dis --- Python バイトコードの逆アセンブラ

ソースコード: Lib/dis.py


dis モジュールは CPython バイトコード bytecode を逆アセンブルすることでバイトコードの解析をサポートします。 このモジュールが入力として受け取る CPython バイトコードはファイル Include/opcode.h に定義されており、 コンパイラとインタプリタが使用しています。

CPython implementation detail: バイトコードは CPython インタプリタの実装詳細です。Python のバージョン間でバイトコードの追加や、削除、変更がないという保証はありません。このモジュールを使用することによって Python の異なる VM または異なるリリースの間で動作すると考えるべきではありません。

バージョン 3.6 で変更: 従来は使用されるバイト数は命令ごとに異なりましたが、このモジュールでは各々一つの命令につき2バイト使用することとなっています。

例: 以下の関数 myfunc() を考えると

def myfunc(alist):
    return len(alist)

myfunc() の逆アセンブル結果を表示するために次のコマンドを使うことができます:

>>> dis.dis(myfunc)
  2           0 LOAD_GLOBAL              0 (len)
              2 LOAD_FAST                0 (alist)
              4 CALL_FUNCTION            1
              6 RETURN_VALUE

("2" は行番号です)。

バイトコード解析

バージョン 3.4 で追加.

バイトコード解析の API を使うと、 Python のコード片を Bytecode オブジェクトでラップでき、コンパイルされたコードの細かいところに簡単にアクセスできます。

class dis.Bytecode(x, *, first_line=None, current_offset=None)

関数、ジェネレータ、非同期ジェネレータ、コルーチン、メソッド、ソースコード文字列、(compile() が返すような) コードオブジェクトに対応するバイトコードを解析します。

これは、下で並べられている関数の多くのものをまとめた便利なラッパーです。 とりわけ目立つのは get_instructions() で、 Bytecode インスタンスに対し反復処理をしながら、バイトコード命令を Instruction インスタンスとして返します。

first_lineNone でない場合は、それを逆アセンブルしたコードのソースの最初の行に表示する行番号とします。 そうでない場合は、ソースの行の情報 (もしあれば) を逆アセンブルされたコードオブジェクトから直接取得します。

current_offsetNone でない場合は、逆アセンブルされたコードでのあるインストラクションのオフセット位置を示します。 これを設定すると、 dis() の出力において、指定された命令コード (opcode) に "現在の命令 (instruction)" を表す印が表示されます。

classmethod from_traceback(tb)

与えられたトレースバックから Bytecode インスタンスを構築し、 current_offset がその例外の原因となった命令となるよう設定します。

codeobj

コンパイルされたコードオブジェクト。

first_line

コードオブジェクトのソースの最初の行 (利用可能であれば)

dis()

バイトコード命令の整形された表示を返します (dis.dis() と同じ出力になりますが、複数行文字列として返されます)。

info()

code_info() のようなコードオブジェクトの詳細を含んだ整形された複数行文字列を返します。

バージョン 3.7 で変更: This can now handle coroutine and asynchronous generator objects.

以下はプログラム例です:

>>> bytecode = dis.Bytecode(myfunc)
>>> for instr in bytecode:
...     print(instr.opname)
...
LOAD_GLOBAL
LOAD_FAST
CALL_FUNCTION
RETURN_VALUE

解析関数

dis モジュールには、以下に挙げる入力を直接欲しい出力に変換する解析関数も定義してあります。 1つの命令だけが実行されている場合は、解析オブジェクトをいったん作るよりはこちらの方が便利です:

dis.code_info(x)

渡された関数、ジェネレータ、非同期ジェネレータ、コルーチン、メソッド、ソースコード文字列、コードオブジェクトに対する、詳細なコードオブジェクトの情報を、整形された複数行の文字列として返します。

この結果は実装に強く依存しており、Python VM や Python のバージョンによって異なることがあります。

バージョン 3.2 で追加.

バージョン 3.7 で変更: This can now handle coroutine and asynchronous generator objects.

dis.show_code(x, *, file=None)

渡された関数、メソッド、ソースコード文字列、コードオブジェクトに対する、詳細なコードオブジェクトの情報を、file (または file が指定されていなければ sys.stdout) に表示します。

これは、インタラクティブシェル上で使うことを想定した、print(code_info(x), file=file) の便利なショートカットです。

バージョン 3.2 で追加.

バージョン 3.4 で変更: file 引数が追加されました。

dis.dis(x=None, *, file=None, depth=None)

Disassemble the x object. x can denote either a module, a class, a method, a function, a generator, an asynchronous generator, a coroutine, a code object, a string of source code or a byte sequence of raw bytecode. For a module, it disassembles all functions. For a class, it disassembles all methods (including class and static methods). For a code object or sequence of raw bytecode, it prints one line per bytecode instruction. It also recursively disassembles nested code objects (the code of comprehensions, generator expressions and nested functions, and the code used for building nested classes). Strings are first compiled to code objects with the compile() built-in function before being disassembled. If no object is provided, this function disassembles the last traceback.

file 引数が渡された場合は、アセンブリをそこに書き込みます。 そうでない場合は sys.stdout に出力します。

The maximal depth of recursion is limited by depth unless it is None. depth=0 means no recursion.

バージョン 3.4 で変更: file 引数が追加されました。

バージョン 3.7 で変更: Implemented recursive disassembling and added depth parameter.

バージョン 3.7 で変更: This can now handle coroutine and asynchronous generator objects.

dis.distb(tb=None, *, file=None)

トレースバックのスタックの先頭の関数を逆アセンブルします。Noneが渡された場合は最後のトレースバックを使います。例外を引き起こした命令が表示されます。

file 引数が渡された場合は、アセンブリをそこに書き込みます。 そうでない場合は sys.stdout に出力します。

バージョン 3.4 で変更: file 引数が追加されました。

dis.disassemble(code, lasti=-1, *, file=None)
dis.disco(code, lasti=-1, *, file=None)

コードオブジェクトを逆アセンブルします。lasti が与えられた場合は、最後の命令を示します。出力は次のようなカラムに分割されます:

  1. 各行の最初の命令に対する行番号。

  2. 現在の命令。 --> として示されます。

  3. ラベル付けされた命令。 >> とともに表示されます。

  4. 命令のアドレス。

  5. 命令コード名。

  6. 命令パラメタ。

  7. パラメタの解釈を括弧で囲んだもの。

パラメタの解釈は、ローカル変数とグローバル変数の名前、定数の値、 分岐先、比較命令を認識します。

file 引数が渡された場合は、アセンブリをそこに書き込みます。 そうでない場合は sys.stdout に出力します。

バージョン 3.4 で変更: file 引数が追加されました。

dis.get_instructions(x, *, first_line=None)

渡された関数、メソッド、ソースコード文字列、コードオブジェクトにある命令のイテレータを返します。

イテレータは、与えられたコードの各命令の詳細情報を保持する名前付きタプル Instruction からなる列を生成します。

first_lineNone でない場合は、それを逆アセンブルしたコードのソースの最初の行に表示する行番号とします。 そうでない場合は、ソースの行の情報 (もしあれば) を逆アセンブルされたコードオブジェクトから直接取得します。

バージョン 3.4 で追加.

dis.findlinestarts(code)

This generator function uses the co_firstlineno and co_lnotab attributes of the code object code to find the offsets which are starts of lines in the source code. They are generated as (offset, lineno) pairs. See Objects/lnotab_notes.txt for the co_lnotab format and how to decode it.

バージョン 3.6 で変更: Line numbers can be decreasing. Before, they were always increasing.

dis.findlabels(code)

Detect all offsets in the raw compiled bytecode string code which are jump targets, and return a list of these offsets.

dis.stack_effect(opcode, oparg=None, *, jump=None)

opcode と引数 oparg がスタックに与える影響を計算します。

If the code has a jump target and jump is True, stack_effect() will return the stack effect of jumping. If jump is False, it will return the stack effect of not jumping. And if jump is None (default), it will return the maximal stack effect of both cases.

バージョン 3.4 で追加.

バージョン 3.8 で変更: Added jump parameter.

Python バイトコード命令

get_instructions() 関数と Bytecode クラスはバイトコード命令の詳細を Instruction インスタンスの形で提供します:

class dis.Instruction

バイトコード命令の詳細

opcode

以下の命令コードの値と 命令コードコレクション のバイトコードの値に対応する、命令の数値コードです。

opname

人間が読むための命令名

arg

(ある場合は) 命令の数値引数、無ければ None

argval

(もし分かっていれば) 解決された引数の値、そうでない場合は arg と同じもの

argrepr

人間が読むための命令引数の説明

offset

バイトコード列の中での命令の開始位置

starts_line

(ある場合は) この命令コードが始まる行、無ければ None

is_jump_target

他のコードからここへジャンプする場合は True 、そうでない場合は False

バージョン 3.4 で追加.

現在 Python コンパイラは次のバイトコード命令を生成します。

一般的な命令

NOP

なにもしないコード。バイトコードオプティマイザでプレースホルダとして使われます。

POP_TOP

スタックの先頭 (TOS) の要素を取り除きます。

ROT_TWO

スタックの先頭の 2 つの要素を入れ替えます。

ROT_THREE

スタックの二番目と三番目の要素の位置を 1 つ上げ、先頭を三番目へ下げます。

ROT_FOUR

Lifts second, third and fourth stack items one position up, moves top down to position four.

バージョン 3.8 で追加.

DUP_TOP

スタックの先頭にある参照の複製を作ります。

バージョン 3.2 で追加.

DUP_TOP_TWO

スタックの先頭の2つの参照を、そのままの順番で複製します。

バージョン 3.2 で追加.

1オペランド命令

1オペランド命令はスタックの先頭を取り出して操作を適用し、結果をスタックへプッシュし戻します。

UNARY_POSITIVE

TOS = +TOS を実行します。

UNARY_NEGATIVE

TOS = -TOS を実行します。

UNARY_NOT

TOS = not TOS を実行します。

UNARY_INVERT

TOS = ~TOS を実行します。

GET_ITER

TOS = iter(TOS) を実行します。

GET_YIELD_FROM_ITER

TOSgenerator iterator もしくは coroutine オブジェクトの場合は、そのままにしておきます。 そうでない場合は TOS = iter(TOS) を実行します。

バージョン 3.5 で追加.

2オペランド命令

二項命令はスタックの先頭 (TOS) と先頭から二番目の要素をスタックから取り除きます。 命令を実行し、スタックへ結果をプッシュし戻します。

BINARY_POWER

TOS = TOS1 ** TOS を実行します。

BINARY_MULTIPLY

TOS = TOS1 * TOS を実行します。

BINARY_MATRIX_MULTIPLY

TOS = TOS1 @ TOS を実行します。

バージョン 3.5 で追加.

BINARY_FLOOR_DIVIDE

TOS = TOS1 // TOS を実行します。

BINARY_TRUE_DIVIDE

TOS = TOS1 / TOS を実行します。

BINARY_MODULO

TOS = TOS1 % TOS を実行します。

BINARY_ADD

TOS = TOS1 + TOS を実行します。

BINARY_SUBTRACT

TOS = TOS1 - TOS を実行します。

BINARY_SUBSCR

TOS = TOS1[TOS] を実行します。

BINARY_LSHIFT

TOS = TOS1 << TOS を実行します。

BINARY_RSHIFT

TOS = TOS1 >> TOS を実行します。

BINARY_AND

TOS = TOS1 & TOS を実行します。

BINARY_XOR

TOS = TOS1 ^ TOS を実行します。

BINARY_OR

TOS = TOS1 | TOS を実行します。

インプレース (in-place) 命令

インプレース命令は TOS と TOS1 を取り除いて結果をスタックへプッシュするという点で二項命令と似ています。 しかし、TOS1 がインプレース命令をサポートしている場合には操作が直接 TOS1 に行われます。 また、操作結果の TOS は (常に同じというわけではありませんが) 元の TOS1 と同じオブジェクトになることが多いです。

INPLACE_POWER

インプレースの TOS = TOS1 ** TOS を実行します。

INPLACE_MULTIPLY

インプレースの TOS = TOS1 * TOS を実行します。

INPLACE_MATRIX_MULTIPLY

インプレースの TOS = TOS1 @ TOS を実行します。

バージョン 3.5 で追加.

INPLACE_FLOOR_DIVIDE

インプレースの TOS = TOS1 // TOS を実行します。

INPLACE_TRUE_DIVIDE

インプレースの TOS = TOS1 / TOS を実行します。

INPLACE_MODULO

インプレースの TOS = TOS1 % TOS を実行します。

INPLACE_ADD

インプレースの TOS = TOS1 + TOS を実行します。

INPLACE_SUBTRACT

インプレースの TOS = TOS1 - TOS を実行します。

INPLACE_LSHIFT

インプレースの TOS = TOS1 << TOS を実行します。

INPLACE_RSHIFT

インプレースの TOS = TOS1 >> TOS を実行します。

INPLACE_AND

インプレースの TOS = TOS1 & TOS を実行します。

INPLACE_XOR

インプレースの TOS = TOS1 ^ TOS を実行します。

INPLACE_OR

インプレースの TOS = TOS1 | TOS を実行します。

STORE_SUBSCR

TOS1[TOS] = TOS2 を実行します。

DELETE_SUBSCR

del TOS1[TOS] を実行します。

コルーチン命令コード

GET_AWAITABLE

TOS = get_awaitable(TOS) を実行します。 get_awaitable(o) は、 o がコルーチンオブジェクトもしくは CO_ITERABLE_COROUTINE フラグの付いたジェネレータオブジェクトの場合に o を返し、そうでない場合は o.__await__ を解決します。

バージョン 3.5 で追加.

GET_AITER

Implements TOS = TOS.__aiter__().

バージョン 3.5 で追加.

バージョン 3.7 で変更: Returning awaitable objects from __aiter__ is no longer supported.

GET_ANEXT

PUSH(get_awaitable(TOS.__anext__())) を実行します。 get_awaitable の詳細については GET_AWAITABLE を参照してください。

バージョン 3.5 で追加.

END_ASYNC_FOR

Terminates an async for loop. Handles an exception raised when awaiting a next item. If TOS is StopAsyncIteration pop 7 values from the stack and restore the exception state using the second three of them. Otherwise re-raise the exception using the three values from the stack. An exception handler block is removed from the block stack.

バージョン 3.8 で追加.

BEFORE_ASYNC_WITH

スタックの先頭にあるオブジェクトの __aenter____aexit__ を解決します。 __aexit____aenter__() の結果をスタックに積みます。

バージョン 3.5 で追加.

SETUP_ASYNC_WITH

新たなフレームオブジェクトを作成します。

バージョン 3.5 で追加.

その他の命令コード

PRINT_EXPR

対話モードのための式文を実行します。TOS はスタックから取り除かれ表示されます。 非対話モードにおいては、式文は POP_TOP で終了しています。

SET_ADD(i)

set.add(TOS1[-i], TOS) を呼び出します。集合内包表記の実装に使われます。

LIST_APPEND(i)

Calls list.append(TOS1[-i], TOS). Used to implement list comprehensions.

MAP_ADD(i)

Calls dict.__setitem__(TOS1[-i], TOS1, TOS). Used to implement dict comprehensions.

バージョン 3.1 で追加.

バージョン 3.8 で変更: Map value is TOS and map key is TOS1. Before, those were reversed.

SET_ADD, LIST_APPEND, MAP_ADD は、追加した値または key/value ペアをスタックから取り除きますが、コンテナオブジェクトはループの次のイテレーションで利用できるようにスタックに残しておきます。

RETURN_VALUE

関数の呼び出し元へ TOS を返します。

YIELD_VALUE

TOS をポップし、それを ジェネレータ から yield します。

YIELD_FROM

TOS をポップし、それを generator から取得したサブイテレーターとして delegate します。

バージョン 3.3 で追加.

SETUP_ANNOTATIONS

Checks whether __annotations__ is defined in locals(), if not it is set up to an empty dict. This opcode is only emitted if a class or module body contains variable annotations statically.

バージョン 3.6 で追加.

IMPORT_STAR

'_' で始まっていないすべてのシンボルをモジュール TOS から直接ローカル名前空間へロードします。 モジュールはすべての名前をロードした後にポップされます。 この命令コードは from module import * を実行します。

POP_BLOCK

Removes one block from the block stack. Per frame, there is a stack of blocks, denoting try statements, and such.

POP_EXCEPT

ブロックスタックからブロックを1つ取り除きます。 ポップされたブロックは、例外ハンドラに入ったときに暗黙的に生成された例外ハンドラのブロックでなければなりません。 フレームスタックから本質的でない値をポップするのに加えて、直前にポップした3つの値が例外状態を回復するのに使われます。

POP_FINALLY(preserve_tos)

Cleans up the value stack and the block stack. If preserve_tos is not 0 TOS first is popped from the stack and pushed on the stack after performing other stack operations:

  • If TOS is NULL or an integer (pushed by BEGIN_FINALLY or CALL_FINALLY) it is popped from the stack.

  • If TOS is an exception type (pushed when an exception has been raised) 6 values are popped from the stack, the last three popped values are used to restore the exception state. An exception handler block is removed from the block stack.

It is similar to END_FINALLY, but doesn't change the bytecode counter nor raise an exception. Used for implementing break, continue and return in the finally block.

バージョン 3.8 で追加.

BEGIN_FINALLY

Pushes NULL onto the stack for using it in END_FINALLY, POP_FINALLY, WITH_CLEANUP_START and WITH_CLEANUP_FINISH. Starts the finally block.

バージョン 3.8 で追加.

END_FINALLY

Terminates a finally clause. The interpreter recalls whether the exception has to be re-raised or execution has to be continued depending on the value of TOS.

  • If TOS is NULL (pushed by BEGIN_FINALLY) continue from the next instruction. TOS is popped.

  • If TOS is an integer (pushed by CALL_FINALLY), sets the bytecode counter to TOS. TOS is popped.

  • If TOS is an exception type (pushed when an exception has been raised) 6 values are popped from the stack, the first three popped values are used to re-raise the exception and the last three popped values are used to restore the exception state. An exception handler block is removed from the block stack.

LOAD_BUILD_CLASS

builtins.__build_class__() をスタックにプッシュします。 これはクラスを構築するために、後で CALL_FUNCTION に呼ばれます。

SETUP_WITH(delta)

This opcode performs several operations before a with block starts. First, it loads __exit__() from the context manager and pushes it onto the stack for later use by WITH_CLEANUP_START. Then, __enter__() is called, and a finally block pointing to delta is pushed. Finally, the result of calling the __enter__() method is pushed onto the stack. The next opcode will either ignore it (POP_TOP), or store it in (a) variable(s) (STORE_FAST, STORE_NAME, or UNPACK_SEQUENCE).

バージョン 3.2 で追加.

WITH_CLEANUP_START

Starts cleaning up the stack when a with statement block exits.

At the top of the stack are either NULL (pushed by BEGIN_FINALLY) or 6 values pushed if an exception has been raised in the with block. Below is the context manager's __exit__() or __aexit__() bound method.

If TOS is NULL, calls SECOND(None, None, None), removes the function from the stack, leaving TOS, and pushes None to the stack. Otherwise calls SEVENTH(TOP, SECOND, THIRD), shifts the bottom 3 values of the stack down, replaces the empty spot with NULL and pushes TOS. Finally pushes the result of the call.

WITH_CLEANUP_FINISH

Finishes cleaning up the stack when a with statement block exits.

TOS is result of __exit__() or __aexit__() function call pushed by WITH_CLEANUP_START. SECOND is None or an exception type (pushed when an exception has been raised).

Pops two values from the stack. If SECOND is not None and TOS is true unwinds the EXCEPT_HANDLER block which was created when the exception was caught and pushes NULL to the stack.

All of the following opcodes use their arguments.

STORE_NAME(namei)

name = TOS を実行します。 namei はコードオブジェクトの属性 co_names における name のインデックスです。 コンパイラは可能ならば STORE_FAST または STORE_GLOBAL を使おうとします。

DELETE_NAME(namei)

del name を実行します。 namei はコードオブジェクトの co_names 属性へのインデックスです。

UNPACK_SEQUENCE(count)

TOS を count 個の個別の値にアンパックして、右から左の順にスタックに積みます。

UNPACK_EX(counts)

星付きの対象ありの代入を実行します: TOS にあるイテラブルを個別の値にばらしますが、ばらした値の総数はイテラブルの要素数より小さくなることがあります: そのときは、値の1つはばらされずに残った要素からなるリストです。

counts の下位バイトはそのリスト値より前にある値の個数で、 counts の上位バイトはそれより後ろにある値の個数です。 そうしてできた値は右から左の順でスタックに積まれます。

STORE_ATTR(namei)

TOS.name = TOS1 を実行します。 nameico_names における名前のインデックスです。

DELETE_ATTR(namei)

del TOS.name を実行します。 co_names へのインデックスとして namei を使います。

STORE_GLOBAL(namei)

STORE_NAME と同じように動作しますが、 name をグローバルとして保存します。

DELETE_GLOBAL(namei)

DELETE_NAME と同じように動作しますが、グローバルの name を削除します。

LOAD_CONST(consti)

co_consts[consti] をスタックにプッシュします。

LOAD_NAME(namei)

co_names[namei] に関連付けられた値をスタックにプッシュします。

BUILD_TUPLE(count)

スタックから count 個の要素を消費してタプルを作り出し、できたタプルをスタックにプッシュします。

BUILD_LIST(count)

BUILD_TUPLE と同じように動作しますが、この命令はリストを作り出します。

BUILD_SET(count)

BUILD_TUPLE と同じように動作しますが、この命令は set を作り出します。

BUILD_MAP(count)

Pushes a new dictionary object onto the stack. Pops 2 * count items so that the dictionary holds count entries: {..., TOS3: TOS2, TOS1: TOS}.

バージョン 3.5 で変更: The dictionary is created from stack items instead of creating an empty dictionary pre-sized to hold count items.

BUILD_CONST_KEY_MAP(count)

The version of BUILD_MAP specialized for constant keys. Pops the top element on the stack which contains a tuple of keys, then starting from TOS1, pops count values to form values in the built dictionary.

バージョン 3.6 で追加.

BUILD_STRING(count)

Concatenates count strings from the stack and pushes the resulting string onto the stack.

バージョン 3.6 で追加.

BUILD_TUPLE_UNPACK(count)

Pops count iterables from the stack, joins them in a single tuple, and pushes the result. Implements iterable unpacking in tuple displays (*x, *y, *z).

バージョン 3.5 で追加.

BUILD_TUPLE_UNPACK_WITH_CALL(count)

This is similar to BUILD_TUPLE_UNPACK, but is used for f(*x, *y, *z) call syntax. The stack item at position count + 1 should be the corresponding callable f.

バージョン 3.6 で追加.

BUILD_LIST_UNPACK(count)

This is similar to BUILD_TUPLE_UNPACK, but pushes a list instead of tuple. Implements iterable unpacking in list displays [*x, *y, *z].

バージョン 3.5 で追加.

BUILD_SET_UNPACK(count)

This is similar to BUILD_TUPLE_UNPACK, but pushes a set instead of tuple. Implements iterable unpacking in set displays {*x, *y, *z}.

バージョン 3.5 で追加.

BUILD_MAP_UNPACK(count)

Pops count mappings from the stack, merges them into a single dictionary, and pushes the result. Implements dictionary unpacking in dictionary displays {**x, **y, **z}.

バージョン 3.5 で追加.

BUILD_MAP_UNPACK_WITH_CALL(count)

This is similar to BUILD_MAP_UNPACK, but is used for f(**x, **y, **z) call syntax. The stack item at position count + 2 should be the corresponding callable f.

バージョン 3.5 で追加.

バージョン 3.6 で変更: The position of the callable is determined by adding 2 to the opcode argument instead of encoding it in the second byte of the argument.

LOAD_ATTR(namei)

TOS を getattr(TOS, co_names[namei]) と入れ替えます。

COMPARE_OP(opname)

ブール命令を実行します。命令名は cmp_op[opname] にあります。

IMPORT_NAME(namei)

モジュール co_names[namei] をインポートします。 TOS と TOS1 がポップされ、 __import__()fromlistlevel 引数になります。モジュールオブジェクトはスタックへプッシュされます。現在の名前空間は影響されません: 適切な import 文のためには、後続の STORE_FAST 命令が名前空間を変更します。

IMPORT_FROM(namei)

TOS にあるモジュールから属性 co_names[namei] をロードします。作成されたオブジェクトはスタックにプッシュされ、後続の STORE_FAST 命令によって保存されます。

JUMP_FORWARD(delta)

バイトコードカウンタを delta だけ増加させます。

POP_JUMP_IF_TRUE(target)

TOS が真ならば、バイトコードカウンタを target に設定します。 TOS はポップされます。

バージョン 3.1 で追加.

POP_JUMP_IF_FALSE(target)

TOS が偽ならば、バイトコードカウンタを target に設定します。 TOS はポップされます。

バージョン 3.1 で追加.

JUMP_IF_TRUE_OR_POP(target)

TOS が真ならば、バイトコードカウンタを target に設定し、TOS は スタックに残されます。そうでない (TOS が偽) なら、TOS はポップされます。

バージョン 3.1 で追加.

JUMP_IF_FALSE_OR_POP(target)

TOS が偽ならば、バイトコードカウンタを target に設定し、TOS は スタックに残されます。そうでない (TOS が真) なら、TOS はポップされます。

バージョン 3.1 で追加.

JUMP_ABSOLUTE(target)

バイトコードカウンタを target に設定します。

FOR_ITER(delta)

TOS はイテレータです。 その __next__() メソッドを呼び出します。 新しい値が yield された場合は、それをスタックにプッシュします (イテレータはその下に残されます)。 イテレータの呼び出しで要素が尽きたことが示された場合は、 TOS がポップされ、バイトコードカウンタが delta だけ増やされます。

LOAD_GLOBAL(namei)

co_names[namei] という名前のグローバルをスタック上にロードします。

SETUP_FINALLY(delta)

Pushes a try block from a try-finally or try-except clause onto the block stack. delta points to the finally block or the first except block.

CALL_FINALLY(delta)

Pushes the address of the next instruction onto the stack and increments bytecode counter by delta. Used for calling the finally block as a "subroutine".

バージョン 3.8 で追加.

LOAD_FAST(var_num)

ローカルな co_varnames[var_num] への参照をスタックにプッシュします。

STORE_FAST(var_num)

TOS をローカルな co_varnames[var_num] の中に保存します。

DELETE_FAST(var_num)

ローカルな co_varnames[var_num] を削除します。

LOAD_CLOSURE(i)

セルと自由変数の記憶領域のスロット i に含まれるセルへの参照をプッシュします。 ico_cellvars の長さより小さければ、変数の名前は co_cellvars[i] です。 そうでなければ co_freevars[i - len(co_cellvars)] です。

LOAD_DEREF(i)

セルと自由変数の記憶領域のスロット i に含まれるセルをロードします。 セルが持つオブジェクトへの参照をスタックにプッシュします。

LOAD_CLASSDEREF(i)

LOAD_DEREF とほぼ同じですが、セルを調べる前にまずローカルの辞書を確認します。 これはクラス本体に自由変数を読み込むために使います。

バージョン 3.4 で追加.

STORE_DEREF(i)

セルと自由変数の記憶領域のスロット i に含まれるセルへTOSを保存します。

DELETE_DEREF(i)

セルと自由変数の記憶領域のスロット i にあるセルを空にします。 del 文で使われます。

バージョン 3.2 で追加.

RAISE_VARARGS(argc)

Raises an exception using one of the 3 forms of the raise statement, depending on the value of argc:

  • 0: raise (re-raise previous exception)

  • 1: raise TOS (raise exception instance or type at TOS)

  • 2: raise TOS1 from TOS (raise exception instance or type at TOS1 with __cause__ set to TOS)

CALL_FUNCTION(argc)

Calls a callable object with positional arguments. argc indicates the number of positional arguments. The top of the stack contains positional arguments, with the right-most argument on top. Below the arguments is a callable object to call. CALL_FUNCTION pops all arguments and the callable object off the stack, calls the callable object with those arguments, and pushes the return value returned by the callable object.

バージョン 3.6 で変更: This opcode is used only for calls with positional arguments.

CALL_FUNCTION_KW(argc)

Calls a callable object with positional (if any) and keyword arguments. argc indicates the total number of positional and keyword arguments. The top element on the stack contains a tuple of keyword argument names. Below that are keyword arguments in the order corresponding to the tuple. Below that are positional arguments, with the right-most parameter on top. Below the arguments is a callable object to call. CALL_FUNCTION_KW pops all arguments and the callable object off the stack, calls the callable object with those arguments, and pushes the return value returned by the callable object.

バージョン 3.6 で変更: Keyword arguments are packed in a tuple instead of a dictionary, argc indicates the total number of arguments.

CALL_FUNCTION_EX(flags)

Calls a callable object with variable set of positional and keyword arguments. If the lowest bit of flags is set, the top of the stack contains a mapping object containing additional keyword arguments. Below that is an iterable object containing positional arguments and a callable object to call. BUILD_MAP_UNPACK_WITH_CALL and BUILD_TUPLE_UNPACK_WITH_CALL can be used for merging multiple mapping objects and iterables containing arguments. Before the callable is called, the mapping object and iterable object are each "unpacked" and their contents passed in as keyword and positional arguments respectively. CALL_FUNCTION_EX pops all arguments and the callable object off the stack, calls the callable object with those arguments, and pushes the return value returned by the callable object.

バージョン 3.6 で追加.

LOAD_METHOD(namei)

Loads a method named co_names[namei] from the TOS object. TOS is popped. This bytecode distinguishes two cases: if TOS has a method with the correct name, the bytecode pushes the unbound method and TOS. TOS will be used as the first argument (self) by CALL_METHOD when calling the unbound method. Otherwise, NULL and the object return by the attribute lookup are pushed.

バージョン 3.7 で追加.

CALL_METHOD(argc)

Calls a method. argc is the number of positional arguments. Keyword arguments are not supported. This opcode is designed to be used with LOAD_METHOD. Positional arguments are on top of the stack. Below them, the two items described in LOAD_METHOD are on the stack (either self and an unbound method object or NULL and an arbitrary callable). All of them are popped and the return value is pushed.

バージョン 3.7 で追加.

MAKE_FUNCTION(flags)

Pushes a new function object on the stack. From bottom to top, the consumed stack must consist of values if the argument carries a specified flag value

  • 0x01 a tuple of default values for positional-only and positional-or-keyword parameters in positional order

  • 0x02 a dictionary of keyword-only parameters' default values

  • 0x04 an annotation dictionary

  • 0x08 a tuple containing cells for free variables, making a closure

  • 関数に関連付けられたコード (TOS1の位置)

  • 関数の qualified name (TOSの位置)

BUILD_SLICE(argc)

スライスオブジェクトをスタックにプッシュします。 argc は2あるいは3でなければなりません。 2 ならば slice(TOS1, TOS) がプッシュされます。 3 ならば slice(TOS2, TOS1, TOS) がプッシュされます。 これ以上の情報については、 slice() 組み込み関数を参照してください。

EXTENDED_ARG(ext)

Prefixes any opcode which has an argument too big to fit into the default one byte. ext holds an additional byte which act as higher bits in the argument. For each opcode, at most three prefixal EXTENDED_ARG are allowed, forming an argument from two-byte to four-byte.

FORMAT_VALUE(flags)

Used for implementing formatted literal strings (f-strings). Pops an optional fmt_spec from the stack, then a required value. flags is interpreted as follows:

  • (flags & 0x03) == 0x00: value is formatted as-is.

  • (flags & 0x03) == 0x01: call str() on value before formatting it.

  • (flags & 0x03) == 0x02: call repr() on value before formatting it.

  • (flags & 0x03) == 0x03: call ascii() on value before formatting it.

  • (flags & 0x04) == 0x04: pop fmt_spec from the stack and use it, else use an empty fmt_spec.

Formatting is performed using PyObject_Format(). The result is pushed on the stack.

バージョン 3.6 で追加.

HAVE_ARGUMENT

This is not really an opcode. It identifies the dividing line between opcodes which don't use their argument and those that do (< HAVE_ARGUMENT and >= HAVE_ARGUMENT, respectively).

バージョン 3.6 で変更: Now every instruction has an argument, but opcodes < HAVE_ARGUMENT ignore it. Before, only opcodes >= HAVE_ARGUMENT had an argument.

命令コードコレクション

これらのコレクションは、自動でバイトコード命令を解析するために提供されています:

dis.opname

命令コード名のリスト。 バイトコードをインデックスに使って参照できます。

dis.opmap

命令コード名をバイトコードに対応づける辞書。

dis.cmp_op

すべての比較命令の名前のリスト。

dis.hasconst

定数にアクセスするバイトコードのリスト。

dis.hasfree

自由変数にアクセスするバイトコードのリスト (この文脈での '自由' とは、現在のスコープにある名前で内側のスコープから参照されているもの、もしくは外側のスコープにある名前で現在のスコープから参照しているものを指します。グローバルスコープや組み込みのスコープへの参照は含み ません)。

dis.hasname

名前によって属性にアクセスするバイトコードのリスト。

dis.hasjrel

相対ジャンプ先を持つバイトコードのリスト。

dis.hasjabs

絶対ジャンプ先を持つバイトコードのリスト。

dis.haslocal

ローカル変数にアクセスするバイトコードのリスト。

dis.hascompare

ブール命令のバイトコードのリスト。