ensurepip --- pip インストーラのブートストラップ

バージョン 3.4 で追加.

Source code: Lib/ensurepip


ensurepip パッケージは pip インストーラを既にインストールされている Python 環境や仮想環境にブートストラップする助けになります。このブートストラップのアプローチは pip が独立したリリースサイクルを持ち、最新の利用可能な安定版が CPython リファレンスインタープリタのメンテナンスリリースや feature リリースにバンドルされていることを反映しています。

ほとんどの場合、Python のエンドユーザーがこのモジュールを直接呼び出す必要はないでしょう(pip はデフォルトでブートストラップされるからです)。しかし、もし Python のインストール時に pip のインストールをスキップしたり、仮想環境を構築したり、明示的に pip をアンインストールした場合、直接呼び出す必要があるかもしれません。

注釈

このモジュールはインターネットに アクセスしませんpip のブートストラップに必要な全てはこのパッケージの一部として含まれています。

参考

Python モジュールのインストール

エンドユーザーが Python パッケージをインストールする際のガイドです。

PEP 453: Python インストールの際の明示的なpipのブートストラッピング

このモジュールのもともとの論拠と仕様。

利用可能性: Emscripten でなく、WASI でもないこと。

このモジュールは WebAssembly プラットフォーム wasm32-emscriptenwasm32-wasi では動作しないか、利用不可です。詳しくは、WebAssemblyプラットフォーム を見てください。

コマンドラインインターフェイス

コマンドラインインターフェースを起動するには -m スイッチをつけてインタープリターを使用します。

最も簡単な起動方法は:

python -m ensurepip

この起動方法は pip をインストールします。既にインストールされていた場合は何もしません。インストールされた pip のバージョンを ensurepip で利用できるもののうち、できるだけ新しいものにするためには、--upgrade オプションを追加して:

python -m ensurepip --upgrade

デフォルトでは、pip は現在の仮想環境(もしアクティブなら)か、システムのサイトパッケージ(もしアクティブな仮想環境がなければ)にインストールされます。インストール先は2つの追加コマンドラインオプションで制御できます:

  • --root dir: Installs pip relative to the given root directory rather than the root of the currently active virtual environment (if any) or the default root for the current Python installation.

  • --user: は、現在インストールされている Python にグローバルにインストールされる代わりに、ユーザーの site packages ディレクトリに pip をインストールします(このオプションはアクティブな仮想環境のもとでは許可されません)。

デフォルトでは pipXpipX.Y がインストールされます(X.Yは ensurepip を起動したPythonのバージョン)。インストールされるスクリプトは2つの追加コマンドラインオプションで制御できます:

  • --altinstall: alternate インストール。X.Y でバージョン付けされたものだけがインストールされます。

  • --default-pip: "default pip" のインストールが要求されると、通常の二つのスクリプトに加えて pip スクリプトがインストールされます。

2つのスクリプト選択オプションを指定すると例外が発生します。

モジュール API

ensurepip はプログラムから利用出来る 2 つの関数を公開しています:

ensurepip.version()

環境にブートストラップする際にインストールされることになる利用可能な pip のバージョンを示す文字列を返します。

ensurepip.bootstrap(root=None, upgrade=False, user=False, altinstall=False, default_pip=False, verbosity=0)

現在の環境あるいは指示された環境へ pip をブートストラップします。

root で、インストールの root ディレクトリを変更します。 rootNone の場合は、インストールは現在の環境でのデフォルトの場所を使います。

upgrade で、 pip の利用可能なバージョンとして、インストール済みの以前のバージョンをアップグレードするかどうかを指定します。

user で、グローバルなインストールではなく user スキームを使うかどうかを指定します。

デフォルトではスクリプト pipXpipX.Y はインストールされます(X.YはPythonの現在のバージョンです)。

altinstall が設定されていた場合は pipX はインストール されません

default_pip がセットされていれば、 pip スクリプトが2つの標準スクリプトと共にインストールされます。

altinstalldefault_pip の両方を指定すると、 ValueError を起こします。

verbosity でブートストラップ操作からの sys.stdout への出力の冗長レベルをコントロールします。

引数 root 付きで 監査イベント ensurepip.bootstrap を送出します。

注釈

ブートストラップ処理は sys.path, os.environ の両方に対して副作用を持ちます。代わりに、サブプロセスとしてコマンドラインインターフェイスを使うことで、これら副作用を避けることが出来ます。

注釈

ブートストラップ処理は pip によって必要とされるモジュールを追加インストールするかもしれませんが、ほかのソフトウェアはそれら依存物がいつもデフォルトで存在していることを仮定すべきではありません(将来のバージョンの pip ではその依存はなくなるかもしれませんので)。