュールをソースからコンパイルすることを求められていました。

バイナリの wheel 形式が導入され、PyPI を通じて wheel を公開できるようになったことで、この問題は減りつつあります。 ユーザーが自分でビルドする必要がなく、ビルド済みの拡張モジュールをインストールできる場合が増えているためです。

ビルド済みの wheel ファイルがまだ提供されていない 科学技術計算用ソフトウェア をインストールするための方法の中には、ほかのバイナリ拡張を手元でビルドせずに入手するのに役立つものもあります。