4. C および C++ 拡張のビルド

CPython の C 拡張は 初期化関数 をエクスポートした共有ライブラリ (例、 Linux の .so ファイルや Windows の .pyd ファイル) です。

インポートできるように、共有ライブラリは使える状態で PYTHONPATH 上になければならず、ファイル名をモジュール名に揃え、適切な拡張子になっていなければいけません。 setuptools を使っているときは、自動的に正しいファイル名が生成されます。

初期化関数のシグネチャは次のとおりです:

PyObject *PyInit_modulename(void)

この関数は完全に初期化されたモジュールか、 PyModuleDef インスタンスを返します。 詳しいことは Cモジュールの初期化 を参照してください。

名前にASCIIしか使っていないモジュールの場合、関数名は PyInit_<modulename><modulename> をモジュール名で置き換えたものでなければなりません。 多段階初期化 を使っているときは、モジュール名にASCII以外の文字も使えます。 この場合、初期化関数の名前は PyInitU_<modulename> で、 <modulename> はハイフンをアンダースコアで置き換えて Python の punycode エンコーディングでエンコードしたものになります。 Python で書くと次のような処理になります:

def initfunc_name(name):
    try:
        suffix = b'_' + name.encode('ascii')
    except UnicodeEncodeError:
        suffix = b'U_' + name.encode('punycode').replace(b'-', b'_')
    return b'PyInit' + suffix

1つの共有ライブラリに複数の初期化関数を定義することで、複数のモジュールをエクスポートすることは可能です。 しかし、デフォルトではファイル名に対応した関数しか見付けようとしないので、複数のモジュールをインポートさせるにはシンボリックリンクか独自のインポーターを使う必要があります。 詳しいことは PEP 489"Multiple modules in one library" 節を参照してください。

4.1. setuptools による C および C++ 拡張のビルド

Python 3.12 以降には、 distutils は含まれていません。 setuptools で C/C++ 拡張をビルドする方法について更に学ぶには、 https://setuptools.readthedocs.io/en/latest/setuptools.html にある setuptools のドキュメントを参照してください。