gc
--- ガベージコレクタインターフェース¶
このモジュールは、循環ガベージコレクタの無効化・検出頻度の調整・デバッグオブションの設定などを行うインターフェースを提供します。また、検出した到達不能オブジェクトのうち、解放する事ができないオブジェクトを参照する事もできます。循環ガベージコレクタはPythonの参照カウントを補うためのものなので、もしプログラム中で循環参照が発生しない事が明らかな場合には検出をする必要はありません。自動検出は、 gc.disable()
で停止する事ができます。メモリリークをデバッグするときには、 gc.set_debug(gc.DEBUG_LEAK)
とします。これは gc.DEBUG_SAVEALL
を含んでいることに注意しましょう。ガベージとして検出されたオブジェクトは、インスペクション用に gc.garbage に保存されます。
gc
モジュールは、以下の関数を提供しています:
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gc.
enable
()¶ 自動ガベージコレクションを有効にします。
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gc.
disable
()¶ 自動ガベージコレクションを無効にします。
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gc.
isenabled
()¶ 自動ガベージコレクションが有効なら
True
を返します。
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gc.
collect
(generation=2)¶ 引数を指定しない場合は、全ての検出を行います。オプション引数 generation は、どの世代を検出するかを (0 から 2 までの) 整数値で指定します。無効な世代番号を指定した場合は
ValueError
が発生します。検出した到達不可オブジェクトの数を返します。ビルトイン型が持っている free list は、フルGCか最高世代(2)のGCの時にクリアされます。
float
など、実装によって幾つかの free list では全ての要素が解放されるわけではありません。
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gc.
set_debug
(flags)¶ ガベージコレクションのデバッグフラグを設定します。デバッグ情報は
sys.stderr
に出力されます。デバッグフラグは、下の値の組み合わせを指定する事ができます。
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gc.
get_debug
()¶ 現在のデバッグフラグを返します。
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gc.
get_objects
(generation=None)¶ Returns a list of all objects tracked by the collector, excluding the list returned. If generation is not None, return only the objects tracked by the collector that are in that generation.
バージョン 3.8 で変更: 新しい generation パラメータ。
引数
generation
で 監査イベントgc.get_objects
を送出します。
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gc.
get_stats
()¶ インタプリタが開始してからの、世代ごと回収統計を持つ辞書の、3 世代ぶんのリストを返します。キーの数は将来変わるかもしれませんが、現在のところそれぞれの辞書には以下の項目が含まれています:
collections
は、この世代が検出を行った回数です;collected
は、この世代内で回収されたオブジェクトの総数です;uncollectable
は、この世代内で回収不能であることがわかった (そしてそれゆえにgarbage
リストに移動した) オブジェクトの総数です。
バージョン 3.4 で追加.
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gc.
set_threshold
(threshold0[, threshold1[, threshold2]])¶ ガベージコレクションの閾値(検出頻度)を指定します。 threshold0 を 0 にすると、検出は行われません。
The GC classifies objects into three generations depending on how many collection sweeps they have survived. New objects are placed in the youngest generation (generation
0
). If an object survives a collection it is moved into the next older generation. Since generation2
is the oldest generation, objects in that generation remain there after a collection. In order to decide when to run, the collector keeps track of the number object allocations and deallocations since the last collection. When the number of allocations minus the number of deallocations exceeds threshold0, collection starts. Initially only generation0
is examined. If generation0
has been examined more than threshold1 times since generation1
has been examined, then generation1
is examined as well. With the third generation, things are a bit more complicated, see Collecting the oldest generation for more information.
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gc.
get_count
()¶ 現在の検出数を、
(count0, count1, count2)
のタプルで返します。
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gc.
get_threshold
()¶ 現在の検出閾値を、
(threshold0, threshold1, threshold2)
のタプルで返します。
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gc.
get_referrers
(*objs)¶ objsで指定したオブジェクトのいずれかを参照しているオブジェクトのリストを返します。この関数では、ガベージコレクションをサポートしているコンテナのみを返します。他のオブジェクトを参照していても、ガベージコレクションをサポートしていない拡張型は含まれません。
尚、戻り値のリストには、すでに参照されなくなっているが、循環参照の一部でまだガベージコレクションで回収されていないオブジェクトも含まれるので注意が必要です。有効なオブジェクトのみを取得する場合、
get_referrers()
の前にcollect()
を呼び出してください。警告
get_referrers()
から返されるオブジェクトは作りかけや利用できない状態である場合があるので、利用する際には注意が必要です。get_referrers()
をデバッグ以外の目的で利用するのは避けてください。引数
objs
を指定して 監査イベントgc.get_referrers
を送出します。
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gc.
get_referents
(*objs)¶ 引数で指定したオブジェクトのいずれかから参照されている、全てのオブジェクトのリストを返します。参照先のオブジェクトは、引数で指定したオブジェクトの Cレベルメソッド
tp_traverse
で取得し、全てのオブジェクトが直接到達可能な全てのオブジェクトを返すわけではありません。tp_traverse
はガベージコレクションをサポートするオブジェクトのみが実装しており、ここで取得できるオブジェクトは循環参照の一部となる可能性のあるオブジェクトのみです。従って、例えば整数オブジェクトが直接到達可能であっても、このオブジェクトは戻り値には含まれません。引数
objs
を指定して 監査イベントgc.get_referents
を送出します。
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gc.
is_tracked
(obj)¶ obj
がガベージコレクタに管理されていたらTrue
を返し、それ以外の場合はFalse
を返します。 一般的なルールとして、アトミックな (訳注: 他のオブジェクトを参照しないで単一で値を表す型。 int や str など) 型のインスタンスは管理されず、それ以外の型 (コンテナ型、ユーザー定義型など) のインスタンスは管理されます。 しかし、いくつかの型では専用の最適化を行い、シンプルなインスタンスの場合に GCのオーバーヘッドを減らしています。 (例: 全ての key と value がアトミック型の値である dict)>>> gc.is_tracked(0) False >>> gc.is_tracked("a") False >>> gc.is_tracked([]) True >>> gc.is_tracked({}) False >>> gc.is_tracked({"a": 1}) False >>> gc.is_tracked({"a": []}) True
バージョン 3.1 で追加.
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gc.
is_finalized
(obj)¶ Returns
True
if the given object has been finalized by the garbage collector,False
otherwise.>>> x = None >>> class Lazarus: ... def __del__(self): ... global x ... x = self ... >>> lazarus = Lazarus() >>> gc.is_finalized(lazarus) False >>> del lazarus >>> gc.is_finalized(x) True
バージョン 3.9 で追加.
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gc.
freeze
()¶ Freeze all the objects tracked by gc - move them to a permanent generation and ignore all the future collections. This can be used before a POSIX fork() call to make the gc copy-on-write friendly or to speed up collection. Also collection before a POSIX fork() call may free pages for future allocation which can cause copy-on-write too so it's advised to disable gc in parent process and freeze before fork and enable gc in child process.
バージョン 3.7 で追加.
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gc.
unfreeze
()¶ Permanent世代領域にあるオブジェクトを解凍します。つまり、最も古い世代へ戻します。
バージョン 3.7 で追加.
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gc.
get_freeze_count
()¶ Permanent世代領域にあるオブジェクトの数を返します。
バージョン 3.7 で追加.
以下の変数は読み出し専用アクセスのために提供されています。(この変数を操作することはできますが、その値は記憶されません):
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gc.
garbage
¶ 到達不能であることが検出されたが、解放する事ができないオブジェクトのリスト(回収不能オブジェクト)。Python 3.4 からは、
NULL
でないtp_del
スロットを持つ C 拡張型のインスタンスを使っている場合を除き、このリストはほとんど常に空であるはずです。DEBUG_SAVEALL
が設定されている場合、全ての到達不能オブジェクトは解放されずにこのリストに格納されます。バージョン 3.2 で変更: インタプリタシャットダウン 時にこのリストが空でない場合、(デフォルトでは黙りますが)
ResourceWarning
が発行されます。DEBUG_UNCOLLECTABLE
がセットされていると、加えて回収不能オブジェクトを出力します。バージョン 3.4 で変更: PEP 442 に従い、
__del__()
メソッドを持つオブジェクトはもうgc.garbage
に行き着くことはありません。
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gc.
callbacks
¶ ガベージコレクタの起動前と終了後に呼び出されるコールバック関数のリスト。コールバックは phase と info の2つの引数で呼び出されます。
phase は以下 2 つのいずれかです:
"start": ガベージコレクションを始めます。
"stop": ガベージコレクションが終了しました。
info はコールバックに付加情報を提供する辞書です。現在のところ以下のキーが定義されています:
"generation": 回収される最も古い世代。
"collected": phase が "stop" のとき、正常に回収されたオブジェクトの数。
"uncollectable": phase が "stop" のとき、回収出来ずに
garbage
リストに入れられたオブジェクトの数。アプリケーションは自身のコールバックをこのリストに追加出来ます。基本的なユースケースは以下のようなものでしょう:
世代が回収される頻度やガベージコレクションにかかった時間の長さといった、ガベージコレクションの統計情報を集めます。
garbage
に回収できない独自の型のオブジェクトが現れたとき、アプリケーションがそれらを特定し消去できるようにする。バージョン 3.3 で追加.
以下は set_debug()
に指定することのできる定数です:
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gc.
DEBUG_STATS
¶ 検出中に統計情報を出力します。この情報は、検出頻度を最適化する際に有益です。
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gc.
DEBUG_COLLECTABLE
¶ 見つかった回収可能オブジェクトの情報を出力します。
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gc.
DEBUG_UNCOLLECTABLE
¶ 見つかった回収不能オブジェクト(到達不能だが、ガベージコレクションで解放する事ができないオブジェクト)の情報を出力します。回収不能オブジェクトは、
garbage
リストに追加されます。バージョン 3.2 で変更: インタプリタシャットダウン 時に
garbage
リストが空でない場合に、その中身の出力も行います。
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gc.
DEBUG_SAVEALL
¶ 設定されている場合、全ての到達不能オブジェクトは解放されずに garbage に追加されます。これはプログラムのメモリリークをデバッグするときに便利です。
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gc.
DEBUG_LEAK
¶ プログラムのメモリリークをデバッグするときに指定します(
DEBUG_COLLECTABLE | DEBUG_UNCOLLECTABLE | DEBUG_SAVEALL
と同じ)。