binascii --- バイナリデータと ASCII データとの間での変換


binascii モジュールにはバイナリと ASCII コード化されたバイナリ表現との間の変換を行うための多数のメソッドが含まれています。通常、これらの関数を直接使う必要はなく、 uubase64binhex といった、ラッパ (wrapper) モジュールを使うことになるでしょう。 binascii モジュールは C で書かれた高速な低水準関数を提供していて、それらは上記の高水準なモジュールで利用されます。

注釈

a2b_* 関数は ASCII 文字だけを含むユニコード文字列を受け取ります。他の関数は (bytesbytearray またはバッファープロトコルをサポートするその他のオブジェクトのような) bytes-like オブジェクト だけを受け取ります。

バージョン 3.3 で変更: a2b_* 関数は ASCII のみのユニコード文字列を受け取るようになりました。

binascii モジュールでは以下の関数を定義します:

binascii.a2b_uu(string)

uuencode された 1 行のデータをバイナリに変換し、変換後のバイナリデータを返します。最後の行を除いて、通常 1 行には (バイナリデータで) 45 バイトが含まれます。入力データの先頭には空白文字が連続していてもかまいません。

binascii.b2a_uu(data, *, backtick=False)

Convert binary data to a line of ASCII characters, the return value is the converted line, including a newline char. The length of data should be at most 45. If backtick is true, zeros are represented by '`' instead of spaces.

バージョン 3.7 で変更: backtick パラメータを追加しました.

binascii.a2b_base64(string)

base64 でエンコードされたデータのブロックをバイナリに変換し、変換後のバイナリデータを返します。一度に 1 行以上のデータを与えてもかまいません。

binascii.b2a_base64(data, *, newline=True)

バイナリデータを base64 でエンコードされた 1 行の ASCII 文字列に変換します。戻り値は変換後の 1 行の文字列で、newline が真の場合改行文字を含みます。この関数の出力は RFC 3548 を遵守します。

バージョン 3.6 で変更: パラメータに newline を追加しました。

binascii.a2b_qp(data, header=False)

quoted-printable 形式のデータをバイナリに変換し、バイナリデータを返します。一度に 1 行以上のデータを渡すことができます。オプション引数 header が与えられており、かつその値が真であれば、アンダースコアは空白文字にデコードされます。

binascii.b2a_qp(data, quotetabs=False, istext=True, header=False)

バイナリデータを quoted-printable 形式でエンコードして 1 行から複数行の ASCII 文字列に変換します。変換後の文字列を返します。オプション引数 quptetabs が存在し、かつその値が真であれば、全てのタブおよび空白文字もエンコードされます。オプション引数 istext が存在し、かつその値が真であれば、改行はエンコードされませんが、行末の空白文字はエンコードされます。オプション引数 header が存在し、かつその値が真である場合、空白文字は RFC 1522 にしたがってアンダースコアにエンコードされます。オプション引数 header が存在し、かつその値が偽である場合、改行文字も同様にエンコードされます。そうでない場合、復帰 (linefeed) 文字の変換によってバイナリデータストリームが破損してしまうかもしれません。

binascii.a2b_hqx(string)

binhex4 形式の ASCII 文字列データを RLE 展開を行わないでバイナリに変換します。文字列はバイナリのバイトデータを完全に含むような長さか、または (binhex4 データの最後の部分の場合) 余白のビットがゼロになっていなければなりません。

バージョン 3.9 で非推奨.

binascii.rledecode_hqx(data)

data に対し、 binhex4 標準に従って RLE 展開を行います。このアルゴリズムでは、あるバイトの後ろに 0x90 がきた場合、そのバイトの反復を指示しており、さらにその後ろに反復カウントが続きます。カウントが 0 の場合 0x90 自体を示します。このルーチンは入力データの末端における反復指定が不完全でないかぎり解凍されたデータを返しますが、不完全な場合、例外 Incomplete が送出されます。

バージョン 3.2 で変更: 入力として bytestring または bytearray オブジェクトのみを受け取ります。

バージョン 3.9 で非推奨.

binascii.rlecode_hqx(data)

binhex4 方式の RLE 圧縮を data に対して行い、その結果を返します。

バージョン 3.9 で非推奨.

binascii.b2a_hqx(data)

バイナリを hexbin4 エンコードして ASCII 文字列に変換し、変換後の文字列を返します。引数の data はすでに RLE エンコードされていなければならず、その長さは (最後のフラグメントを除いて) 3 で割り切れなければなりません。

バージョン 3.9 で非推奨.

binascii.crc_hqx(data, value)

value を CRC の初期値として data の 16 ビット CRC 値を計算し、その結果を返します。 この関数は、よく 0x1021 と表現される CRC-CCITT 多項式 x16 + x12 + x5 + 1 を使います。 この CRC は binhex4 形式で使われています。

binascii.crc32(data[, value])

Compute CRC-32, the unsigned 32-bit checksum of data, starting with an initial CRC of value. The default initial CRC is zero. The algorithm is consistent with the ZIP file checksum. Since the algorithm is designed for use as a checksum algorithm, it is not suitable for use as a general hash algorithm. Use as follows:

print(binascii.crc32(b"hello world"))
# Or, in two pieces:
crc = binascii.crc32(b"hello")
crc = binascii.crc32(b" world", crc)
print('crc32 = {:#010x}'.format(crc))

バージョン 3.0 で変更: The result is always unsigned. To generate the same numeric value when using Python 2 or earlier, use crc32(data) & 0xffffffff.

binascii.b2a_hex(data[, sep[, bytes_per_sep=1]])
binascii.hexlify(data[, sep[, bytes_per_sep=1]])

バイナリ data の16進表現を返します。data の各バイトは、対応する2桁の16進表現に変換されます。したがって、返されるバイトオブジェクトは data の2倍の長さになります。

Similar functionality (but returning a text string) is also conveniently accessible using the bytes.hex() method.

If sep is specified, it must be a single character str or bytes object. It will be inserted in the output after every bytes_per_sep input bytes. Separator placement is counted from the right end of the output by default, if you wish to count from the left, supply a negative bytes_per_sep value.

>>> import binascii
>>> binascii.b2a_hex(b'\xb9\x01\xef')
b'b901ef'
>>> binascii.hexlify(b'\xb9\x01\xef', '-')
b'b9-01-ef'
>>> binascii.b2a_hex(b'\xb9\x01\xef', b'_', 2)
b'b9_01ef'
>>> binascii.b2a_hex(b'\xb9\x01\xef', b' ', -2)
b'b901 ef'

バージョン 3.8 で変更: 引数 sepbytes_per_sep が追加されました.

binascii.a2b_hex(hexstr)
binascii.unhexlify(hexstr)

16進数表記の文字列 hexstr の表すバイナリデータを返します。この関数は b2a_hex() の逆です。 hexstr は 16進数字 (大文字でも小文字でも構いません) を偶数個含んでいなければなりません。そうでない場合、例外 Error が送出されます。

Similar functionality (accepting only text string arguments, but more liberal towards whitespace) is also accessible using the bytes.fromhex() class method.

exception binascii.Error

エラーが発生した際に送出される例外です。通常はプログラムのエラーです。

exception binascii.Incomplete

変換するデータが不完全な場合に送出される例外です。通常はプログラムのエラーではなく、多少追加読み込みを行って再度変換を試みることで対処できます。

参考

base64 モジュール

RFC 準拠の base64 形式の、底が 16、32、64、85 のエンコーディング。

binhex モジュール

Macintosh で使われる binhex フォーマットのサポート。

uu モジュール

Unix で使われる UU エンコードのサポート。

quopri モジュール

MIME 電子メールメッセージで使われる quoted-printable エンコードのサポート。