数値型プロトコル (number protocol)

int PyNumber_Check(PyObject *o)

オブジェクト o が数値型プロトコルを提供している場合に 1 を返し、そうでないときには偽を返します。この関数呼び出しは常に成功します。

PyObject* PyNumber_Add(PyObject *o1, PyObject *o2)
Return value: New reference.

成功すると o1o2 を加算した結果を返し、失敗すると NULL を返します。Python の式 o1 + o2 と同じです。

PyObject* PyNumber_Subtract(PyObject *o1, PyObject *o2)
Return value: New reference.

成功すると o1 から o2 を減算した結果を返し、失敗すると NULL を返します。Python の式 o1 - o2 と同じです。

PyObject* PyNumber_Multiply(PyObject *o1, PyObject *o2)
Return value: New reference.

成功すると o1o2 を乗算した結果を返し、失敗すると NULL を返します。Python の式 o1 * o2 と同じです。

PyObject* PyNumber_Divide(PyObject *o1, PyObject *o2)
Return value: New reference.

成功すると o1o2 で除算した結果を返し, 失敗すると NULL を返します。 Python の式 o1 / o2 と同じです。

PyObject* PyNumber_FloorDivide(PyObject *o1, PyObject *o2)
Return value: New reference.

成功すると o1o2 で除算した切捨て値を返し、失敗すると NULL を返します。"旧仕様の" 整数間での除算と同じです。

バージョン 2.2 で追加.

PyObject* PyNumber_TrueDivide(PyObject *o1, PyObject *o2)
Return value: New reference.

成功すると、数学的な o1o2 による除算値に対する妥当な近似 (reasonable approximation) を返し、失敗すると NULL を返します。全ての実数を 2 を基数として表現するのは不可能なため、二進の浮動小数点数は "近似値" しか表現できません。このため、戻り値も近似になります。この関数に二つの整数を渡した際、浮動小数点の値を返すことがあります。

バージョン 2.2 で追加.

PyObject* PyNumber_Remainder(PyObject *o1, PyObject *o2)
Return value: New reference.

成功すると o1o2 で除算した剰余を返し、失敗すると NULL を返します。Python の式 o1 % o2 と同じです。

PyObject* PyNumber_Divmod(PyObject *o1, PyObject *o2)
Return value: New reference.

組み込み関数 divmod() を参照してください。失敗すると NULL を返します。 Python の式 divmod(o1, o2) と同じです。

PyObject* PyNumber_Power(PyObject *o1, PyObject *o2, PyObject *o3)
Return value: New reference.

組み込み関数 pow() を参照してください。失敗すると NULL を返します。 Python の式 pow(o1, o2, o3) と同じです。 o3 はオプションです。 o3 を無視させたいなら、 Py_None を入れてください (o3NULL を渡すと、不正なメモリアクセスを引き起こすことがあります)。

PyObject* PyNumber_Negative(PyObject *o)
Return value: New reference.

成功すると o の符号反転を返し、失敗すると NULL を返します。Python の式 -o と同じです。

PyObject* PyNumber_Positive(PyObject *o)
Return value: New reference.

成功すると o を返し、失敗すると NULL を返します。Python の式 +o と同じです。

PyObject* PyNumber_Absolute(PyObject *o)
Return value: New reference.

成功すると o の絶対値を返し、失敗すると NULL を返します。Python の式 abs(o) と同じです。

PyObject* PyNumber_Invert(PyObject *o)
Return value: New reference.

成功すると o のビット単位反転 (bitwise negation) を返し、失敗すると NULL を返します。Python の式 ~o と同じです。

PyObject* PyNumber_Lshift(PyObject *o1, PyObject *o2)
Return value: New reference.

成功すると o1o2 だけ左シフトした結果を返し、失敗すると NULL を返します。Python の式 o1 << o2 と同じです。

PyObject* PyNumber_Rshift(PyObject *o1, PyObject *o2)
Return value: New reference.

成功すると o1o2 だけ右シフトした結果を返し、失敗すると NULL を返します。Python の式 o1 >> o2 と同じです。

PyObject* PyNumber_And(PyObject *o1, PyObject *o2)
Return value: New reference.

成功すると o1o2 の "ビット単位論理積 (bitwise and)" を返し、失敗すると NULL を返します。Python の式 o1 & o2 と同じです。

PyObject* PyNumber_Xor(PyObject *o1, PyObject *o2)
Return value: New reference.

成功すると o1o2 の "ビット単位排他的論理和 (bitwise exclusive or)" を返し、失敗すると NULL を返します。Python の式 o1 ^ o2 と同じです。

PyObject* PyNumber_Or(PyObject *o1, PyObject *o2)
Return value: New reference.

成功すると o1o2 の "ビット単位論理和 (bitwise or)" を返し失敗すると NULL を返します。Python の式 o1 | o2 と同じです。

PyObject* PyNumber_InPlaceAdd(PyObject *o1, PyObject *o2)
Return value: New reference.

成功すると o1o2 を加算した結果を返し、失敗すると NULL を返します。o1in-place 演算をサポートする場合、in-place 演算を行います。Python の文 o1 += o2 と同じです。

PyObject* PyNumber_InPlaceSubtract(PyObject *o1, PyObject *o2)
Return value: New reference.

成功すると o1 から o2 を減算した結果を返し、失敗すると NULL を返します。o1in-place 演算をサポートする場合、in-place 演算を行います。Python の文 o1 -= o2 と同じです。

PyObject* PyNumber_InPlaceMultiply(PyObject *o1, PyObject *o2)
Return value: New reference.

成功すると o1o2 を乗算した結果を返し、失敗すると NULL を返します。o1in-place 演算をサポートする場合、in-place 演算を行います。Python の文 o1 *= o2 と同じです。

PyObject* PyNumber_InPlaceDivide(PyObject *o1, PyObject *o2)
Return value: New reference.

成功すると o1o2 で除算した結果を返し, 失敗すると NULL を返します。 o1in-place 演算をサポートする場合、in-place 演算を行います。 Python の文 o1 /= o2 と同じです。

PyObject* PyNumber_InPlaceFloorDivide(PyObject *o1, PyObject *o2)
Return value: New reference.

成功すると o1o2 で除算した切捨て値を返し、失敗すると NULL を返します。o1in-place 演算をサポートする場合、in-place 演算を行います。Python の文 o1 //= o2 と同じです。

バージョン 2.2 で追加.

PyObject* PyNumber_InPlaceTrueDivide(PyObject *o1, PyObject *o2)
Return value: New reference.

成功すると、数学的な o1o2 による除算値に対する妥当な近似 (reasonable approximation) を返し、失敗すると NULL を返します。全ての実数を 2 を基数として表現するのは不可能なため、二進の浮動小数点数は "近似値" しか表現できません。このため、戻り値も近似になります。この関数に二つの整数を渡した際、浮動小数点の値を返すことがあります。o1in-place 演算をサポートする場合、in-place 演算を行います。

バージョン 2.2 で追加.

PyObject* PyNumber_InPlaceRemainder(PyObject *o1, PyObject *o2)
Return value: New reference.

成功すると o1o2 で除算した剰余を返し、, 失敗すると NULL を返します。o1in-place 演算をサポートする場合、in-place 演算を行います。Python の文 o1 %= o2 と同じです。

PyObject* PyNumber_InPlacePower(PyObject *o1, PyObject *o2, PyObject *o3)
Return value: New reference.

組み込み関数 pow() を参照してください。失敗すると NULL を返します。 o1in-place 演算をサポートする場合、in-place 演算を行います。この関数は o3Py_None の場合は Python 文 o1 **= o2 と同じで、それ以外の場合は pow(o1, o2, o3) の in-place 版です。 o3 を無視させたいなら、 Py_None を入れてください (o3NULL を渡すと、不正なメモリアクセスを引き起こすことがあります)。

PyObject* PyNumber_InPlaceLshift(PyObject *o1, PyObject *o2)
Return value: New reference.

成功すると o1o2 だけ左シフトした結果を返し、失敗すると NULL を返します。o1in-place 演算をサポートする場合、in-place 演算を行います。Python の文 o1 <<= o2 と同じです。

PyObject* PyNumber_InPlaceRshift(PyObject *o1, PyObject *o2)
Return value: New reference.

成功すると o1o2 だけ右シフトした結果を返し、失敗すると NULL を返します。o1in-place 演算をサポートする場合、in-place 演算を行います。Python の文 o1 >>= o2 と同じです。

PyObject* PyNumber_InPlaceAnd(PyObject *o1, PyObject *o2)
Return value: New reference.

成功すると o1o2 の "ビット単位論理積 (bitwise and)" を返し、失敗すると NULL を返します。o1in-place 演算をサポートする場合、in-place 演算を行います。Python の文 o1 &= o2 と同じです。

PyObject* PyNumber_InPlaceXor(PyObject *o1, PyObject *o2)
Return value: New reference.

成功すると o1o2 の "ビット単位排他的論理和 (bitwise exclusive or)" を返し、失敗すると NULL を返します。o1in-place 演算をサポートする場合、in-place 演算を行います。Python の文 o1 ^= o2 と同じです。

PyObject* PyNumber_InPlaceOr(PyObject *o1, PyObject *o2)
Return value: New reference.

成功すると o1o2 の "ビット単位論理和 (bitwise or)" を返し失敗すると NULL を返します。o1in-place 演算をサポートする場合、in-place 演算を行います。Python の文 o1 |= o2 と同じです。

int PyNumber_Coerce(PyObject **p1, PyObject **p2)

この関数は PyObject* 型の二つの変数のアドレスを引数にとります。 *p1*p2 が指すオブジェクトが同じ型の場合、それぞれの参照カウントをインクリメントして 0 (成功) を返します。オブジェクトを変換して共通の数値型にできる場合、 *p1*p2 を変換後の値に置き換えて (参照カウントを '新しく' して) 、 0 を返します。変換が不可能な場合や、その他何らかのエラーが生じた場合、 -1 (失敗) を返し、参照カウントをインクリメントしません。 PyNumber_Coerce(&o1, &o2) の呼び出しは Python 文 o1, o2 = coerce(o1, o2) と同じです。

int PyNumber_CoerceEx(PyObject **p1, PyObject **p2)

この関数は PyNumber_Coerce() と似ていますが、変換が失敗た場合にはエラーを発生させず、 1 (訳注: -1 の間違いではありません、 1 です) を返します。この場合、参照カウントはインクリメントされません。

PyObject* PyNumber_Int(PyObject *o)
Return value: New reference.

成功すると o を整数に変換したものを返し、失敗すると NULL を返します。引数の値が整数の範囲外の場合、長整数を代わりに返します。 Python の式 int(o) と同じです。

PyObject* PyNumber_Long(PyObject *o)
Return value: New reference.

成功すると o を長整数に変換したものを返し、失敗すると NULL を返します。 Python の式 long(o) と同じです。

PyObject* PyNumber_Float(PyObject *o)
Return value: New reference.

成功すると o を浮動小数点数に変換したものを返し、失敗すると NULL を返します。Python の式 float(o) と同じです。

PyObject* PyNumber_Index(PyObject *o)

o を Python の int もしくは long 型に変換し、成功したらその値を返します。失敗すると NULL が返され、 TypeError 例外が送出されます。

バージョン 2.5 で追加.

PyObject* PyNumber_ToBase(PyObject *n, int base)

整数 n を、基数 base 進数の文字列に変換し、適切であれば '0b', '0o', '0x' の基数マーカーをつけます。 base が 2, 8, 10, 16 のいずれでも無い場合、フォーマットは x を基数として 'x#num' となります。もし n が整数オブジェクトでない場合、まず PyNumber_Index() を使って変換されます。

バージョン 2.6 で追加.

Py_ssize_t PyNumber_AsSsize_t(PyObject *o, PyObject *exc)

o を整数として解釈可能だった場合、Py_ssize_t 型の値に変換して返します。もし o がPython の int もしくは long に変換できたのに、 Py_ssize_t への変換が OverflowError になる場合は、 exc 引数で渡された型 (普通は IndexErrorOverflowError) の例外を送出します。もし、 excNULL なら、例外はクリアされて、値が負の場合は PY_SSIZE_T_MIN へ、正の場合は PY_SSIZE_T_MAX へと制限されます。

バージョン 2.5 で追加.

int PyIndex_Check(PyObject *o)

o がインデックス整数である場合 (tp_as_number構造体のnb_indexスロットが埋まっている場合) に 1 を返し、そうでない場合に 0 を返します。

バージョン 2.5 で追加.