uuid --- RFC 4122 に基づくUUID オブジェクト

ソースコード: Lib/uuid.py


このモジュールでは immutable (変更不能) な UUID オブジェクト (UUID クラス) と RFC 4122 の定めるバージョン 1、3、4、5 の UUID を生成するための uuid1(), uuid3(), uuid4(), uuid5(), が提供されています。

もしユニークな ID が必要なだけであれば、おそらく uuid1()uuid4() を呼び出せば良いでしょう。 uuid1() はコンピュータのネットワークアドレスを含む UUID を生成するためにプライバシーを侵害するかもしれない点に注意してください。 uuid4() はランダムな UUID を生成します。

使用しているプラットフォームによっては、uuid1() 関数は安全でないUUID を返す可能性があります。ここでいう「安全な」UUID とは、同期的に生成され、異なるプロセスに同じUUID が与えられることがないものを言います。UUID のすべてのインスタンスは:attr:is_safe 属性を持ち、次の項目を満たすかどうかを示します:

class uuid.SafeUUID

バージョン 3.7 で追加.

safe

UUID は並列処理に対して安全なプラットフォームで生成された

unsafe

UUID は並列処理に対して安全なプラットフォームで生成されなかった

unknown

プラットフォームは、UUID が安全に生成されたかどうかの情報を提供しなかった

class uuid.UUID(hex=None, bytes=None, bytes_le=None, fields=None, int=None, version=None, *, is_safe=SafeUUID.unknown)

32 桁の 16 進数文字列、bytes に 16 バイトのビッグエンディアンの文字列、bytes_le 引数に 16 バイトのリトルエンディアンの文字列、fields 引数に 6 つの整数のタプル(32ビット time_low, 16 ビット time_mid, 16ビット time_hi_version, 8ビット clock_seq_hi_variant, 8ビット clock_seq_low, 48ビット node )、または int に一つの 128 ビット整数のいずれかから UUID を生成します。16 進数が与えられた時、波括弧、ハイフン、それと URN 接頭辞は無視されます。例えば、これらの表現は全て同じ UUID を払い出します:

UUID('{12345678-1234-5678-1234-567812345678}')
UUID('12345678123456781234567812345678')
UUID('urn:uuid:12345678-1234-5678-1234-567812345678')
UUID(bytes=b'\x12\x34\x56\x78'*4)
UUID(bytes_le=b'\x78\x56\x34\x12\x34\x12\x78\x56' +
              b'\x12\x34\x56\x78\x12\x34\x56\x78')
UUID(fields=(0x12345678, 0x1234, 0x5678, 0x12, 0x34, 0x567812345678))
UUID(int=0x12345678123456781234567812345678)

hex, bytes, bytes_le, fields, または int のうち、どれかただ一つだけが与えられなければいけません。version 引数はオプションです; 与えられた場合、結果の UUID は与えられた hex, bytes, bytes_le, fields, または int をオーバーライドして、RFC 4122 に準拠した variant と version ナンバーのセットを持つことになります。bytes_le, fields, or int.

2つのUUIDオブジェクトの比較は、UUID.int 属性の比較によって行われます。UUIDではないオブジェクトとの比較は、 TypeError を送出します。

str(uuid) は 32桁の16進でUUIDを表す``12345678-1234-5678-1234-567812345678`` 形式の文字列を返します。

UUID インスタンスは以下の読み出し専用属性を持ちます:

UUID.bytes

16 バイト文字列(バイトオーダーがビッグエンディアンの 6 つの整数フィールドを持つ)のUUID。

UUID.bytes_le

16 バイト文字列( time_low, time_mid, time_hi_version をリトルエンディアンで持つ)の UUID。

UUID.fields

UUID の 6 つの整数フィールドを持つタプルで、これは 6 つの個別の属性と 2 つの派生した属性としても取得可能です:

フィールド

意味

time_low

UUID の最初の 32 ビット

time_mid

UUID の次の 16 ビット

time_hi_version

UUID の次の 16 ビット

clock_seq_hi_variant

UUID の次の 8 ビット

clock_seq_low

UUID の次の 8 ビット

node

UUID の最後の 48 ビット

time

60 ビットのタイムスタンプ

clock_seq

14 ビットのシーケンス番号

UUID.hex

32 文字の 16 進数文字列での UUID。

UUID.int

128 ビット整数での UUID。

UUID.urn

RFC 4122 で規定される URN での UUID。

UUID.variant

UUID の内部レイアウトを決定する UUID の variant。これは定数 RESERVED_NCS, RFC_4122, RESERVED_MICROSOFT, RESERVED_FUTURE のいずれかです。

UUID.version

UUID の version 番号(1 から 5、variant が RFC_4122 である場合だけ意味があります)。

UUID.is_safe

SafeUUID の列挙で、UUID は並列処理に対して安全なプラットフォームで生成されたかを示す。

バージョン 3.7 で追加.

The uuid モジュールには以下の関数があります:

uuid.getnode()

48 ビットの正の整数としてハードウェアアドレスを取得します。最初にこれを起動すると、別個のプログラムが立ち上がって非常に遅くなることがあります。もしハードウェアを取得する試みが全て失敗すると、ランダムな 48 ビットを、RFC 4122 で推奨されているように、マルチキャストビット (最初のオクテットの最下位ビット) を 1 に設定して使います。"ハードウェアアドレス" とはネットワークインターフェースの MAC アドレスを指します。複数のネットワークインターフェースを持つマシンの場合、全域管理されたMACアドレス (最初のオクテットの下位より2番目のビットが 設定されていない MACアドレス) が、他の個別管理アドレスよりも優先的に使用されます。この優先順序は保証されません。

バージョン 3.7 で変更: 全域管理されたMACアドレスは、グローバルに固有であると保証されるため、固有である保証のない個別管理アドレスよりも好ましいです。

uuid.uuid1(node=None, clock_seq=None)

UUID をホスト ID、シーケンス番号、現在時刻から生成します。 node が与えられなければ、 getnode() がハードウェアアドレス取得のために使われます。 clock_seq が与えられると、これはシーケンス番号として使われます; さもなくば 14 ビットのランダムなシーケンス番号が選ばれます。

uuid.uuid3(namespace, name)

UUID を名前空間識別子 (UUID) と名前 (文字列) の MD5 ハッシュから生成します。

uuid.uuid4()

ランダムな UUID を生成します。

uuid.uuid5(namespace, name)

名前空間識別子(これは UUID です)と名前(文字列です)の SHA-1 ハッシュからUUIDを生成します。

uuid モジュールは uuid3() または uuid5() で利用するために次の名前空間識別子を定義しています。

uuid.NAMESPACE_DNS

この名前空間が指定された場合、name 文字列は完全修飾ドメイン名です。

uuid.NAMESPACE_URL

この名前空間が指定された場合、name 文字列は URL です。

uuid.NAMESPACE_OID

この名前空間が指定された場合、name 文字列は ISO OID です。

uuid.NAMESPACE_X500

この名前空間が指定された場合、name 文字列は X.500 DN の DER またはテキスト出力形式です。

The uuid モジュールは以下の定数を variant 属性が取りうる値として定義しています:

uuid.RESERVED_NCS

NCS 互換性のために予約されています。

uuid.RFC_4122

RFC 4122 で与えられた UUID レイアウトを指定します。

uuid.RESERVED_MICROSOFT

Microsoft の互換性のために予約されています。

uuid.RESERVED_FUTURE

将来のために予約されています。

参考

RFC 4122 - Universally Unique IDentifier (UUID) の URN 名前空間

この仕様は UUID のための Uniform Resource Name 名前空間、UUID の内部フォーマットと UUID の生成方法を定義しています。

使用例

典型的な uuid モジュールの利用方法を示します:

>>> import uuid

>>> # make a UUID based on the host ID and current time
>>> uuid.uuid1()
UUID('a8098c1a-f86e-11da-bd1a-00112444be1e')

>>> # make a UUID using an MD5 hash of a namespace UUID and a name
>>> uuid.uuid3(uuid.NAMESPACE_DNS, 'python.org')
UUID('6fa459ea-ee8a-3ca4-894e-db77e160355e')

>>> # make a random UUID
>>> uuid.uuid4()
UUID('16fd2706-8baf-433b-82eb-8c7fada847da')

>>> # make a UUID using a SHA-1 hash of a namespace UUID and a name
>>> uuid.uuid5(uuid.NAMESPACE_DNS, 'python.org')
UUID('886313e1-3b8a-5372-9b90-0c9aee199e5d')

>>> # make a UUID from a string of hex digits (braces and hyphens ignored)
>>> x = uuid.UUID('{00010203-0405-0607-0809-0a0b0c0d0e0f}')

>>> # convert a UUID to a string of hex digits in standard form
>>> str(x)
'00010203-0405-0607-0809-0a0b0c0d0e0f'

>>> # get the raw 16 bytes of the UUID
>>> x.bytes
b'\x00\x01\x02\x03\x04\x05\x06\x07\x08\t\n\x0b\x0c\r\x0e\x0f'

>>> # make a UUID from a 16-byte string
>>> uuid.UUID(bytes=x.bytes)
UUID('00010203-0405-0607-0809-0a0b0c0d0e0f')