What's New in Python 2.6
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著者:
   A.M. Kuchling (amk at amk.ca)

この文書は Python 2.6 の新機能について解説します。 Python 2.6 は 2008
年 10 月 1 日にリリースされました。リリーススケジュールは **PEP 361**
に記述されています。

Python 2.6 の主要なテーマは、大幅な言語の再設計となる Python 3.0 移行
への道筋を準備することです。可能な場合にはいつでも、Python 2.6 は、古
い機能や文法を削除することなく既存のコードの互換性を保てるようにしなが
ら、3.0 より新機能と新文法を組み込んでいます。そうすることが出来ない場
合には、Python 2.6 は、出来ることを出来るだけ試みました。それには
"future_builtins" モジュールに互換関数を、また、Python 3 でサポートさ
れなくなる用法についての警告を出すための "-3" スイッチ を追加していま
す。

"multiprocessing" や "json" といった、いくつか重要な新しいパッケージが
標準ライブラリに追加されましたが、Python 3.0 に何らかも関係しない新機
能はあまり多くはありません。

Python 2.6 ではさらに、たくさんの改善とバグフィックスがソースコードの
ありとあらゆる場所に見られます。Python 2.5 から 2.6 の変更ログを手繰っ
てみると、低く見積もっても、適用されたパッチは 259、フィックスされたバ
グは 612 にのぼります。

このドキュメントは新機能の完全な詳細を提供するのではなくて、簡易な概要
を提供することを目的にしています。完全な詳細が知りたければ、 Python
2.6 のドキュメントを参照してください。設計と実装の根拠を理解したい場合
は、新機能に関する PEP を参照してください。可能な限り、 "What’s New in
Python" は各変更の bug や patch に対してリンクしています。


Python 3.0
==========

Python 2.6 と 3.0 の開発サイクルは同期していました。両バージョンのアル
ファ、ベータリリースは同じ日にリリースされています。3.0 の開発は 2.6
の多くの機能に影響を与えました。

Python 3.0 は、2.x シリーズとの互換性を破壊する、広範囲な再設計です。
これは、Python 3.0 で動作させるためには既存のコードに何らかの変換が必
要なことを意味しています。しかしながら、必ずしも全ての 3.0 での変更が
互換性を破壊するわけではありません。新機能が既存のコードの破壊を引き起
こさないケースにおいては、それらは 2.6 にバックポートされました。これ
らについてはこのドキュメントの適切な場所に記載しています。3.0 由来の機
能の一部としては以下があります:

* オブジェクトを複素数(虚数)に変換する "__complex__()" メソッド。

* 例外の捕捉の、これまでとは別の文法の追加: "except TypeError as exc"
  。

* 組み込み関数 "reduce()" への別名としての "functools.reduce()" の追加
  。

Python 3.0 はいくつかの新しい組み込み関数を追加し、また、いくつかの既
存の組み込み関数では意味を変更しています。Python 3.0 での新しい組み込
み関数、例えば "bin()" などは単純に 2.6 に追加されましたが、既存のもの
はそうせずに、代わりに "future_builtins" モジュールに 3.0 版のものを追
加しています。3.0 と互換性を持ちたいコードでは、必要に応じて "from
future_builtins import hex, map" などとすることが出来ます。

新しいコマンドラインオプション "-3" で、Python 3.0 で削除される機能に
ついての警告を受け取ることが出来ます。このスイッチで、3.0 にコードを移
植するためにはどの程度の仕事が必要になるのか知ることが出来るでしょう。
この値は Python コードからもアクセス出来て、ブーリアン値
"sys.py3kwarning" と、C 拡張 API では "Py_Py3kWarningFlag" です。

参考:

  Python 3.0 についての提案を含む PEP は 3xxx シリーズにあります。
  **PEP 3000** は Python 3.0 の開発プロセスについて記述しています。
  Python 3.0 の全般的な目標について記述している **PEP 3100** から始め
  て、個別の機能についての提案のこれより番号が高い PEP を探索してみて
  ください。


開発プロセスに関する変更
========================

2.6 の開発の間で、Python 開発プロセスは 2 つの重要な変更を経験しました
: SourceForge の課題トラッカーから、カスタイマイズした Roundup インス
トレーションに乗り換えました。また、ドキュメントは LaTeX から
reStructuredText に変換しました。


新しい課題トラッカー: Roundup
-----------------------------

もう随分長いこと Python 開発者たちは、SourceForge のバグトラッカーにイ
ライラを高め続けてきました。SourceForge がホストするソリューションには
全くカスタマイズの余地がなく、たとえば課題のライフサイクルをカスタマイ
ズ出来ませんでした。

そのようなわけで、Python Software Foundation のインフラ委員会はボラン
ティアたちに課題トラッカーについて、異なるプロダクトのセットアップをし
、SourceForge からバグ報告とパッチのインポートをする依頼の呼び掛けをし
ました。4 つのトラッカーが試されました: Jira, Launchpad, Roundup, Trac
です。委員会は結果として Jira と Roundup の 2 つを候補に据えました。
Jira はフリーソフトウェアプロジェクトの無償でのホストが可能な商用製品
です; Roundup はそれを運営するボランティアとそれをホストするサーバが必
要なオープンソースプロダクトです。

ボランティアへの呼び掛けののち、新しい Roundup インストレーションが
https://bugs.python.org にセットアップされました。Roundup の一つのイン
ストレーションは複数のトラッカーをホスト出来るため、このサーバは今では
Jython と Python ウェブサイトのための課題トラッカーもホストしています
。間違いなく将来はほかのものもホストするでしょう。可能な場所では、
"What's New in Python" のこのエディションでは、それぞれの変更について
のバグ/パッチの Roundup アイテムにリンクします。

Python バグトラッカーのホスティングは、南アフリカの Stellenbosch によ
る Upfront Systems が快く提供してくれています。Martin von Löwis が
SourceForge からバグ報告とパッチをインポートするのに多大な労力を払いま
した; 彼によるこのインポート操作のためのスクリプトは
http://svn.python.org/view/tracker/importer/ にあります。これは
SourceForge から Roundup へ移行したいと考えているほかのプロジェクトに
も役に立つでしょう。

参考:

  https://bugs.python.org
     Python のバグトラッカー。

  http://bugs.jython.org:
     Jython のバグトラッカー。

  http://roundup.sourceforge.net/
     Roundup のダウンロードとドキュメント。

  http://svn.python.org/view/tracker/importer/
     Martin von Löwis の変換スクリプト。


新しいドキュメンテーションフォーマット: Sphinx を使っての reStructuredText
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Python のドキュメンテーションは、そのプロジェクトの開始した 1989 年頃
より LaTeX を使って書かれてきました。1980 年代と 1990 年代初期は、ほと
んどのドキュメンテーションはあとで学習するために印刷されるもので、オン
ラインで見るものではありませんでした。LaTeX はとても魅惑的な印刷をして
くれるものですから、非常に大変広く広く使われていましたが、一方では、学
んだマークアップの基礎的なルールで直裁的に、書いたらそれっきり、という
ものでもありました。

こんにちにおいてもなお、印刷を命題とする出版において LaTeX は健在とい
えど、プログラミングの道具立ての風景は変わりました。わたしたちはもはや
ドキュメンテーションの紙束をプリントアウトはしません。代わりにオンライ
ンでブラウズします。ですから HTML は、サポートすべき最も重要なフォーマ
ットになりました。悲しいかな、 LaTeX から HTML への変換は気が狂うほど
に複雑で、Fred L. Drake Jr.、彼は長らく Python ドキュメンテーションの
エディターを務めていますが、彼はその変換処理の保守に多大な時間を浪費し
ていたのです。ときおり人々はドキュメンテーションを SGML に変換して、そ
れから XML にすればいいでしょ、と持ちかけるのですが、良い変換を達成す
ることにとらわれて、誰一人として仕事を完遂させようと時間を捧げることは
しませんでした。

2.6 の開発サイクルの期間に、Georg Brandl はドキュメンテーションの処理
のための新たなツールチェインの構築に多大な労力を払いました。 その成果
であるパッケージは Sphinx と呼ばれ、 http://sphinx-doc.org/ で入手出来
ます。

Sphinx は HTML 出力に集中し、人を惹きつけるスタイルでモダンな HTML を
生成します。印刷出力は LaTeX への変換を経由することで健在です。入力の
フォーマットは reStructuredText です。これはカスタムな拡張とディレクテ
ィブをサポートしているマークアップ文法で、Python コミュニティでは広く
使われています。

Sphinx は執筆に使えるスタンドアロンのパッケージです。そして 2 ダースに
届かんばかりのプロジェクト (Sphinx ウェブサイトのリスト) が Sphinx を
ドキュメンテーションツールとして採用しました。

参考:

  Documenting Python
     Python ドキュメントの書き方について書いています。

  Sphinx
     Sphinx ツールチェインのドキュメントとコードです。

  Docutils
     縁の下の力持ちになっている reStructuredText のパーサとツールセッ
     トです。


PEP 343: "with" ステートメント
==============================

Python 2.5 では、  '"with"' 文が "from __future__ import
with_statement" ディレクティブで有効に出来るオプションの機能として追加
されました。2.6 では '"with"' 文は特別に有効化する必要なく、もういつで
もそこにあります。このセクションの残りの部分は "What's New in Python
2.5" の対応するセクションからの丸々コピーですので、2.5 で '"with"' 文
に馴染んでいるなら読み飛ばしてもらって結構です。

'"with"' ステートメントは、以前なら後片付けが実行されるのを確実にする
ために "try...finally" ブロックを使ったであろうようなコードを、より単
純明快にします。このセクションでは、このステートメントの普通の使い方を
説明します。続くセクションでは実装の詳細を調べ、このステートメントとと
もに使うためにオブジェクトをどうやって書けば良いかをお見せします。

'"with"' ステートメントは基本構造が以下となる制御フロー構造です:

   with expression [as variable]:
       with-block

expression は評価されて結果がコンテキスト管理プロトコルをサポートする
オブジェクトにならなければなりません (具体的にはメソッド "__enter__()"
と "__exit__()" を持つオブジェクト)。 ( 訳注: Python ドキュメント全体
で context manager protocol と context management protocol とで不統一
。同じものです。 )

*with-block* が呼び出される前に、 "__enter__()" が呼ばれるので、セット
アップコードをそこで実行出来ます。それは *variable* 名(与えられた場合)
に束縛されることになる値も返します(注意深く読んで下さい、つまり
*variable* には *expression* の結果が代入される *のではない* のです)。

*with-block* ブロックの実行が終了後、ブロックが例外を送出する場合であ
ろうとオブジェクトの "__exit__()" が呼び出されますので、ここで後片付け
コードを実行出来ます。

いくつかの Python 標準オブジェクトが既にコンテキスト管理プロトコルをサ
ポートしていて、 '"with"' とともに使えます。ファイルオブジェクトがその
一例です:

   with open('/etc/passwd', 'r') as f:
       for line in f:
           print line
           ... more processing code ...

このステートメントが実行し終わったあかつきには、 *f* のファイルオブジ
ェクトは、たとえ "for" ループが道半ばにして例外と成り果てても、自動的
にクローズされます。

注釈:

  このケースでは、 *f* は "open()" が作ったオブジェクトと同じです。こ
  れはファイルオブジェクトの "file.__enter__()" が *self* を返している
  からです。

"threading" モジュールのロック・条件変数でも '"with"' ステートメントの
恩恵にあずかれます:

   lock = threading.Lock()
   with lock:
       # Critical section of code
       ...

ブロックが実行される前にロックが獲得されて、ブロックが完了するやいなや
必ず解放されます。

"decimal" モジュール内の "localcontext()" 関数は現在の decimal のコン
テキスト (計算の望みの精度と丸め特性をカプセル化しています) を保存して
おいてあとで元に戻すのを簡単にしてくれます:

   from decimal import Decimal, Context, localcontext

   # Displays with default precision of 28 digits
   v = Decimal('578')
   print v.sqrt()

   with localcontext(Context(prec=16)):
       # All code in this block uses a precision of 16 digits.
       # The original context is restored on exiting the block.
       print v.sqrt()


コンテキストマネージャを書く
----------------------------

中身を紐解いてみれば、 '"with"' ステートメントはけっこう入り組んでいま
す。ほとんどの人にとっては、既存のオブジェクトを '"with"' とともに使う
だけのことでその詳細を知る必要は無いので、それで良いならこのセクション
の残りの部分は読み飛ばして結構です。新しいオブジェクトの作者は基礎とな
る実装の詳細について知る必要があるので、このまま読み進めるべきです。

コンテキスト管理プロトコルの高度な説明はこんなです:

* expression は評価されて、 "コンテキストマネージャ(context manager)"
  にならなければなりません。コンテキストマネージャは "__enter__()" メ
  ソッドと "__exit__()" メソッドを持っていなければなりません。

* コンテキストマネージャの "__enter__()" メソッドが呼び出されます。こ
  れの戻り値は *VAR* に代入されます。 "as VAR" 節がない場合は、この値
  は単に捨てられます。

* *BLOCK* 内のコードが実行されます。

* *BLOCK* が例外を起こした場合、コンテキストマネージャの "__exit__()"
  メソッドが 3 つの引数とともに呼び出されます。これは例外の詳細です
  ("type, value, traceback", これは "sys.exc_info()" が返す値と同じで
  、例外が起こらなければ "None" です)。そのメソッドの戻り値は例外を再
  送出するかどうかを制御します: 全ての偽の値ではその例外が再送出され、
  "True" では揉み消します。例外を揉み消すなど滅多なことでは欲しいと思
  わないでしょう。もしそうしてしまったら、 '"with"' ステートメントを含
  んだコードの作者は何か間違ったことが起こったことに決して気付かないで
  すから。

* *BLOCK* が例外を起こさなかった場合も "__exit__()" メソッドが呼び出さ
  れます。ただし *type*, *value*, *traceback* は全て "None" です。

例を通じて考えましょう。枝葉末節を含んだ完璧なコードを提示しようとは思
いませんが、データベースのためにトランザクションをサポートするのに必要
となるメソッドの書き方についてスケッチしてみようと思います。

(データベース用語に不慣れな方へ:データベースへの変更のセットは、トラン
ザクションという単位でグループ化されています。トランザクションは「コミ
ット」される、その意味は、全ての変更がデータベースに書き込まれることで
す、もしくは「ロールバック」される、この場合全ての変更が捨てられてデー
タベースが変更されません、この 2 つのいずれかになりえます。詳しくはな
にかデータベースの著述を読んで下さい。)

データベース接続を表現するオブジェクトがあると仮定しましょう。私たちの
目標は、そのオブジェクトのユーザがこのように書けるようになることです:

   db_connection = DatabaseConnection()
   with db_connection as cursor:
       cursor.execute('insert into ...')
       cursor.execute('delete from ...')
       # ... more operations ...

トランザクションはブロック内のコードがつつがなく終了すればコミットし、
例外が発生すればロールバックすべきです。私が思い描いている
"DatabaseConnection" の基本的なインターフェイスはこんなです:

   class DatabaseConnection:
       # Database interface
       def cursor(self):
           "Returns a cursor object and starts a new transaction"
       def commit(self):
           "Commits current transaction"
       def rollback(self):
           "Rolls back current transaction"

"__enter__()" メソッドはとっても簡単で、トランザクションを開始する必要
があるだけです。このアプリケーションでは、カーソルオブジェクトを結果と
することが有用なので、メソッドはそれを返しましょう。ユーザはこれにより
"as cursor" をその '"with"' ステートメントにつけて、そのカーソルを変数
名に束縛できます:

   class DatabaseConnection:
       ...
       def __enter__(self):
           # Code to start a new transaction
           cursor = self.cursor()
           return cursor

"__exit__()" メソッドはそれがほとんどの仕事をしなければならない場所な
ので、もっと複雑です。メソッドは例外が起こったのかどうかをチェックし、
例外が起こっていなければトランザクションをコミットし、例外があればロー
ルバックしなければいけません。

下記のコード内では実行がメソッドの末尾まで落ちていって、なのでデフォル
トの "None" 返却になります。 "None" は偽なので、例外は自動的に再送出さ
れます。望むならもっと明示的に、コメントでマークした部分で "return" 文
を書いてもよろしいです:

   class DatabaseConnection:
       ...
       def __exit__(self, type, value, tb):
           if tb is None:
               # No exception, so commit
               self.commit()
           else:
               # Exception occurred, so rollback.
               self.rollback()
               # return False


contextlib モジュール
---------------------

"contextlib" モジュールは、 '"with"' ステートメントで使えるオブジェク
トを書く際に便利ないくつかの関数とデコレータを提供しています。

デコレータは "contextmanager()" という名前で、新たにクラスを書く代わり
に一つジェネレータを書けば済むようにするものです。そのジェネレータは正
確に一つの値を yield しなければなりません。 "yield" より上の部分のコー
ドが "__enter__()" メソッドとして実行されます。yield した値は
"__enter__()" メソッドの戻り値となって、 '"with"' ステートメントの
"as" 節があれば、その変数に束縛されます。 "yield" に続くコードが
"__exit__()" メソッド内で実行されます。ブロック内では任意の例外が
"yield" ステートメントによって引き起こされます。

このデコレータを使って、前セクションの私たちのデータベースの例はこのよ
うに書けます:

   from contextlib import contextmanager

   @contextmanager
   def db_transaction(connection):
       cursor = connection.cursor()
       try:
           yield cursor
       except:
           connection.rollback()
           raise
       else:
           connection.commit()

   db = DatabaseConnection()
   with db_transaction(db) as cursor:
       ...

"contextlib" モジュールには "nested(mgr1, mgr2, ...)" 関数もあり、この
関数はたくさんのコンテキストマネージャを組み合わせることができて、入れ
子の '"with"' を書く必要性をなくしてくれます。この例では、単一の
'"with"' でデータベーストランザクション開始とスレッドのロック獲得の両
方をやってのけています:

   lock = threading.Lock()
   with nested (db_transaction(db), lock) as (cursor, locked):
       ...

最後になりますが、 "closing()" 関数はその与えた引数をそのまま返して変
数に束縛出来るようにし、かつブロックの終了で、与えた引数が持つ
".close()" を呼び出します:

   import urllib, sys
   from contextlib import closing

   with closing(urllib.urlopen('http://www.yahoo.com')) as f:
       for line in f:
           sys.stdout.write(line)

参考:

  **PEP 343** - "with" ステートメント
     PEP は Guido van Rossum と Nick Coghlan によって書かれ、Mike
     Bland、 Guido van Rossum、Neal Norwitz により実装されました。この
     PEP は '"with"' ステートメントによって生成されるコードを見せてく
     れるので、このステートメントがどうやって動作するのかを知るのに役
     立ちます。

  "contextlib" モジュールについてのドキュメント。


PEP 366: メインモジュールからの明示的相対インポート
===================================================

Python のオプション "-m" で、モジュールをスクリプトとして実行出来ます
。パッケージ内のモジュールを実行する際に、相対インポートが正しく動作し
ていませんでした。

Python 2.6 でのそれについてのフィックスは、モジュールに "__package__"
属性を追加するというものです。この属性がある場合は相対インポートは
"__name__" 属性の代わりにこの属性の値からの相対でインポートします。

PEP 302 スタイルのインポーターはその結果 "__package__" を必要に応じて
設定出来ます。 "-m" スイッチを実装している "runpy" モジュールは今はこ
れをするので、パッケージ内のモジュール実行内の相対インポートは、今では
正しく動作します。(--- 訳注: このセクションの言いたいことの結論がわか
らない方はいないと思いますが、細かいところでこの翻訳を行っている 2015
年ではわからなくなっているところがあるので補足しておきます。
"__package__" 属性のくだりですが、現在となっては「2.5 ではこれを設定し
ていなかった」のかどうか簡単には確認は出来ないですが、言語リファレンス
によればローダが "__package__" をセットするのはオプションだがセットす
べき、と書かれています。2.6 で行われたのは、おそらく "__package__" の
用法が "runpy" きっかけで整理された、ということではないかと思います。
---)


PEP 370: ユーザごとの "site-packages" ディレクトリ
==================================================

Python を実行すると、モジュール検索パス "sys.path" にはパスが  ""site-
packages"" で終わるディレクトリが普通含まれます。このディレクトリは、
ローカルにインストールされる機器を使う全てのユーザが使えるパッケージあ
るいは固有のサイトインストレーションを持つ場所として意図されています。

Python 2.6 ではユーザ固有のサイトディレクトリのための決まりを導入しま
した。ディレクトリはプラットフォームに依存して変わります。

* Unix と Mac OS X: "~/.local/"

* Windows: "%APPDATA%/Python"

このディレクトリ内にはバージョン固有のサブディレクトリが入ります。
Unix/Mac OS では  "lib/python2.6/site-packages"  のように、Windows で
は "Python26/site-packages"  のように。

このデフォルトディレクトリが好きでないなら、この機能をサポートする全て
の Python バージョンが使う環境変数 "PYTHONUSERBASE" にルートディレクト
リを指定することで上書き出来ます。Windows ではアプリケーション固有デー
タの場所を環境変数 "APPDATA" で変更出来ます。また、あなたの Python イ
ンストレーションについての "site.py" ファイルを修正することでも出来ま
す。

この機能は Python 起動時に "-s" オプションを付けるか、環境変数
"PYTHONNOUSERSITE" をセットすることで完全に無効に出来ます。

参考:

  **PEP 370** - ユーザごとの "site-packages" ディレクトリ
     PEP 著と実装 Christian Heimes.


PEP 371: "multiprocessing" パッケージ
=====================================

新しい "multiprocessing" により、Python プログラムが新たなプロセスを作
成して何か計算を実行させて結果を返させることが出来ます。親と子のプロセ
スはキューとパイプを使って通信し、ロックとセマフォを使って同期し、単純
なデータの配列を共有出来ます。

"multiprocessing" モジュールは、 "threading" モジュールがスレッドの代
わりにプロセスを使ようになるだけのような、完全な模倣となるよう開始され
ました。その目標は Python 2.6 へ向かう道のりを経て捨て去られはしました
が、モジュールの一般的なアプローチはそれでも似ています。基礎的なクラス
は "Process" です。これには呼び出し可能オブジェクトと引数のコレクショ
ンを渡します。その "start()" メソッドが渡された呼び出し可能オブジェク
トをサブプロセスで実行するので、 "is_alive()" メソッドを呼び出せばサブ
プロセスが実行中かを知ることが出来、 "join()" メソッドでそのプロセスが
終了するのを待つことが出来ます。

ここに、サブプロセスが階乗を計算する例を示します。その計算をする関数は
ヘンテコリンに書かれていて、入力が 4 の倍数だととっても時間がかかるよ
うに仕組んであります。

   import time
   from multiprocessing import Process, Queue


   def factorial(queue, N):
       "Compute a factorial."
       # If N is a multiple of 4, this function will take much longer.
       if (N % 4) == 0:
           time.sleep(.05 * N/4)

       # Calculate the result
       fact = 1L
       for i in range(1, N+1):
           fact = fact * i

       # Put the result on the queue
       queue.put(fact)

   if __name__ == '__main__':
       queue = Queue()

       N = 5

       p = Process(target=factorial, args=(queue, N))
       p.start()
       p.join()

       result = queue.get()
       print 'Factorial', N, '=', result

"Queue" が factorial の結果を通信して返すのに使われています。 "Queue"
オブジェクトはグローバル変数に格納されています。子プロセスは、子プロセ
スが作成された時点のその変数の値を使うことになります; "Queue" なので、
親子はそのオブジェクトを通信のために使うことが出来ます。(プロセス作成
後に親がグローバル変数 queue を差し替えても、子の値は左右されませんし
、逆もしかりです。)

2 つのほかのクラス "Pool" と "Manager" はハイレベルインターフェイスで
す。 "Pool" では固定数のワーカープロセスを作ってワーカープロセスにリク
エストを配ることが出来ます。 "apply()" または "apply_async()" メソッド
で単体のリクエストを追加出来、 "map()" または "map_async()" メソッドで
たくさんのリクエストを追加出来ます。以下のコードでは "Pool" を使って 5
つのワーカープロセスにリクエストをばら撒き、結果のリストを回収します:

   from multiprocessing import Pool

   def factorial(N, dictionary):
       "Compute a factorial."
       ...
   p = Pool(5)
   result = p.map(factorial, range(1, 1000, 10))
   for v in result:
       print v

これは以下のような出力をします:

   1
   39916800
   51090942171709440000
   8222838654177922817725562880000000
   33452526613163807108170062053440751665152000000000
   ...

もう一方の方のハイレベルインターフェイス "Manager" クラスは、Python デ
ータ構造のマスターコピーを保持出来る、独立したひとつのサーバプロセスを
作ります。ほかのプロセスたちは、これらデータ構造の読み書きと修正をプロ
キシオブジェクトを使って行えます。続く例では、 "dict()" メソッドを呼ぶ
ことにより共有辞書を作ります; ワーカープロセスはその辞書へ挿入します。
(ロックは自動的には行われませんがこの例では問題ではありません。
"Manager" のメソッドには "Lock()", "RLock()", "Semaphore()" メソッドも
含まれていて、共有ロックを作るのに使えます。)

   import time
   from multiprocessing import Pool, Manager

   def factorial(N, dictionary):
       "Compute a factorial."
       # Calculate the result
       fact = 1L
       for i in range(1, N+1):
           fact = fact * i

       # Store result in dictionary
       dictionary[N] = fact

   if __name__ == '__main__':
       p = Pool(5)
       mgr = Manager()
       d = mgr.dict()         # Create shared dictionary

       # Run tasks using the pool
       for N in range(1, 1000, 10):
           p.apply_async(factorial, (N, d))

       # Mark pool as closed -- no more tasks can be added.
       p.close()

       # Wait for tasks to exit
       p.join()

       # Output results
       for k, v in sorted(d.items()):
           print k, v

これはこんな出力をするでしょう:

   1 1
   11 39916800
   21 51090942171709440000
   31 8222838654177922817725562880000000
   41 33452526613163807108170062053440751665152000000000
   51 15511187532873822802242430164693032110632597200169861120000...

参考:

  "multiprocessing" モジュールについてのドキュメント。

  **PEP 371** - multiprocessing パッケージの追加
     PEP 著 Jesse Noller と Richard Oudkerk; 実装 Richard Oudkerk と
     Jesse Noller.


**PEP 3101**: 進化版文字列フォーマッティング
============================================

Python 3.0 では *%* 演算子を補う、より強力な文字列フォーマッティングメ
ソッドの "format()" が作られました。これをサポートする "str.format()"
メソッドが Python 2.6 にバックポートされています。

2.6 では 8 ビット文字列と Unicode 文字列の両方が *.format()* メソッド
を持ち、文字列をテンプレートとみなして、フォーマットに使われるべき引数
を受け取ります。フォーマッティングのテンプレートには波括弧 (*{*, *}*)
が特殊文字として使われます:

   >>> # Substitute positional argument 0 into the string.
   >>> "User ID: {0}".format("root")
   'User ID: root'
   >>> # Use the named keyword arguments
   >>> "User ID: {uid}   Last seen: {last_login}".format(
   ...    uid="root",
   ...    last_login = "5 Mar 2008 07:20")
   'User ID: root   Last seen: 5 Mar 2008 07:20'

波括弧自身は二重に書くことでエスケープ出来ます:

   >>> "Empty dict: {{}}".format()
   "Empty dict: {}"

フィールド名は、位置引数に対応する整数による "{0}", "{1}", …、またはキ
ーワード引数に対応する名前です。属性を読み出したり辞書のキーにアクセス
するような合成フィールド名(compound field names)も与えることが出来ます
:

   >>> import sys
   >>> print 'Platform: {0.platform}\nPython version: {0.version}'.format(sys)
   Platform: darwin
   Python version: 2.6a1+ (trunk:61261M, Mar  5 2008, 20:29:41)
   [GCC 4.0.1 (Apple Computer, Inc. build 5367)]'

   >>> import mimetypes
   >>> 'Content-type: {0[.mp4]}'.format(mimetypes.types_map)
   'Content-type: video/mp4'

"[.mp4]" のように辞書スタイルの記法を使う際は文字列の周りを引用符で囲
む必要はありません; ".mp4" をキーに値のルックアップされます。数値で始
まる文字列は整数に変換されます。フォーマット文字列内でこれ以上複雑な表
現は書けません。

ここまでは、結果文字列に置き換えられるフィールドを指定する方法について
見てきました。フォーマッティングではさらに、コロンに続けて書式指定子を
追加することでコントロール可能です。例えば:

   >>> # Field 0: left justify, pad to 15 characters
   >>> # Field 1: right justify, pad to 6 characters
   >>> fmt = '{0:15} ${1:>6}'
   >>> fmt.format('Registration', 35)
   'Registration    $    35'
   >>> fmt.format('Tutorial', 50)
   'Tutorial        $    50'
   >>> fmt.format('Banquet', 125)
   'Banquet         $   125'

書式指定子として、ネストによる他フィールド参照が使えます:

   >>> fmt = '{0:{1}}'
   >>> width = 15
   >>> fmt.format('Invoice #1234', width)
   'Invoice #1234  '
   >>> width = 35
   >>> fmt.format('Invoice #1234', width)
   'Invoice #1234                      '

望みの幅内でのフィールドの整列を指定可能です:

+------------------+----------------------------------------------+
| 文字             | 効果                                         |
|==================|==============================================|
| < (デフォルト)   | 左寄せ                                       |
+------------------+----------------------------------------------+
| >                | 右寄せ                                       |
+------------------+----------------------------------------------+
| ^                | 中央寄せ                                     |
+------------------+----------------------------------------------+
| =                | (数値型についてのみ) 符号のあとにパディング  |
+------------------+----------------------------------------------+

書式指定子には体裁のタイプも含めることが出来ます。値をどのようにフォー
マットするかです。たとえば浮動小数点数は普通の数値に、あるいは指数形式
でフォーマット出来ます:

   >>> '{0:g}'.format(3.75)
   '3.75'
   >>> '{0:e}'.format(3.75)
   '3.750000e+00'

たくさんの体裁のタイプを利用出来ます。2.6 ドキュメントの complete list
を調べてみてください。以下はその一部です:

+-------+--------------------------------------------------------------------------+
| "b"   | 2進数。出力される数値は2を基数とします。                                 |
+-------+--------------------------------------------------------------------------+
| "c"   | 文字。数値を対応するユニコード文字に変換します。                         |
+-------+--------------------------------------------------------------------------+
| "d"   | 10進数。出力される数値は10を基数とします。                               |
+-------+--------------------------------------------------------------------------+
| "o"   | 8進数。出力される数値は8を基数とします。                                 |
+-------+--------------------------------------------------------------------------+
| "x"   | 16進数。出力される数値は16を基数とします。 10進で9を超える数字には小文   |
|       | 字が使われます。                                                         |
+-------+--------------------------------------------------------------------------+
| "e"   | 指数表現です。指数を示す 'e'  を使った科学的記数法で表示します。         |
+-------+--------------------------------------------------------------------------+
| "g"   | 汎用フォーマット。数値が大き過ぎない限りは固定小数点表現をしますが、大   |
|       | きい値では 'e' 指数表現に切り替えます。                                  |
+-------+--------------------------------------------------------------------------+
| "n"   | 数値です。現在のロケールに合わせて、数値分割文字が挿入されることを除き   |
|       | 、 "'g'" (浮動小数点数の場合) または 'd' (整数の場合) と同じです。       |
+-------+--------------------------------------------------------------------------+
| "%"   | パーセンテージです。数値は 100 倍され、固定小数点数フォーマット ("'f'")  |
|       | でパーセント記号付きで表示されます。                                     |
+-------+--------------------------------------------------------------------------+

クラスと型は、自身がどのように書式化されるかをコントロールするために
"__format__()" メソッドを定義出来ます。単一の引数として書式指定子を受
け取ります:

   def __format__(self, format_spec):
       if isinstance(format_spec, unicode):
           return unicode(str(self))
       else:
           return str(self)

ビルトインの "format()" もあって、単一の値をフォーマット出来ます。これ
は型の "__format__()" メソッドを与えられた指定子とともに呼び出します:

   >>> format(75.6564, '.2f')
   '75.66'

参考:

  書式指定文字列の文法
     リファレンスドキュメント。

  **PEP 3101**: 進化版文字列フォーマッティング
     PEP 著 Talin; 実装 Eric Smith。


PEP 3105: "print" を関数にする
==============================

"print" 文は Python 3.0 では "print()" 関数になります。 "print()" が関
数になることで、 "def print(...)" やなにかほかの場所からの新しい関数を
インポートするなどの方法で置き換え可能になります。

Python 2.6 では "__future__" インポートで 言語構文としての "print" を
取り除き、関数形式のものを代わりに使えるように出来ます。たとえば:

   >>> from __future__ import print_function
   >>> print('# of entries', len(dictionary), file=sys.stderr)

この新しい関数のシグネチャは以下の通りです:

   def print(*args, sep=' ', end='\n', file=None)

パラメータは以下のとおりです:

   * *args*: 出力される値を指定する位置引数リスト。

   * *sep*: 引数リスト *args* を出力するのに使われる区切り文字。

   * *end*: 引数リスト *args*  を全て出力したあとに出力するテキスト。

   * *file*: 出力が送られるファイルオブジェクト。

参考:

  **PEP 3105** - print を関数にする
     Georg Brandl 著の PEP。


PEP 3110: 例外処理の変更
========================

Python プログラマが時折やらかしてしまう誤りの一つにこんなのがあります:

   try:
       ...
   except TypeError, ValueError:  # Wrong!
       ...

このコードの作者はきっと "TypeError" 例外と "ValueError" 例外の両方と
っつかまえてやろうと思ったのでしょうが、このコードは実際にはちょっと違
ったことをします: "TypeError" を捕捉したらこれを ""ValueError"" という
ローカル名の例外オブジェクトに束縛します…。 "ValueError" 例外は決して
捕捉されません。正しくは、例外のタプルで指定します:

   try:
       ...
   except (TypeError, ValueError):
       ...

こんなことが起こってしまうのは、ここではカンマの使用が曖昧だからです:
それ、解析木内で 2 つのノードを示すのかな、タプルな単一ノードかしら?

Python 3.0 はカンマからワード "as" に置き換えてこの曖昧さをなくします
。例外を捕捉して例外オブジェクトを "exc" に記憶するには、こう書かなけ
ればなりません:

   try:
       ...
   except TypeError as exc:
       ...

Python 3.0 は "as" の使用のみをサポートするようになるので、最初の例は
2 つの異なる例外を捕捉するものとして翻訳されます。Python 2.6 ではカン
マも "as" もサポートするので、既存のコードはそのまま動作します。新たに
2.6 で実行される Python コードを書くならば、 "as" の使用を勧めます。

参考:

  **PEP 3110** - Python 3000 での例外の捕捉
     PEP 著と実装 Collin Winter.


PEP 3112: バイトリテラル
========================

Python 3.0 は Unicode を言語の基本文字列型として採用し、8 ビットリテラ
ルは異なった記法で指示します。それには "b'string'" とするか、 "bytes"
のコンストラクタを用います。前方互換のために、Python 2.6 は "str" 型に
対する別名として "bytes" を追加のうえで、 "b''" 記法もサポートします。

2.6 の "str" 型は 3.0 の "bytes" 型とは色んな意味で違います; 一番顕著
なのは、コンストラクタがまったく異なることです。3.0 での "bytes([65,
66, 67])" は 3 つのバイトで "ABC" を構築しますが、2.6 での "bytes([65,
66, 67])" は引数のリストを "str()" で文字列化した 12 バイト文字列を返
します。

2.6 での "bytes" の主な使いみちはオブジェクトの型のテストに
"isinstance(x, bytes)" とすることでしょう。またこれは、 2.x コードが文
字列として ASCII 文字と 8 ビットバイトのどちらを意図しているのか知るこ
とが出来ない 2to3 コンバータの助けになります; あなたは今や "bytes" と
"str" の区別を、あなたの意図を正確に表現するのに使えます。そして結果の
コードは Python 3.0 で正しいものに修正されるでしょう。

全ての文字列リテラルを Unicode 文字列としてしまう "__future__" インポ
ートもあります。これは Unicode 文字を含むのに "\u" エスケープシーケン
スを使えることを意味します。

   from __future__ import unicode_literals

   s = ('\u751f\u3080\u304e\u3000\u751f\u3054'
        '\u3081\u3000\u751f\u305f\u307e\u3054')

   print len(s)               # 12 Unicode characters

C API のレベルでは、Python 3.0 は既存の 8 ビット文字列型の名前を変えま
す。Python 2.x での "PyStringObject" は "PyBytesObject" になります。
Python 2.6 では "PyBytesObject()", "PyBytes_Check()",
"PyBytes_FromStringAndSize()" をはじめとする全ての文字列関数とマクロを
"#define" を使ってサポートしています(訳注: pure Python レベルと同じく
単なる PyString_* の別名として)。

"bytes" 型のインスタンスは単に文字列と同じで *immutable* です。
"bytearray" 型が、バイト列を *mutable* シーケンスとして格納するものと
して新しく追加されました:

   >>> bytearray([65, 66, 67])
   bytearray(b'ABC')
   >>> b = bytearray(u'\u21ef\u3244', 'utf-8')
   >>> b
   bytearray(b'\xe2\x87\xaf\xe3\x89\x84')
   >>> b[0] = '\xe3'
   >>> b
   bytearray(b'\xe3\x87\xaf\xe3\x89\x84')
   >>> unicode(str(b), 'utf-8')
   u'\u31ef \u3244'

"bytearray" は "startswith()"/"endswith()", "find()"/"rfind()" のよう
な文字列型のほとんどのメソッド、 "append()", "pop()", "reverse()" のよ
うなリストのいくつかのメソッドをサポートします。

   >>> b = bytearray('ABC')
   >>> b.append('d')
   >>> b.append(ord('e'))
   >>> b
   bytearray(b'ABCde')

対応する C API もあります。 "PyByteArray_FromObject()",
"PyByteArray_FromStringAndSize()" や色々その他関数です。

参考:

  **PEP 3112** - Python 3000 でのバイトリテラル
     PEP 著 Jason Orendorff; 2.6 へのバックポート Christian Heimes.


PEP 3116: 新しい I/O ライブラリ
===============================

Python ビルトインのファイルオブジェクトはたくさんのメソッドをサポート
していますが、ファイルライクなオブジェクトは必ずしもそのすべてをサポー
トする必要はありません。ファイルのまねごとをするオブジェクトは大抵
"read()" と "write()" をサポートしますが、 "readline()" はサポートしな
いかもしれません、例えば。Python 3.0 は "io" モジュールに、階層化され
た I/O ライブラリを導入しています。それは基礎的な読み書き操作からバッ
ファリング機能とテキスト処理を分離しています。

"io" モジュールによって提供される抽象基底クラスには 3 つのレベルがあり
ます:

* "RawIOBase" は剥き身の I/O 操作を定義します: "read()", "readinto()",
  "write()", "seek()", "tell()", "truncate()", "close()" 。このクラス
  のほとんどのメソッドが多くの場合単一のシステムコールに対応するでしょ
  う。 "readable()", "writable()", "seekable()" メソッドも利用可能で、
  オブジェクトでどの操作が許されるのかを知るのに使えます。

  Python 3.0 はこのクラスのファイルとソケットに対する具象実装を持って
  いますが、Python 2.6 はファイル、ソケットオブジェクトのこの方法での
  再構築はしていません。

* "BufferedIOBase" はデータをメモリにバッファすることでシステムコール
  使用回数を減らし、I/O 処理をより効率的に行うための抽象基底クラスです
  。 "RawIOBase" の全てのメソッドをサポートし、追加で基底の剥き身のオ
  ブジェクトを保持する "raw" 属性を持ちます。

  5 つの具象クラスがこの ABC を実装しています。 "BufferedWriter" と
  "BufferedReader" はランダムアクセスのための "seek()" を持ち、書き込
  み専用または読み出し専用の用途をサポートするオブジェクトのためのもの
  です。 "BufferedRandom" オブジェクトはこれらと同じ前提のストリームで
  の読み書きアクセスをサポートし、 "BufferedRWPair" は、TTY のような、
  連続していないデータのストリームの上で読み書き操作両方を演じるオブジ
  ェクトのためのものです。 "BytesIO" クラスはインメモリのバッファ上で
  の読み、書き、シークをサポートします。

* "TextIOBase": 文字列 (忘れないで、Python 3.0 では文字列は Unicode に
  なります) の読み書き関数を提供し、 *universal newlines* をサポートし
  ます。 "TextIOBase" は "readline()" メソッドをサポートし、また、オブ
  ジェクトを渡るイテレーションをサポートします。

  2 つの具象実装があります。 "TextIOWrapper" はバッファ化 I/O オブジェ
  クトをラップし、テキスト I/O の全てのメソッドをサポートし、追加で元
  となるオブジェクトへのアクセスのための "buffer" 属性を持ちます。
  "StringIO" はディスクへの一切の書き込みをせずに単純にメモリ内に全て
  をバッファします。

  (Python 2.6 では "io.StringIO" は pure Python で書かれているので、か
  なり遅いです。ですから今のところは既存の "StringIO" モジュール か
  "cStringIO" モジュールに留まっておくべきです。Python 3.0 の "io" モ
  ジュールは、ある時点で速度のために C に書き直されます。そしておそら
  くその実装は 2.x リリースにバックポートされます ( **訳注: 2.7 で実現
  ** ) 。)

Python 2.6 では根底にある実装が "io" モジュールのクラスの上に組み立て
られるようには再構築されていません (訳注: Python HowTo の移植ガイドに
も触れられている通り、2.7 も同じです)。このモジュールは 3.0 への前方互
換のコードを書くのを容易にするために、また、開発者たちがバッファリング
I/O とテキスト I/O を自身で書く労力を省くために提供されています。

参考:

  **PEP 3116** - 新しい I/O
     PEP 著: Daniel Stutzbach, Mike Verdone, Guido van Rossum. 実装:
     Guido van Rossum, Georg Brandl, Walter Doerwald, Jeremy Hylton,
     Martin von Loewis, Tony Löwis, ほか.


PEP 3118: 改訂版バッファプロトコル
==================================

バッファプロトコルは Python 型にその内部表現へのポインタをやりとりさせ
る、C レベル API です。例えば、メモリマップドファイルは文字のバッファ
として見ることが出来ます。そしてこれは "re" のようなほかのモジュールが
、それを文字列として扱って検索するようなことを許します。

バッファプロトコルの主なユーザは NumPy のような数値演算パッケージで、
それらは呼び出し元がより遅い API を経由することなく直接的に行列にデー
タを書き込むことが出来るように、行列の内部表現を曝しています。この PEP
は NumPy 開発の経験を踏まえてバッファプロトコルを更新するもので、行列
の形状を表明したり、メモリ領域をロックしたりするような多数の新機能を追
加します。

最重要の新規 C API 関数は "PyObject_GetBuffer(PyObject *obj, Py_buffer
*view, int flags)" で、これはオブジェクトを受け取って、フラグをセット
し、 "Py_buffer" 構造体にオブジェクトのメモリ表現についての情報を埋め
ます。オブジェクトはこの操作を、外部の呼び出し元がその内容を修正してい
る間所定のメモリをロックするのに使えます。ですので対応する操作
"PyBuffer_Release(Py_buffer *view)" があり、これで外部呼出し元が処理を
終えたことを表明します。

"PyObject_GetBuffer()" への *flags* 引数は返されるメモリについての制約
条件を指定します。いくつかの例として:

   * "PyBUF_WRITABLE" はメモリが書き込み可能でなければならないことを指
     示します。

   * "PyBUF_LOCK" は読み出し専用もしくはメモリの排他ロックを要求します
     。

   * "PyBUF_C_CONTIGUOUS" と "PyBUF_F_CONTIGUOUS" は C-contiguous (最
     後の次元が最初に動きます) または Fortran-contiguous (最初の次元が
     最初に動きます) の行列レイアウトを要求します。 (訳注: 日本でも馴
     染みのある用語ではいわゆる column-major order (列優先)、 row-
     major order (行優先) です。)

"PyArg_ParseTuple()" のための 2 つの新しい書式化コード "s*" と "z*" は
、パラメータとしてロックされたバッファオブジェクトを返します。

参考:

  **PEP 3118** - 改訂版バッファプロトコル
     PEP 著: Travis Oliphant, Carl Banks; 実装: Travis Oliphant.


PEP 3119: 抽象基底クラス
========================

ある種のオブジェクト指向言語、たとえば Java などは、クラスが持つメソッ
ドの集合やサポートするアクセスプロトコルを宣言するための「インターフェ
イス」をサポートしています。抽象基底クラス (ABCs=Abstract Base
Classes)は Python でのこれと等価な機能です。ABC サポートは、 "ABCMeta"
と呼ばれるメタクラスを含む "abc" モジュール、ビルトイン "isinstance()"
と "issubclass()" のそのメタクラスについての特殊処理、それに Python 開
発者が広範囲にわたって使えると考えた基礎的な ABCs のコレクションから成
ります。たぶん将来のバージョンの Python ではもっとたくさんの ABCs が追
加されると思います。

あなたがなにか特別なクラスを持っていて、辞書スタイルのアクセスをサポー
トするのか知りたいとしましょう。「辞書スタイル」ってなんでしょうね、そ
れにしても。たぶんアイテムにアクセスするのに "obj[1]" が使えるでしょう
。それは "obj[2] = value" のように値をセットするのも含まれるでしょうね
? あるいは "keys()", "values()", "items()" メソッドを持ちますかね?
"iterkeys()" みたいな列挙系はいかがでしょう? "copy()" と "update()" は
? オブジェクトを巡回するのに "iter()" で出来ます?

Python 2.6 の "collections" モジュールには、この手の区別を表現出来るた
くさんの ABCs が含まれています。 "Iterable" は "__iter__()" を定義した
クラスを示し、 "Container" は "__contains__()" メソッドを定義していて
、なので "x in y" 式をサポートしていることを意味します。アイテム取得、
アイテムセット、 "keys()", "values()", "items()" という品揃えの基礎的
な辞書インターフェイスは "MutableMapping" ABC で定義されています。

あなた自身のクラスを特定の ABC から派生して、ABC のインターフェイスを
サポートすることを示せます:

   import collections

   class Storage(collections.MutableMapping):
       ...

別の方法としては、望みの ABC から派生するのではなく、その ABC の
"register()"  メソッドを呼び出して登録することでも出来ます:

   import collections

   class Storage:
       ...

   collections.MutableMapping.register(Storage)

あなたが書くクラスでは ABC から派生するのが、たぶん綺麗で良いと思いま
す。既存の型やクラスを記述出来る新しい ABC が書けた場合や、なにかサー
ドパーティのクラスが実装する ABC を宣言したい場合などには "register()"
メソッドが有用です。例えば、 "PrintableType" ABC を定義したのなら、今
がそのとき、です:

   # Register Python's types
   PrintableType.register(int)
   PrintableType.register(float)
   PrintableType.register(str)

クラスは ABC が規定するセマンティクスに従うべきですが、Python はそれを
チェックは出来ません；その ABC の要求を理解してコードを適切に実装する
のはクラスの作者任せです。

オブジェクトが特定のインターフェイスをサポートするかどうかをチェックす
るのには、今やこう書けます:

   def func(d):
       if not isinstance(d, collections.MutableMapping):
           raise ValueError("Mapping object expected, not %r" % d)

これからはたくさんのこのようなチェックをしなければならないのだ、この例
のように、などとは思わないように。Python は至極ダックタイピングな流儀
なのであって明示的な型チェックは決してされませんし、コードは単純にオブ
ジェクトのメソッドを、それらメソッドがそこにあるはずで、なければ例外に
なるのを信じて呼ぶだけです。ABC についてのチェックには分別を持ち、それ
が絶対的に必要な場合にだけそうするようにしましょう。

あなた自身の ABCs を書くには、クラス定義内のメタクラスとして
"abc.ABCMeta" を使います:

   from abc import ABCMeta, abstractmethod

   class Drawable():
       __metaclass__ = ABCMeta

       @abstractmethod
       def draw(self, x, y, scale=1.0):
           pass

       def draw_doubled(self, x, y):
           self.draw(x, y, scale=2.0)


   class Square(Drawable):
       def draw(self, x, y, scale):
           ...

上の "Drawable" ABC では、 "draw_doubled()" メソッドがオブジェクトをそ
の 2 倍のサイズで描画しますが、 "Drawable" で示されたほかのメソッドの
やり方で実現されるのでしょう。この ABC を実装するクラスは
"draw_doubled()" のそれ自身の実装を提供する必要はないわけですが、実装
しても良いです。一方 "draw()" の実装は必要です。その ABC が役に立つ汎
用的な実装が提供出来ていないので。

"draw()" のような、実装が必須のメソッドに対して "@abstractmethod" デコ
レータを適用することが出来ます; Python はそのメソッドを実装しないクラ
スに例外を喰らわせます。サブクラスにそのメソッドが欠けていたとしても、
インスタンスを実際に作ろうと試みてはじめて例外となることに注意しましょ
う:

   >>> class Circle(Drawable):
   ...     pass
   ...
   >>> c = Circle()
   Traceback (most recent call last):
     File "<stdin>", line 1, in <module>
   TypeError: Can't instantiate abstract class Circle with abstract methods draw
   >>>

抽象データ属性を "@abstractproperty" を使って宣言出来ます:

   from abc import abstractproperty
   ...

   @abstractproperty
   def readonly(self):
      return self._x

この場合サブクラスは "readonly()" プロパティを定義することが必須です。

参考:

  **PEP 3119** - 抽象基底クラスの導入
     PEP は Guido van Rossum と Talin によって著され、Guido van Rossum
     により実装されています。Python 2.6 へのバックポートは Benjamin
     Aranguren と Alex Martelli により行われました。


PEP 3127: 整数リテラルのサポートと文法
======================================

Python 3.0 は octal (基数 8: 8 進数) 整数リテラルの構文を変更し、先行
するゼロの代わりに "0o" または "0O" (「ゼロオー」)としています。また、
binary (基数 2: 2 進数) 整数リテラルのサポートを追加し、これは "0b" ま
たは "0B" で指示します。

Python 2.6 は先行するゼロの形式での 8 進数サポートをやめませんが、
"0o" と "0b" は追加サポートします:

   >>> 0o21, 2*8 + 1
   (17, 17)
   >>> 0b101111
   47

ビルトイン関数 "oct()" はまだ先行ゼロ形式での表現を返します。新しいビ
ルトイン関数 "bin()" は数値の 2 進数表現を返します:

   >>> oct(42)
   '052'
   >>> future_builtins.oct(42)
   '0o52'
   >>> bin(173)
   '0b10101101'

ビルトイン "int()", "long()" が、基数 8 か 0 を要求された場合の "0o"
プレフィクス、基数 2 か 0 を要求された場合の "0b" プレフィクスをそれぞ
れ許容するようになりました(基数 *base* = 0 は文字列から基数を決めるべ
きであることを指示します):

   >>> int ('0o52', 0)
   42
   >>> int('1101', 2)
   13
   >>> int('0b1101', 2)
   13
   >>> int('0b1101', 0)
   13

参考:

  **PEP 3127** - 整数リテラルのサポートと文法
     PEP 著 Patrick Maupin、2.6 へのバックポートは Eric Smith による。


PEP 3129: クラスデコレータ
==========================

デコレータが拡張されて関数だけでなクラスにも使えるようになりました。今
やこのように書くのは合法です:

   @foo
   @bar
   class A:
     pass

これは次と等価です:

   class A:
     pass

   A = foo(bar(A))

参考:

  **PEP 3129** - クラスデコレータ
     PEP 著 Collin Winter.


PEP 3141: 数値の型階層
======================

Python 3.0 では Scheme の numeric tower に触発された、いくつかの数値型
のための抽象基底クラスを追加しています。これらのクラスは "numbers" モ
ジュール として 2.6 にバックポートされています。

一番てっぺんの汎用 ABC が "Number" です。これには何の演算も含まれず、
オブジェクトがなんらか数値であることをチェックするためだけにあります。
"isinstance(obj, Number)" として使えます。

"Complex" は "Number" のサブクラスです。複素数は基礎的な追加の演算の加
算、減算、積算、除算、累乗に耐えるとともに、実数部と虚数部の抽出と共役
数の取得が出来ます。Python のビルトインの complex 型は "Complex" を実
装しています。

"Real" は "Complex" から更に派生し、実数のみで動作する演算を追加してい
ます: "floor()", "trunc()", 丸め, divmod, floor division, 比較、です。

"Rational" 数は "Real" からの派生で、プロパティ "numerator",
"denominator" を持ち、浮動小数点数への変換が出来ます。Python 2.6 は単
純な有理数クラス "Fraction" を "fractions" モジュールに追加しています
。("Rational" ではなく "Fraction" なのは、 "numbers.Rational" と名前が
衝突するのを避けるためです。)

"Integral" 数は "Rational" からの派生で、シフト演算 "<<", ">>" が出来
て、 "&" や "|" のようなビット演算で混ぜ合わせることができて、また、配
列のインデクスとスライスの境界として使えます。

Python 3.0 では、その PEP は少し既存のビルトイン "round()",
"math.floor()", "math.ceil()" を再定義していて、また、Python 2.6 にバ
ックポートされている新しい "math.trunc()" を追加しています。
"math.trunc()" はゼロに向かう方向の丸めで、引数とゼロの間で一番近い
"Integral" を返します。

参考:

  **PEP 3141** - 数値の型階層
     PEP 著: Jeffrey Yasskin.

  Guile マニュアルの Scheme's numerical tower 。

  R5RS Scheme 仕様の Scheme's number datatypes 。


"fractions" モジュール
----------------------

数値型階層を埋めるべく、 "fractions" モジュールが有理数クラスを提供し
ています。有理数は分子(numerator)と分母(denominator)で構成される分数と
してその値を格納し、浮動小数点数では近似しか出来ない "2/3" のような数
を正確に表現出来ます。

"Fraction" のコンストラクタは 2 つの "Integral" 値を取り、それらはそれ
ぞれ結果の分数の分子と分母になります。:

   >>> from fractions import Fraction
   >>> a = Fraction(2, 3)
   >>> b = Fraction(2, 5)
   >>> float(a), float(b)
   (0.66666666666666663, 0.40000000000000002)
   >>> a+b
   Fraction(16, 15)
   >>> a/b
   Fraction(5, 3)

浮動小数点数を有理数に変換するのに、浮動小数点数型に
"as_integer_ratio()" メソッドが追加されています。これはそれを評価して
分数の分子と分母を返します:

   >>> (2.5) .as_integer_ratio()
   (5, 2)
   >>> (3.1415) .as_integer_ratio()
   (7074029114692207L, 2251799813685248L)
   >>> (1./3) .as_integer_ratio()
   (6004799503160661L, 18014398509481984L)

1./3 のような浮動小数点数で近似にしかならない値は、近似して単純化され
たりはしないことに注意してください; その分数は浮動小数点数に **正確に
** 合うように試みられます。

"fractions" モジュールは、ずっと長い間 Python の "Demo/classes/" ディ
レクトリにいた Sjoerd Mullender による実装に基いています。この実装が
Jeffrey Yasskin によって大幅に更新されました。


その他の言語変更
================

Python 言語コアに小さな変更がいくつか行われました:

* "__main__.py" を含んだディレクトリ名と zip アーカイブ名をインタプリ
  タに渡して直接実行出来るようになりました。そのディレクトリと zip ア
  ーカイブは自動的に sys.path エントリの先頭に追加されます。
  (Suggestion and initial patch by Andy Chu, subsequently revised by
  Phillip J. Eby and Nick Coghlan; bpo-1739468.)

* "hasattr()" 関数は "__getattr__()" メソッドが例外を起こすと何か失敗
  したのだと仮定して、全て捕捉して無視して "False" を返していました。
  ですがそのロジックは "KeyboardInterrupt" と "SystemExit" まで捕まえ
  るべきではなかったのです。Python 2.6 では "hasattr()" はもはやそれら
  例外に出会ってもそれを捨てません。 (Fixed by Benjamin Peterson;
  bpo-2196.)

* "**" 構文を使ってキーワード引数を許容する関数を呼び出すのに、もう
  Python 辞書を使う必要はありません; 任意のマッピングプロトコルをサポ
  ートするオブジェクトで今では動作します:

     >>> def f(**kw):
     ...    print sorted(kw)
     ...
     >>> ud=UserDict.UserDict()
     >>> ud['a'] = 1
     >>> ud['b'] = 'string'
     >>> f(**ud)
     ['a', 'b']

  (Contributed by Alexander Belopolsky; bpo-1686487.)

  同時に、 "*args" 引数のあとでキーワード引数を与える関数呼び出しも今
  では合法です。:

     >>> def f(*args, **kw):
     ...     print args, kw
     ...
     >>> f(1,2,3, *(4,5,6), keyword=13)
     (1, 2, 3, 4, 5, 6) {'keyword': 13}

  以前はこれは構文エラーになっていました。 (Contributed by Amaury
  Forgeot d'Arc; bpo-3473.)

* 新しいビルトイン "next(iterator, [default])" は指定したイテレータよ
  り次のアイテムを返します。 *iterator* が使い果たされている場合、
  *default* 引数が与えられていれがこれを、そうでなければ
  "StopIteration" 例外を起こします。 (Backported in bpo-2719.)

* タプルがリストと同じく "index()" と "count()" メソッドを持つようにな
  っています:

     >>> t = (0,1,2,3,4,0,1,2)
     >>> t.index(3)
     3
     >>> t.count(0)
     2

  (Contributed by Raymond Hettinger)

* ビルトイン型が拡張スライス構文をサポートするために改善されています。
  色々な "(start, stop, step)" 組み合わせを受け付けます。以前はこれの
  サポートは限定的で、ものによっては動作しませんでした。 (Implemented
  by Thomas Wouters.)

* property に "getter", "setter", "deleter" が追加されています。取得関
  数(getter)、設定関数(setter)、削除関数(deleter)を既存のプロパティに
  追加するための便利なショートカットとして使えるデコレータです。これら
  はこのように使えます:

     class C(object):
         @property
         def x(self):
             return self._x

         @x.setter
         def x(self, value):
             self._x = value

         @x.deleter
         def x(self):
             del self._x

     class D(C):
         @C.x.getter
         def x(self):
             return self._x * 2

         @x.setter
         def x(self, value):
             self._x = value / 2

* ビルトインの set 型のいくつかのメソッドが複数イテラブルを受け付ける
  ようになっています: "intersection()", "intersection_update()",
  "union()", "update()", "difference()", "difference_update()" です。

     >>> s=set('1234567890')
     >>> s.intersection('abc123', 'cdf246')  # Intersection between all inputs
     set(['2'])
     >>> s.difference('246', '789')
     set(['1', '0', '3', '5'])

  (Contributed by Raymond Hettinger.)

* たくさんの浮動小数点数機能が追加されました。 "float()" 関数は文字列
  "nan" を IEEE 754 非数 (Not A Number) 値に変換し、 "+inf" と "-inf"
  は正あるいは負の無限大に変換します。これは IEEE 754 セマンティクスの
  あらゆるプラットフォームで動作します。 (Contributed by Christian
  Heimes; bpo-1635.)

  ほか "math" モジュールに "isinf()" と "isnan()" が追加されています;
  浮動小数点数が、前者は無限大ならば、後者は非数ならばそれぞれ真を返し
  ます。 (bpo-1640)

  浮動小数点数を 16 進表記文字列に変換する変換関数が追加されています
  (bpo-3008)。これら関数は 10 進と 2 進との間の変換で起こる丸め誤差を
  持ち込まずに浮動小数点数と文字列表現の相互変換をします。浮動小数点数
  は文字列表現を返す "hex()" メソッドを持ち、また、 "float.fromhex()"
  メソッドが文字列から浮動小数点数に戻します:

     >>> a = 3.75
     >>> a.hex()
     '0x1.e000000000000p+1'
     >>> float.fromhex('0x1.e000000000000p+1')
     3.75
     >>> b=1./3
     >>> b.hex()
     '0x1.5555555555555p-2'

* 数に関する繊細さ: 符号付ゼロ (-0 と +0) をサポートするシステムで 2
  つの浮動小数点数から複素数を作る際に、 "complex()" コンストラクタが
  ゼロの符号を維持するようになりました。 (Fixed by Mark T. Dickinson;
  bpo-1507.)

* "__hash__()" メソッドを親クラスから継承するクラスは、ハッシュ出来な
  いことを示すのに "__hash__ = None" をセット出来ます。これにより
  "hash(obj)" は "TypeError" を起こし、そのクラスは "Hashable" ABC を
  実装していないことを示します。

  "__cmp__()" か "__eq__()" を定義するのにその比較にオブジェクトの身元
  ではなくその値を使ったならば、あなたはこれをすべきです。全てのオブジ
  ェクトはその値として "id(obj)" を使うデフォルトのハッシュ化メソッド
  を持っています。親クラスから継承した "__hash__()" を削除する整理され
  た方法はありません。ですのでオーバライドとしての "None" の代入が実装
  されました。 C API のレベルでは、拡張は "tp_hash" に
  "PyObject_HashNotImplemented()" をセット出来ます。 (Fixed by Nick
  Coghlan and Amaury Forgeot d'Arc; bpo-2235.)

* "GeneratorExit" 例外が "Exception" ではなく "BaseException" のサブク
  ラスになっています。 "except Exception:" をする例外ハンドラが意図せ
  ず "GeneratorExit" 捕捉してしまうことがなくなります。 (Contributed
  by Chad Austin; bpo-1537.)

* ジェネレータオブジェクトが、そのジェネレータを返すオリジナルのコード
  オブジェクトを参照する "gi_code" 属性を持つようになりました。
  (Contributed by Collin Winter; bpo-1473257.)

* ビルトイン関数 "compile()" が位置引数だけでなくキーワード引数も受け
  付けるようになりました。  (Contributed by Thomas Wouters;
  bpo-1444529.)

* "complex()" コンストラクタが括弧で囲まれた複素数表現文字列を受け付け
  るようになっています。 "complex(repr(cplx))" で元に戻せるということ
  です。例えば "complex('(3+4j)')" は今では値 "(3+4j)" を返します。
  (bpo-1491866)

* 文字列の "translate()" メソッドが変形テーブルパラメータとして "None"
  を受け付けるようになりました。そのまま同じものを返す変形として扱われ
  ます。これにより文字を削除する操作を実行するのが簡単になります。
  (Contributed by Bengt Richter and implemented by Raymond Hettinger;
  bpo-1193128.)

* ビルトインの "dir()" 関数が、受け取ったオブジェクトの "__dir__()" メ
  ソッドをチェックするようになりました。このメソッドはそのオブジェクト
  で妥当な属性名を含む文字列のリストを返さなければなりません。これによ
  り "dir()" が生成する値を制御出来ます。 "__getattr__()" や
  "__getattribute__()" メソッドを使うオブジェクトはこれを使うことで、
  約束するつもりの擬似属性を公表出来ます。 (bpo-1591665)

* インスタンスメソッドオブジェクトが、そのメソッドを包含するオブジェク
  トと関数のための新たな属性を持つようになっています; "im_self" への新
  しい別名が "__self__" です。また "im_func" も "__func__" として利用
  可能です。古い名前は Python 2.6 で引き続きサポートされますが、3.0 で
  はいなくなります。

* 目立たない変更: "locals()" 関数を "class" ステートメント内で使う際、
  結果の辞書はもはや自由変数を返しません。(この場合、自由変数は
  "class" ステートメント内で参照される変数で、クラスの属性ではありませ
  ん。)


最適化
------

* "warnings" モジュールが C で書き直されました。これにより警告をパーサ
  から発行出来、また、インタプリタの起動が高速化しています。
  (Contributed by Neal Norwitz and Brett Cannon; bpo-1631171.)

* 型オブジェクトがメソッドのキャッシュを持つようになっています。これは
  個別のクラスについての正しいメソッド実装を見つけるのに必要な仕事を減
  らします。いったんキャッシュされれば、インタプリタは呼び出さなければ
  ならない正しいメソッドを知るために基底クラス群を横断しなくてもよくな
  ります。基底クラスやクラス自身が修正されれば、Python の動的な振る舞
  いの面においても正しくあり続けなければならないので、キャッシュはクリ
  アされます。 (Original optimization implemented by Armin Rigo,
  updated for Python 2.6 by Kevin Jacobs; bpo-1700288.)

  デフォルトではこの変更は、Python コアに含まれる型のみに適用されます
  。拡張モジュールは必ずしもこのキャッシュに互換ではなく、拡張モジュー
  ルはメソッドキャッシュを有効にするために、モジュールの "tp_flags" フ
  ィールドに明示的に "Py_TPFLAGS_HAVE_VERSION_TAG" を追加しなければな
  りません。(このメソッドキャッシュに対して互換であるためには、拡張モ
  ジュールのコードは、それが実装するどんな型についても "tp_dict" メン
  バに直接アクセスしたり修正したりしてはなりません。ほとんどのモジュー
  ルはこれをしていませんが、Python インタプリタがそれを検知することは
  出来ません。 bpo-1878 にいくらかの議論がありますので参照してください
  。)

* キーワード引数を使う関数呼び出しが、素早くポインタで比較することで顕
  著に高速化しています。これは常に文字列丸ごとを比較する時間を省きます
  。 (Contributed by Raymond Hettinger, after an initial
  implementation by Antoine Pitrou; bpo-1819.)

* "struct" モジュールの全ての関数が C で書き換えられました。「Need For
  Speed スプリント」での作業の成果です。 (Contributed by Raymond
  Hettinger.)

* いくつかの標準ビルトイン型が、その型オブジェクトにビットをセットする
  ようになりました。これは、オブジェクトがそれら型のサブクラスの一つで
  あるかどうかのチェックするのを高速化します。 (Contributed by Neal
  Norwitz.)

* Unicode 文字列が、空白文字と改行を検出するためのコードにより高速な実
  装を使うようになりました; "split()" メソッドでおよそ 25% の速度向上
  、 "splitlines()" メソッドでは 35% です。(Contributed by Antoine
  Pitrou.) Unicode 文字列データのために pymalloc を使うことでメモリ使
  用が減りました。

* "with" ステートメントが "__exit__()" メソッドをスタック上に保存する
  ようになり、ちょっとだけ高速化しました。 (Implemented by Jeffrey
  Yasskin.)

* メモリ使用を減らすために、一番作られたオブジェクトをガーベージコレク
  トする際に、ガーベージコレクタが内部のフリーリストをクリアするように
  なりました。これはオペレーティングシステムにすぐに返されます。


インタプリタの変更
------------------

Python のほかの実装で使うために、2 つのコマンドラインオプションが予約
されました。 "-J" スイッチは Jython 固有のオプションのために予約されま
した。前提となる JVM に渡すスイッチなどに使います。 "-X" スイッチは個
別の Python 実装、たとえば CPython、Jython や IronPython のために予約
されました。Python 2.6 でどちらかのオプションが使われると、インタプリ
タはそのオプションは現在使われていないことを報告します。

Python インタプリタに "-B" スイッチを渡すか、インタプリタ実行前に環境
変数 "PYTHONDONTWRITEBYTECODE" をセットするかのどちらかで、 ".pyc" や
".pyo" が作られないようにすることが出来るようになりました。この設定は
Python プログラムから "sys.dont_write_bytecode" 変数として利用可能で、
Python コードはこの変数を変更してインタプリタの振る舞いを変えることが
出来ます。 (Contributed by Neal Norwitz and Georg Brandl.)

標準入力、標準出力、標準エラー出力に使うエンコーディングを、インタプリ
タ起動前に環境変数 "PYTHONIOENCODING" を設定することで指定出来るように
なりました。値は "<encoding>" または "<encoding>:<errorhandler>" 形式
の文字列でなければなりません。 *encoding* 部分はエンコーディングの名前
で、例えば "utf-8" や "latin-1" です; 省略可能な *errorhandler* 部分は
エンコーディングによって処理出来ない文字に対して何をするのかを指定する
もので、 "error", "ignore", "replace" のどれかです。 (Contributed by
Martin von Löwis.)


新しいモジュールと改良されたモジュール
======================================

全てのリリースに置いて、 Python の標準ライブラリはたくさんの改良とバグ
修正がされてきました。ここでは一部の注目に値する変更を、モジュール名で
辞書順ソートしてリストアップしています。もっと完全な変更リストが見たけ
れば、ソースツリー内の "Misc/NEWS" ファイルか、全ての完全な詳細が入っ
ている Subversion のログを参照してください。

* "asyncore" と "asynchat" モジュールが再び活発に保守され、多数のパッ
  チとバグ修正が適用されました。 (Maintained by Josiah Carlson; see
  bpo-1736190 for one patch.)

* "bsddb" モジュールは新しいメンテナ Jesús Cea Avión を得て、パッケー
  ジは今ではスタンドアロンのパッケージとして入手可能です。パッケージの
  ウェブページは www.jcea.es/programacion/pybsddb.htm です。このモジュ
  ールは Python 3.0 では標準ライブラリからは削除される予定です。という
  のも、これの更新ペースは Python のそれよりも遥かに頻繁だからです。

  "bsddb.dbshelve" モジュールは pickle 化で、プロトコル 1 に制限するの
  ではなく利用出来る一番高いプロトコルバージョンを使うようになりました
  。(Contributed by W. Barnes.)

* "cgi" モジュールが HTTP POST リクエストのクエリ文字列を読み取るよう
  になりました。これにより URL に "/cgi-bin/add.py?category=1" のよう
  にクエリ文字列を含む form アクションに使えるようになります。
  (Contributed by Alexandre Fiori and Nubis; bpo-1817.)

  "parse_qs()", "parse_qsl()" 関数を "cgi" モジュールから "urlparse"
  モジュールに移動しました。もとのバージョンは "cgi" モジュールにまだ
  いて、2.6 では呼び出すと "PendingDeprecationWarning" メッセージが報
  告されます。 (bpo-600362).

* "cmath" モジュールに大掛かりな改訂が行われました。Mark Dickinson と
  Christian Heimes による貢献です。5 つの新しい関数が追加されました:

  * "polar()" は複素数を極形式 (polar form) に変換し、複素数の絶対値
    (modulus) と偏角 (argument) を返します。

  * "rect()" はその逆で、絶対値と偏角から対応する複素数に戻します。

  * "phase()" は複素数の偏角 (angle とも呼ばれています) を返します。

  * "isnan()" はその引数の実数部か虚数部のどちらかが NaN であれば真を
    返します。

  * "isinf()" はその引数の実数部か虚数部のどちらかが無限大であれば真を
    返します。

  その改訂では、 "cmath" モジュールの数値的安定性も改善されました。全
  ての関数で、結果の実数部、虚数部は最小精度単位で少しの範囲内で、可能
  な限り正確です。詳細は bpo-1381 を見てください。 "asinh()",
  "atanh()":, "atan()" に対する分岐截線 (branch cut) も修正されていま
  す。(--- 訳注: units of least precision に対する枯れた訳語はないよう
  なので最小精度単位としていますが仮数部の最下位ビットのことです。ので
  、within a few ulps は下位数ビットという意味。分岐截線 (branch cut)
  は一般的な訳語かどうかはわかりませんが、wikipedia から採りました。
  ---)

  そのモジュールのテストは大変拡大しました; およそ 2000 の新たなテスト
  ケースが数学関数群を鍛え上げます。

  IEEE 754 プラットフォームでは "cmath" モジュールは、IEEE 754 の特殊
  値と浮動小数点例外を、C99 標準の付録 'G' での一貫性のある方法で処理
  するようになりました。

* "collections" モジュールに新しいデータ型が追加されています:
  "namedtuple(typename, fieldnames)" は、添え字だけでなく名前でもアク
  セス出来るフィールドを持った標準タプルのサブクラスを作るファクトリ関
  数です。例えば:

     >>> var_type = collections.namedtuple('variable',
     ...             'id name type size')
     >>> # Names are separated by spaces or commas.
     >>> # 'id, name, type, size' would also work.
     >>> var_type._fields
     ('id', 'name', 'type', 'size')

     >>> var = var_type(1, 'frequency', 'int', 4)
     >>> print var[0], var.id    # Equivalent
     1 1
     >>> print var[2], var.type  # Equivalent
     int int
     >>> var._asdict()
     {'size': 4, 'type': 'int', 'id': 1, 'name': 'frequency'}
     >>> v2 = var._replace(name='amplitude')
     >>> v2
     variable(id=1, name='amplitude', type='int', size=4)

  標準ライブラリのいくつかの箇所で "namedtuple" インスタンスを返すよう
  に修正されています。例えば "Decimal.as_tuple()" メソッドは "sign",
  "digits", "exponent" フィールドを持った名前付きタプルを返すようにな
  りました。

  (Contributed by Raymond Hettinger.)

* "collections" モジュールのもう一つの変更は、 "deque" 型が省略可能な
  *maxlen* パラメータをサポートするようになったことです; 与えられると
  、 deque のサイズが要素数 *maxlen* を超えないように制限されます。お
  腹いっぱいの deque にさらに要素を追加すると、古いものから捨てられま
  す。

     >>> from collections import deque
     >>> dq=deque(maxlen=3)
     >>> dq
     deque([], maxlen=3)
     >>> dq.append(1); dq.append(2); dq.append(3)
     >>> dq
     deque([1, 2, 3], maxlen=3)
     >>> dq.append(4)
     >>> dq
     deque([2, 3, 4], maxlen=3)

  (Contributed by Raymond Hettinger.)

* "Cookie" モジュールの "Morsel" オブジェクトが "httponly" 属性をサポ
  ートするようになりました。いくつかのブラウザでは、この属性を付けたク
  ッキーは JavaScript コードからアクセスや操作が出来ません。
  (Contributed by Arvin Schnell; bpo-1638033.)

* "curses" モジュールの新しい window メソッド "chgat()" は、一行での指
  定数ぶん文字の表示属性を変更します。 (Contributed by Fabian Kreutz.)

     # Boldface text starting at y=0,x=21
     # and affecting the rest of the line.
     stdscr.chgat(0, 21, curses.A_BOLD)

  "curses.textpad" モジュールの "Textbox" クラスが上書きモードのほかに
  挿入モード編集をサポートするようになりました。挿入モードは "Textbox"
  インスタンス構築時に *insert_mode* パラメータを真にすることで有効に
  なります。

* "datetime" モジュールの "strftime()" メソッドが "%f" 書式化コードを
  サポートするようになりました。これはオブジェクトのマイクロ秒をミリ秒
  としてゼロ埋めで 6 桁で展開します。 (---訳注: 言葉だけだとどうしても
  伝わりにくいですが、フィールドとしてミリ秒を持たずにマイクロ秒を持っ
  ている datetime で「秒.ミリ秒」という表記をするのにマイクロ秒精度ま
  で表示するのが目的です。ですので 654 ミリ秒が「654000」と書式化され
  ますし、32 ミリ秒は「032000」です。---) (Contributed by Skip
  Montanaro; bpo-1158.)

* "decimal" モジュールが the General Decimal Specification のバージョ
  ン 1.55 に更新されました。新しい機能には "exp()" や "log10()" のよう
  ないくつかの基礎的な数学関数が含まれます:

     >>> Decimal(1).exp()
     Decimal("2.718281828459045235360287471")
     >>> Decimal("2.7182818").ln()
     Decimal("0.9999999895305022877376682436")
     >>> Decimal(1000).log10()
     Decimal("3")

  "Decimal" クラスの "as_tuple()" メソッドが "sign", "digits",
  "exponent" フィールドを持った名前付きタプルを返すようになりました。

  (Implemented by Facundo Batista and Mark Dickinson.  Named tuple
  support added by Raymond Hettinger.)

* "difflib" モジュールの "SequenceMatcher" クラスが、マッチを "a",
  "b", "size" 属性を持つ名前付きタプルで返すようになりました。
  (Contributed by Raymond Hettinger.)

* "ftplib.FTP" クラスのコンストラクタと "connect()" メソッドに省略可能
  "timeout" パラメータが追加されました。タイムアウトを秒で指定します。
  (Added by Facundo Batista.) また、 "FTP" クラスの "storbinary()" と
  "storlines()" メソッドが *callback* パラメータを新たに受け取ります。
  これはデータが送信されたあとでデータの各ブロックごとに呼び出されます
  。 (Contributed by Phil Schwartz; bpo-1221598.)

* ビルトイン関数の "reduce()" が "functools" モジュールでも利用可能で
  す。Python 3.0 ではビルトイン関数は削除されて "functools" のものだけ
  が使えます; 現在のところ 2.x シリーズでビルトイン版を削除する計画は
  ありません。 (Patched by Christian Heimes; bpo-1739906.) (---訳注:
  2.7 でも削除されていません。使用を検出するには "-3" オプションなどで
  警告をチェックしてください。 ---)

* 可能な場合には、 "getpass" モジュールはプロンプトメッセージ出力とパ
  スワードの読み取りに "/dev/tty" を使うようになりました。利用出来ない
  場合は標準エラー出力と標準入力が使われます。端末に入力パスワードがエ
  コーされるかもしれない場合、プロンプト表示の前に警告が出力されます。
  (Contributed by Gregory P. Smith.)

* "glob.glob()" 関数が、Unicode パスが使われるかディレクトリ内に
  Unicode ファイル名がマッチすると Unicode ファイル名を返すようになり
  ました。 (bpo-1001604)

* "heapq" モジュールの新しい関数 "merge(iter1, iter2, ...)" は、任意の
  数のソートされたデータを返すイテラブルを取り、全てのイテラブルの内容
  をソートされた順に返す新しいジェネレータを返します (---訳注: 誤解を
  招く表現なので補足しておきますが、入力のイテレータはソート済みである
  ことを「仮定」し、出力のジェネレータは「入力が主張している」順序に従
  うだけです。入力がソートされていなくても並べ替えられるわけではありま
  せん。リファレンスにはここはきちんと書かれています。---)。例えば:

     >>> list(heapq.merge([1, 3, 5, 9], [2, 8, 16]))
     [1, 2, 3, 5, 8, 9, 16]

  もう一つの新たな関数 "heappushpop(heap, item)" は、 *item* を *heap*
  に push した後、pop を行って *heap* から最初の要素を返します。この一
  続きの動作を "heappush()" に引き続いて "heappop()" を別々に呼び出す
  よりも効率的に実行します。

  "heapq" は以前使っていた「以下("<=")」比較ではなく「より小さい("<")
  」比較だけを使って実装されています。これにより "heapq" に格納する型
  の要件が "list.sort()" メソッドに合致します。 (Contributed by
  Raymond Hettinger.)

* 省略可能パラメータ "timeout" が "httplib.HTTPConnection" と
  "HTTPSConnection" クラスのコンストラクタに追加されました。タイムアウ
  トを秒で指定します。 (Added by Facundo Batista.)

* "getmoduleinfo()" や "getargs()" のようなほとんどの "inspect" モジュ
  ール関数が、名前付きタプルを返すようになりました。タプルのように振る
  舞うだけでなく、属性でアクセスすることも出来ます。 (Contributed by
  Raymond Hettinger.)

  モジュールには "isgenerator()", "isgeneratorfunction()",
  "isabstract()" を含むいくつかの新しい関数が追加されています。

* "itertools" モジュールにいくつかの関数が追加されています。

  "izip_longest(iter1, iter2, ...[, fillvalue])" はそれぞれの要素群か
  らタプルを生成します; イテラブルの要素数がほかのものより短ければ欠落
  値として *fillvalue* が埋められます。例えば:

     >>> tuple(itertools.izip_longest([1,2,3], [1,2,3,4,5]))
     ((1, 1), (2, 2), (3, 3), (None, 4), (None, 5))

  "product(iter1, iter2, ..., [repeat=N])" は与えたイテラブルの直積
  (Cartesian product)、つまりそれぞれのイテラブルから返るその要素たち
  の全てのありうる組み合わせを含むタプルの集合を返します。:

     >>> list(itertools.product([1,2,3], [4,5,6]))
     [(1, 4), (1, 5), (1, 6),
      (2, 4), (2, 5), (2, 6),
      (3, 4), (3, 5), (3, 6)]

  省略可能 *repeat* キーワード引数が与えられると、イテラブルが一つであ
  ればこれが *N* 個、複数あればそのセットが *N* 回与えられたとみなしま
  す。単一のイテラブルに対しては *N* 要素タプルのリストで返ります:

     >>> list(itertools.product([1,2], repeat=3))
     [(1, 1, 1), (1, 1, 2), (1, 2, 1), (1, 2, 2),
      (2, 1, 1), (2, 1, 2), (2, 2, 1), (2, 2, 2)]

  2 つのイテラブルであれば *2N* 要素タプルのリストで返ります:

     >>> list(itertools.product([1,2], [3,4], repeat=2))
     [(1, 3, 1, 3), (1, 3, 1, 4), (1, 3, 2, 3), (1, 3, 2, 4),
      (1, 4, 1, 3), (1, 4, 1, 4), (1, 4, 2, 3), (1, 4, 2, 4),
      (2, 3, 1, 3), (2, 3, 1, 4), (2, 3, 2, 3), (2, 3, 2, 4),
      (2, 4, 1, 3), (2, 4, 1, 4), (2, 4, 2, 3), (2, 4, 2, 4)]

  "combinations(iterable, r)"  は、入力 *iterable* の要素からなる長さ
  *r* の部分列を返します (---訳注: 数学の初等組み合わせ論の「組合せ
  (combination)」 ---):

     >>> list(itertools.combinations('123', 2))
     [('1', '2'), ('1', '3'), ('2', '3')]
     >>> list(itertools.combinations('123', 3))
     [('1', '2', '3')]
     >>> list(itertools.combinations('1234', 3))
     [('1', '2', '3'), ('1', '2', '4'),
      ('1', '3', '4'), ('2', '3', '4')]

  "permutations(iter[, r])" は入力 *iterable* の長さ *r* の順列を返し
  ます。 *r* が指定されなければ、イテラブルが生成する全要素数がデフォ
  ルトで使われます (---訳注: 数学の初等組み合わせ論の「順列 (sequence
  without repetition)」または群論や組合せ論の「置換 (permutation)」。
  リファレンスでは訳出で置換も順列も両方出てきていますが、高校教育で習
  う用語で「順列」が伝わりやすいのでここでは「順列」としています。
  ---):

     >>> list(itertools.permutations([1,2,3,4], 2))
     [(1, 2), (1, 3), (1, 4),
      (2, 1), (2, 3), (2, 4),
      (3, 1), (3, 2), (3, 4),
      (4, 1), (4, 2), (4, 3)]

  "itertools.chain(*iterables)" は "itertools" に元々いたものですが、
  新しい構築方法が出来ました。Python 2.6 では、
  "itertools.chain.from_iterable(iterable)" でほかのイテラブルを返す単
  一のイテラブルを取り、 "chain()" は、最初のイテラブルからの全要素、
  次のイテラブルからの全要素、…、のように返します:

     >>> list(itertools.chain.from_iterable([[1,2,3], [4,5,6]]))
     [1, 2, 3, 4, 5, 6]

  (All contributed by Raymond Hettinger.)

* "logging" モジュールの "FileHandler" クラスとそのサブクラスの
  "WatchedFileHandler", "RotatingFileHandler",
  "TimedRotatingFileHandler" がそのコンストラクタで省略可能 *delay* パ
  ラメータを受け取るようになりました。 *delay* が真の場合、ログファイ
  ルのオープンは最初の "emit()" が呼び出されるまで延期されます。
  (Contributed by Vinay Sajip.)

  "TimedRotatingFileHandler" ではコンストラクタに *utc* パラメータも取
  るようになっています。これが真の場合、 "when='midnight'" などの切り
  替え時刻判定とその生成ファイル名に UTC が使われます。

* いくつかの新しい関数が "math" モジュールに追加されました:

  * "isinf()" と "isnan()" は与えられた浮動小数点数が、順に、(正または
    負の) 無限大であるかどうか、非数 (NaN=Not a Number) であるかどうか
    を返します。

  * "copysign()" は IEEE 754 数の符号ビットをコピーします。 *x* の絶対
    値と *y* の符号ビットを組み合わせたものを返します。例えば
    "math.copysign(1, -0.0)" は -1.0 を返します。 (Contributed by
    Christian Heimes.)

  * "factorial()" は階乗を計算します。 (Contributed by Raymond
    Hettinger; bpo-2138.)

  * "fsum()" はイテラブルからの数列を、部分和の計算を通じて精度の損失
    を避けながら積み上げた合計の計算をします。 (Contributed by Jean
    Brouwers, Raymond Hettinger, and Mark Dickinson; bpo-2819.)

  * "acosh()", "asinh()", "atanh()" は逆双曲線関数を計算します。

  * "log1p()" は *1+x*  の自然対数 (底 *e* の対数) を返します。

  * "trunc()" はゼロに向かう方向に丸めを行い、与えられた引数とゼロに最
    も近い "Integral" を返します。これは PEP 3141: 数値の型階層 のバッ
    クポートの一部として追加されました。

* "math" モジュールは、特に浮動小数点例外と IEEE 754 の特殊値の処理に
  おいて、プラットフォーム間に渡る振る舞いの一貫性をさらに高めるように
  改善されました。

  可能な場合にはいつでもこのモジュールは 754 の特殊値について、C99 標
  準の勧告に従います。例えば、 "sqrt(-1.)" は今ではほとんど全てのプラ
  ットフォームで "ValueError" となるはずで、 "sqrt(float('NaN'))" は全
  ての IEEE 754 プラットフォームで NaN を返すはずです。C99 標準の付録
  'F' で 'divide-by-zero' または 'invalid' を伝えることを勧告している
  箇所では Python は "ValueError" を投げます。C99 標準の付録 'F' で
  'overflow' を伝えることを勧告している箇所では Python は
  "OverflowError" を投げます。 (See bpo-711019 and bpo-1640.)

  (Contributed by Christian Heimes and Mark Dickinson.)

* "mmap" オブジェクトに "rfind()" メソッドが追加されています。部分文字
  列の検索を、末尾から後ろ向きに検索します。 "find()" には新しい引数
  *end* パラメータが追加されていて、検索対象の終了位置を指定することが
  出来ます。 (Contributed by John Lenton.)

* "operator" モジュールに "methodcaller()" 関数が追加されています。名
  前と省略可能な引数を与えると、渡したその任意の引数でその名前の関数を
  呼び出す呼び出し可能オブジェクトを返します。例えば:

     >>> # Equivalent to lambda s: s.replace('old', 'new')
     >>> replacer = operator.methodcaller('replace', 'old', 'new')
     >>> replacer('old wine in old bottles')
     'new wine in new bottles'

  (Contributed by Georg Brandl, after a suggestion by Gregory
  Petrosyan.)

  "attrgetter()" 関数がドット付きの名前を受け付け、対応する属性ルック
  アップをするようになりました:

     >>> inst_name = operator.attrgetter(
     ...        '__class__.__name__')
     >>> inst_name('')
     'str'
     >>> inst_name(help)
     '_Helper'

  (Contributed by Georg Brandl, after a suggestion by Barry Warsaw.)

* "os" モジュールがいくつか新しくシステムコールをラップしています。開
  いたファイルについて、 "fchmod(fd, mode)" はモードを変更し、
  "fchown(fd, uid, gid)" は所有権を変更し、 "lchmod(path, mode)" はシ
  ンボリックリンクのモードを変更します。 (Contributed by Georg Brandl
  and Christian Heimes.)

  "chflags()" と "lchflags()" は対応するシステムコール (利用可能であれ
  ば) へのラッパーで、ファイルのフラグを変更します。そのフラグ値につい
  ての定数が "stat" モジュールに定義されています; いくつかの取りうる値
  には、ファイルが変更されるべきではないことを伝える "UF_IMMUTABLE" 、
  ファイルにはデータの追記のみが可能であることを伝える "UF_APPEND" 、
  があります。 (Contributed by M. Levinson.)

  "os.closerange(low, high)" は効率よく全ての *low* から *high* のファ
  イルデスクリプタをクローズします。全てのエラーは無視されます。それと
  *high* はクローズ対象ではないです。この関数は既に "subprocess" モジ
  ュールがプロセスを開始するのを高速化するために使われています。
  (Contributed by Georg Brandl; bpo-1663329.)

* "os.environ" オブジェクトの "clear()" メソッドが、オブジェクトのキー
  から取り除くだけでなく "os.unsetenv()" を使って環境変数を未設定にす
  るようになりました。  (Contributed by Martin Horcicka; bpo-1181.)

* "os.walk()" 関数に "followlinks" パラメータが追加されています。これ
  を真にすると、シンボリックリンクが指す相手のディレクトリを渡り歩くよ
  うになります。後方互換のためにこのパラメータのデフォルトは偽です。な
  お、親ディレクトリを指すシンボリックリンクなど参照が循環していると、
  無限再帰に陥りますので注意してください。 (bpo-1273829)

* "os.path" モジュールの "splitext()" 関数が、先行するピリオドで分割し
  ないように変更されています。これにより Unix のドットファイルの処理結
  果がよくなります。例えば "os.path.splitext('.ipython')" は "('',
  '.ipython')" ではなく "('.ipython', '')" を返すようになっています。
  (bpo-1115886)

  新規関数 "os.path.relpath(path, start='.')" は、与えられれば "start"
  からの、与えられなければカレントディレクトリからの、目的地 "path" へ
  の相対パスを返します。 (Contributed by Richard Barran; bpo-1339796.)

  Windows において、 "os.path.expandvars()" が "%var%" 形式の記述に環
  境変数を展開し、 "~user" にユーザのホームディレクトリのパスを展開す
  るようになりました。 (Contributed by Josiah Carlson; bpo-957650.)
  (---訳注: "~user" は実在した仕様かわかりません。2.7 に該当する実装も
  コメントも docstring もリファレンスもありませんし、当然この振る舞い
  は現在実在していません。---)

* "pdb" モジュールで提供される Python デバッガに新たなコマンドが追加さ
  れました: "run" はデバッグ対象の Python プログラムを再起動します。ま
  たオプションとして、対象プログラムに与えるコマンドライン引数を渡せま
  す。 (Contributed by Rocky Bernstein; bpo-1393667.)

* トレースバックのデバッグを開始するのに使われる "pdb.post_mortem()"
  が、トレースバックが与えられない場合に "sys.exc_info()" からの戻り値
  のトレースバックを使うようになりました。 (Contributed by Facundo
  Batista; bpo-1106316.)

* "pickletools" モジュールに "optimize()" 関数が追加されました。これは
  pickle を含んだ文字列を受け取って、未使用 opcode を削除の上で同じデ
  ータ構造を含んだより小さい pickle を返します。 (Contributed by
  Raymond Hettinger.)

* "pkgutil" モジュールに "get_data()" 関数が追加されました。これはイン
  ストールされている Python パッケージに含まれるリソースファイルの内容
  を返します。例えば:

     >>> import pkgutil
     >>> print pkgutil.get_data('test', 'exception_hierarchy.txt')
     BaseException
      +-- SystemExit
      +-- KeyboardInterrupt
      +-- GeneratorExit
      +-- Exception
           +-- StopIteration
           +-- StandardError
      ...

  (Contributed by Paul Moore; bpo-2439.)

* "pyexpat" モジュールの "Parser" オブジェクトで、 "buffer_size" 属性
  の設定により文字データの保持に使うバッファのサイズを変更出来るように
  なりました。 (Contributed by Achim Gaedke; bpo-1137.)

* "Queue" モジュールが、エントリを違った順序で取り出すような queue の
  変種をサポートするようになっています。 "PriorityQueue" クラスはキュ
  ーアイテムをヒープで格納し、それを優先順で取り出します。 "LifoQueue"
  クラスは、最後にエントリに追加されたものを最初に取り出します。つまり
  stack のように振舞うということです。 (Contributed by Raymond
  Hettinger.)

* "random" モジュールの "Random" が、今では 32 ビットシステムで pickle
  出来、64 ビットシステムで unpickle 出来、逆も出来ます。残念ながらこ
  の変更は Python 2.6 の "Random" オブジェクトを以前の Python で正しく
  unpickle 出来ないことを意味します。 (Contributed by Shawn Ligocki;
  bpo-1727780.)

  新たな "triangular(low, high, mode)" は、三角分布 (triangular
  distribution) に従う乱数を生成します。 *mode* は分布内の最頻値で、返
  却値は *high* を含まない *low* と *high* の間です。 (Contributed by
  Wladmir van der Laan and Raymond Hettinger; bpo-1681432.)

* "re" モジュールによって実行される長い正規表現検索が届けられるシグナ
  ルをチェックするようになり、これにより多大な時間を要する検索を中断出
  来るようになります。 (Contributed by Josh Hoyt and Ralf Schmitt;
  bpo-846388.) (---訳注: 原文を忠実に訳すとわかりにくいですが、単に C
  のレベルでシグナルハンドラを仕掛けたので Python が割り込める、という
  のがここで言っていることです。本質的には「長い」や「時間のかかる」は
  あまり関係ないです。---)

  正規表現モジュールは、小さな正規表現固有仮想マシン用のバイトコードを
  コンパイルすることで実装されています。信頼出来ないコードにより、悪意
  あるバイトコード文字列を直接作って破滅させることが出来ます。ですので
  、2.6 では正規表現バイトコードの検証をするようにしてあります。
  (Contributed by Guido van Rossum from work for Google App Engine;
  bpo-3487.)

* "rlcompleter" モジュールの "Completer.complete()" メソッドが名前の評
  価時に引き起こされた例外を無視するようになりました。 (Fixed by
  Lorenz Quack; bpo-2250.)

* "sched" モジュールの "scheduler" インスタンスが読み出し専用の
  "queue" 属性を持つようになりました。これはスケジューラのキュー内容を
  名前付きタプル "(time, priority, action, argument)" で返します。
  (Contributed by Raymond Hettinger; bpo-1861.)

* "select" モジュールに新たに Linux システムコール "epoll()" と BSD シ
  ステムコール "kqueue()" へのラッパー関数が追加されました。既存の
  "poll" オブジェクトには新たに "modify()" メソッドが追加されています
  。 "pollobj.modify(fd, eventmask)" はファイルデスクリプタかファイル
  オブジェクトとイベントマスクを取り、そのファイルの記録イベントのマス
  クを修正します。(Contributed by Christian Heimes; bpo-1657.)

* "shutil.copytree()" が省略可能引数 *ignore* を取るようになっています
  。呼び出し可能オブジェクトを渡します。この呼び出し可能オブジェクトは
  それぞれのディレクトリパスとその内容リストを受け取って、コピーせずに
  無視したい名前のリストを返します。

  "shutil" モジュールでは同時に、この新たなパラメータのために使える
  "ignore_patterns()" も提供しています。 "ignore_patterns()" は任意の
  数の glob スタイルのパターンを取り、これらパターンに合致する任意のフ
  ァイルとディレクトリを無視する呼び出し可能オブジェクトを返します。以
  下は、 ".svn" ディレクトリと '~' で終わるファイル名を持つ Emacs のバ
  ックアップファイルをスキップしてディレクトリコピーをする例です:

     shutil.copytree('Doc/library', '/tmp/library',
                     ignore=shutil.ignore_patterns('*~', '.svn'))

  (Contributed by Tarek Ziadé; bpo-2663.)

* Tkinter や GTK+ などのような場所で、シグナルハンドリングと GUI 処理
  のイベントループを組み合わせることは、長い間悩みの種でした; ほとんど
  のソフトウェアはポーリングを行って、わずかばかりの時間で起き上がって
  は GUI イベントが起きていないかチェックするハメになっています。
  "signal" モジュールが、これをより効率的に行えるようにしました。
  "signal.set_wakeup_fd(fd)" でファイルデスクリプタをセットすると、イ
  ベント受信時にファイルデスクリプタにバイトが書き込まれます。 C レベ
  ルの関数 "PySignal_SetWakeupFd()" もあります。同じくファイルデスクリ
  プタを渡します。

  イベントループはこれを、読み込み用と書き込み用の 2 つのデスクリプタ
  を作るパイプをオープンして使うことになるでしょう。書き込み用デスクリ
  プタは "set_wakeup_fd()" に渡し、読み込み用デスクリプタはイベントル
  ープから "select()" や "poll()" で監視するデスクリプタのリストに追加
  すれば良いでしょう。シグナル受信時にはバイトが書き込まれてメインのイ
  ベントループが起き上がるので、ポーリングは必要なくなります。

  (Contributed by Adam Olsen; bpo-1583.)

  "siginterrupt()" 関数が Python コードから利用可能になりました。対象
  シグナルがシステムコールを中断出来るかどうかを変更出来ます。
  (Contributed by Ralf Schmitt.)

  "setitimer()", "getitimer()" 関数も追加されています (利用可能であれ
  ば)。 "setitimer()" は、指定時間経過後に処理にシグナルを届けます。時
  間は「壁時計時間 (wall-clock time)」(訳注: リファレンスでは「実時間
  」と表現している)、「プロセスの実行時間 (consumed process time)」、
  またはプロセス + システム時間の組合せで指定します。(Contributed by
  Guilherme Polo; bpo-2240.)

* "smtplib" モジュールが、 "SMTP_SSL" クラスの追加によって SMTP over
  SSL をサポートするようになっています。このクラスは既存の "SMTP" と同
  じインターフェイスです。(Contributed by Monty Taylor.)   両方のクラ
  スのコンストラクタでは新たに省略可能な "timeout" パラメータを取りま
  す。最初に接続を試みる際のタイムアウト値を秒で指定します。
  (Contributed by Facundo Batista.)

  LMTP プロトコル (**RFC 2033**) 実装もモジュールに追加されています。
  LMTP はメールキューを管理しないエージェント間で e-mail を転送する際
  に、SMTP の代わりに使われます。(LMTP implemented by Leif Hedstrom;
  bpo-957003.)

  "SMTP.starttls()" は今や **RFC 3207** 遵守であり、TLS ネゴシエーショ
  ン自身で得たのでないサーバから得られるいかなる知識も記憶しません。
  (Patch contributed by Bill Fenner; bpo-829951.)

* "socket" モジュールが TIPC (http://tipc.sourceforge.net/) をサポート
  するようになりました。これは高性能な非 IP ベースのプロトコルで、クラ
  スタ環境で使われるように設計されたものです。TIPC のアドレスは 4 また
  は 5 要素のタプルです。 (Contributed by Alberto Bertogli; bpo-1646.)

  新規の "create_connection()" 関数はアドレスを取り、省略可能なタイム
  アウト値を使って接続を行い、接続されたソケットオブジェクトを返します
  。この関数は同時に、アドレスのタイプを調べて IPv4 と IPv6 の相応しい
  方を使って接続します。あなたのコードが "socket(socket.AF_INET, ...)"
  を使う代わりに "create_connection()" に乗り換えることは、それが IPv6
  対応で必要なこと全て、となるでしょう。

* "SocketServer" モジュール内の基底クラスが、 "timeout" 属性で指定の無
  応答時間経過後に "handle_timeout()" メソッドを呼び出すようになってい
  ます。 (Contributed by Michael Pomraning.)  "serve_forever()" メソッ
  ドは、オプションの秒指定のポーリング間隔を取るようになりました。これ
  は、サーバがシャットダウン要求のチェックをどの程度の頻度で行えばよい
  のかを制御します。 (Contributed by Pedro Werneck and Jeffrey
  Yasskin; bpo-742598, bpo-1193577.)

* Gerhard Häring により保守されている "sqlite3" モジュールが、Python
  2.5 時のバージョン 2.3.2 からバージョン 2.4.1 に更新されました。

* "struct" モジュールが C99 の "_Bool" 型をフォーマット文字 "'?'" でサ
  ポートするようになりました。 (Contributed by David Remahl.)

* "subprocess" モジュールの "Popen" オブジェクトに "terminate()",
  "kill()", "send_signal()" メソッドが追加されました。Windows では
  "send_signal()" は "SIGTERM" シグナルのみがサポートされ、またこれら
  全てのメソッドは Win32 API 関数の "TerminateProcess()" の別名になっ
  ています。 (Contributed by Christian Heimes.)

* "sys" モジュールに新たに追加された変数 "float_info" は、 "float.h"
  に由来するプラットフォームの浮動小数点数サポートについての情報を含ん
  だオブジェクトです。このオブジェクトの属性としては、 "mant_dig" (仮
  数部の桁数)、 "epsilon" (1.0 と、それより大きい表現可能な最小値との
  差)などがあります。 (Contributed by Christian Heimes; bpo-1534.)

  もう一つの新たな変数 "dont_write_bytecode" は Python がモジュールイ
  ンポート時に ".pyc" や ".pyo" を作るかどうかを制御します。この変数が
  真ならば、コンパイル済みファイルは作られません。この変数は Python イ
  ンタプリタを "-B" スイッチ付きで起動するか環境変数
  "PYTHONDONTWRITEBYTECODE" をセットすることで初期設定されます。Python
  コードはこのあとでこの変数の値を変更することで、バイトコードファイル
  を作るかどうかを制御出来ます。 (Contributed by Neal Norwitz and
  Georg Brandl.)

  Python インタプリタに与えられたコマンドライン引数についての情報を、
  "sys.flags" として利用可能な名前付きタプルで知ることが出来ます。例え
  ば Python が冗長モードで起動された場合は "verbose" 属性は真となり、
  デバッグモードでは "debug" 属性が真、などです。これら属性は全て読み
  出し専用です。 (Contributed by Christian Heimes.)

  新しい関数 "getsizeof()" が追加されました。 Python オブジェクトを受
  け取り、そのオブジェクトが利用しているメモリサイズをバイト単位で返し
  ます。 ビルトインオブジェクトは正確な結果を返しますが、サードパーテ
  ィの拡張は正確な値を返さないかもしれません。 その場合 "__sizeof__()"
  メソッドを定義してオブジェクトのサイズを返すことができます。 (Robert
  Schuppenies による貢献. bpo-2898)

  現在動作中のプロファイラとトレーサーを、 "sys.getprofile()" と
  "sys.gettrace()" で知ることが出来るようになりました。 (Contributed
  by Georg Brandl; bpo-1648.)

* "tarfile" モジュールが、既にサポートされている POSIX.1-1988 (ustar)
  と GNU tar フォーマットに加えて、POSIX.1-2001 (pax) をサポートするよ
  うになりました。デフォルトは GNU tar です; これと違うフォーマットで
  ファイルを開くには "format" パラメータで指定します:

     tar = tarfile.open("output.tar", "w",
                        format=tarfile.PAX_FORMAT)

  新しい "encoding" と "errors" パラメータはエンコーディングと文字変換
  のエラー処理方法を指定します。 "'strict'", "'ignore'",  "'replace'"
  は Python の 3 つの標準エラー処理です; "'utf-8'" は特殊で、不正な文
  字を、それの UTF-8 表現に置き換えます。(文字変換は、PAX フォーマット
  が Unicode ファイル名をサポートするために現れ、デフォルトは UTF-8 エ
  ンコーディングです。)

  "TarFile.add()" メソッドが新たに "exclude" 引数を受け付けます。これ
  はアーカイブから特定のファイル名を除外するために呼び出される呼び出し
  可能オブジェクトです。ファイル名を受け取って、除外すべきファイルの場
  合に真、そうでなければ偽を返してください。この呼び出し可能オブジェク
  トは "add()" に最初に追加される名前と再帰的に追加されるディレクトリ
  の名前の両方に適用されます。

  (All changes contributed by Lars Gustäbel).

* 省略可能パラメータ "timeout" が "telnetlib.Telnet" クラスのコンスト
  ラクタに追加されました。タイムアウトを秒で指定します。 (Added by
  Facundo Batista.)

* "tempfile.NamedTemporaryFile" クラスは普通はこれが作った一時ファイル
  を、ファイルクローズ時に削除します。この振る舞いを、コンストラクタの
  パラメータに "delete=False" を渡すことで変更出来るようになりました。
  (Contributed by Damien Miller; bpo-1537850.)

  新しいクラス "SpooledTemporaryFile" は一時ファイルのように振舞います
  が、そのデータは最大サイズを超えるまではメモリ内に格納されます。その
  制限を超えると、その内容がディスク上の一時ファイルに書き込まれます。
  (Contributed by Dustin J. Mitchell.)

  "NamedTemporaryFile" と "SpooledTemporaryFile" のともにコンテキスト
  マネージャとして動作しますので、 "with tempfile.NamedTemporaryFile()
  as tmp: ..." のように書くことが出来ます。 (Contributed by Alexander
  Belopolsky; bpo-2021.)

* "test.test_support" に、テストを書くのに便利な多くのコンテキストマネ
  ージャが追加されています。 "EnvironmentVarGuard()" は環境変数を一時
  的に変更して自動的に元に戻すコンテキストマネージャです。

  もう一つのコンテキストマネージャ "TransientResource" は、利用出来る
  かもしれないし出来ないかもしれないリソースの呼び出しを包むことが出来
  ます; 指定した例外リストを捕捉して無視します(---訳注: この紹介、良く
  ないと思うのと、多分著者が誤解してます。確かに属性名/属性値を特定し
  てこれに一致する場合にだけ例外を受け取るためのものなので、一致しない
  ものは無視、という事実には反しませんが、「狙った例外は受け取る
  (ResourceDenied)」でもあるはずです。「期待した例外が発生する」ことを
  テストしたいでしょう、「期待しない例外はテストには関係ない」であると
  ともに。それとリファレンスと docstring によれば「指定した例外と属性
  に合致する場合に ResourceDenied」と言っているので、やはり事実とは反
  しています。---)。例えば、ネットワークのテストでは外部のウェブサイト
  との接続時の特定の失敗を無視するでしょう:

     with test_support.TransientResource(IOError,
                                     errno=errno.ETIMEDOUT):
         f = urllib.urlopen('https://sf.net')
         ...

  最後に、 "check_warnings()" は "warning" モジュールの警告フィルタを
  リセットして、全ての引き起こされる警告メッセージを記録するオブジェク
  トを返します (bpo-3781):

     with test_support.check_warnings() as wrec:
         warnings.simplefilter("always")
         # ... code that triggers a warning ...
         assert str(wrec.message) == "function is outdated"
         assert len(wrec.warnings) == 1, "Multiple warnings raised"

  (Contributed by Brett Cannon.)

* "textwrap" モジュールで、行頭と新たに作る行の末尾にもともと含まれて
  いる空白文字を保ったままにすることが出来るようになりました。
  "drop_whitespace=False" を指定します:

     >>> S = """This  sentence  has a bunch   of
     ...   extra   whitespace."""
     >>> print textwrap.fill(S, width=15)
     This  sentence
     has a bunch
     of    extra
     whitespace.
     >>> print textwrap.fill(S, drop_whitespace=False, width=15)
     This  sentence
       has a bunch
        of    extra
        whitespace.
     >>>

  (Contributed by Dwayne Bailey; bpo-1581073.)

* "threading" モジュールの API が、 "setDaemon()", "isDaemon()" メソッ
  ドではなく "daemon" のようにプロパティを使うように変更中です。また、
  いくつかのメソッドはキャメルケースではなくアンダースコアスタイルに名
  前変更されています; 例えば "activeCount()" メソッドは
  "active_count()" にリネームされます。2.6 と 3.0 の両バージョンのモジ
  ュールは同じプロパティとリネームされたメソッドをサポートしますが、古
  いメソッドは削除されません。古い API が Python 3.x で撤廃するのがい
  つになるのかは未定です; 2.x バージョンでは削除されないでしょう。
  (Carried out by several people, most notably Benjamin Peterson.)
  (--- 訳注: 3.5 でもこの状態は続いたままです。今でもキャメルケースス
  タイルのメソッドが使えます。ですが、もちろん新しい名前を使うべきです
  。---)

  "threading" モジュールの "Thread" オブジェクトに "ident" プロパティ
  が追加されています。スレッドの識別子を非ゼロの整数で返します。
  (Contributed by Gregory P. Smith; bpo-2871.)

* "timeit" モジュールが、計測されるステートメントとセットアップコード
  として、文字列だけでなく呼び出し可能オブジェクトを渡せるようになりま
  した。 "Timer" インスタンスを作成する 2 つの便利関数が追加されていま
  す: "repeat(stmt, setup, time, repeat, number)" と "timeit(stmt,
  setup, time, number)" で、インスタンスを作成して対応するメソッドを呼
  びます。 (Contributed by Erik Demaine; bpo-1533909.)

* "Tkinter" モジュールが、オプションとしてリストとタプルを受け付けるよ
  うになっています。Tcl/Tk へは空白区切りの文字列にして渡されます。
  (Contributed by Guilherme Polo; bpo-2906.)

* タートルグラフィックスのための "turtle" モジュールが Gregor Lingl に
  より大幅に拡張されました。 モジュールの新しい機能は次の通りです:

  * 亀の移動と回転のアニメーションの改善。

  * 新しい "delay()" メソッド、 "tracer()" メソッド、 "speed()" メソッ
    ドを使って亀の動きをコントロールできるようになりました。

  * 亀に新しい姿を設定できたり、新しい座標系を定義できるようになりまし
    た。

  * 亀に、動作を巻き戻せる "undo()" メソッドが増えました。

  * マウスやキーボードからの入力イベントに反応するための簡易なサポート
    が入り、簡単なゲームを書けるようになりました。

  * "turtle.cfg" を使って、turtle の画面の起動時の見た目をカスタマイズ
    できるようになりました。

  * モジュールの docstring が、他の言語に翻訳された docstring に置き換
    えられるようになりました。

  (bpo-1513695)

* 省略可能パラメータ "timeout" が "urllib.urlopen()" 関数と
  "urllib.ftpwrapper" クラスのコンストラクタ、 "urllib2.urlopen()" 関
  数に追加されました。タイムアウトを秒で指定します。例えば:

     >>> u = urllib2.urlopen("http://slow.example.com",
                             timeout=3)
     Traceback (most recent call last):
       ...
     urllib2.URLError: <urlopen error timed out>
     >>>

  (Added by Facundo Batista.)

* "unicodedata" モジュールで提供される Unicode データベースが、バージ
  ョン 5.1.0 に更新されました。 (Updated by Martin von Löwis;
  bpo-3811.)

* "warnings" モジュールの "formatwarning()" と "showwarning()" に省略
  可能な *line* 引数が追加されました。ソースコードの行番号を与えること
  が出来ます。 (Added as part of bpo-1631171, which re-implemented
  part of the "warnings" module in C code.)

  新しい関数 "catch_warnings()" はコンテキストマネージャで、テスト目的
  で警告フィルタを一時的に変更して元に戻すのに使えます。 (bpo-3781).

* XML-RPC の "SimpleXMLRPCServer" クラスと "DocXMLRPCServer" クラスで
  は、コンストラクタパラメータ *bind_and_activate* に "False" を渡すと
  、そのソケットに即座にバインドして有効化 (訳注: ソケットのリッスン)
  するのを避けられるようになりました。 これは "server_bind()" メソッド
  と "server_activate()" メソッドを呼び出してソケットへのバインドと有
  効化を行う前に、インスタンスの "allow_reuse_address" 属性を変更する
  のに使えます。 (Contributed by Peter Parente; bpo-1599845.)

  "SimpleXMLRPCServer" はさらに "_send_traceback_header" 属性を持つよ
  うになりました。真の場合、例外とフォーマットされたトレースバックが
  HTTP ヘッダ "X-Exception" と "X-Traceback" として返ります。この機能
  はデバッグのみに使い、製品のサーバには使ってはなりません。トレースバ
  ックには剥き出しのパスワードが含まれるかもしれず、あるいはほかの何か
  企業秘密だったり国家秘密だったりするような繊細な情報満載かもしれない
  のです。 (Contributed by Alan McIntyre as part of his project for
  Google's Summer of Code 2007.)

* "xmlrpclib" モジュールが自動的に "datetime.date" と "datetime.time"
  を "xmlrpclib.DateTime" 型に変換することはなくなりました; 変換のセマ
  ンティクスが必ずしも全てのアプリケーションで正しいわけではありません
  でした。 (bpo-1330538) "xmlrpclib" を使うコードは自分で "date" イン
  スタンスと "time" インスタンスを変換すべきです。 そうしておくと、
  1900 年以前の日付 (contributed by Ralf Schmitt; bpo-2014) と、XML-
  RPC レスポンス内で "<i8>" を使った 64 ビット整数表現 (contributed by
  Riku Lindblad; bpo-2985) を処理できます。

* "zipfile" モジュールの "ZipFile" クラスに "extract()" メソッドと
  "extractall()" メソッドが追加されました。アーカイブ内の、それぞれ単
  一ファイル、全てのファイルを、カレントディレクトリか指定のディレクト
  リに展開します:

     z = zipfile.ZipFile('python-251.zip')

     # Unpack a single file, writing it relative
     # to the /tmp directory.
     z.extract('Python/sysmodule.c', '/tmp')

     # Unpack all the files in the archive.
     z.extractall()

  (Contributed by Alan McIntyre; bpo-467924.)

  "open()", "read()", "extract()" メソッドはファイル名か "ZipInfo" オ
  ブジェクトのどちらかを受け取れるようになっています。これは誤って重複
  したファイル名を含んでいるアーカイブで有用でしょう。 (Contributed by
  Graham Horler; bpo-1775025.)

  最後に、 "zipfile" がアーカイブするファイルのファイル名として
  Unicode の使用をサポートするようになりました。  (Contributed by
  Alexey Borzenkov; bpo-1734346.)  (---訳注: リファレンスに注意事項と
  して書かれていますが、zip ファイルのファイル名標準は存在しないのでこ
  れは問題を起こすことがあります。---)


"ast" モジュール
----------------

"ast" モジュールは Python コードの抽象構文木 (Abstract Syntax Tree) 表
現を提供します。また、Armin Ronacher は共通タスクを実行するさまざまな
ヘルパー関数を寄稿しました。これらは HTML テンプレートパッケージである
とか、コードアナライザ、などなどの、Python コードを処理するツールで有
用となるでしょう。

"parse()" 関数は式を受け取り AST を返します。 "dump()" 関数はツリー表
現をデバッギングに相応しい出力をします:

   import ast

   t = ast.parse("""
   d = {}
   for i in 'abcdefghijklm':
       d[i + i] = ord(i) - ord('a') + 1
   print d
   """)
   print ast.dump(t)

これの出力は深くネストされたツリーです:

   Module(body=[
     Assign(targets=[
       Name(id='d', ctx=Store())
      ], value=Dict(keys=[], values=[]))
     For(target=Name(id='i', ctx=Store()),
         iter=Str(s='abcdefghijklm'), body=[
       Assign(targets=[
         Subscript(value=
           Name(id='d', ctx=Load()),
             slice=
             Index(value=
               BinOp(left=Name(id='i', ctx=Load()), op=Add(),
                right=Name(id='i', ctx=Load()))), ctx=Store())
        ], value=
        BinOp(left=
         BinOp(left=
          Call(func=
           Name(id='ord', ctx=Load()), args=[
             Name(id='i', ctx=Load())
            ], keywords=[], starargs=None, kwargs=None),
          op=Sub(), right=Call(func=
           Name(id='ord', ctx=Load()), args=[
             Str(s='a')
            ], keywords=[], starargs=None, kwargs=None)),
          op=Add(), right=Num(n=1)))
       ], orelse=[])
      Print(dest=None, values=[
        Name(id='d', ctx=Load())
      ], nl=True)
    ])

"literal_eval()" メソッドは、文字列またはリテラル式を表現する AST を受
け取り解析と評価を行い、結果の値を返します。リテラル式は、文字列、数値
、辞書などのみを含む Python 式で、文や関数呼び出しを含みません。もしも
あなたに式を評価する必要があって、だけれども "eval()" を呼び出すことに
よるセキュリティリスクを許容出来ないということであれば、
"literal_eval()" がそれを安全に処理してくれます:

   >>> literal = '("a", "b", {2:4, 3:8, 1:2})'
   >>> print ast.literal_eval(literal)
   ('a', 'b', {1: 2, 2: 4, 3: 8})
   >>> print ast.literal_eval('"a" + "b"')
   Traceback (most recent call last):
     ...
   ValueError: malformed string

モジュールには、AST を横断し、修正するための "NodeVisitor" と
"NodeTransformer" クラス、例えば行番号の変更などの共通的な変形を行う関
数群が含まれています。


"future_builtins" モジュール
----------------------------

Python 3.0 はビルトイン関数のレポジトリにたくさんの変更を加えていて、
そのほとんどが互換性を破壊するため Python 2.x シリーズには導入出来ませ
ん。 "future_builtins" モジュールは 3.0 互換コードを書くのにインポート
出来る 3.0 互換関数セットです。

このモジュールに今のところ含まれるのは:

* "ascii(obj)": 2.x の "repr()" と同じことをします。Python 3.0 では
  "repr()" は Unicode 文字列を返すようになっていて、一方 "ascii()" は
  純粋な ASCII バイト文字列を返します。

* "filter(predicate, iterable)", "map(func, iterable1, ...)": 3.0 と同
  じようにイテレータを返し、これは 2.x のビルトインがリストで返すのと
  は違っています。

* "hex(value)", "oct(value)": "__hex__()" と "__oct__()" メソッドを呼
  び出すのではなく、 "__index__()" メソッドを呼び出した結果を
  hexadecimal または octal に変換します。こちらのバージョンの "oct()"
  は新しい "0o" 記法で返却します。


"json" モジュール: JavaScript オブジェクト記法
----------------------------------------------

新しい "json" モジュールは、JSON (Javascript Object Notation) と
Python 型のエンコーディング、デコーディングをサポートします。JSON は軽
量なデータ交換フォーマットで、頻繁にウェブアプリケーションで使われます
。JSON の詳細情報は http://www.json.org にあります。

"json" モジュールはほとんどのビルトイン型のデコーディングとエンコーデ
ィングサポートを備えています。以下の例は辞書のエンコードとデコードをし
ています:

   >>> import json
   >>> data = {"spam": "foo", "parrot": 42}
   >>> in_json = json.dumps(data) # Encode the data
   >>> in_json
   '{"parrot": 42, "spam": "foo"}'
   >>> json.loads(in_json) # Decode into a Python object
   {"spam": "foo", "parrot": 42}

ほかの何か型をサポートするのに独自のエンコーダ、デコーダを書くことも出
来ます。JSON 文字列の pretty-printing もサポートされています。

"json" (もともと simplejson と呼ばれていました) は Bob Ippolito によっ
て書かれました。


"plistlib" モジュール: プロパティリストパーサ
---------------------------------------------

".plist" フォーマットは Mac OS X で一般的に使われ、基本的なデータ型(数
値、文字列、リスト、辞書)を XML ベースのフォーマットにシリアライズして
格納します。データ型の XML-RPC シリアライズに似ています。

Mac OS X で主に使われるとはいえ、そのフォーマットはまったく Mac 固有で
はなくその Python 実装は Python がサポートするあらゆるプラットフォーム
で動作するので、"plistlib" は標準ライブラリに昇格しました。

モジュールを使うのは単純です:

   import sys
   import plistlib
   import datetime

   # Create data structure
   data_struct = dict(lastAccessed=datetime.datetime.now(),
                      version=1,
                      categories=('Personal','Shared','Private'))

   # Create string containing XML.
   plist_str = plistlib.writePlistToString(data_struct)
   new_struct = plistlib.readPlistFromString(plist_str)
   print data_struct
   print new_struct

   # Write data structure to a file and read it back.
   plistlib.writePlist(data_struct, '/tmp/customizations.plist')
   new_struct = plistlib.readPlist('/tmp/customizations.plist')

   # read/writePlist accepts file-like objects as well as paths.
   plistlib.writePlist(data_struct, sys.stdout)


ctypes の強化
-------------

Thomas Heller は "ctypes" モジュールの保守と拡張を続けました。

"ctypes" は今では C99 "bool" 型を表す "c_bool" データ型をサポートしま
す。  (Contributed by David Remahl; bpo-1649190.)

"ctypes" の string, buffer, array 型が拡張スライスインデクス構文をサポ
ートするように改善され、 "(start, stop, step)" の色々な組み合わせが使
えます。 (Implemented by Thomas Wouters.)

全ての "ctypes" データ型が "from_buffer()", "from_buffer_copy()" メソ
ッドをサポートするようになりました。これは与えられた buffer オブジェク
トに基く ctypes インスタンスを作ります。 "from_buffer_copy()" はそのオ
ブジェクトの内容をコピーし、 "from_buffer()" はその同じメモリ領域を共
有します。

新しい呼び出しの慣例は、 "ctypes" にそれぞれのラップされた呼び出しの発
生時に "errno" あるいは Win32 LastError 変数をクリアすることを伝えるこ
とです。 (Implemented by Thomas Heller; bpo-1798.)

Unix "errno" 変数を関数呼び出し後に抽出できるようになっています。ラッ
プされた関数を作る際、 "use_errno=True" を "DLL()" 関数へのキーワード
引数として渡すことが出来、それによりモジュールレベル関数の
"set_errno()" と "get_errno()" を、 errno 値を設定・取得するのに呼び出
せます。

Win32 LastError は "DLL()", "OleDLL()", "WinDLL()" 関数で同じようにサ
ポートされています。同じように "use_last_error=True" を与え、モジュー
ルレベル関数 "set_last_error()" と "get_last_error()" を使います。

ctypes インスタンスへのポインタを抽出にするのに使われる "byref()" 関数
が、省略可能な *offset* パラメータを受け取るようになりました。これは返
されるポインタに追加されるバイト数です。


SSL サポートの改善
------------------

Bill Janssen は Python 2.6 の Secure Sockets Layer サポートを大掛かり
に改善しました。行われたのは新モジュール "ssl" の追加です。これは
OpenSSL ライブラリの上に構築されています。この新しいモジュールはプロト
コルのネゴシエイトのさらなる制御、X.509 証明書の使用、そして SSL サー
バ (クライアントの対語としての) を Python で書くためのより良いサポート
を提供しています。既存の "socket" モジュールにある SSL サポートは削除
されずにそのまま使えますが、Python 3.0 では削除されます。

この新たなモジュールを使うには、まず最初にいつものやり方で TCP コネク
ションを作らなければなりません。そしてその上でそれを
"ssl.wrap_socket()" 関数に渡します (---訳注: 2.7.9 ではさらに進化した
"SSLContext.wrap_socket" が使えます ---)。証明書が必要かどうかを指定す
ることが出来、証明書の情報を "getpeercert()" メソッドで取得することも
出来ます。

参考: "ssl" モジュールについてのドキュメント。


非推奨と削除
============

* 文字列を例外として送出することは出来なくなりました。これをすると
  "TypeError" を起こします。

* **PEP 352** で指示される "Exception" インターフェイスの変更が続けら
  れています。 2.6 では、 "args" 属性を採用するので "message" 属性が非
  推奨となります。

* (3.0 警告モード) Python 3.0 はたくさんの時代遅れのモジュールを削除し
  、ほかのものも名前変更するような標準ライブラリの再編成が特色となりま
  す。Python 2.6 を 3.0 警告モードで動かすと、それらがインポートされる
  際に警告が励起されます。

  非推奨モジュールのリストです: "audiodev", "bgenlocations",
  "buildtools", "bundlebuilder", "Canvas", "compiler", "dircache",
  "dl", "fpformat", "gensuitemodule", "ihooks", "imageop", "imgfile",
  "linuxaudiodev", "mhlib", "mimetools", "multifile", "new", "pure",
  "statvfs", "sunaudiodev", "test.testall", "toaiff".

* "gopherlib" モジュールは削除されました。

* "MimeWriter" モジュールと "mimify" モジュール は非推奨となっています
  。代わりに  "email" パッケージを使ってください。

* "md5" モジュールは非推奨となりました。代わりに "hashlib" モジュール
  を使ってください。

* "posixfile" モジュールは非推奨となりました。  "fcntl.lockf()" がより
  良いロッキングを提供しています。

* "popen2" モジュールは非推奨となっています。  "subprocess" モジュール
  を使ってください。

* "rgbimg" モジュールは削除されました。

* "sets" モジュールは非推奨となりました。代わりにビルトインの  "set",
  "frozenset" 型を使ってください。

* "sha" モジュールは非推奨となりました。代わりに "hashlib" モジュール
  を使ってください。


ビルドならびに C API の変更
===========================

Python のビルド過程と C API の変更は以下の通りです:

* Python はもはや、 C89 コンパイラでコンパイルされなければなりません
  (19 年も経ってる!)。ですので Python ソースツリーからは、 "memmove()"
  と "strerror()" の手前実装が削除されています。C89 標準ライブラリにあ
  るものですから。

* Python 2.6 は Microsoft Visual Studio 2008 (version 9.0) でビルド出
  来ます。そしてこれが新しいデフォルトコンパイラです。 "PCbuild" ディ
  レクトリのビルドファイルを参照して下さい。 (Implemented by Christian
  Heimes.)

* Mac OS X では、Python 2.6 は 4 種類のユニバーサルビルドでコンパイル
  出来ます。 **configure** スクリプトは "--with-universal-
  archs=[32-bit|64-bit|all]" スイッチを取って、32-bit アーキテクチャ
  (x86, PowerPC), 64-bit (x86-64 and PPC-64), あるいは両方のバイナリを
  ビルド出来ます。 (Contributed by Ronald Oussoren.)

* BerkeleyDB モジュールが C API オブジェクトを公開しています。
  "bsddb.db.api" として利用可能です。このモジュールは "bsddb" モジュー
  ルを自身の独自の目的で使いたいほかの C 拡張で使えます。 (Contributed
  by Duncan Grisby.)

* PEP 3118 改訂版バッファプロトコル で前述の新しいバッファインターフェ
  イスのために、 "PyObject_GetBuffer()" と "PyBuffer_Release()" とほか
  少しの関数が追加されました。

* Python の C stdio ライブラリの使用は今では、スレッドセーフ、もしくは
  、最低でも基底のライブラリと同じ程度にはスレッドセーフです。ファイル
  をあるスレッドが別スレッドで読み書き最中にクローズするとマズイことが
  起こるのは、もう長いこと居座り続けた潜在的なバグでした。2.6 ではファ
  イルオブジェクトが参照カウントを持っていて、 "PyFile_IncUseCount()",
  "PyFile_DecUseCount()" 関数で操作します。ファイルオブジェクトは参照
  カウントがゼロにならない限りクローズ出来ません。GIL が獲得されている
  間に "FILE *" ポインタを使った I/O 操作を実行する前に
  "PyFile_IncUseCount()" が呼び出されなければなりません。また、GIL の
  再獲得後に即座に "PyFile_DecUseCount()" が呼び出されなければなりませ
  ん。(---訳注: 伝わりづらいので別の言い方で言い直すと「Inc してから
  GIL 解放して FILE* を弄び、済んだら GIL 再獲得して Dec する」。リフ
  ァレンスのコード例ですぐにわかります。---) (Contributed by Antoine
  Pitrou and Gregory P. Smith.)

* 異なるスレッドから同時にモジュールをインポートすることでデッドロック
  が発生することはなくなりました; 今では "ImportError" になります。新
  たな API 関数 "PyImport_ImportModuleNoBlock()" は最初に
  "sys.modules" を探し、インポートロック獲得後にインポートしようと試み
  ます。インポートロックが他のスレッドにより獲得されていれば
  "ImportError" が発生します。(Contributed by Christian Heimes.)

* いくつかの関数が、プラットフォームの浮動小数点サポートについての情報
  を返します。 "PyFloat_GetMax()" は浮動小数点数で表現出来る最大値を返
  し、 "PyFloat_GetMin()" は正の最小値を返します。 "PyFloat_GetInfo()"
  は "float.h" からの情報を含むオブジェクトを返し、これには
  ""mant_dig"" (仮数部桁数)、 ""epsilon"" (1.0 とそれより大きい表現可
  能な最小値との差)やほかのいくつかの情報を含みます。 (Contributed by
  Christian Heimes; bpo-1534.)

* "PyComplex_AsCComplex()" を使う C 関数とメソッドが "__complex__()"
  メソッドを持つ引数を受け付けるようになっています。特に、 "cmath" モ
  ジュールにある関数は、このメソッドを持つオブジェクトを受け付けます。
  これは Python 3.0 での変更のバックポートです。 (Contributed by Mark
  Dickinson; bpo-1675423.)

* Python C API に 2 つの大文字小文字を区別しない文字列比較関数
  "PyOS_stricmp(char*, char*)" と "PyOS_strnicmp(char*, char*,
  Py_ssize_t)" が追加されました。 (Contributed by Christian Heimes;
  bpo-1635.)

* 多くの C 拡張が、 "init*" 関数内でモジュール辞書に整数と文字列定数を
  追加するために独自の小さなマクロを定義しています。 Python 2.6 ではつ
  いにモジュールに値を追加する標準マクロを定義しました。
  "PyModule_AddStringMacro" と "PyModule_AddIntMacro()" です。
  (Contributed by Christian Heimes.)

* いくつかのマクロが 3.0 と 2.6 の両方でリネームされました。それが関数
  ではなくマクロであることを明確にするためです。 "Py_Size()" は
  "Py_SIZE()" となり、 "Py_Type()" は "Py_TYPE()" に、そして
  "Py_Refcnt()" が "Py_REFCNT()" になっています。元の大小文字混在版は
  後方互換のために Python 2.6 では利用可能なままです。 (bpo-1629)

* Distutils は C 拡張を、デバッグバージョンの Python 実行時に別のディ
  レクトリにビルドするようになりました。 (Contributed by Collin
  Winter; bpo-1530959.)

* いくつかの基本データ型、例えば数値や文字列型は、あとで再利用されるオ
  ブジェクトのフリーリスト(---訳注: メモリ管理での alloc/free の free
  。---)を内部的に管理しています。それらデータ構造はこのフリーリストに
  関して、命名規約に従うようにしました; その変数名は常に "free_list"
  、カウンタは常に "numfree" 、そしてマクロ "Py<typename>_MAXFREELIST"
  が必ず定義されます。

* 新たに追加された Makefile のターゲット "make patchcheck" は、Python
  ソースツリーに対してパッチを作る準備をします: 修正された ".py" ファ
  イル全てに含まれる末尾の余分な空白を取り除き、ドキュメンテーションが
  変更されているかをチェックし、そして "Misc/ACKS" と "Misc/NEWS" が更
  新されているかどうかを報告します。 (Contributed by Brett Cannon.)

  もう一つの新しいターゲット "make profile-opt" は、GCC の profile-
  guided 最適化を使った Python バイナリをビルドします。これは Python
  をプロファイリングを有効にしてビルドし、プロファイル結果のセットを得
  るためのテストスイートを実施し、そして最適化のためにそれら結果を使っ
  てビルドします。 (Contributed by Gregory P. Smith.)


ポート特有の変更: Windows
-------------------------

* Windows 95, 98, ME, NT4 のサポートはとりやめられました。 Python 2.6
  は最低でも Windows 2000 SP4 が必要です。

* Windows での新しいデフォルトコンパイラが Visual Studio 2008 (version
  9.0) になっています。Visual Studio 2003 (version 7.1) と 2005
  (version 8.0) のビルドディレクトリは PC/ に移動しました。新しい
  "PCbuild" ディレクトリは X64, デバッグビルド、Profile Guided
  Optimization (PGO) をサポートしています。PGO ビルドは通常ビルドに較
  べておよそ 10% 高速化になります。 (Contributed by Christian Heimes
  with help from Amaury Forgeot d'Arc and Martin von Löwis.)

* "msvcrt" モジュールはいまでは通常文字系とワイド文字系の両方のコンソ
  ール I/O API をサポートします。 "getwch()" 関数と "getwche()" 関数は
  打鍵を読み取り、Unicode 値を返します。 "putwch()" 関数は Unicode 文
  字を受け取り、コンソールに書き出します。 (Contributed by Christian
  Heimes.)

* "os.path.expandvars()" は "%var%" 形式を環境変数で置換し、 "~user"
  をユーザのホームディレクトリパスに置換します(---訳注: 上のほうの訳注
  参照。---)。 (Contributed by Josiah Carlson; bpo-957650.)

* "socket" モジュールのソケットオブジェクトが "ioctl()" メソッドを持つ
  ようになりました。 "WSAIoctl()" インターフェイスへの限定的なインター
  フェイスを提供します。

* "_winreg" モジュールに新しい関数 "ExpandEnvironmentStrings()" が追加
  されています。これは入力文字列が "%NAME%" のように参照されている場合
  に環境変数を展開します。このモジュールで提供されるハンドルオブジェク
  トはコンテキスト管理プロトコルをサポートするようになったので、
  "with" ステートメントで使えます。 (Contributed by Christian Heimes.)

  "_winreg" は x64 システムのためのより良いサポートが追加されています
  。 64 ビットシステムで動作する 32 ビットプロセスでレジストリリフレク
  ションを有無効化をする "DisableReflectionKey()",
  "EnableReflectionKey()",  "QueryReflectionKey()" 関数を公開していま
  す。 (bpo-1753245)

* "msilib" モジュールの "Record" オブジェクトに "GetInteger()" と
  "GetString()" メソッドが追加されました。フィールド値をそれぞれ数値と
  して、または文字列として返します。 (Contributed by Floris
  Bruynooghe; bpo-2125.)


ポート特有の変更: Mac OS X
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* Python をフレームワークビルドでコンパイルする際に、 **configure** ス
  クリプトに "--with-framework-name" オプションでフレームワーク名を指
  定出来るようになりました。

* "macfs" モジュールは削除されました。これは同様に
  "macostools.touched()" 関数の削除を必要としました。それが  "macfs"
  モジュールに依存していたので。  (bpo-1490190)

* ほか多くの Mac OS モジュールが非推奨となり、 Python 3.0 では削除され
  ます: "_builtinSuites", "aepack", "aetools", "aetypes",
  "applesingle", "appletrawmain", "appletrunner", "argvemulator",
  "Audio_mac", "autoGIL", "Carbon", "cfmfile", "CodeWarrior",
  "ColorPicker", "EasyDialogs", "Explorer", "Finder", "FrameWork",
  "findertools", "ic", "icglue", "icopen", "macerrors", "MacOS",
  "macfs", "macostools", "macresource", "MiniAEFrame", "Nav",
  "Netscape", "OSATerminology", "pimp", "PixMapWrapper", "StdSuites",
  "SystemEvents", "Terminal", "terminalcommand" 。


ポート特有の変更: IRIX
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たくさんの古い IRIX 固有のモジュールが非推奨となり、Python 3.0 では削
除されます: "al" と "AL", "cd", "cddb", "cdplayer", "CL" と "cl",
"DEVICE", "ERRNO", "FILE", "FL" と "fl", "flp", "fm", "GET", "GLWS",
"GL" と "gl", "IN", "IOCTL", "jpeg", "panelparser", "readcd", "SV" と
"sv", "torgb", "videoreader", "WAIT" 。


Python 2.6 への移植
===================

このセクションでは前述の変更とバグフィックスにより必要となるかもしれな
いコードの変更を列挙します:

* ハッシュ化をサポートしないクラスはその定義内でその事実を示すために、
  "__hash__ = None" をセットすべきです。

* 文字列を例外として送出することは出来なくなりました。これをすると
  "TypeError" を起こします。

* "collections.deque" の "__init__()" メソッドが、イテラブルから要素を
  追加する前に全ての deque の既存の内容をクリアするようになっています
  。この変更は "list.__init__()" の振る舞いと一致します(---訳注: 当た
  り前のことにしか思えないのですが詳細がわかりません。これ以前のバージ
  ョンでは deque はシングルトンのように振舞っていたのでしょうか。---)
  。

* "object.__init__()" は以前は任意の引数とキーワード引数を受け取り、そ
  して無視していました。Python 2.6 ではもうこれは許されません。
  "TypeError" を起こします。これは結果的に "object" の対応するメソッド
  を呼ぶ(おそらく "super()" を介して) "__init__()" メソッドに影響しま
  す。 bpo-1683368 の議論を参照して下さい。

* "Decimal" のコンストラクタは今では先頭と末尾の空白が含まれる文字列を
  許容します。以前は "InvalidOperation" となっていました。他方で、
  "Context" オブジェクトの "create_decimal()" メソッドは余分な空白を明
  示的に拒絶するようになり、 "ConversionSyntax" を投げます。

* 実装上の誤り(事故)で、ビルトインの "__import__()" 関数にファイルパス
  を渡すと指定したファイルをインポート出来ていました。しかしながらこれ
  は決して意図した振る舞いではありませんでした。実装は今ではこのケース
  を明示的にチェックし、 "ImportError" を起こします。

* C API: "PyImport_Import()" と "PyImport_ImportModule()" 関数がデフォ
  ルトで、相対インポートではなく絶対インポートをするようになっています
  。これはほかのモジュールをインポートする C 拡張に影響します。

* C API: ハッシュされるべきではない拡張データ型は、 "tp_hash" スロット
  を "PyObject_HashNotImplemented()" と定義すべきです。

* "socket" モジュールの例外 "socket.error" が "IOError" 派生になってい
  ます。以前は "StandardError" のサブクラスではありませんでしたが今は
  "IOError" を通じてそれのサブクラスです。 (Implemented by Gregory P.
  Smith; bpo-1706815.)

* "xmlrpclib" モジュールが自動的に "datetime.date" と "datetime.time"
  を "xmlrpclib.DateTime" 型に変換することは、もう二度としません; 変換
  のセマンティクスは必ずしも全てのアプリケーションで正しいわけではなか
  ったのです。 "xmlrpclib" を使うコードは自分で "date" と "time" イン
  スタンスを変換すべきです。(bpo-1330538)

* (3.0 警告モード) "Exception" クラスはスライスやインデクスアクセスで
  警告を出します; "Exception" のタプルのような振る舞いはのちに取り除か
  れます。

* (3.0 警告モード) 2 つの辞書や 2 つの比較メソッドを実装しないオブジェ
  クトの不等号比較は警告されます。 "dict1 == dict2" はまだ動作しますが
  、 "dict1 < dict2" はのちに取り除かれます。

  Python のスコープルールの実装の詳細であるセル間の比較も、警告を引き
  起こします。なぜならこれは、3.0 ではそのような比較は完全に禁止されて
  いるからです。


謝辞
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著者は提案の申し出や修正、様々なこの記事の草稿の助けをしてくれた以下の
人々に感謝します:  Georg Brandl, Steve Brown, Nick Coghlan, Ralph
Corderoy, Jim Jewett, Kent Johnson, Chris Lambacher, Martin Michlmayr,
Antoine Pitrou, Brian Warner.
