netrc --- netrc file processing

ソースコード: Lib/netrc.py


netrc クラスは、Unix ftp プログラムや他の FTP クライアントで用いられる netrc ファイル形式を解析し、カプセル化 (encapsulate) します。

class netrc.netrc([file])

netrc のインスタンスやサブクラスのインスタンスは netrc ファイルのデータをカプセル化します。 初期化の際の引数が存在する場合、解析対象となるファイルの指定になります。 引数がない場合、 (os.path.expanduser() で特定される) ユーザのホームディレクトリ下にある .netrc が読み出されます。ファイルが見付からなかった場合は FileNotFoundError 例外が送出されます。 解析エラーが発生した場合、ファイル名、行番号、解析を中断したトークンに関する情報の入った NetrcParseError を送出します。 POSIX システムにおいて引数を指定しない場合、ファイルのオーナシップやパーミッションが安全でない (プロセスを実行しているユーザ以外が所有者であるか、誰にでも読み書き出来てしまう) のに .netrc ファイル内にパスワードが含まれていると、 NetrcParseError を送出します。 このセキュリティ的な振る舞いは、 ftp などの .netrc を使うプログラムと同じものです。

バージョン 3.4 で変更: POSIX パーミッションのチェックが追加されました。

バージョン 3.7 で変更: 引数で file が渡されなかったときは、 .netrc ファイルの場所を探すのに os.path.expanduser() が使われるようになりました。

バージョン 3.10 で変更: netrc は、ロケール固有のエンコーディングを使用する前に、 UTF-8 でのエンコーディングを試みます。 netrc ファイルのエントリがすべてのトークンを含む必要はなくなりました。欠落したトークンのデフォルト値は空文字列です。すべてのトークンとその値は空白や非 ASCII 文字のような任意の文字を使用できるようになりました。ログイン名が匿名の場合、セキュリティチェックはトリガーしません。

exception netrc.NetrcParseError

ソーステキストに構文上のエラーがある場合に、 netrc クラスで発生する例外。この例外のインスタンスは3つの興味深い属性を提供します:

msg

エラーのテキストによる説明。

filename

ソースファイルの名前。

lineno

エラーが見つかった行番号。

netrc オブジェクト

netrc インスタンスは以下のメソッドを持っています:

netrc.authenticators(host)

host の認証情報として、三要素のタプル (login, account, password) を返します。与えられた host に対するエントリが netrc ファイルにない場合、'default' エントリに関連付けられたタプルが返されます。host に対応するエントリがなく、default エントリもない場合、None を返します。

netrc.__repr__()

クラスの持っているデータを netrc ファイルの書式に従った文字列で出力します。(コメントは無視され、エントリが並べ替えられる可能性があります。)

netrc のインスタンスは以下の public なインスタンス変数を持っています:

netrc.hosts

ホスト名を (login, account, password) からなるタプルに対応づけている辞書です。'default' エントリがある場合、その名前の擬似ホスト名として表現されます。

netrc.macros

マクロ名を文字列のリストに対応付けている辞書です。